掌編企画【お題:青】
特別賞結果発表

読者が選ぶ作品賞

ロボ娘
たくさんの作品を読んだ読者から作品に対して贈られる賞だロボ!
気に入った、波長が合った、シンクロしたなどなど、読者が個人的に選考した作品へ。
読者が選ぶ作品賞 | 作者が選ぶ感想人賞
みんなが選ぶキャラクター賞
つとむュー賞
トカゲの尻尾と蛇の抜け殻(作:翔変企画)
トカゲの尻尾で『青』を表現した作品でした。切れた尻尾を飼おうとしたエピソードが印象的で、蛇の抜け殻に繋がるところが良かったです
Hiro賞
理論上、ミチル企画で高得点を取る方法(作:03ほも)
丁寧に考えられた作品だったので、上位に食い込めなかったのはとても残念でした。
粘膜王女三世賞
蒼界のドラ(作:Hiro)
 ラノベってなんぞやっていう質問に対する答え方として、「あなたがラノベと思ったものがラノベだけど理解を得られるとは限らないよ」という如何にも日和っててそれでいて反論の難しい答え方があるが、でもやっぱりこれって何も答えになっていないと感じる訳で、そうした中でじゃあ「私」がラノベと思うものが何かって話をすると、結局ラノベって「ジャンル」であると同時にどこまで行っても「売り出し方」なんだろうなって思うところがあって、つまり「ラノベ」って言葉を聞いて読みたがる人達が喜ぶような内容になっていれば女児がおっさんのうんこを食べる小説であってもラノベな訳で、そういう意味ではこんなんラノベを読む層にしか分からない類の作品の典型例のように感じるところな訳で、その根拠としては「日常に不満を覚える主人公が美少女(?)との出会いによって非日常へと導かれる」というフォーマットがまんまラノベだと思うからなのだが、でもそういう日常→非日常の文法自体案外化石化してしまっているのかなという葛藤もアリ、でも一時代を築いたのなら今の若い人にも結局は刺さるんじゃないかなとも信じたい気持ちもあるところで、というか刺さると思っていて、特に良いなと思うのが「日常が破られる」というのはどれだけその「日常」が暗くて陰鬱なものであってもある種の破滅・破綻に他ならず、どちらかというまでもなく恐ろしくおぞましく危険なものであり、それを招き寄せる存在はどこか不気味さをまとっている者だという個人的な見解をこの上なく満たした作品であるからという部分なんですが、そもそもラノベというのは「ライト(軽い)」という言葉を孕んでいつつもそれはその言葉が作られた時代のいわゆる若者文化・オタク文化を取り入れた作風として確立するに当たってそうしたものが一段軽薄なものと捉えられていたからで、逆に言えば当時の人達が高尚で「軽くない・ライトでない」作風と信じるものから外れるものはミステリでもSFでもどんなジャンルでもライトノベル足りえるものがあり、ラノベだから暗いのはダメ混沌としたのはダメ狂気を孕むのはダメというのは完全に的外れであることはいわゆるメフィストファウスト系のラノベの存在を持ち出すまでもなく明らかであり、舞城とか佐藤とか奈須とかせめて西尾くらいは履修しとけって自他問わず様々な作品に付けられる感想を読みながらいつも思うし、そもそもラノベを読むような若者の心は常に鬱屈と混沌と暗闇を抱えているもので、そこに寄り添うことを狙うのはラノベとしてはごく当たり前のことであるからして、仮にそうした要素を個人的に嫌うのだとしても、ラノベ作法研究所に端を発する企画である以上嫌う側の人間の方がマイノリティ、とまで言わずとも自身の正当さ正常さマジョリティさを掲げる方がある種の傲慢な訳で、良さを理解できない己自身の感性にどこか限界があるのだと知るべきで、もちろん何を好もうが自由だしそれを変える必要はないけれど、でも評価という行いをするにあたってさも自慢げに「この作風は人を選ぶから」というのを正義の剣かのように振り回そうというのなら、それが鈍らであることを知るのがある種の謙虚さであり、そうした無知蒙昧な読者がもしいるとすれば確かに言っておきたいのは、この「蒼界のドラ」程「ラノベらしいラノベ」「ラノベを愛する者に刺さるラノベ」はないのだという一点で、筆力も十分なことなどからもこの作品は優勝或いはそれに準ずる成績を受けねばならず、それが果たされないのは何とも嘆かわしく悲しく理不尽なものだと頭を抱える限りであり、この文章を読んでいる親愛なる企画参加者一同についてはただちにこの作品を読了し、この作品にて描かれるようなある種の露悪主義劣悪主義最悪主義こそ、繊細かつ不安定・あるいは破綻して破滅しきっている若者の心情に真に寄り添え、真に揺さ振り得るのだということをたちどころに理解し、賞賛の言葉を述べることこそが、己が痴愚魯鈍無知蒙昧無教養白雉たる恥ずべき批評者でないことを示す唯一の道であると心得るべきで、そういう意味では感想投稿期間中にこの作品に目を付け感想を描いた自分を除く四名の感想者はいずれも高い審美眼により的確な評価をこの作品に下し、適切な感想文にてこの作品を表したことは、彼らの付けた点数感想を描いた順番感想文の内容に限らず明らかであり、そのすべてを熟読した私としても敬意を払うものではあるが、尚「感想投稿期間中に」と書いたが今は感想投稿期間が終わった直後の段階であり、この後にもし何らかの感想を描いた者がいたとして意図してその人物を外して貶めると言った狙いはないものであることをここに捕捉せねばならないのだが、とにかく言えることは今一度真に優れたラノベ・求められるラノベとは何かというのを立ち返る必要が今企画の参加者一同及びすべてのラノベを愛する者にはあり、その為にまず一読してその良さを再認識せねばならない作品こそが、この「蒼界のドラ」という類まれなる大傑作であることは言うまでもありません。
 面白い作品でした。
03ほも賞
地下帝国のブルー・フィルム(作:朱鷺(とき))
アイデアはとても好みでした。
赤木賞
完全なる密室殺人(作:庵(いおり))
ショートショートとしてのクオリティは非常に高いと感じた作品。オチはトリックでもなんでもない超力技でしたが、面白かったです。
桝多部とある賞
蒼界のドラ(作:Hiro)
登場人物の屑っぷりがステキ。感想つかなかったのがあまりにも惜しい。
kanegon賞
理論上、ミチル企画で高得点を取る方法(作:03ほも)
感想でも書いたけど、全作品に目を通した中で本作品が最も面白かったし、印象に残りました。時事ネタとメタネタの扱い方も良く、青二才というお題の消化もオチもうまくハマっていました。登場するキャラの二人が強い個性を持っていました。
最初に出てきた、合計70点。平均点10点。感想人数7人。順位――23人中21位、っていう設定がまた絶妙ですよね。確かに平均10点くらいの作品だとこれくらいの順位になるだろうし。
作品賞という観点からは『蒼界のドラ』も尖ったムナクソ悪さでとても良かったのですが、趣旨的にいって感想を書いた作品の中から選んだ方がベターかなと思ったので『理論上、ミチル企画で高得点を取る方法』をチョイスさせていただきます。
夜月賞
完全なる密室殺人(作:庵(いおり))
これぞショートショートの醍醐味!
燕小太郎賞
熱血中華料理人は高級ブランド野菜の夢を見るか(作:いさお)
 とても面白かったです。面白くなる書き方、小説の基本がしっかり守られていて、こういう風に書けば良いんだなと参考にしたい点がいくつもある、お手本のような作品だったと思いました。

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