【跡地化】【超長編】石曜日のダイアリー

Rev.03　枚数： 3 枚（ 840 文字）
<<一覧に戻る | 作者コメント | 感想・批評 | ページ最下部
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
kanegon

2023年12月30日 23時27分42秒 公開
■この作品の著作権は kanegon さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
作品は跡地化しました。
カクヨムに掲載し、第10回角川文庫キャラクター小説大賞に参加します。
応援よろしくおねがいします。
https://kakuyomu.jp/works/16818023213340642564

部屋の掃除を開始するのは気まぐれだ

◆タイトル：【超長編】石曜日のダイアリー
◆キャッチコピー：ワインは葡萄に戻れない
作者コメント：
冬企画開催おめでとうございます。待ちに待った長編企画なので、クオリティの高い力作が読めるのがとても楽しみです。

自作品に関しては、文章が読みやすい……までは行かなくても、せめて普通に読める文章になっているかどうかを確認するためだけに１２万字書いた作品です。感想では、文章が普通に読めたか、読みにくくなっていなかったか、についてほんの一言でも言及があるとありがたいです。

物語の内容は、異世界ファンタジーです。異世界ファンタジーの界隈では、本格論争が盛んなようですが、本作品は世界設定をある程度作り込むにはどうしたら良いかの実験的なものをあれこれ盛り込んでみました。
お楽しみいただけると幸いです。

2024年01月29日 07時57分46秒
 作者レス
  • 共通レスその３です。

    中学生でも理解できる語
    →たしかに読者対象を広くとる異世界ファンタジー作品としてならば、いわゆるなろう系文章に特化し、中学生でも理解できる語のみを使う感じで良かったかもしれません。そこまで徹底できなかったのは、自分の文章力不足だと思います。


    彼方のアストラ
    →十二国記は未読なのですが、彼方のアストラはアニメも視聴しましたし、コミックも全５巻読みました。あれって、根本はギャグマンガですよね。それをガチのＳＦ舞台でやっているだけで。主人公たちは未知の惑星を渡り歩きますので、故郷の惑星には居ないようなヘンテコな生物と遭遇します。ただ、それらの奴らって、その惑星に滞在している間だけしか登場しないのは明らかなので、覚える必要って無いと思います。ドラゴンみたいのが出てくるとか、そんな程度の認識でいいと思います。そいつらの名前にしても、主人公たちが識別のために仮につけている名前でしかなく、読者が覚える必要の無いものです。
    要は、作中に出てくる専門用語とかって、いちいち全部把握する必要は無いと思います。例えば、翻訳ものの海外小説や、明治の文豪の古典作品を読む時に、作中に出てくるワードを全部覚えながら読むかどうかです。ＳＦ作品としてのカラーを出すためのガジェットとか比喩表現とか、理解できなくても読み流したり、前後の文脈から大雑把な意味を推測できれば、物語を読み進むには支障は無いはずです。もちろん、考察的な楽しみ方をしたいとか、自分もＳＦ小説を書きたいのでそのための参考にしたいとかいうのであれば細かい部分も軽く流すことなくしっかりと読み込む必要は出てくるとは思われますけど。
    小説の書き手としての実力差があるのと同様に、小説（やマンガなど）を読む時の読者としての実力差というものも厳然と存在すると思います。その作品の本質を見抜く目があるかどうかもそうですが、作中に出てくる専門用語等が、物語を読み進める上で必要なものか、ただの飾りかを見抜いて取捨選択する能力もまた、読者としての実力の一端なのだと思います。もちろん１００％完璧に取捨選択できることはありませんが、少なくとも彼方のアストラの惑星の登場するヘンテコな生物たちは、労力を費やして把握する必要の無いものです。事実私も、ダルダルクラゲの触手、ムラサキマンダラの花も何一つ覚えていません。


    総合的反省点
    締め切りギリギリになって完成させるのが手一杯で、クオリティ的にはお察しになってしまった部分もありますが、それでも批評の俎上に載ったことにより、多くの収穫がありました。以下は自分メモみたいなものです。
    【異世界ファンタジー】作品としては、設定の作り込みや描写の厚さは、もちろんそこを評価していただいた部分もあるのはあるのですが、労力の大きさの割には効果は小さく、読者の好みによっては逆効果ですらある。いわゆるなろう系テンプレが主流、大正義であることの理由を体感できた。
    ただそれは、対象読者の間口を広く取るべき【異世界ファンタジー】作品としてのこと。【歴史もの】を書く場合はやや違うかなと思う。自分自身、歴史小説や、女性向け中華後宮ファンタジー作品などを読む時には、舞台の作り込み部分を楽しんで読んでいるし、そういう作り込みの部分こそが他作品との差別化箇所であるため。それこそ噂に聞くのですが、「参考文献を挙げているのは、マウンティングされているようで不快」みたいなことを言う人もいるらしいです。が、歴史物を書くにあたっては、そういう意見は気にする必要は無いと判断します。そういうことを言う人がいたとしても、それは対象読者ではないでしょうし。
    しかしいずれにせよ、設定や描写に対してストーリーが弱くてバランスが悪いと都合が良くないのは厳然たる事実なので、プロットを練る時にはストーリーを強くすることを念頭に置いてく必要があると痛感しました。歴史物はどうしても異世界ファンタジーよりも読者を激しく選ぶ、対象読者の間口が極めて狭く絞るものなので、尚更ストーリーの牽引力は必要でしょう。
    お気づきの方も多いとは思いますが、私は小説を書くのが、そんなに上手くはありません。
    別のところでたびたび言っていますが、小説家志望という人が仮に５０万人いるとしたら、上位２５万人の人は私よりも上手いと思います。逆に偉そうなことを言わせてもらえば、下位２５万人よりは自分の方が上手いとは思っています。
    そんな私がなろう系を書いたとしても、上位２５万人には勝てません。
    だったら、自分としてはそこまで書きたくはないなろう系を無理して書くよりは、自分の書きたいもの、自分しか書けないものを書くべきだ、と自分は考えます。
    創作界隈でよく言われるのが、「流行に乗るのではなく、自分で新たな流行の潮流を作り出せ」といったことです。さすがに自分で新たな潮流を作るのは難しいとは思いますが、一人一派として新たな需要を掘り起こす気概は持っていたいと思っています。

    長々と失礼致しました。共通レスはここまでです。個別レスはほんとうに形だけになります。


    E-Mail pass
2024年01月29日 07時56分54秒
 作者レス
  • 共通レスその２です。

    ヴァンサンの絵が世間に認められる気がしない
    →仰る通り、人間として勝負したからといってすぐに認められることは無いと思われます。ただし、史実のゴッホが生前認められなかったのとは違う要素として、義人人形であることを理由としての排斥であって、絵そのものが必ずしも否定されていない、というのがあります。また、史実のゴッホは認められる前に早死にしてしまいますが、本作品のヴァンサンは奇跡のおかげでせっかく人間になれたのだから、それなりに長生きするはずです。絵が売れるには本人の難しい性格がかなり邪魔しそうではありますが、それでも、晩年には売れる兆しを感じることはできるのでは、と思われます。いずれにせよイバラの道で、今後もさんざん悩んで苦しんで行くでしょうけど、義人人形だから、という本人の努力ではどうしようもない理不尽な理由で門前払いされることに比べれば、まだ頑張って行けるのではないかと考えられます。


    エリクサーと賢者の石の考え方
    賢者の石にエリクサーと厨二心をくすぐりまくる要素満載
    →これに関しては、実のところ、私が考えたオリジナルの設定ではありません。上で述べた通り、アッバース朝を舞台とした歴史小説を書きたいと構想しており、その準備として資料を読んでいるのですが、その中で『世界史の誕生とイスラーム』という書籍を読みまして、その中で述べられていることを丸まんま採用したものです。



    再生と新たな出発
    登場人物全員の目標が達成されているという完璧に近いハッピーエンドでした
    読者が「こうあって欲しい」という所に着地
    →たびたび言っていますが、バッドエンドは上級者向けで、それを面白く描くのはよほど上手い人で無いと厳しいとは思っています。とは言っても自分もかつての企画では、ヴァイキングを題材にした歴史小説で主人公がどんどん転落して何もかも失っていく、という話を書いたこともありますけど。
    本作品に関しては最初からハッピーエンドで終わらせるつもりでした。ヴァンサンについても、「敵キャラではあるけど報われて欲しい」と読者に思ってもらえるように書いたつもりです。
    テーマについては、ありがちではありますが、それでもやはり基本である、再生の物語です。そういう部分では、主人公マルトの要素が弱かったため、また史実のゴッホというキャラの強烈さがあるため、そのデフォルメキャラであるヴァンサンが最も目立つ形になってしまった部分はあります。


    カリエールのもとへ通えよ
    →仰る通りですね。その後、何回かダイアリーを連れて行ってみたけれど、入口を見つけられず、マルトがいらだちを募らせる、といった一文を入れておくべきでした。


    異端審問官がそんな悠長で良いのか
    →肩書きの異端審問官というネーミングが強すぎたかもしれません。作中に示した通り、中世の時点で異端はほとんど撲滅されており、異端審問官といっても日常的な仕事の内容はたまに説教といったところです。狙いをダイアリーに定めた後については、お題の「気まぐれ」の部分で、いつでも始めることができる部屋の掃除をいつ始めるかは気まぐれ次第だ、というところですが、お題消化の部分が弱かったかもしれません。それと、ヴァンサンもポールも、画家として季節の風景を描くことに重心があり、いつでもこなせるダイアリー訪問は後回しになっているという部分も、もっと早めに提示した方が良かったところです。


    普仏戦争
    →すぐお分かりだったとは思いますが、マルトが負傷した戦争は普仏戦争をモデルとしています。ただ、想定している作中の年代は、ゴッホがアルルに来た１８８８年です。といっても歴史小説ではないので、なんとなく１９世紀中頃から１８８８年くらいまでを漠然とイメージしたものです。普仏戦争の時期を１８８８年の直前に前倒しした感じです。







    『蒼穹のかなた』ですが、『はるかかなたの蒼穹には』の方が良いのでは
    →１２万字書いた中で、よりによってそこに注目しましたか。
    またか、と言われそうですが、その一文は、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメ２期１３話の挿入歌『Future Parade』の冒頭部分の歌詞「見上げた空の向こうへと鮮やかに伸びてくRainbow 」を意識して書いた部分でした。
    仰る通り、蒼穹は青空という意味で、空を半球形としてイメージしたものだと思います。だから正しさという観点では、蒼穹や空には「向こう」とか「彼方」とかは存在しません。もちろん現実には宇宙がありますが、ＳＦじゃないのでそこは考慮に入れません。虹ができる原理を考えれば、空の向こうへ Rainbowが伸びるはずがなく、必ず空のこちら側にRainbowはできています。ですが、この場合、そういう正しさが必要でしょうか。たとえば法律の条文であるとか、お役所の通知文書であるとか、学術論文であるとか、あるいは小説でも館モノのミステリーでの部屋割りの説明なんかは、正しくないとふさわしくないです。しかし、小説の情景描写は正しさを追求するものなのか。正しさよりも読者の想像力を刺激するものの方が良いのではないかと考えます。空の向こうへ虹が伸びていく方が、壮大さを感じることができます。作中で述べていますが、絵は写実的である必要は無く、どう描くかが問題です。文章もそれと同じで、写実的に描くだけではなく、読者の想像力の呼び水となるものの方が良いので、『蒼穹のかなた』で良いと自分は考えます。いかがでしょうか。


    ヴァンサンが真の主人公だったのではという印象もあります
    登場人物の中で一番インパクトがあったのはヴァンサンでした
    →１１話を書いている時点で（順番からいうと割と最初の方）、マルトよりもヴァンサンの方が印象が強くなるだろうなあとは思っていました。そこから序盤でマルトを強く印象づける書き方ができなかったのは力不足でした。理想を言えば、マルトが吟遊詩人を挫折した経緯の回想と苦悩をもっと早い段階、ぜいたくを言えば２話くらいで提示できれば良かったんですけどね。
    ただ、１１話まで読んだ時点で「ヴァンサンもまたこの作品のもう一人の主人公だったんだ」と思ってもらえるくらいにはヴァンサンに感情移入してもらえるように本人の悩みを悲痛に描いたつもりです。


    しっかりと剪定すればこれ半分くらいの文字数で書けるのではないでしょうか
    →いわゆるなろう系の描写最小限の文章ならば、３分の１くらいでも書ける感じがします。その一方で、たびたび言っていますが、設定を出したのならば、その設定をきっちり使わなければチェーホフの銃になってしまうとも思います。本作品はなろう系に対する非なろう系、いわゆる本格寄りがコンセプトとなっていますので、世界観もきっちり作り込み、文章もしっかり描写をする、という部分ではチェーホフの銃にはならずにやり切ったとは思います。ただ、仰る通り何事も程度問題でして、そちら方面に過剰に振り過ぎてしまった、もっと突っ込んで言えば作り込みや描写に対して前半のストーリーが弱すぎてバランスを欠いてしまったのが一番の問題だったと分析しています。


    大事なのは何を書くかでは無く何を削るか
    →プロの語る創作論の中では必ず言われる部分ですね。まさしくその通りだと思います。ただこれって、かなり上級者向けという感じはします。まずは１０万字作品を書けるようにならないと。書かなければ、そこから削ってクオリティアップさせることもできませんので。私がその域まで行っているのか、と考えると微妙なのですが、推敲の際には何を削るかを念頭に置きたいと思います。



    E-Mail pass
2024年01月29日 07時55分44秒
 作者レス
  • 本作品を読んでいただき、また感想もいただき、ありがとうございます。
    こちらは共通レスとなります。
    ご指摘いただいた事項についての大部分はこちらでレスしますので、個別レスでは何も内容無くなります。

    お気づきの方も多いと思われますが、私が書きたいのは、去年の１６万字企画の時に書いた『さんざめく思慕のヴァルダナ』のような歴史小説です。今回の企画が終わったら、次には、アッバース朝（作中にはアッバース帝国として出した）を舞台とした歴史長編を書きたいので、現在はそのために資料読みをしているところです。今回の作品はそのための実験要素を盛り込んだものです。なので、そういった観点でのレスとなることをご了承ください。

    実験的要素をあれこれ盛り込んではいますが、本作品は、作者コメントに書いた通り、文章を批評してもらいたくて書いた作品です。１万字上限の掌編や４万字上限の短編の時に文章とか言ってもどうしようもないので、どうしても今回の１２万字上限の長編企画に出したいと思って、始まったのなら貫くのみ（ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会ネタ）の精神でギリギリで期限に間に合わせました。なので、肝心の文章を整える時間も気力も余裕が無くて、なんとなく本末転倒になってしまった感もあります。それでも作品を完成させて批評の俎上に載せることで、悪い部分をたたき出すことによって次へ向けての課題も明確にできたのではないかと感じましたので、今回参加できて大変有意義でした。

    そんなこんなで文章のためだけに書いた作品なので、ストーリーは超テキトーになってしまいました。やはりこのへんは、きちんとプロットを練り込んで考えないとダメだということが明らかでした。
    それでもせっかく書いた作品ということで、ほどほどのところで跡地化して、アルファポリスのコンテストにでも出して、次回のカクヨムコンにでも参加して読者選考落ちして供養しようかと考えています。
    以下、ご指摘いただいた部分について。

    タイトル
    →タイトルについてはなかなか決まらずに悩んで、現状、自分でもあまり納得できていません。たしかにダイアリーだと、一般名詞の日記としてのダイアリーにしか見えないので、インパクト的に弱いんですよね。なので、『石曜日のメイドのダイアリー』あたりの方が良かったかなとも思っています。


    ひと月を一話として進めていく物語の構成
    月ごとの章立てによるものか、その後の物語の進みもスローテンポで
    →１２万字上限なので原則１話あたり１万字で、それぞれ季節を描く、という方式をとりました。季節の変化を描くという面では演出として良かった部分もあります。その一方でこの方式をとったため、構成が苦しくなった面もありました。
    本作品、最初に１話を書いて、次に山火事の６話を書いて、次にクリスマスの耳切り事件ならぬ左手首切断事件の１１話を書き、次に最終１２話を書いて、その後に残りの話を、書けるところからバラバラに書いていきました。で、最初に書いた大事なシーンがかなり文字数を食ってしまったんですよね。１１話なんかは１８０００字くらいはある。必然的に後から書いた話では使える文字数が減ってしまった。そのため、早めに出したい情報が、どんどん後ろ倒しになってしまいました。もちろん、最初に書いた重要な話の文字数を削減して調整すれば良かったところなのですが、それをやっていると明らかに締め切りに間に合わないので、削るよりも書く方を優先しました。ひと月１話方式にしたがために描けた部分と、それに縛られたゆえに展開のさせ方に苦労した部分と両方ありました。


    序盤の退屈さ
    情景描写は美しかったのですが、物語の進行と比べると前者により重きが置かれていた気がしました
    中盤の山火事辺りからはそれでも先を読みたくなる様な気になりましたが、そこまでは本当に読むのが辛かったです
    序盤ももうちょっと上手く書けたのではないでしょうか？
    →上記のような１話あたりに使える文字数の関係もあって序盤の展開が遅くなってしまいました。現状、１話で二人の出会い、２話で二人の生活が安定させるところを描いているのですが、これ、１話終了の時点で二人の生活が安定して２話から色々事件が起こる感じじゃないとマズいよなあ、とは完成した時点で思っていました。完成した時点で締め切り目前だったので、大幅な改稿はできず、誤字チェック程度の推敲しかできませんでした。
    また、２話以降で起きる事件自体も、ヴァンサンとのニアミスなどの小粒なものに留まってしまったのもイマイチだよなあと自分でも思っていました。なぜそうなったのかは原因は明らかで、「プロットの練り込みが足りなかった。もっと言えばプロットがそもそも無かった」からです。プロット無し、あるいはプロット練り込み不足な状態で書いてもダメだということは結果的に明らかでした。本作品は１０月の頭から１カ月くらいかけてプロットを練ったのですが、そこで考えついたのが「１話で二人の出会い、ミッドポイントとして６話で山火事、山場として１１話で耳切り事件、１２話がエピローグ的なもの、２話から山火事の前までに二人のラブコメ的なシーンを描いて心の交流をして、山火事以降はダイアリーが動けなくなってヴァンサンが迫ってきて、９話で史実通りポール（ゴーギャン）が合流して、１０話でヴァンサンとポールの確執を描く」といった感じのプロットでした。１カ月かけてその程度のプロットしかできなかったのか、という感じですが、まあそこが端的に自分の弱点なんだと思います。ラブコメシーンで心の交流、といっても、具体的に何をするのか決めていないし、物語の進捗上必須になるドワーフのカリエールに会いに行く場面も、どこに配置するべきか決められないでいました。１１月に入ってさすがに本文執筆スタートしないと間に合わないので、本文０文字から、重要な話から書き始めて、２カ月かけて締め切り直前にギリギリ完成した感じです。単純計算なら一日２０００字書けば１２万字書けるはずなのですが、当然のこととしてそう都合良くは進まず、１２月末の時点で９万字弱くらいしか書けておらず、１２月２８日に一日で２万字書いてなんとか間に合ったのですが、こういう、休みの日に一気に進める、方式はダメだというのが今回の大きな反省点です。平日にコンスタントに２０００字ずつ書く、というのが大事ですわ。そして、重要な話以外はプロット無しでアドリブ的に書いたので、当然そこで脆弱性が露呈してしまいました。
    ……で、この作者レスを書いている最中に思いついたのですが、２話あたりでヴァンサンとダイアリーがダルレスで出会った時にヴァンサンがダイアリーに一目惚れしてしまい、強硬に迫るが、マルトが阻止してその場は収めて、次に会った時にはダイアリーが「わたくしは義人人形なのであなたのお気持ちにはおこたえできません」と言って、ヴァンサンが何か言いかけているのを聞かずに立ち去る、というような展開を入れたらどうかな、とか思いました。史実のゴッホは恋愛方面でもさんざんやらかしているようなので。何にしても、プロットを練っている時に良い展開案が思い浮かばないのが自分の大きな課題です。


    近代ヨーロッパ感は出せている反面で、付け加えたファンタジー部分がいまいち馴染んでいない
    スチームパンクともなんだか言い切れない不思議なファンタジー
    中世ヨーロッパを基盤にし、その発展形として、蒸気機関が発達した独自世界を描いている。スチームパンク、言い換えると疑似科学の要素が加えられている
    →スチパン、やりたかったんですよねー。そのために使いどころの無い２級ボイラー技士の資格を取ったようなものですし。物語の舞台である１８８８年（くらい）のアルルをモデルとした世界を描く方に振りすぎて、ファンタジー設定は弱くなってしまいました。


    『霧の都』という名称が出てきてから、ようやくイギリスと繋がった
    『叡王国』です。しょっちゅう話の中に出てくるのに、結局最後まで話の中だけにしか出てこなかった
    →霧の都については、確かにもっと早く出しておいた方がわかりやすかったですね。伏線ではないけどフレーバーとして多く出てくる要素を、伏線ではない、と読者に認識してもらう方法は、ちょっと思いつかないですね。どうすればいいんでしょうかね。


    嗅覚情報をもっと活かしてもよかったかもしれません
    →これは盲点でした。たしかにニオイに関する描写ってあまりしていなかったような。一カ所くらいはしたかな。今後は五感を意識してみたいです。
    余談ですが、描写は、意識的に省き気味にするところと、濃く書くところがあります。
    例えば、衣食住の中で衣装に関する描写は意識的に少なめにしています。無くても読み進むのにさほど支障は無いので。ただし、女性向け中華後宮ファンタジーのような作品の場合は、服飾描写などが持ち味のジャンルだと思うで、そういうケースは書き分けが必要なのだと思っています。


    回りくどい言い回し（特にヴァンサンのセリフ）
    →資料としてゴッホの書簡を参考にしたので、どうしてもヴァンサンの言い回しに関しては、そちらに引っ張られて回りくどくなってしまった感はあります。ヴァンサンの面倒くさいキャラのキャラ付けとしてはそれで良かった面もあるかとも思います。その代わり地の文などはもっとシンプルで良かったかもしれません。



    E-Mail pass
2024年01月20日 19時04分40秒
 +50点
  • 　ども、ＨＮを修正しつつ感想その２です。
    　前の感想にぶら下げようと思ったら、感想期間が終わるまで返信できないんですね（汗


    　時間はかかりましたが、読了しました。

    　大満足です。

    　入念に綴られた世界観と、そこに暮らす主人公たちの生活。なにより、それまでに用意しておいた無数の伏線が一気に回収されていく様子が実に爽快でした。

    　立ち位置が不明瞭なヴァンサンの正体や、ドワーフからのタバコに対す質問など、いまいち意図が判明しなかった事柄が次々と紐解けてゆく様子も良かったです。
    　というか、そのまま二巻を出せるように結末を調整しているあたり、プロの犯行を疑わせます。
    　書籍化の際には、安楽椅子に腰掛けながらゆったりと読み直すので、ご報告をお願いいたします。

    　ひと月を一話として進めていく物語の構成もとても良かったと思います。一年が経過し、変化した二人の関係と再契約の場面など、本当によく考えられた作品であると、つくづく感心しました。

    　ただ気になるところがなかったわけでもないです。

    ●一つ目
    　おそらく他の方も指摘するでしょう、序盤の退屈さですね。
    　山場までくると、これまで積み重ねてきたものの意味が一気に理解できるのですが、理解できない間はひたすら退屈です。
    　今回、一万文字判定で他作を読み終えてから拝読したことで、まったり読み進めることができましたが、「あと●作品読まなきゃ」という状況で読んでいたとしたら、御作の読了は難しかったかもしれません。

    　私が御作を読了できた理由は、序盤から御作特有の魅力（文章と世界観）を存分に発揮できていたからだと思います。
    　他にも手ひどい敗戦で足を悪くした退役軍人と少女の組み合わせが、ファンタジーまじりの世界を冒険する『髑髏の花嫁』（田中芳樹）が脳裏をよぎったせいで、期待感が爆上げされたかなと思います。（なので、マルトが大立ち回りをしてくれなかったのは残念でした）

    ●二つ目
    　序盤から登場するヴァンサンの立ち位置が不透明なところです。
    　異端審問官という肩書きのわりに、敵対者っぽい印象が出ておらず、『こいつ何しに出てきたんだ？』感が半端なく強かったです。
    　終盤に衝撃の正体が明かされ、それまでの複線のすごさが伝わるのですが、それまでは作品の意図を濁らせる不純物でしかありませんでした。

    　山場での豹変を活かすには、序盤の暢気な性格は合っているのですが、それを知らない読者にとっては、路傍の石の描写でも読まされているかのような余分さです。
    　また、序盤で善人っぽいキャラクターしか登場しなかったので、彼には嫌われ役ポジションとして書き換えた方が良いのではないかと愚行いたします。

    ●三つ目
    　ここからは、ちょっと気になった程度のものです。
    　近代ヨーロッパ感は出せている反面で、付け加えたファンタジー部分がいまいち馴染んでいない印象がありました。
    　ファンタジー部分とリアリティ部分にもっと絡みを持たせるか、いっそ反対に完全に別世界のものと別けてみるのも手かもしれません。
    　このままでも気になるというほどではありませんが…。

    ●四つ目
    　タイトルはキャッチーではないものの、御作には良くあっているかなとも思いました。ただ、私でしたら、『石曜日のダイアリーさん』と、ちょっぴりひねって女性の登場を予期させるものにしたかなとも思います。
    　読み終わってからしっくりくるタイトルも良いですが、ライバルの多い現状ですと、タイトルのキャッチーさは意識しておいた方がよいかもしれません。

    ●主人公は誰だったのか？
    　話のメインとなっているのは間違いなく、マルトとダイアリーなのですが、作品全体として『絵』を印象づける要素が多く、ヴァンサンが真の主人公だったのではという印象もあります。
    　マルトとダイアリーが普通のイチャイチャ話をしているところで、ヴァンサンがひとり苦悩しているところを想像すると、この三人の組み合わせはあまり良くなかったのかもしれません。
    　ニアミスこそあったものの、終盤まで交流がなかった部分が、別々のストーリー感を強くしたかなという気も…。

    ●文章について
    　物語が進んでいかない（気になる情報にいつまでも触れない）状況と合わさり、修飾の多い文章は読みにくかったように感じられました。
    　ただ、作品を読みづらいと感じるよりも、雰囲気作りへの貢献のほうが多かったようにも思いましたので、このままで良いかなと…。

    　あと、浅学（というか記憶力が極めて雑）なので、叡王国やらメイドの本場と言われても、イギリスなのかフランスなのかピンとこずに、オリジナルの地名かなと雑に読み流していました。
    　『霧の都』という名称が出てきてから、ようやくイギリスと繋がったので、こういう誰にでもわかるヒントワードはなるべく冒頭煮出したほうが良かったかなと思いました。（だしたら出したで、別の勘違いを招きそうな気もしますが…）

    ●ついでに…
    　御作は公募用作品と思われますので、一応気づいた範囲での誤字脱字の指摘をしておきます。
    　邪魔だったらスルーしてください。

    ＞というだけの話のなのか。
    ★というだけの話なのか。？

    ＞人間が恋愛感情をや性欲を抱くのも、
    ★人間が恋愛感情や性欲を抱くのも、？

    ＞大きな声を挙げて
    ★大きな声を上げて　？

    ＞喉を傷めたく
    ★喉を痛めたく？

    ＞肝心の籠を紛失してうとは。
    ★肝心の籠を紛失してしまうとは。？

    ＞本人を目の前に為て
    ★本人を目の前にして？

    ＞そうえば、ダイアリーが最初にモンマジュールの旧修道院に来た時、
    ★そういえば？

    ＞ご主人さまをご満足させることがでいていないのは、
    ★ご主人さまをご満足させることができていないのは？

    ＞男性二人がかりで力技に出られて暴れられると、
    ★力業？　

    ＞それぞれ鮮やかな黄緑色の枝はを楕円形に広げている。
    ★枝葉？　

    ＞悲鳴を挙げた
    ★悲鳴を上げた？

    ＞死は人生の終止符として良くない印象で語られるｋとおが圧倒的に多いが、
    ★語られることが？

    ＞「ダイアリーがさんは優しい心の持ち主なんだな。
    ★ダイアリーさん？


    　あと、古傷は『傷む』よりも『痛む』じゃないかなぁと思うのですが……作者様的になにか意図があるのでしたらそのままでも構わないかと。

    ●最後に…
    　御作は読み手を満足させるだけでなく、書き手の意識をも刺激する大変な良作でした。
    　いくつかの気になる点はありましたが、普通に好きな本を読んでいても気になる点は出てくるものなので、それほど気にする必要はないでしょう。

    　では、よい成績が出ることをお祈りしています。

    E-Mail pass
Re: 2024年01月29日 09時16分02秒
  • 誤字脱字の指摘も含め、感想ありがとうございました。
    また、作品賞もありがとうございました。

    E-Mail pass
2024年01月17日 22時46分00秒
 +20点
  • こんにちは。『石曜日のダイアリー』最後まで読ませていただきました。
    総評としては『美しい描写で世界観に引き込まれたが、どういう物語なのかは分かりづらかった』です。
    以下、細かくみていきます。

    ・引き込まれる世界観、美しい情景描写
    南仏プロヴァンス地方をモデルとした舞台、叡王国は英王国？　黄色い家に住むヴァンサン、などなど。答え合わせをするように楽しく読ませていただきました。
    情景描写は美しく、特に夏のプロヴェンキアの景色はそれが目に浮かぶようでした。植物は和名を採用しているところも個人的にツボで、おそらく作者様とは感性が近いのかなーと、ワクワクしながら世界観に浸ることができました。
    一つ余計なお節介をさせてもらうとするなら、嗅覚情報をもっと活かしてもよかったかもしれません。工人の洞窟に入る直前はタイムの茂みを通るとありましたが、踏みつけたときに立ち上るハーブの香気についてなにも言及がなかったのが、少し残念でした。書くときに五感を意識されると、物語により深みが出るかと思います。
    文章が読みやすいかどうかについてですが、私はそこまで読みにくいとは感じませんでした。ただ、回りくどい言い回し（特にヴァンサンのセリフ）や、少々一文の分量が多いところなど、翻訳された海外小説を読んでいるような錯覚も受けました。

    ・「なんの物語か？」がわかりにくい
    情景描写は美しかったのですが、物語の進行と比べると前者により重きが置かれていた気がしました。特に山火事まで。カルドロン風呂とか娼婦のアルバートルとか、ちょこちょこイベントはあるのですが、マルトもダイアリーも淡々としているので、それらがなんのために起こったイベントなのか、そもそも彼らの目的はなんなのか、曖昧模糊としたまま物語が進んでいった印象です。
    それを象徴しているように感じたのが、やたら出てくる『叡王国』です。しょっちゅう話の中に出てくるのに、結局最後まで話の中だけにしか出てこなかったのには、肩透かし感が強かったです。
    ヴァンサンも、最初から出ている割には目的が謎で、目的がはっきりしてからもなかなか動かず、その正体には唐突感を感じました。
    全体的に伏線が弱かったように思います。淡々としすぎて引っかかるところなく読み進めてしまったというか。パイプの伏線は「なるほど」と思いましたし、カリエールの言葉なんかも後から納得感がありましたが、初見ではサラッと流してしまっただけだったので。

    ・主人公はヴァンサン？
    ここから先は超！個人的嗜好に偏った感想なので、読み飛ばしてもらって結構なんですが。
    ヴァンサンが自らの正体とダイアリーを狙う理由を明らかにしたとき、ようやく物語の全貌が見えた気がしました。『再生と新たな出発』。それが貴作から私が感じたテーマです。マルトは歌えなくなった吟遊詩人からの再生、ダイアリーは身も心もマルトのメイドとして再出発、ヴァンサンは機械から人間の画家への再生、ポールは窮屈な画壇から自由な南の島への旅立ち。
    そういうことを踏まえると、登場人物の中で一番インパクトがあったのはヴァンサンでした。彼のモデルとなっているゴッホの絵画、私は正直あまり好きではないのですが（あの絵の具の厚塗り具合に、彼の偏執的な部分と暑苦しさを感じてしまって）、でも彼の内面を映しているというのは本当だと思うし、ものすごく心に残る絵であることも事実だと思います。ヴァンサンもそんなキャラクターで、決して好きになれないどころかお近づきにすらなりたくないタイプなんですが、それでも目が離せないというか強く印象付けなれるというか。貴作を読んで次の日いっぱい、頭の中を彼が占めていましたし、晴れて人間となった彼の活躍を見たい、と強く思いました。
    とはいえ、人間として真っ向から勝負したところで、ヴァンサンの絵が世間に認められる気がしないんですけどね。これは実際のゴッホに引っ張られすぎでしょうか。その辺も含めて気になりました。


    以上です。
    ついテンションが上がり色々書いてしまいましたが、とにかく印象に残る物語でした。素人の一意見ですので、合わないものはスルーしてくださいね。
    今後の創作活動を応援しております。

    E-Mail pass
Re: 2024年01月29日 09時17分37秒
  • 感想ありがとうございました。
    今まで感想をいただいたことの無い方からの感想で、たいへんありがたかったです。

    E-Mail pass
2024年01月17日 10時08分24秒
 +40点
  • 　石曜日のダイアリー読ませていただきました。

    　短編方式の構成が自分好みであり、ファンタジー世界をゆったりとした時間で楽しめる作品だと思いました。
    　特に主人公とダイアリーの少しずつ縮まっていく感じの距離感が非常に心地よく、二人が仲良くなっていく様子に思わずニヤニヤしてしまいます。
    　ちょっと違うかもしれませんが葬送のフリーレンみたいな雰囲気を感じられた作品です。

    　石曜日があるというのが中々に特殊で面白く、他にも世界観が非常に凝った印象を感じます。
    　ダイアリーの名前の由来が分かりそうで、気付かずに意外性があってよかったです。またエリクサーと賢者の石の考え方なんかもよくできていると思いました。
    　個人的にタイトルが作品とよくマッチしており、また十二話で終わっているのもちょうど一年を意識している感があり、非常に綺麗でよく考えこまれて制作されている印象がありました。

    　一番評価したいのはハッピーエンドである事。その中でも最上級の登場人物全員の目標が達成されているという完璧に近いハッピーエンドでした。

    　自分はハッピーエンドが好きなのですが、やはりその中でも質というものはあります。後半の最後までどうなるか分からないドキドキ感が非常に良く演出できていましたし、ヴァンサンなんかも敵ではあっても幸せになってほしい思いがあったので、全員の幸せを過不足なく描けていたのは非常に大きく評価したい点です。
    　作者がハッピーエンド好きに向けて書きましたというなら「御見それしました」というレベルです。エルフの里のコックさんと並んで最も読後感が良かったです。

    　難しい単語が多く、読者ハードルが非常に高い印象でしたが、読み終えてみれば満足度は高かったです。

    　文章については、正直に言えば読み進めるのはかなり大変でした。ただ、それは自分がファンタジーを読むのに適性が無いのが原因です。ファンタジー読むのがめちゃくちゃ苦手なんですよね。なのでこれはファンタジーの適正ターゲットじゃない人間の意見として聞いた方がいいでしょう。

    　小説で最も大事なのはターゲット層を狙い撃ちする事です。幅広い読者層を狙うのは本当に余裕があった時に頭の片隅に置く程度でいいと思います。先ほどの読者ハードルが高いもあくまで適正ターゲット外の話なので流していいと思います。

    　一応、読みやすさで言えば先ほども名前が出たエルフの里のコックさんがダントツではありましたが、あの作品は厳密には純正なファンタジーでは無い気がします。

    　ファンタジーを読むのが苦手な自分としては前回企画の『優しい魔女と拾われた小鬼』が今までで最も読みやすかったファンタジーなので、『ファンタジー初心者をターゲットにする場合』の文体としてはあの作品を参考にされてもいいかもしれませんね。

    　それでは失礼します。幸せな物語をありがとうございます。

    E-Mail pass
Re: 2024年01月29日 09時18分37秒
  • 感想ありがとうございました。
    『優しい魔女と拾われた小鬼』は未読なので、いずれカクヨムで読んでみたいです。

    E-Mail pass
2024年01月13日 23時51分17秒
 +10点
  • 　いさおと申します。拝読致しましたので、感想など書かせて頂きます。


    　まず、普通に読めたか読みにくかったかについてですが。僕の個人的な感想としては、

    　文章としては読みやすかったけれど、小説としてはとても読みづらかった

    　です。実際何度か途中で投げ出しかけました。
    　理由は、物語を読んでいるのでは無く設定を延々と読まされている様に感じたからです。造語の多さもそれに拍車をかけているのではなかろうかと愚考致します。中盤の山火事辺りからはそれでも先を読みたくなる様な気になりましたが、そこまでは本当に読むのが辛かったです。
    　そしてその設定の根幹もまた分かりづらく感じました。おそらくは近代フランス辺りをモデルにしているのでしょうけれど、教養に欠ける僕にはそれくらいしか分からなくてなんだか『置いて行かれた感』を強く感じます。きっと作者様は「分かるやつだけついてこい」位の覚悟で書かれたのでしょうから、僕は御作の対象外だったのかも知れませんね。ただ、なんだか聞いてもいない知識をひけらかされた様な気持ちにもなりました。
    　ずいぶんと厳しい事を書きましたが、どうやら実験作らしいので一切の遠慮無く意見させて頂きました。もしも参考のひとつとなったのなら幸いです。

    　内容についてですが、謎の万能蒸気機関や賢者の石にエリクサーと厨二心をくすぐりまくる要素満載の、しかしスチームパンクともなんだか言い切れない不思議なファンタジーでした。きっと作者様はこういった雰囲気を特に出したくてこの設定になったんだろうな、とは感じる事ができます。問題はそれがかなりやり過ぎている所でしょうか。
    　他の感想人の方も触れていましたが、随所に散りばめられた伏線がクライマックスで見事に回収される様はお見事でした。ヴァンサンのパイプなんか、実にニクい演出ですね。ラストも秀逸で、読後感の良いものでした。しっかりと読者が「こうあって欲しい」という所に着地していると思います。
    　しかし、それだけにやはりこの設定の作り込み『過ぎ』が気になります。もっと言えば気に入りません。
    　作者様の技量なら、しっかりと剪定すればこれ半分くらいの文字数で書けるのではないでしょうか？
    　本作が実験的な手法で書かれたというのは理解しておりますが、それにしてもやり過ぎなのではなかろうかと感じます。もっと言ってしまうと、はたして今作には読者を楽しませようという意思が有ったのだろうかという疑問すら覚えてしまいました。
    　もちろん設定を作り込む事は悪い事ではありません。実際僕も何かのテーマに特化したものを書く事が多く、日々色々と設定を妄想しては勝手に悦に入っております。しかしその設定を作品に落とし込み、読者の興を引くためにはどうするべきかという事も、また重要なのではと思います。大事なのは何を書くかでは無く何を削るか。何を我慢するか。僕は毎回それを意識しながら書いているつもりです。結果を出せているかは心許ないですが。

    　なんだかかなり取っ散らかった感想になってしまった様にも今にして思いますが、そんな感想を書いてしまう程の熱量を御作から感じた事は純粋に凄いと感じました。

    　乱文ご容赦を。
    　お互い企画を楽しみましょう。

    E-Mail pass
Re: 2024年01月29日 09時54分12秒
  • 感想ありがとうございました。
    去年の１６万字企画の時に感想をいただけていなかったいさおさんから今回感想をいただけて、非常に大きな収穫となりました。

    E-Mail pass
2024年01月13日 20時14分33秒
 +20点

  • ※　この感想にはネタバレを含みます。

    　こんにちは、作者様。読ませていただいたので感想を残します。


    　評価が難しい、というのが読後まず感じたことでした。

    　読了後は非常に優れた作品だったと感じました。文章には作者様の深い教養が感じられ、最後まで感心させられました。普仏戦争直後のフランス南部をモデルにした世界の書き込みは詳細・丹念で作者様のこだわりを感じられたように思います。読後にＷｉｋｉｐｅｄｉａを読んで知ったのですが、ヴァンサンってゴッホのファーストネームのフランス語読みだったんですね、現実世界に似通ったファンタジーだと読んでいる最中は感じましたが、どちらかといえばパラレルワールド的な描き方になっていたかもしれません。
    　そうして綴られた世界に散りばめられた伏線が最終盤で一気にまとめられ、フィナーレに向かう手管は見事だったと思います。章の合間に差し込まれた□□□すらも伏線であったことに、終わり近くになってようやく気づきましたが、気づいた時には大いに感心しました。このまとめ方や伏線の張り方は超長編だからこそ活きる見事なもので、大いに参考にするべきものだと感じました。
    　あと本筋には関係ありませんが、最終盤のダイアリーのバルジ増設も良かったです。いや、これは完全に趣味の問題ですが、ダイアリーが新たな生を送る上で必要なことに、さらっとあざとさを入れ込んだのは個人的に好きでした。はい閑話休題。
    　ただ御作、序盤を読み進めるのがとても大変でした。作者コメントでは読める文章かを気にされていましたが、文章として破綻していないし、語彙に関しては大変優れていました（作者様の読書量を想像して軽く戦慄を覚えたほどです）が、ただ延々と世界観の呈示が繰り返され、読み進めるのが辛かった。
    　ようやく物語としての面白さを感じられたのはダイアリーがマルトに添い寝する部分からでしたが、月ごとの章立てによるものか、その後の物語の進みもスローテンポで、読んでいてもどかしさを感じてしまいました。ダイアリーが大変なんだから、担いででも仕事休んでもカリエールのもとへ通えよ、とか、ヴァンサン達はヴァンサン達で、異端審問官がそんな悠長で良いのか、とも思いましたし。読み切ってみると、終盤の展開を活かすためのあえての作りだったと感じましたが、部分部分だけ見れば、もどかしいという印象は拭えませんでした。

    　物語の締め方の鮮やかさと序盤のこの読み進め辛さ、このギャップに戸惑い、どう評価するべきか非常に悩んでしまった…というのが率直な感想です。というかこれだけ書ける作者様なら序盤ももうちょっと上手く書けたのではないでしょうか？　マルトとダイアリーのいちゃいちゃをメインに綴りつつ、世界観を示していくのは作者様ほど書き慣れた方ならできそうな気がします。それともそうしなかったことに何か意図があるのでしょうか？

    　と、序盤の描き方がどうしても気になってしまうので、点数評価としてはこのくらいになってしまいますが、ただ伏線の回収や構成など、非常に勉強になったのは間違いありません。今後、超長編を書く際の参考にしていきたいと思います。
    　雑多な感想、ご容赦ください。またお目見えすることを楽しみにさせていただきます。

    E-Mail pass
Re: 2024年01月29日 09時58分57秒
  • 感想ありがとうございました。
    □□□のような細かいところまで読み込んでいただき、大変ありがたかったです。

    E-Mail pass
2024年01月12日 20時15分36秒
 +20点
  • 　拝読いたしました。朱鷺（とき）と申します。
    　超長編は文章が長いですね。読了するのに予想外に長い時間を要しました。
    　本作は、読みにくい漢字、一般的でない用語が多く使われているので、読み始めてすぐの頃には、途中で挫折するのじゃないかと懸念していました。読みやすくはなかったです。
    　しかし、ストーリーが分かりやすく面白かったので、二回の食事をはさみながら、最後まで一気に読み終わることができました。本作には、読者に最後まで読み切らせる魅力がありました。
    　ミチル企画は、ライトノベル作法研究所から派生しています。応募作品の幅は広くなりましたが、中核はラノベです。
    　ラノベは、中学生を主要なターゲットにしています。中学生が読むことが前提です。言い換えると、ラノベは義務教育を修了した人ならば、だれでも読むことができる。すべての日本人が読者になれる。これが、ラノベが広く受け入れられている理由のひとつと思います。
    　本作は、読者を選ぶ作品となっています。義務教育では習わない漢字や用語、この世界だけの固有名詞が注釈なしに頻出している。
    　はじめて見る単語が頻出する人気作が過去にありました。2019年にマンガ大賞を受賞した『彼方のアストラ』です。イガイガーン、ダルダルクラゲの触手、ムラサキマンダラの花、キャンキャンブルブルの屁などの作者の造語が一コマ（！）の中に突然にまとめて現れる。作中に、携帯式の人工ワームホール発生装置、歴史改竄、惑星（恒星）間移住、平行世界（？）、映像記憶、クローン人間などのSFガジェットが頻出する。
    　通常なら、一般読者がついてゆけずに埋没するSF作品の要素を色濃く持っていました。しかし、大賞を受賞した。一般読者に広く受け入れられた。
    　朱鷺（とき）には、なぜ受け入れられたのかが分からないため、まだ参考にできないでいます。
    　同様の作品に、十二国記があります。こちらは、見慣れない名称であっても、そのありようが作中で濃厚に描写されるため、違和感なく受け入れることができる。
    　本作でも、日常では見慣れない単語、中学までに習わない単語が頻出しています。その中には、ただ出てきただけのものがある。一般読者がよく知らない単語に作品世界の描写・説明を頼りすぎていると感じました。
    　作品世界を彩るのであれば、それがどのような物であるかを描写する。あるいは、その物が存在する場所の情景描写をもう少し加え、その分、単語の数を減らした方がいいかな、という印象をうけました。
    　少し手間をかければ、本作が読者を選別する、言い換えると、一般読者を排斥するのを防げると思います。
    　十二国記は、中華を基盤にした世界観の作品です。
    　本作は、中世ヨーロッパを基盤にし、その発展形として、蒸気機関が発達した独自世界を描いている。スチームパンク、言い換えると疑似科学の要素が加えられている。
    　世界観をもう少し整理できないかなと感じました。ためしに自分でも整理を試みてみました。
    　神の力は、無から有を生じさせる。悪魔は、幻を造りだすことは得意だが、無から有はつくれない。多くの作品で、これが基本的な前提になっていると思います。
    　大やけどを負って爛れ落ちた皮膚を再生するのは、失われた皮膚を生じさせるのだから、神の奇跡になる。
    　『鋼の錬金術師』では、錬金術は等価交換とされています。死者を甦えさせるためには、言い換えると死者に命を与えるためには、別の人の命と交換する必要がある。必然的に、死者を甦らせる力をもつ賢者の石は、生きている人間を原料としています。
    　そうであるならば、賢者の石をつかって命をもたない作り物の体から生きている人間になるためには、賢者の石が生きている人間から作られている必要がある。
    　異端審問者が他人の生命を奪って人間となる決断をくだしたということは、自分が生きるために殺人を犯すと決断したことになる。異端審問者が罪に堕ちたのだから、作品中でもっと深刻に描写し、重要なイベントとして取り扱うべきと思います。
    　これはこれで興味深い作品になりそうだな。
    　本作でこれを回避するなら、ダイアリーとヴァンサンをホムンクルスにすればいいかと思います。本書における賢者の石は、神の奇跡の力が宿った聖遺物とする。ダイアリーの制作者の思いによって奇跡の力が宿ったとすればいい。
    　そうすれば、神の奇跡と錬金術で世界が構成できる。
    　逆に、スチームパンクを生かすなら、ダイアリーが自分の皮膚をマルト・ガーラントに与えて治療するという方法があると思います。植皮術ですね。この場合は、スチームパンクだけでも作品世界を構成することが可能になる……かな？
    　本作には、指がすべったと思われる個所がありました。
    　『k』になっています。
    　表現で気になったところが一カ所あります。
    　『蒼穹のかなた』ですが、『はるかかなたの蒼穹には』の方が良いのでは、と思いました。『蒼穹』は青空をドームとしてとらえている。ドームのかなただと、宇宙空間になってしまわないか、と感じた次第です。
    　こんな風に感じるのは朱鷺（とき）だけかな？
    　企画は、ラ研の伝統を受け継いで、素人が集まって「やいの、やいの」と好き勝手な感想を述べ合う場と認識しています。あくまでも一読者の勝手な感想ですので、不適切、見当違いがありましたらご容赦ください。
    　見当違いな感想でも、「そんなことはない。なぜなら……」と、作者様の認識が深まり作品がさらに良くなるなら、まったくの無駄ではないと認識しております。
    　執筆お疲れ様でした。後夜祭も盛り上げてまいりましょう。

    E-Mail pass
Re: 2024年01月29日 10時00分54秒
  • 感想ありがとうございました。
    朱鷺さんの感想は、創作技法について見直すきっかけとなるので、大変ありがたいです。

    E-Mail pass
2024年01月05日 14時27分03秒
  • 　まずは冒頭一万文字を読み散らかしています。

    　よろしくお願いします。


    　面白かったです。
    　
    　まだ冒頭一万文字部分しか触れていませんが、随所に力量の高さがうかがえ興味がわきました。

    　手の届く範囲でしか描写をしていないのに、しっかりと作品に奥行きを感じさせているところが実に見事だと思いました。

    　小屋の権利書の話を出してから、立会人もいない本人同士の契約をするという演出も好みです。

    　冒頭一万文字では、出会いの部分しか書かれていないのですが、それでも作品の魅力を感じさせる書き方ができているように感じました。

    　続きは、他作を読み終えてからの楽しみとさせていただきます。


    　以上。

    　未熟者の感想ですが、なにかの参考になれば幸いです。
    　失礼しました。

    E-Mail pass
合計 6人 160点

お名前(必須)　
E-Mail (必須)　
－－　メッセージ　－－
作者レス
評価する
　PASSWORD(必須)　 　トリップ　？　

<<一覧に戻る || ページ最上部へ
作品の編集・削除
E-Mail pass