冬企画2016-2017
特別賞結果発表

読者が選ぶ作品賞

ロボ娘
たくさんの作品を読んだ読者から作品に対して贈られる賞だロボ!
気に入った、波長が合った、シンクロしたなどなど、読者が個人的に選んだ作品へ。
読者が選ぶ作品賞 | 作者が選ぶ感想人賞
運営が選ぶテーマ賞
つとむュー賞
セクシーシューター〜乙女の喘ぎ〜(跡地化しました♡)(作:筋肉バッカ)
異能のアイディアが良かったと思います。全く役に立たない能力なのに、主人公の心を強く揺さぶる力、というのがとても気に入りました。自分がこんな能力を持っていたらどうしよう♡、と想像してしまいました。
へろりん賞
まっすぐ(な線をひく)少女(作:燕小太郎)
今企画の中で、一番好きな作品でした。

内気な主人公日景さんのちょっと仕草から、まっすぐになろうとする心の変化まで、丁寧に描かれていました。

実は、これ絶対に薄荷さんの作品だと思っていたですが、大外れでした。
まさか、燕小太郎さんの作品だったとは、発表を見てビックリでした。

今までの燕小太郎さんの作品から考えると新機軸のように感じました。
心情を丁寧に描いたという意味では『365日目の喪失』に近いでしょうか。
でも、突飛な設定ではなく、日常の学園生活における心情変化、主人公の成長に焦点を絞ったという点で、やはり新機軸ですね。

そして、また企画で燕小太郎さんの作品が読めたことをうれしく思います。
公募用作品の執筆もがんばってください。
応援しています。
青出賞
Primavera(作:とおせんぼ係)
題材、雰囲気が自分的にツボです。特に冒頭と終わりの宇宙のシーンは静謐で美しく、心に残りました。意味深な題名も内容とリンクしているような、そうでないような……不思議な魅力があります。
[投稿者削除]賞
小さな異能:近未来のヒラ社員の場合(作:朱鷺(とき))
 点数ランキングでは低位ですね。私も感想を書きはしましたが、零点以下ではないものの、高い評価点は入れておりません。

 じゃあなんでこの作品を選ぶんだよ、ということになりますが、この作品を読んで、しかもしばらくしてから思うところが出てきたのです。
 私自身、できるだけ多くの人に読まれ、多くの人から高評価を得たいと思っていたんですが、「小さな異能:近未来のヒラ社員の場合」から湧いてきたのは、「ニッチもいいんじゃないか」というものです。

 この作品は、作者さんの執筆意図をまだお伺いしていない今の段階で申し上げてですが、結果的に作品が扱っている技術内容でいろいろ想像できて楽しめると感じます。
 楽しめるはずの各種要素が書き切れているとは申しません(すみません)。でも、仮に、たとえ少数でも、楽しめる人はとびきり楽しめるものになり得る可能性を強く感じます。分かる人に分かればいい、狭く深くでもいい。

 そういうことを、拝読して時間が経ってから、じわじわと感じるようになりました。ですので、一つ選ぶということになると、この「小さな異能:近未来のヒラ社員の場合」だなあ、こちらもある種の迷妄から目を覚ましてもらえそうだし、と今は迷わず思えます。
筋肉バッカ賞
魔法少女は星くずの中で【跡地化しました】(作:たかセカンド)
今企画のなかで一番心に残りました。
上村夏樹賞
魔法少女は星くずの中で【跡地化しました】(作:たかセカンド)
どんなに心ない言葉を浴びせられても、どんなに悪意を向けられても、笑顔を絶やさず、夢と希望を与えてくれる魔法少女、茜。作中ではヒロインかもしれませんが、彼女は私にとってヒーローです。

孝之と茜の姉弟愛も見どころの一つですが、一番の見どころは、やはり舞台後のシーンでしょう。あの場面は涙なくして語れません。私が読んだ企画作品の中で、間違いなく一番の名シーンでした。

たかセカンドさん、素敵な物語をありがとう!
あまくさ賞
小さな異能:近未来のヒラ社員の場合(作:朱鷺(とき))
ライトなSF性とエンタメ性がマッチしたストーリーで、SFというジャンルの中では個人的にこういうのが一番好きです(ハインラインのファン)。

執筆時間のためか全体に駆け足になっていて、現状では何が起こっているのか分かりにくいのは否めません。期間中に感想を書かなかったのはそのせいだったのですが、じっくり読み返してみて印象がアップしました。
SF好きの一人からの応援です。
03ほも賞
拾われ執事とマスカレード(作:壊れかけのRadio体操第一)
個人的には主人公・フランコに今企画の最優秀主人公賞をあげたいです。
プチ変換(作:つとむュー)
最もユニークなお題の使い方でした。お見事。
朱鷺(とき)賞
拾われ執事とマスカレード(作:壊れかけのRadio体操第一)
 授賞理由は、今回拝読した十一作品の中で一番ライトノベル度が高い作品だったからです。

 冒頭はマスカレードと名乗る仮面の男と、がたいのいい十三人のマフィアの対決から始まります。
 仮面の男に十三人のマフィアは恐れ震え助命をします。しかし十三人全員の心臓を仮面の男のナイフが一瞬で貫通します。

 冒頭の状況を解説します。
 マフィアは犯罪行為や汚れ仕事をする。しかし、それは一族を存続させるための必要悪です。
 イタリアはローマ教皇の威光が強いので、裏社会に生きるマフィアも敬虔なキリスト教徒です。マフィアは人を殺めるごとに深く心から懺悔して神に許しを乞います。
 自分たちがまだ生きているのは、神が自分たちの罪をお許しになられているから、そう信じてマフィアたちは日々を過ごしています。
 だからマフィアは殺す相手への敬意と、自分が死ぬときの死に装束の意味をこめ、正装で「仕事」に臨みます。
 自分よりも強い相手に出会って殺される瞬間でも、一族の誇りを胸に相手に立ち向かって息を引き取る、それがマフィアの矜持(プライド)です。
 そのマフィアが恐怖し怯え助命を嘆願してる。
 仮面の男の振る舞いが魔術めいていることが強く暗示されます。
 魔術とは悪魔との契約で得られた力の現れです。神が決して許すことのない邪悪な技です。
 その悪魔の技を仮面の男が振るっている。
「悪魔の化身が目の前にいる。ああ、神は我らを見捨てたもうた! いま殺されれば行く先は地獄に決まってる」
 その絶望と恐怖がマフィアを怯えさせ震えさせているのです。
 だからプライドの高いマフィアが次のように言うのです。
「頼む! 悪かった、悪かったから……命だけは助けてください……」
 また、十三人の一斉射撃が仮面の男に当たらないことや、一瞬で十三人全員の心臓を、仮面の男のナイフが貫通することも、仮面の男が魔術めいてることを示しています。

 次の舞台は、アリーチェお嬢様のいるアリエッティ家のお屋敷です。
 お屋敷の外部は煉瓦造りで内部には高価な白大理石がふんだんに使われており高価な絵画や美しい彫刻があちこちに飾られています。
 長年、蝋燭に照らされ続けた白大理石は、今では高貴な黄金の色、美しい黄昏の色を放っています。
 お屋敷は大きく、廊下が広いので、明かりの反射が届かない隅々には何が潜んでいても不思議のない深い闇が生じています。
 このお屋敷を舞台としてマスカレードと名乗る仮面の男が活躍します。
 マスカレードとは仮面劇、仮面舞踏会を意味しています。
 マスカレードがふり向くたびに、その仮面は快傑ゾロの黒マスクから仮面舞踏会の白いマスクへと変化します。明かりを浴び、闇をくぐり抜ける間に道化師の仮面から悪魔の仮面へと次々と華麗に変化してゆきます。
 これらはすべてアリーチェお嬢様を楽しませるためです。

 さて、作者コメントを読んでみましょう。
「話のテンポの良さを重視して、各キャラクターの服装や部屋の内装等の説明は全カット、考えてみれば執事なんて性別の説明すらも省いてます」
 解説で述べたことは読者が作品を読む際に浮かべていたイメージの一例です。
 作品を読んでいる間は、描写が省かれてることにまったく気が付きませんでした。ただ気持ちよくテンポよく読み進みました。

 ライトノベルは軽い(ライト)ことが必須です。朱鷺(とき)は個人的に明るい(ライト)ことも大切と考えてます。
 テンポの良さ、軽さ、明るさの三点で評価するとき、本作は今回拝読した十一作品の中で一番ライトノベル度が高い作品と評価いたしました。
 よって、朱鷺(とき)作品賞を贈呈いたします。
 読んで楽しい作品を執筆していただき本当に有難うございました。
たかセカンド賞
クランデーロのチェコ(作:東湖)
ストーリー上、気になる所もありましたが、キャラクターや世界観など非常に好みでした。異世界で精いっぱい生きるチェコの物語をもっと読んでみたいです。
プチ変換(作:つとむュー)
言葉の変換に感心しきりの一作でした。掌編として非常に満足でき、楽しませていただきました。
***この作品は削除されました***(作:[投稿者削除])
自分の実力では意見を言うのもはばかられるほど完成した一作だと思います。江戸の情景や、絵の躍動感など頭に浮かんでくるようでした。
たてばん賞
その魔術師は【跡地化】されました(作:へろりん)
***コメントはありません***
ルピア湖畔の巫女 ~ヴェレダの歌~(作:w)
***コメントはありません***
覆面作家『****』の殺人(跡地化しました)(作:北斗)
***コメントはありません***
燕小太郎賞
ゴールデン・エイジ(跡地化)(作:青出)
 アホっぽい要素の多い物語なのに、意外なほどストーリーもキャラクターもできていて、意外なほど面白かったです。意外性ナンバーワンかもしれません。尻上がりに面白くなるお話でした。
※跡地化しました(作:03ほも)
 とにかく面白かったです。濃いキャラクター、くすっと笑える会話、山場とオチがしっかりついたストーリーなど、個性を出しつつ基本を崩さない、理想的なラノベだと思いました。
『Vergiss mein nicht……』(作:ハイ)
 若干やさぐれたようなヒロインが好きでした。起承転結の作り方も上手く、ストーリーとキャラクターがしっかりしたお話です。主人公である彼女を軸にした、また別の物語も読んでみたいと思いました。
ハイ賞
世界って素晴らしく、戦う価値がある、圭はその意見に……(作:かもめ)
遠慮のなく、なおかつどこかに需要がありそうな退廃感が良かったです。
文章は今後に期待しています。
冷たいマリオネット(跡地化)(作:花火)
つまり、百合です。
プチ変換(作:つとむュー)
作者さんの性癖。
東湖賞
まっすぐ(な線をひく)少女(作:燕小太郎)
じ、じい、時間がなくてすみません!
私は、こちら!
たぬき賞
【跡地】バベルからの手紙(作:羽田)
一番好みだったので。
コボルトスキー303賞
覆面作家『****』の殺人(跡地化しました)(作:北斗)
今回の特別賞はかなり悩みました。1位から3位まで1万2千点台というかなり僅差のスコアで、また10位に入らなかった方の作品にも個性が光るものが多く、どれにしようか決めかねましたが、結果的に北斗さんの「覆面作家『****』の殺人」に決定しました。
理由は如何。個人的に好きな異能でチョイスしました。主人公の「その人の読書歴と欲しい本がわかる」能力はずいぶんと使い勝手がよく、様々なシチュエーションで利用できそうなのがGOODです。また感想にも書きましたが、ここなし心の『犯人になりたがる症候群』は良い意味でトラブルメーカーとしての役割を果たしました。
茉莉花賞
聞こえるあいつは、そばにいる!(作:ビービー)
ゴキブリと会話ができるという一見マイナスの異能を扱いながらも、そこから人種差別や命の軽重まで扱った、その発想の柔軟さと筆力の高さが素晴らしかったです。
覆面作家『****』の殺人(跡地化しました)(作:北斗)
キャラクターが抜群に良かったです。
いわゆるバカミスとしてミステリが苦手な人でも楽しめる作品になっていたなと思いました。
※跡地化しました(作:03ほも)
インフルエンザウイルスのそれぞれのキャラクターがとても楽しかったです。
小さな異能でしたが、それを使って物語がうまく展開されていて非常に好きでした。

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