キャッチコピー集

Rev.01 枚数: 16 枚( 6,108 文字)

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※この投稿は集計対象外です。
 こんばんは、企画主催のミチルです。
 お題、枚数共に難しかったのに多くの作品が集まり、感無量です!
 いよいよ感想投稿期間となり、キャッチコピー集を作成しました。
 お読みになる作品を選ぶのに参考になると幸いです☆


以下、キャッチコピー集です。

◇タイトル:兎の目
◆キャッチコピー:Q.このあと村ではなにが起きたでしょう?


~書き出し~
■場面1
「ヤークよ、薪を運んでおきなさい」
 叔父であり村長でもある初老の男の言葉にヤークは「はい」と応える。
 ヤークは今年十六歳となったばかりだ。村では成人として扱われる年齢だが、栄養の行き渡っていない身体は幼子のように小さい。
 非力なヤークに薪運びは重労働だが、居候として養われている以上、わがままは許されなかった。
 物置小屋に積まれた薪を抱えると、屋敷の隅へと運び込む。


◇タイトル:バニーガールは似合わない
◆キャッチコピー:その日、僕は野生のバニーガールに遭遇した。

~書き出し~
 きっかけは、星座占いだった。
 浪人生の僕は毎日バスに乗って予備校に通っている。いつものように座席について単語帳をめくっていると、ふと車内の液晶ディスプレイに目が行った。
『本日の一位はおひつじ座です。何もかもがとんとん拍子に上手く行く日。また、思いがけない出会いがあるかも? ラッキーカラーは――』
 最後まで文字は追わなかった。無性にいらいらして、単語帳を閉じる。
 何が一位だ。テキトーぬかしやがって。無責任極まりない。今の僕に楽しいことなんてあるわけないじゃないか。
 星座占いの運勢にケチをつけるほど僕には余裕がなかった。


◇タイトル:雪の舞う春の空
◆キャッチコピー:新人女性教師の背中を押してくれたのはーー小さな奇跡の物語

~書き出し~
「おや、もしかして高橋先生ですか」
 後ろから声がする。
 早朝の、まだ先生も生徒もいない小学校の校門の前で、私は一人立ち尽くしていた。
「高橋先生?」
 再び声が聞こえて、我に返って振り向くと、スーツ姿の男性が私の様子を伺っていた。
「あ、はい!」
 突然のことに驚いて、うまく言葉を発することが出来なかった。焦りから頭を手でポリポリと掻いてしまう。良い大人が情けない。
 しかし、そんな私の様子にも関わらず、彼は「やはりそうでしたか。初めまして、私は校長の工藤です」と言って微笑んだ。背が高くスマートで、紳士という言葉がとても似合う男性だった。


◇タイトル:兎とタンポポ
◆キャッチコピー:エルフの旅商人は、星空を求めて兎に出会う

~書き出し~
 俺は真昼の太陽の下でキンと冷えた冬の夜空を見た。
 四つの星が菱形に並ぶ冬菱。右の星が見切れているが、間違いない。
 一瞬にして汗が引く。鼻の奥にピンと澄んだ雪の匂いすら感じた。
 だが、それは一瞬の幻だった。
 冬空は本物の夜空ではなく、端切れに過ぎない。それに気づいた瞬間、暑さが再び俺を蒸し上げる。
 思い出したように吹き出る汗をぬぐいながら、俺は冬空に追いつくべく人混みを縫うように歩き始める。


◇タイトル:うさぎ旅
◆キャッチコピー:一行目はどこいった?

~書き出し~
 春になったので、うさぎ旅に出た。

 キーボードで打ち込んだ文字をしばし眺める。
 今回の競作企画のお題が『春』、『旅』、『うさぎ』。与えられたお題を織り込んだ自作小説を執筆し、点数を点け合って順位をつけるアマチュア作家のお祭りが競作企画なわけだけど、この「お題を織り込む」ってーのがなかなに難しい。
 毎回頭を悩ませて、やっとこ捻り出したときには締切直前で執筆が間に合わなくて不参加ってこともあったっけ。
 でも、今回は出だしで三つのお題全てをクリアした! たったの一行で!!!
 ひょっとして俺って天才じゃね?


◇タイトル:世界で一番孤独なウサギ
◆キャッチコピー:誰も追いつけない。傍にはいない。

~書き出し~
 ウサギは脚が速いから、カメのことを追い抜いてびゅんびゅん遠くへ走り去っていく。しかし先にゴールにたどり着けるのは、眠ることなく走り続けたウサギに限る。涼しそうな木の陰だとか、心地良さそうな芝生の上とか、そう言った誘惑を振り切ってストイックに走り続けるウサギだけが、誰よりも先にゴールテープを切ることができる。
 だがウサギは自分の脚が速いことを知っているだけに驕りがあって、それが故にしばしば慢心し、ゴールの手前で眠りこけるのだという。そうしている隙に、健気に歩き続けた脚の遅いカメに、しばしば追い抜かされるのだという。
 本当にそんなことが起こるのだろうか?


◇タイトル:煽り運転
◆キャッチコピー:異常者よ、気付いてくれ

~書き出し~
 ああ、恐ろしい。どうしてこんなことになってしまったんだ。
 僕はただ、ウサギと旅をするのが好きなだけだった。
 旅といっても、簡単なドライブだ。ペットのウサギと車で走るのが僕の趣味である。
 ウサギは好きだ。小さくて、可愛くて、いつも一緒にいる。
 特にはしゃぎつかれて眠っている姿を見ると、気分がほっこりするんだ。
 春のこの時期、ドライブにピッタリの季節で、本当なら楽しい旅になるはずだった。
 それなのに、こんな恐ろしい事に巻き込まれてしまった。
 その車は、猛スピードで僕の車を追い抜いた。かと思えば、今度は進路を塞ぐようにスピードを落として、僕の車の前に張り付いている。


◇タイトル:電マおじさんとさすらいの猫
◆キャッチコピー:子猫ちゃんに電マ当ててみろよ。飛ぶぞ?

~書き出し~
 吾輩は猫である。名前はタビにゃ。
 少しばかり他の猫より長生きしている事と、尻尾がふたつに分かれている事だけが特徴の、何の変哲も無い只の旅猫にゃ。ちなみにタビという名前は、かつて吾輩が唯一世話になった人間に付けられた。なんでも黒い身体をした吾輩の、両手両足の先端だけ白いのが人間が足に付ける袋に似ているからとか言っていた。
 なに? 貴様は旅猫を知らない? まったく、これだから人間はだめにゃ。旅猫とは、その名の通り旅をする猫にゃ。人間の世話になる事も、野猫同士徒党を組む事も、ましてや昨今耳にする地域猫とかいう去勢され、中途半端に愛玩される脆弱な存在になる事も拒み、あてどもなくさすらって自由に生きる。それが旅猫にゃ。


◇タイトル:赩いうさぎ
◆キャッチコピー:わたしの目が真っ赤になったとき、そこには何が映っているのだろうか

~書き出し~
【注意】こちらの小説は一部グロテスクな描写が含まれています。
 わたしの目が真っ赤になった時、そこには何が映っているのだろうか。

 赩いうさぎ (あかいうさぎ)

 暖かい陽の光を浴びて、私は大きく息を吸い込んだ。
 公園の大きな木は緑色の葉から白桃色の蕾が小さく色づいていて爽やかな空気を感じる。
 そして見上げる空は青く澄みきっていて、その青が夢を大きく広げていく様な気がした。
 私は歩道橋から東京の街を見下ろす。
 東京は、やっぱり広い。どこに行っても人だかりがすごくて、自分の住んでいた町がいかに狭くてちっちゃな箱庭だったのかを思い知らされる。
 ふと何やらざわめきが聞こえて視線をずらすと小学校があって、校門には花のアーチが作られて華やかに彩られていた。


◇タイトル:蟻地獄では不自然すぎる
◆キャッチコピー:真実は無意識に表れる

~書き出し~
「今時、ブルマはねえよな。おっさん趣味すぎんだろ」
 長谷部義彦(はせべ よしひこ)が溜息交じりに言った。好きなAV女優の新作がコスプレジャンルで、出来があまりよくなかったらしい。憤っていた。
 僕は曖昧な返事でお茶を濁した。得意な話題ではなかったからだ。人の目もある。
 案の定、近くの女子達から「きも~」と言われる。義彦は鼻を鳴らした。
「……ま、そういうことだ。一応言っておくと、バニーガールはよかったぞ。今日はこれでいいや、と思えたからな」
 小声で言い、口を噤む。意外と小心者だった。
 義彦とは小学校からの付き合いだった。悪友と言っていい。今ではお互い、陰キャグループに属していて、オタク活動に精を出している。


◇タイトル:走れ。
◆キャッチコピー:ここから遠く、しかし近しいところで。

~書き出し~
※ さほどキツくはない(と思います…)が、人死、負傷描写があります。


 ある日のこと、俺は初めて人を殺した。
 正確に言うと、自分が人殺しになったことを明確に認識したのはそのときだった、ということになるか。その前にも、MGをぶっ放してくる家にRPGをぶっ放し返して銃声がぱったりやんだことはあったし敵陣に向かってやたらめったら撃つ中でそれが敵に当たったり、俺が装填した迫撃砲弾がどこぞのイワンを吹き飛ばしたりしたことはあったかもしれない。ただ、自分が引き金を引き、それが誰かの死に繋がったことを目の当たりにしたのは、その時が初めてだった。


◇タイトル:バニーガール姿のおじさんが春を探して旅するお話
◆キャッチコピー:ハンカチを用意してご覧ください。

~書き出し~
 ここ、いいかな? 失礼するよ。
 すまないね、こんな格好で。
 きっと君は驚いたはずだ。もしかしたら、私のことを変態だと思ったかもしれない。
 いや、いいんだ。そんなに全力で否定しなくても。変な目で見られることには馴れている。気を遣わなくても結構だよ。
 この姿で旅に出て、もうすぐ一年だ。初めは恥ずかしくて仕方なかったけれど、今ではもうすっかり体に馴染んでいる。この服装でないと落ち着かないぐらいだ。
 ほら、見てごらん。バニーガールの衣装もなかなかに良いものだよ。この付け耳は実にキュートだろう? いささか寂しくなった私の頭を可愛く見せてくれる、素敵なアクセサリーさ。


◇タイトル:『兆し』
◆キャッチコピー:僕たちはいつだって、一人じゃない。

~書き出し~
 もうすぐ落ちるであろう月が最後の力を振り絞って届けた光が照らす、暗い通路の中を僕たちは歩いている。
「カメ、お前、こんな朝早くからどこ行くんだぁ?」
 僕の後ろをついてくる兎塚(とづか)うさぎさんがそうのたまう。本当は一人でこっそり行くつもりだったのに。
「ただいま朝4時半です。兎塚さんこそ、どうしてついてくるんですか?」
 そう言って振り向くと眼鏡を光らせて兎塚さんが笑う。
「日付変わって2時までみんなと話しててぇ、そのまま眠れなくてぇ、外の空気吸いに行こうとしたらぁ、怪しそうな奴が歩いてて、同じクラスのカメだったからぁ、ついてきてみた」


◇タイトル:うさぎの戸締り
◆キャッチコピー:トリが扉閉めてどうすんのよ? 守護神はうさぎでしょ!

~書き出し~
注意:この作品は新海誠監督作品(特に『すずめの戸締り』)の内容に触れています


「裕樹ィ、行くよ!」
 窓の外から小百合の声が聞こえてくる。
 慌てて窓を開け階下を見ると、私服姿の彼女が少しイライラしながらこちらを見上げていた。
「ちょっと待ってて! 今行くから」
「早く、早くぅ~」
 一秒たりとも待てないという表情。
 それはそうだろう、ずっと行きたかった場所に行けるのだから。
 よく晴れた三月の日曜日はお出かけにはうってつけ。玄関を開けると、小百合は腕組みをしてお待ちかねだった。
 白のクルーネックTシャツにデニムのジャケットを羽織り、カーキ色のキュロットに白ソックスとローファーは正に行動派スタイル。幼馴染の小百合らしい。


◇タイトル:鍵
◆キャッチコピー:鍵は重い

~書き出し~
 鍵というのは家や部屋、机や金庫や日記帳にいたるまで。かける物がなんであろうと、外から身を守るための最終防衛線に他ならない。 そのために鍵は、すべからく重要視されるのだ。
 逆に言えば、鍵を預けられると言うことは、その人から絶対と表しても過言では無いくらいの信頼を得たと同意義になる事は自明の理だろう。
 鍵とは、親愛の情を最も端的に示すことのできるマジックアイテムだ。
 重要で重大な鍵。
 大事で大切な鍵。
 そういう、何事にも代え難いような鍵を――俺は今日、彼女から預かったのだ! 一人暮らしである彼女から鍵を預かったのだ!


◇タイトル:ウサギとカメ
◆キャッチコピー:こんな裏話があったかもしれない??

~書き出し~
「おい、カメさんよ。俺とあの丘まで、かけっこで勝負をしろ」
 楽しそうに動物たちが団らんをしている中、ウサギがカメに対して勝負を申し込んだ。
 ウサギはカメに対して嫉妬をしていた。自分より人気があるカメが許せなかったのだ。
 そんなウサギに勝負を申し込まれたカメは、困ったように表情を曇らせている。
「それが嫌なら謝れ。そうすれば、許してやる」
 皆の前でカメに謝罪させる。それがウサギの目的だ。
 カメより自分が上だと周りに証明することで、自らの人気を上げる作戦である。
 どうせ平和主義なカメの事だ。きっとこの勝負には乗ってこない。
 これで間違いなく自分も人気者だろう。楽しみだ。


◇タイトル:アブノーマル
◆キャッチコピー:私は私の生き方を勝ち取る

~書き出し~
※本作には汚い描写があります。 

隣にいるクランキーが自分の糞を食べている。
 人間が立ち入らない深い森の奥で、私達ウサギは静かに暮らしていた。
 クランキーは私達のボスであり、力自慢の雄ウサギだ。
 そんな雄々しいボスも自分の糞を食べなくてはならない。
 私達は食べた草を消化しきれない時がある。そんな時は、草が混ざった糞をもう一度食べて消化するのだが、私にはその行為が酷く醜いことだと感じていた。
「もったいないな。食べないならお前の糞も貰うぞ」
「……好きにすれば」


◇タイトル:遺書は捨てても蘇る
◆キャッチコピー:あなたは絶対逃げられない

~書き出し~
 黒見雫が死んでいた。ドアノブで首を吊り、顔が青白くなっている。舌が伸びきっていた。
 僕ら三人は顔を見合わせた。誰も何も言わない。何か言葉を発したら、すべての責任を負わさかねない。そんな空気を感じていた。
 最初に口を開いたのは速水ケンタだった 
「本当に死んでるのか、これ? ドッキリじゃねえか?」
 ケンタは、がっつりとした体形のスポーツマンで顔は二枚目だった。いつも表情に余裕を浮かべているが、今は口の端を引きつらせていた。
 沢森あかねが眉を吊り上げる。
「どう見ても死んでるでしょ。今、そういうのいいから。マジで笑えないから」


◇タイトル:ウサギのなきごえ
◆キャッチコピー:What the rabbit say?

~書き出し~
「やばいの! 朝起きたらウサ耳だったの! もふもふなの!」
 スマホの向こうで宇佐城美実(うさぎ みみ)が喚いている。寝起きの頭に大声はキツい。意味不明な内容なら尚更だ。
「すまん、もう一回言ってくれ」
「だから! 耳がウサギなの!」
「いや、意味がわからんのだが」
 宇佐城の説明が悪いのか、俺が寝ぼけているのか。
 今日は五月三日、待望のゴールデンウィーク初日だ。昼前まで惰眠をむさぼる気満々だったのだが、朝八時にこの電話がかかってきて、平日と大して変わらない時刻に起きるはめになった。睡眠中も聴覚が働くのは、野生動物が外敵から逃げるのには役立つが、人間にとってはありがたくない場合もあるよな。
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3023年05月01日 00時11分54秒 公開
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