【跡地化】愚かものと律儀な魔女

Rev.03　枚数： 3 枚（ 840 文字）
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はびびhabibinskii

2022年08月14日 02時52分05秒 公開
■この作品の著作権は はびびhabibinskii さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
◆テーマ：『喜』『怒』『哀』『楽』
◆キャッチコピー：ふたりの愚かものと魔女が織り成す教訓譚
◆作者コメント：いちばん大切なものがなにか知っていますか。知っているのなら、本当に大切にしていますか。そうでなければ大変なことになりますよ……。
参加させていただきありがとうございます。それでは、楽しんでまいりましょう！

2022年08月29日 03時53分04秒
 作者レス
  • 【共通作者レス】

    ほとんどの方、初めまして。作者のはびび（habibinskii）です。ミチル企画には初参加になりますが、09年のラ研企画に二度ほど参加させてもらったことがあります。今回は有り難いことにいさをさまがお誘いくださいまして、本企画に参加させていただきました。
    どうぞお見知りおきくださいませ。普段はエブリスタにて細々と活動しております。

    長いこと創作から離れ気味の生活をしていたため、本作はじつに12年ぶりに創った新しいお話になります。　……12年！　自分でも驚愕です！　もう創り方忘れてしまいましたｗ
    瑕疵の多い作品となってしまいましたが、それでも本作は描いていて本当に楽しかったです。
    お読みくださった方々、ご感想を寄せていただいた方々、運営さま、そしていさをさま、誠にありがとうございました。



    【問題の分かりにくいラストについて】

    皆様を戸惑わせてしまったようで、申し訳ないやらお恥ずかしいやら。解説いたします。
    じつは当初の予定では、ほのりが魔女に記憶を取られ、博士が初めてほのりの名を呼び、願いどおり時間が巻き戻ったところで終わりだったのです。プロットにはその先はありません。
    つまり、代償と引き換えに「時間を巻き戻す」というほのりの願いが成就したわけです。（博士はそもそも契約をしていません）ただ、博士は大切なものを粗略に扱った（名前の省略）ので、「そんな愚かものは咎めを受けるよ」という魔女の予告どおり、咎めを受けてほのりを失ってしまうのです。
    これが本来考えていたラストです。

    ところが！　書いているうちに作者はこのふたりがとても可愛くなってしまいまして。
    なんとか救済したいという思いが頭をもたげてきたのです。それでも、キャラ愛のためにラストを捻じ曲げるなんてイカン、と心を鬼にして書き進めておりました。しかし、最後の最後になって、ほのりが涙声で「博士、オリエを好きでしょう？」と言った瞬間に作者の心は折れましたｗ

    それで急遽作り出したのが、あのラストなんです。
    もちろん理屈がまったく通らないとおかしいので考えました。
    博士は契約をしていないため代償を取られることはないはずであり、咎めを受けて一時的につらいを思いをしたけれど、永遠にほのりを失わなくてもいいんじゃないの、という理屈ですｗ

    これを書いておけば少しは分かりやすくなったのかもしれませんが、博士はあのあとほのりを探したのです。どこぞの家政婦紹介所でようやく見つけ（だから初夏だったのが秋になっている）、博士のほうから「うちで働きませんか」と誘いをかけ、それで記憶をなくしたほのりが再び面接にやってきた、というつもりでした。
    …………ちゃんとそれ書けよ、ですね。申し訳ありません……。　

    いくら理屈を考えたところで色々とおかしいところ、不自然なところはあるのですが、そんなものを無視してしまうくらい作者がキャラ愛に振り回された、その結果の不可解なラストでした。

    しかし、12年ぶりに創った新しいお話のキャラにこんなに入れ込めたのはほんとに幸せでした。


    個別感想レスはまたのちほどいたします。
    作者は改稿魔ですので、皆様の貴重なご感想を参考にしていつか本作を改稿したいと思います。
    ありがとうございました。







    E-Mail pass
2022年08月28日 00時21分51秒
 +30点
  • 作品拝読しました。

    博士をめぐっての淡い恋模様が丁寧に描かれていた作品でした。
    世界観もファンタジーっぽい部分があって、上質なアニメを見ているような感じがしました。
    （以下ネタバレありです）







    オリエが亡くなった後の
    ＞ふたりきりの食堂はぎこちなく静かで、壁掛け時計の音がやけにくっきりと響く。カチ・コチと違和感を刻んでいる。
    こういう部分の描写、とてもうまかったなと思います。すごく好み！

    あと、大事なものがわからずに言葉に詰まるシーンは読んでいて印象的でした。

    私の読解力不足のせいだとは思うのですが、後半から結末にかけて、「誰の願いが聞き入れられて、代償に何を失ったのか」が少し混乱してしまう感じはしました。
    時間が戻った、ということはうっすらとわかるのですが……。
    ポンコツで申し訳ないです。

    全体的にとても綺麗でみずみずしく、切なさも併せ持った素晴らしい作品でした。
    執筆お疲れ様でした。

    E-Mail pass
Re: 2022年08月30日 01時27分07秒
  • 茉莉花さま


    このたびは拙作にご感想をありがとうございます。

    ＞世界観もファンタジーっぽい部分があって、上質なアニメを見ているような感じがしました。

    そんな雰囲気を目指していたので大変嬉しいお言葉です。なんとか成功したようです。


    ＞こういう部分の描写、とてもうまかったなと思います。すごく好み！

    ありがとうございます。こういう描写を考えるのは大好きなんです。そんなことばかり考えてしまう結果、大変に遅筆ですｗ


    ＞私の読解力不足のせいだとは思うのですが、後半から結末にかけて、「誰の願いが聞き入れられて、代償に何を失ったのか」が少し混乱してしまう感じはしました。

    読解力不足なんてとんでもございません。ラストについては完全に説明不足、お分かりになった方はおそらくひとりもおりません……。穴があったら入りたいです＞＜。
    ラストについては共通の作者レスで弁明しておりますので、お手数ですがよろしければそちらをご覧になってくださいませ。混乱させてしまって本当に申し訳ありませんでした。

    ＞全体的にとても綺麗でみずみずしく、切なさも併せ持った素晴らしい作品でした。

    ありがとうございます。
    本作はもしやだいぶ読み手を選ぶタイプなのかなと思いました。他の方のご指摘では少女漫画っぽいとのことで、確かにそうだなと。茉莉花さまには気に入っていただけたようで嬉しいです。


    それでは、またどこかで。
    このたびはありがとうございました。




    E-Mail pass
2022年08月27日 21時06分34秒
 +10点
  • 拝読しました。

    すごく雰囲気の良い作品でした。
    ツッコミどころは沢山あるのですが、それをしてしまうと雰囲気が壊れてしまう。
    例えば魔女への手土産で必要なものは、山羊の頭とミシン糸と時計の長針。
    そしたら山羊の頭はあっという間に町から消えてしまって、山羊の頭に似せたシカの頭を売る店とか、そういう商売が成り立つんじゃないかと考えてしまうと本当に野暮ですよね。
    山羊の頭だからこの雰囲気が出ているのであって、そこから先は考えちゃいけないような作品でした。

    ラストもこの雰囲気にマッチした素敵な結末でした。
    しかし、あまり詳しく述べられていなかったので、申し訳ありませんがいろいろと邪推してしまいました。
    ネタバレになってしまいますが、ほのりは博士との想い出を代償に時間を巻き戻す。でもこれって……無限ループにもなりますよね？
    例えば、新しい時間軸でほのりは博士と幸せに暮らしますが、何か不幸が起きてしまって、ほのりは博士との想い出を代償にまだ時間を巻き戻す。これが繰り返される可能性があるんじゃないかと、余計なことを考えてしまいました。
    なにか、無限ループにならないような代償や願い事だったら、もう少し心にじんわり来るラストになったかもしれません。
    ラストについては他の方からも別の考察がコメントされており、自分も同じようなことを考えてしまったりしておりました。

    個人的に好きだったのは、琥珀が波に打ち上げられるシーンです。
    瑪瑙だったらすぐに海に沈んでしまいますし、樹脂である琥珀ならではの現象です。
    ネットで調べてみたら琥珀は海水には沈んでしまいますが、飽和食塩水には浮くみたいですね。
    異世界のようなファンタジーでしたが、ちゃんと科学に基づいているところが良かったです。

    使用されたテーマは喜怒哀楽ということですが、優しさのベールがかかった喜怒哀楽という感じでした。
    本作の雰囲気の良さと今回のテーマは、少し相性が良くなかったかもしれません。
    執筆お疲れ様でした。


    E-Mail pass
Re: 2022年08月31日 00時21分52秒
  • つとむューさま


    このたびは拙作にご感想をありがとうございます。励みになります。

    ＞ツッコミどころは沢山あるのですが、それをしてしまうと雰囲気が壊れてしまう。
    ＞山羊の頭だからこの雰囲気が出ているのであって、そこから先は考えちゃいけないような作品でした。

    確かに雰囲気重視の作品には、多少おかしなところなどがあってもツッコんだら野暮だ、という暗黙の了解めいたものがありますよね。　そして本作にもおかしなところは山ほどあるのですが、「そこから先は考えちゃいけない」と感じていただけたなら、とりあえず雰囲気作りには成功できたといえそうです。安心しました。


    ＞例えば、新しい時間軸でほのりは博士と幸せに暮らしますが、何か不幸が起きてしまって、ほのりは博士との想い出を代償にまだ時間を巻き戻す。これが繰り返される可能性があるんじゃないかと、余計なことを考えてしまいました。

    申し訳ありません。ラストについては私の甚だしい説明不足のためにすっかり誤読させてしまったようです。ラストは新しい時間軸ではなく、その後の話なのです。　ラストについての説明というか弁明を共通の作者レスのほうに書きましたので、お手数ですがよろしければそちらをご覧になっていただけますでしょうか。本当にすみません。


    ＞瑪瑙だったらすぐに海に沈んでしまいますし、樹脂である琥珀ならではの現象です。

    ええーそうなんですか！　知りませんでした……科学ではなく妄想に基づいて書いていましたｗ　私が調べたのは琥珀や瑪瑙はいくらくらいするものかということだけです……。


    ＞使用されたテーマは喜怒哀楽ということですが、優しさのベールがかかった喜怒哀楽という感じでした。

    そうですね、生々しい喜怒哀楽ではなかったと思います。


    それではまた。ありがとうございました。
    つとむューさまも執筆お疲れ様でした。お互いに創作を楽しんでまいりましょう。

    E-Mail pass
2022年08月27日 18時27分11秒
  • 　ん～、良い感じの雰囲気は出せているのですが、本題に入るまでが長く、それでいてキャッチーな話題もなかったのでいささか退屈に感じ、途中からざっくり読み流した感じになってしまいました。ごめんなさい。
    　いろいろ文章を並べているわりに、不明瞭な状態が続いていて、文章に問題がないのに読み難く思いました。
    　あと、個人的に違和感のある単語の組み合わせがちょこちょこと。

    E-Mail pass
Re: 2022年08月31日 00時35分33秒
  • Hiroさま

    このたびは拙作にご感想をありがとうございます。


    ＞　ん～、良い感じの雰囲気は出せているのですが、本題に入るまでが長く、それでいてキャッチーな話題もなかったのでいささか退屈に感じ

    本題に入るまでが長い、ですよねえ。そこは少し気になっていたところです。退屈させてしまって申し訳なかったです。


    ＞　文章に問題がないのに読み難く思いました。
    ＞　あと、個人的に違和感のある単語の組み合わせがちょこちょこと。

    文章はひとによって好みがまるで違いますので、残念ながらHiroさまとは合わなかったようですね。残念です。

    わざわざ点数評価なしにしてくださいましたことに、お気遣いを感じます。ありがとうございました。
    それではまた、どこかで。このたびはありがとうございました。


    E-Mail pass
2022年08月26日 22時11分38秒
 +10点
  • 愚かものと律儀な魔女、読ませて頂きました。
    以下、がっつりネタバレ感想です。




    【一通り読んでみての印象】

    　世界観がいいな、と思いました。自分には絶対に構築できないタイプの世界観です。

    【タイトル】

    　タイトル通りの作品だったな、と思いました。ストレートでよかったです。


    【書き出し】

    　冒頭の文章は雰囲気を表していて素晴らしいと思う反面、ちょっと読みづらさを感じてしまい、自分に最後まで読み切れるだろうか、と不安になってしまいました。とはいえ、そこから続く日常の描写は、すんなり頭に入ってくるものでした。

    【ストーリー】

    　最初は、ふわっとした日常系にファンタジー要素が乗っかる話かな、そういうの好きだなぁ、と思いながら読んでました。天野こずえの『ARIA』が好きなので、そういうイメージを持ちながら読んでいました。

    　ところが、です。オリエが死んでしまうという衝撃展開。ここには心底驚かされました。それと同時に、話に一気に引き込まれました。

    　そこからは定番と言えば定番の「願いと代償」の話。王道的ですが、その展開に至るまでの話運びが巧みだったため、上手いと思いました。

    　博士とほのりの駆け引きも面白く、これはラストに期待！　となりました。


    【キャラクター】

    　ほのり、良いですね。可愛らしいです。純朴さを感じ取ることができました。

    　オリエも良いですね。理想的なお姉さんといった感じでした。こんな姉がほしい。

    　博士も悪くないと僕は思いました。ほかの方もおっしゃってますけど、ほのりが好きな理由が、容姿というのに、若干の引っ掛かりは覚えました。とはいえ、ほのりがコンプレックスに感じている部分を博士が好きになったというのは、設定的には良いと思いました。容姿のほかに、博士がほのりをより好きになったきっかけの回想なんかを入れると、より二人の関係性を応援したくなっていたかもしれません。

    　魔女の存在感も強烈でいいと思いました。ビジュアル的なインパクトがありますよね。


    【ラスト】

    　物語にがっつりのめり込んでいただけに、ここはちょっと……いや、かなり引っ掛かりました。

    　実は御作は、企画が始まってから早い段階で読んでいたんですが、ラストを読んで「？？？」となり、ほかの方の感想を読んでから感想をつけようと思いました。改めて終盤の方を読み、他の方の感想を読み、今現在、僕は感想を書いています。

    　ほのりの願いは叶えられたけど、代償として記憶が失われ、博士は大切なものを失いたくないから、願いを叶えてもらおうとしなかった、と。ここまではわかったんですけど、どこまで魔法が世界に影響を及ぼしたのか、そこの部分がやはり掴めませんでした。他の方の感想の中に正解があるのでしょうか。気になります。ともかく、事実として書かれているのは、「博士の家には新たな使用人がいて、ほのりが再び博士のもとにやってくる。で、博士はそれを嬉しそうに出迎え、オリエのことを妹分だと語る」と。

    　おそらく、切なくて優しい読後感を狙ったのだと思うのですが、これは良い話なのか、と頭を悩ませてしまいました。オリエの記憶がなくなり、まっさらな状態になったほのり。罪悪感を消せた一方で、三人での生活の記憶はなくなりました。しかし、また一から博士と関係を築いていく。未来を感じさせるラストではあるのです。しかしこれだと、ほのりの葛藤した過去、博士の、ほのりを止められなかった絶望や悲しみが、ラストに至り、突然あっさりと解消されてしまったようにしか見えませんでした。

    　記憶をなくしたほのりが博士のことを、何かをきっかけにうっすらと思い出し、博士のところに向かう。

    　または、博士が絶望と後悔の中で暮らしている描写を入れ、ほのりが来ることを知り、歓喜する。

    　などのエピソードが入っていれば、たぶんこのラストに感動していたような気がします。

    　魔法のあたえた影響のわからなさと、一足飛びで「いい話」ふうに着地する構成には、正直なところ、かなり疑問をもってしまいました。世の中には「なんだかわからんがとにかくよし！」と思える作品や「なんだかわからんが感動した！」という作品もあるにはあるのですが、プロでもその域に達せる人は、なかなかいない事実。わからなさを上回る感動は、御作においては、ちょっと足りていなかったかもしれません。

    　とはいえ、これは僕の読解力の問題も多分に入っての感想。ズレていると感じたのであればスルーして頂いて大丈夫です。


    【本作の強み（セールスポイント）】

    　世界観と恋愛模様でしょう。世界観と、その世界観を体現する文章が素晴らしかったです。

    【総評】

    　今企画で、最もつける点数に悩まされた作品でした。白状すると、オチのわからない話は苦手です。余白があったり宙づりで終わったりはいいのですが、ラストがわからないと、非常にモヤります。お前の読解力の問題だろ、と言われてしまったら、その通りです、としか返せないのですが……。上で書きましたが、わからなさを吹っ飛ばすレベルの感動があれば、たぶん、僕の中での評価はかなり変わっていたと思います。世界観構築のレベルの高さは、今企画でトップレベルだったと思います。それだけに、かなり惜しく思ってしまいました。


    　以上です。執筆おつかれさまでした。

    E-Mail pass
Re: 2022年08月31日 01時33分01秒
  • 円藤飛鳥さま


    このたびは拙作にご感想をありがとうございました。


    ＞　世界観がいいな、と思いました。自分には絶対に構築できないタイプの世界観です。

    ありがとうございます。こういうの初めて書いてみたのですが、どうやら世界観や雰囲気作りだけは成功といえそうで、大変嬉しく思っています。


    ＞　ところが、です。オリエが死んでしまうという衝撃展開。ここには心底驚かされました。それと同時に、話に一気に引き込まれました。

    じつは作者も衝撃展開すぎて驚きました（ぇ　こんな急展開はかつて書いたことがなく、この衝撃展開を迎えた登場人物の内面をどうやって描けばいいのかおおいに戸惑いました。
    同時に、こんな展開を読み手はどう受け取るものか心配しておりました。ですので、一気に引き込まれたとのお言葉に安堵いたしました。……ふう、よかったー


    ＞容姿のほかに、博士がほのりをより好きになったきっかけの回想なんかを入れると、より二人の関係性を応援したくなっていたかもしれません。

    そうですね。博士はいわゆる一目ぼれですが、それに加えてもっと確かなきっかけを作っておくべきでした。改稿時にはそのように直そうと思います。貴重なご意見ありがとうございます。

    ＞　魔女の存在感も強烈でいいと思いました。ビジュアル的なインパクトがありますよね。

    魔女は書いていてものすごく楽しかったです。あまり出番がなくて寂しいくらいでしたｗ


    ＞　物語にがっつりのめり込んでいただけに、ここはちょっと……いや、かなり引っ掛かりました。

    ラストについては説明不足すぎて本当に申し訳なく思っております。


    ＞　実は御作は、企画が始まってから早い段階で読んでいたんですが、ラストを読んで「？？？」となり、ほかの方の感想を読んでから感想をつけようと思いました。

    ひえー、誠に申し訳ありません。
    ラストについての解説というか弁明を共通の作者レスのほうに書きましたので、お手数ですがよろしければそちらをご覧くださいませ。本当にすみません。


    ＞　おそらく、切なくて優しい読後感を狙ったのだと思うのですが、

    ……いえ、弁明にも書きましたが、本来あのラストはなかったのです。そこに無理やりあのラストを説明不足のままつけてしまったがために、読者さまをおおいに戸惑わせてしまいました。


    ＞　または、博士が絶望と後悔の中で暮らしている描写を入れ、ほのりが来ることを知り、歓喜する。

    そう、説明せずに省略してしまったのは、まさにこれなんです。これを入れるべきでした。ああ、悔恨の極み！！　でございます！


    ＞　世界観と恋愛模様でしょう。世界観と、その世界観を体現する文章が素晴らしかったです。

    セールスポイントまで分析していただけて感激です！　文章をお褒めいただけますと、雲を突き抜けるくらいに飛び上がって喜びます。ありがとうございます。


    ＞わからなさを吹っ飛ばすレベルの感動があれば、たぶん、僕の中での評価はかなり変わっていたと思います。世界観構築のレベルの高さは、今企画でトップレベルだったと思います。それだけに、かなり惜しく思ってしまいました。

    ああ、あのラストがきちんと書けていれば高評価をいただけたかもしれないのですねぇ……心底残念です、あのまま投稿した自分に馬鹿と言ってやりたい……


    貴重なご意見と詳細な分析をありがとうございました。励みになります。本作はそのうち改稿しようと思いますので、いただいたご指摘を参考にさせていただきます。

    それではまた、どこかで。このたびは誠にありがとうございました。

    E-Mail pass
2022年08月24日 01時36分32秒
 +10点
  • 　読了しました。

    　大昔姉の購読していた「ちゃお」を読むことがあった自分なので、こういう少女漫画（少女小説？）的文法にはある程度馴れているつもりです。
    　むせるかむせないかのボーダーでした。
    　文体できっちり雰囲気作れている点とか、タイトルが内容に噛み合っていてそこにオシャレさがある点とか、一貫したイズムがあって、何と言うか家具や小物を大切に吟味した綺麗な部屋みたいな雰囲気がありました。

    　ヒーローがヒロインに惚れた理由が「可愛らしかったから」というのが、個人的にはもうちょっと他にあって良かった感はあったかもしれません。
    　一緒に暮らしている訳ですから徐々に惹かれる部分があったとか、明確なエピソードを設けるとか、方法はあったような気はするんですよね。雑って感じはしなかったのは文章の展開が滑らかだから流しちゃうってのがありますし、ヒロインが自分の容姿について葛藤する場面が前置きとしてあるから実際雑って訳じゃないってのもあるんだと思いますが。
    　好みの問題でしょうね多分。
    　好みと言うならラストもちょっと分かりにくかった感じがありました。どう分かりにくかったのか書くのがどう考えても親切ですが自分の読解力のなさを披露するのが嫌なのとそもそも上手く書ける気もしないのでこれもスルーします。お兄さん許して。

    　とは言え冷静に考えると指摘点としてどうしようもなくでかいって訳じゃない（後者は己の読解力の方に問題がある可能性もあるし）と思います。
    　魔女のキャラクター性は良かったです。タイトルと噛み合ってるし。海の中にいて代償と引き換えに何か叶えてくれるとなると人魚姫の魔女っぽさはありますね。シンデレラの魔女とかは優しくて良い人ですけど、たいていの魔女は相応しい対価は迫りますよね。でも約束はお互いに破らなかったりとか「律儀」なところもあると思います。舞台装置として洗練される上で、オマージュ側が後付けした性格なんでしょうけど。


    　創作お疲れ様です。これからも頑張ってください。

    E-Mail pass
Re: 2022年08月31日 22時31分26秒
  • 粘膜王女三世さま


    このたびは拙作にご感想をありがとうございます。
    そして優勝おめでとうございます。


    ＞　むせるかむせないかのボーダーでした。

    ご指摘で気づきましたが、確かに本作は少女漫画の匂いがプンプンしますね。というか、作者は少女漫画を読んで育ちましたし、創作の基礎もそこから学んだので、なにを書いても少女漫画の匂いが漂ってしまうようですｗ　
    そういった匂いに不慣れな方には、本作は気恥ずかしくて受け付けないかもしれませんね。むせるかむせないかのボーダーラインでしたか……いやはや。もしや女性向けだったようですね。　

    ＞　何と言うか家具や小物を大切に吟味した綺麗な部屋みたいな雰囲気がありました。

    今回、雰囲気づくりだけはどうやら成功したようです。ほっとしました。

    ＞　ヒーローがヒロインに惚れた理由が「可愛らしかったから」というのが、個人的にはもうちょっと他にあって良かった感はあったかもしれません。

    そうですね。いわゆる一目ぼれなんですが、それに加えて恋心が明確になったきっかけのエピソードが必要だったと思います。なにか考えてみますね。

    ＞　好みと言うならラストもちょっと分かりにくかった感じがありました。

    ラストについてはあまりに説明不足で本当に申し訳ありません。読解力の問題ではありません、理解できた方はひとりもいなかったようで、完全に描き方が雑すぎたせいです。
    ラストについての説明というか弁明を共通の作者レスに書きましたので、お手数ですがよろしければそちらをご覧になってくださいませ。本当にすみません。


    ＞　魔女のキャラクター性は良かったです。タイトルと噛み合ってるし。

    魔女は書いていてとても楽しかったです。出番が少なくて寂しかったくらいです。


    それではまた、どこかで。ありがとうございました。
    粘膜王女三世さまも、執筆お疲れさまでした。


    E-Mail pass
2022年08月22日 10時52分31秒
 +10点
  • 　作者さま、こんにちは。
    　御作を拝読しましたので感想を述べさせて頂きます。


    　独特の雰囲気を持つファンタジー作品でした。
    　冒頭で魔女の存在を印象づけた後は一転してラブコメみたいな雰囲気に。ラノベらしく楽しげな、しかし後のシリアス展開を予想させる出だしだったように思います。
    　博士、オリエ、ほのりの日常パートはいいですね。読んでいて心温まります。博士もほのりも両想いのくせに、互いに自分の気持ちを打ち明けず、ほのりはオリエに嫉妬なんかしちゃったりして。本当に微笑ましい。冒頭から三分の一ぐらいまでは目を細めながら読ませて頂きました。
    　印象が変わったのは、ほのりがオリエへの嫉妬心を強めたあたりから。冒頭に紹介されていた魔女のこともあって、不穏な空気を感じました。ほのりが魔女に願って、オリエの存在を消そうとするんじゃないかと心配になりました。
    　予想は少し外れて、オリエは事故により退場することになるわけですが、以降はほのりと博士の心理が交錯して描かれるので、状況を整理しながら読むのにやや苦労しました。
    　あと、煮えきらない博士にイライラしたりなんかも。何を躊躇うことがあったんでしょうかね、この優男は（近所のおばちゃん風に）
    　苦労したといえば、ほのりの願いと博士の願いがどういう形で叶えられ、何を失ったのかを理解するのにも少し時間がかかりました。
    　ほのりの願いは時間を巻き戻すこと。代償は博士に関する記憶。
    　博士の願いはほのりの願いをキャンセルすること。代償はオリエやほのりと暮らしてきた日常。
    　ラストではほのりが願った通り、時間が巻き戻され、その代わり博士の記憶はなくなりました。
    　いっぽう、時間は巻き戻ったけどオリエがいなくなったので、博士の代償は払われました。でも、博士の願いは叶えられていなくないですか？
    　これは多分に私の読解力が足りていないからだと思いますので、よろしければ作者レスにて解説をお願いします。


    　他の方の感想で本作はスタジオジブリ作品のようだという意見がありましたが、なるほどそんな雰囲気です。
    　初めは本作の世界観を理解するのに難儀しましたが、途中で他の方の感想を見て、確かにジブリ作品のようだと思いました。
    　これはパクリという意味ではなくて、作者さま独自の世界観と雰囲気が醸し出されていたからだと思います。
    　その独特さを楽しめたのが、本作を読んで一番よかったと思える要素でした。
    　これからも自分なりのやり方で、よりよい作品を書き続けて下さいね。
    　それではこのあたりで。

    E-Mail pass
Re: 2022年08月31日 23時20分29秒
  • 庵（いおり）さま


    このたびは拙作にご感想をありがとうございます。
    まさか、ふたたび企画に参加することがあろうとは思ってもおりませんでしたｗ

    ＞　独特の雰囲気を持つファンタジー作品でした。

    今回、雰囲気作りだけはどうやら成功だったようです。こういうの初めて書いたので、ほっとしました。

    ＞　ラノベらしく楽しげな、しかし後のシリアス展開を予想させる出だしだったように思います。

    ラ研時代には一般文芸作品をしれっと投稿して顰蹙を買っていた私ですが、ようやくラノベに近いものが書けましたよー。……しかし、本作は企画作品のなかでだいぶ毛色が違うというか、かなり浮いていたように思います。どのみち拙作は浮いてしまうんですね……

    ＞　博士、オリエ、ほのりの日常パートはいいですね。読んでいて心温まります。

    それはよかったです。日常パートが続くと退屈だと言われかねないので（実際そういうご感想もいただきました）懸念しておりました。好みの問題なんでしょうかね。

    ＞　以降はほのりと博士の心理が交錯して描かれるので、状況を整理しながら読むのにやや苦労しました。

    そうでしたか、もっと分かりやすく書ければよかったですね、すみません。

    ＞　あと、煮えきらない博士にイライラしたりなんかも。何を躊躇うことがあったんでしょうかね、この優男は（近所のおばちゃん風に）

    笑笑。あそこまでいって止めてしまうほうが、逆に恥ずかしい気もしますよねｗ　

    ＞　苦労したといえば、ほのりの願いと博士の願いがどういう形で叶えられ、何を失ったのかを理解するのにも少し時間がかかりました。

    ラストについては説明不足すぎてしまい本当に申し訳ありません。作者レスのほうで解説というか弁明をしましたので、お手数ですがよろしければそちらをご覧くださいませ。

    ＞　ほのりの願いは時間を巻き戻すこと。代償は博士に関する記憶。
    ＞　博士の願いはほのりの願いをキャンセルすること。代償はオリエやほのりと暮らしてきた日常。

    いえ、ほのりの代償が三人で暮らした日常の記憶です。
    博士の代償はほのりですが、博士はそもそも契約をしていないので代償を払う必要はないのです。それでもほのりを失ってしまったのは、大切なものを粗略に扱ったために、魔女の予告通り「咎め」を受けたからです……というつもりでした。分かりにくくて本当にすみませんでした。

    ＞　初めは本作の世界観を理解するのに難儀しましたが、

    これも不親切だったと思います。現代日本にちょっと不思議要素があるくらいだからと軽く考えておりましたが、読み手は真っ白な状態で読み始めるのですから、もっと分かりやすくしておくべきでした。反省します。


    次の新作はいつ書けるのかまったく分かりませんが、もっと理解しやすいものをお届けできればと思います。とにかくようやく大学を卒業して、心置きなく創作に没頭できる状況になりましたので頑張りますよー。

    それではまた。ありがとうございました。庵さまも執筆お疲れ様でした。



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2022年08月20日 21時03分30秒
 +20点
  • 　赤木と申します。読ませて頂いたので感想をば。
    ※この感想にはネタバレが含まれます。








    　御作を読んでまず、物語を包む優しい雰囲気にやられたように感じます。冒頭の魔女の下りこそ不穏ではありましたが、優しきお姉様分のオリエ、省略しがちなちょっと意地悪な博士、そんな二人に囲まれて穏やかな団らんの日々を送るほのりの生活描写が丁寧な文章で綴られる様にまず魅せられました。まるで穏やかなタッチの絵本を読んでるような錯覚を感じました。殺伐としたりエッチだったり下品だったりする作品が乱立し、今回もそんな感じになってるミチル企画においてこの穏やかで優しい御作の雰囲気は希少、こんなところに置いて良いもんじゃない（褒めてます）とすら感じました。いや素晴らしい。
    　そんな丁寧な描写でほのり達への感情移入が進んだところでのオリエの唐突な死、切ないほのりの願い、それを叶えるために魔女への代償を捧げようとするほのり、大切なほのりのためにそれを阻止しようとする博士…という展開には、作者様の物語作りの技量を感じると共に、憎らしいとも感じました。
    　いや、良いのよ？　物語面白くするのにそういう展開良いのよ？　でもほのりと博士可哀想じゃん？　っていう感じの憎らしさです。ほのりが魔女への二回目の訪問を決意したシーンなんて思わず「ダメ……ダメ……」って呟いちゃったくらいです。

    　間違いなく物語として高いクオリティを持った御作だったかと思いますが、残念ながら気になった点はいくつかあったように感じます。
    　まず、所々の描写が冗長となってテンポが悪くなったように感じたことがあります。特に浴場からの脱出シーン、これから物語が起承転結の転結に行くぞ、となる時にほのりちゃんの小人ボディでの脱出描写をじっくり入れ込まれており、それはそれであぁ＾～いいよ＾～ではあるのですが、個人的にはテンポを殺さず、簡潔な描写に留め、一気に入江のシーンへ持っていった方が良かったように思います。
    　あとは私の読解力のせいかもしれませんが、終盤、博士がほのりにキスしようとして結局しなかった理由がよく分かりませんでした。オリエの思い出に浸っている最中にほのりへの想いを深めることに博士なりに罪悪感のようなものを感じたのか、とか想像は出来ますが、個人的にはこの行動の理由について描写を入れてくれた方が好みだったように思いました。
    　あとは、ラストですね……魔女に願いを聞き入れられた代わりに、代償として博士達の記憶を失ったほのり、それを目の当たりにして途方にくれる博士、そして願いのとおり巻き戻る時間。読者的には、予測していたとおりの展開ではあったものの、それでも博士とほのりの絆が途切れたことにショックを受けていたところでしたが、その直後、博士の記憶を失ったほのりが新しい家政婦を雇った博士の家に雇われに面接に訪れ、それを博士も喜んで受け入れる、というところで物語は終わります。
    　落とした時に上げる、というのは物語を面白く展開させる上では必要なことだとは思うのですが、御作の場合、途方に暮れる博士の心情が十分に描かれず、場面だけが明るい方向に展開しており、博士の心情に感情移入していた読者としては、ちょっとおいてけぼりにされた感がありました。個人的な感じ方かもしれませんが、もう少し博士の心情に寄り添った書き方をしてもらった方が良かったように思います。


    　ああだこうだと書いてしまいましたが、御作を包む雰囲気には舌を巻くばかりでした。ただ、そこにパンチの利いた描写や、展開を入れ込んだ方が、個人的には良いんじゃないかと思いました……でもそれでこの雰囲気が崩れるのはそれはそれで嫌だな、とも思うので……なかなか難しいものです。
    　まとまりのない感想で恐縮ですが、以上となります。今後も執筆、頑張って頂けると嬉しいです。

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Re: 2022年09月01日 01時31分50秒
  • 赤木さま


    このたびは拙作にご感想ありがとうございます。

    ＞　穏やかな団らんの日々を送るほのりの生活描写が丁寧な文章で綴られる様にまず魅せられました。

    それはよかったです。日常パートが続くと退屈だと言われかねないので懸念しておりました。今回は雰囲気づくりが功を奏したのか、あまり退屈に思われなかったようで、ほっとしました。

    ＞　この穏やかで優しい御作の雰囲気は希少、こんなところに置いて良いもんじゃない（褒めてます）とすら感じました。いや素晴らしい。

    ありがとうございます。……正直なところ、本作は企画作品のなかでだいぶ毛色が違っており、かなり浮いていたと思っておりますｗ　いやー、変態だったり御立派様だったり、ミチル企画がこのような魔窟（笑）だったとは知りませんでしたよｗ

    ＞　作者様の物語作りの技量を感じると共に、憎らしいとも感じました。

    なんと嬉しいお言葉！　文章についてはそこそこ書けているとは思うのですが、物語作りに関しては少しも自信がないのでお言葉に救われます。

    ＞　まず、所々の描写が冗長となってテンポが悪くなったように感じたことがあります。

    ああ、そうかもしれません。冗長になってだれてしまうのは私の悪い癖でして、過去にも何度も言われてきております……どうにか克服したいのですが難しい……。
    ご指摘の浴室からの脱出シーンは一考してみますね。貴重なご意見ありがとうございます。

    ＞　終盤、博士がほのりにキスしようとして結局しなかった理由がよく分かりませんでした。

    単純に、どうにも恥ずかしくなってしまったという理由でした。好きなひとの名前も呼べないような恥ずかしがり屋で勇気のない男ですから（ぁ

    ＞　オリエの思い出に浸っている最中にほのりへの想いを深めることに博士なりに罪悪感のようなものを感じたのか、とか想像は出来ますが、

    なるほどー！　そういう見方もあって当然でしたね！　参考にさせていただきます。

    ＞　博士の記憶を失ったほのりが新しい家政婦を雇った博士の家に雇われに面接に訪れ、それを博士も喜んで受け入れる、というところで物語は終わります。

    あの分かりにくいラストをもっともご理解いただけたのは赤木さまのようです。ラストについては共通の作者レスに説明というか弁明を書きましたので、お手数ですがよろしければそちらをご覧くださいませ。

    ＞　途方に暮れる博士の心情が十分に描かれず、場面だけが明るい方向に展開しており、博士の心情に感情移入していた読者としては、ちょっとおいてけぼりにされた感がありました。

    そうなんです、説明不足のうえにそこを省略してしまったことが皆様を戸惑わせてしまった原因でした。たしかにあれでは、場面だけが明るい方向に展開してしまい、読み手がポカンとしてしまいますよね……。何故気づかなかったんだ自分！

    ＞　ただ、そこにパンチの利いた描写や、展開を入れ込んだ方が、個人的には良いんじゃないかと思いました

    ……パンチの利いた描写や展開……それこそ私がもっとも苦手とすることでして、うーむ難しすぎます……でも、頑張ります！


    いただいたご意見を改稿の参考にさせていただきます。
    それではまた。ありがとうございました。
    赤木さまも、執筆お疲れさまでした。

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2022年08月20日 12時19分00秒
 +30点
  • こんにちは。kanegonと申します。『愚かものと律儀な魔女』読みましたので、感想です。
    読んでいった順番に思ったことを書き連ねています。

    冒頭の部分の文章が、なんというか、妙に気取ったような感じで鼻につくなあ。体言止めが多かったり。なんというか、こういう文章って、３０００字くらいの短い作品ならそれでもいいけど、長い作品でやるならあまり向かないような。作者もキツイだろうし読者も読み疲れる。
    と、思ったら、設定説明パートが終わったら、文章は大体普通になっていました。この文章でいいと思いますよ。どうせなら推敲の時点で冒頭も直してあればなお良かったかも。
    んで、冒頭で示された博士の省略というキャラ付けは良かったです。

    そして始まる設定説明パート。
    このパート、全部要らなくないですか。
    試しに全カットしてしまっても、作品自体はちゃんと成立するしちゃんと読める作品になっていると思います。
    それは、良く言えば物語がちゃんと面白く描けているということ。悪く言えば、設定説明は不要だし、どうしても描こうと思ったら説明じゃなく描写という形で物語の中に組み込めばいいということ。それをできるだけの筆力のある作者さまだと思うからこそ言っています。
    特に、主人公のほのりが博士に対して想いを抱いている、というのは、ここで説明しちゃ駄目じゃないですかね。三人での日常生活のエピソードを描く中で読者に提示できると思います。繰り返しになりますが、ミチル企画に参加して十分に通用するくらいハイレベルな作品を書けている作者さまならできると思うからこそ言っています。

    作品世界は、現代日本と異世界ファンタジーが混じったような不思議な感じ。宮崎アニメとかでありそうな感じでしょうかね。これはいいチョイスだったんじゃないでしょうか。完全に現代日本だと魔女とか浮いちゃって出せないし、完全な異世界ファンタジーにしてしまうと、良くも悪くもナーロッパという前提条件になってしまうという部分もあるのでしょう。

    琥珀をウイスキーに譬える比喩が出てきましたが、ちょっと引っかかってしまいました。
    ほのりって１７歳という設定のはずですが、ウイスキーって飲むのでしょうか。世界設定も単なる現代日本ではなくファンタジーなのですし、小説内のことだから未成年飲酒してはいけないとか言うつもりはありません。だけど、ほのりがウイスキーを飲むようなキャラに見えないんですよね。
    なので、ウイスキーによく似た、のところは、博士のお気に入りのウイスキーによく似た、にすればいいんじゃないかなと思いました。これならウイスキーの飲むのはほのりではなく博士だと分かりますので。そして、博士がオリエに作ってもらった水割りを飲んで満足そうな表情をして頬が赤くなるところを見て、ほのりはドキっとする、というような日常シーンを描けば、先述の、ほのりの博士に対する想いを説明ではなく描写で描けるのではないでしょうか。

    海の中に住んでいる魔女、に会いに行こうとする流れですが、家から海が案外近くて、ちょっと拍子抜けしました。確かに家の屋上から海が見えるシーンがあるので、海が近いのは近いのでしょうけど、そこから海の中に入っていったらすぐ魔女がいる、というのは、広く知られた伝説というよりは、この地方だけの独特の言い伝えレベルになってしまうような。
    なので、博士の家から海まで長い長い距離があるとか、海は海でも相当遠い沖合に出てからじゃないと魔女に会えないとかいった、距離、が必要なんじゃないかと思いました。
    ただまあ、その後、博士もほのりも再度魔女に会いに行くような展開なので遠いのも確かに困るんですよね。それだったら、最初から、この地方独特の言い伝えという形にしておけば良かったようにも思います。

    ラストは、ちょっと分かりにくいかもしれないですね。
    ほのりは、「美少女なんてみんな死んじゃえ」と呟いた前日に戻りたい、と願い、代償として最も大切なもの「博士とオリエと、あの家に過ごした愛しい日常……団欒の毎日の記憶」を支払うことによって願いが叶った。
    しかし代償として支払ったものは後から改めて入手することもできない、ということでしょうか。だからオリエとほのりは出会うことすら無くなり、別のメイドさんが登場することになった。
    博士とオリエとほのりの三人で過ごした日々、の中からオリエだけがパージされてしまうのはどうなのよという思いもあるのですが。
    ただその一方、博士の願い（ほのりの願いのキャンセル）は叶わなかった。理由は最も大切なもの（ほのり）を代償として支払うことを拒否したから。願いは叶わずに大切なものを得た博士は、大切なものを粗略に扱うことを許されなかったのか、ほのりの名前を呼んで大切に扱うようになった。なるほど、ほのりの記憶からオリエはパージされてしまったけど、オリエの存在自体が無くなったわけではなく、博士の妹分としてちゃんと存在していた、という形にしたのは良かったと思います。

    最後まで読んでそもそも論なのですが、博士はほのりをどうして好きになったのかな、とは思いました。もちろん、人を好きになるのに理由なんて後付けにしかならないでしょうけど、それこそほのりの立ち位置から見ると、何故博士にとってオリエが妹分なのか。博士がほのりを好きになる要素ってあるのか。どちらかというと、博士がオリエを好きにならずに妹分だと思うようになった理由があれば説得力も増したんじゃないかと。

    細々したことをあれこれ言いましたが、総評としては面白かったです。
    なんだかんだいいつつ、文章とかあれこれの設定とか世界観とかキャラとかの諸々が、上手くピースとしてはまりきった作品なのではないでしょうか。
    力作をありがとうございました。
    点数は端数切り捨てか切り上げかで迷って、気前よく切り上げにしておきます。
    簡単ですが感想は以上です。企画参加おつかれさまでした。


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Re: 2022年09月02日 01時32分19秒
  • kanegonさま


    このたびは拙作にご感想をありがとうございます。

    ＞このパート、全部要らなくないですか。
    ＞試しに全カットしてしまっても、作品自体はちゃんと成立するしちゃんと読める作品になっていると思います。

    おお、そうかもしれませんね。

    ＞どうしても描こうと思ったら説明じゃなく描写という形で物語の中に組み込めばいいということ。

    確かに、設定説明パートを入れると簡単に説明できる代わりに、物語の流れが一時的に止まってしまうという弊害がありますよね。設定ではなく物語を楽しむために読んでいる読み手に不親切な、面白みのない書き方だったかもしれません。

    ＞それをできるだけの筆力のある作者さまだと思うからこそ言っています。

    ありがとうございます。そういう書き方……はい、できます（言った！

    ＞特に、主人公のほのりが博士に対して想いを抱いている、というのは、ここで説明しちゃ駄目じゃないですかね。三人での日常生活のエピソードを描く中で読者に提示できると思います。

    そうですね、あそこで説明しなくても、日常のエピソードで充分に提示することができましたね。改稿時にはそのようにしてみようと思います。

    ＞作品世界は、現代日本と異世界ファンタジーが混じったような不思議な感じ。宮崎アニメとかでありそうな感じでしょうかね。

    現代日本に少しだけ不思議要素が混じっているかんじをイメージしていました。宮崎アニメと言われれば確かにそんな感じに近いかもです。

    ＞琥珀をウイスキーに譬える比喩が出てきましたが、ちょっと引っかかってしまいました。

    私としては一人称ではないので問題ないと思っています。しかしながら、いただいた代替案の、

    ＞博士のお気に入りのウイスキーによく似た、にすればいいんじゃないかな

    素晴らしい！　こっちのほうがずうっといいです！　なにより作品の雰囲気にぴったりだと思います。改稿時にはこのように書きたいと思います。アイディアありがとうございます。

    ＞そして、博士がオリエに作ってもらった水割りを飲んで満足そうな表情をして頬が赤くなるところを見て、ほのりはドキっとする、というような日常シーンを描けば、先述の、ほのりの博士に対する想いを説明ではなく描写で描けるのではないでしょうか。

    ますます素晴らしい！　ありがとうございます。　

    ＞最初から、この地方独特の言い伝えという形にしておけば良かったようにも思います。

    いや、ほんとその通りですね。そして、海辺の町のちょっと不思議な言い伝え、という形のほうが作品の雰囲気にあってますよね。

    ＞ラストは、ちょっと分かりにくいかもしれないですね。

    ラストについてはあまりに説明不足で申し訳ありません。皆様を誤読させてしまったようでございます。ラストについて、共通の作者レスに解説というか弁明を書きましたので、お手数ですがよろしければそちらをご覧くださいませ。

    ＞だからオリエとほのりは出会うことすら無くなり、別のメイドさんが登場することになった。

    いえ、あのラストは数ヵ月後のつもりなんです。。。

    ＞ただその一方、博士の願い（ほのりの願いのキャンセル）は叶わなかった。理由は最も大切なもの（ほのり）を代償として支払うことを拒否したから。

    そうですそうです。博士は魔女と契約しなかったんです。

    ＞願いは叶わずに大切なものを得た博士は、大切なものを粗略に扱うことを許されなかったのか、ほのりの名前を呼んで大切に扱うようになった。

    代償を払う必要はなかったけれど、大切なものを粗略に扱ったことで、「そんな愚かものは咎めを受けるよ」という魔女の予告どおりに咎めを受けて、ほのりを失った……というつもりだったんですけど、そこも分かりにくかったようです。申し訳ありません……。数ヶ月に記憶を失ったほのりが再び家政婦にやってきて、今度こそ名前を呼んで大切にするという結末のつもりでした。
    ……作者レスにも書きましたが、じつは本来は時間が巻き戻ったところで終わりだったんです。やはりそのほうがよいのではないかといま思い始めています……。改稿時には本来のラストでいこうかなあ、と。

    ＞最後まで読んでそもそも論なのですが、博士はほのりをどうして好きになったのかな、とは思いました。

    いわゆるひと目惚れなんですが、その恋心が明確になるようなきっかけのエピソードが必要でしたね。ここも考えてみます。

    ＞なんだかんだいいつつ、文章とかあれこれの設定とか世界観とかキャラとかの諸々が、上手くピースとしてはまりきった作品なのではないでしょうか。

    ありがとうございます。瑕疵はたくさんあったけれど、全体としては形が保たれていたということでしょうかね。
    たくさんのアドバイスをありがとうございます。改稿に有益なご指摘ばかりです。
    是非とも参考にさせていただきます。

    このたびはありがとうございました。
    それではまた、どこかで。



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2022年08月16日 08時10分04秒
 +30点
  • 愚かものと律儀な魔女、読ませていただきました。

    まず文章が非常に綺麗であり、良い雰囲気が表現されています。ほのりの心理描写がよく表現できており、彼女の恋心や名前を呼んでもらえない悲しみ。そしてオリエに対する嫉妬と後悔のシーンがしっかりと物語を引っ張ってくれます。特にオリエに対する『死んじゃえ』や博士の「……美味しいね」のシーンは自分の胸に大きく刺さりました。

    衝撃的な展開や魔女に会いに行く部分など、とにかく飽きさせない点が多い印象です。ほのりの『タヌキ』という表現や博士の『省略』なども自分好みのセンスですね。

    気になった部分としては最後にいきなり魔女が現れたのがちょっと唐突だったかもしれません。また、結末がよく理解できてないかも。
    博士の願いが受諾されてほのりの願いがキャンセルされたって認識で合ってますでしょうか？　

    願いを叶えてもらう代わりに代償がいるという物語は鉄板で、バットエンドにせよハッピーエンドにせよ味があって良いものですね。最近はアンテン様の腹の中って漫画にハマっていたりします。

    それでは失礼します。執筆お疲れ様でした！

    追記

    ごめんなさい。よく見たら読み落としがあったみたいで、多分結末としては単純にほのりの願いが成就されたって事で良さそうですね。これも間違っていたらごめんなさい。どうも自分は読解力が低いみたいで（汗

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Re: 2022年08月30日 00時54分30秒
  • でんでんむしさま

    このたびは拙作にご感想をありがとうございます。

    ＞まず文章が非常に綺麗であり、良い雰囲気が表現されています。ほのりの心理描写がよく表現できており、

    ありがとうございます。なにより人物を描きたいと思って創作しておりますので心理描写には重点を置いています。なので大変嬉しいお言葉です。全体に漂う雰囲気もなんとか書けていたようで安心しました。

    ＞衝撃的な展開や魔女に会いに行く部分など、とにかく飽きさせない点が多い印象です。

    おお！これは意外なお言葉です！　なんせ拙作はいつも「平坦で退屈」と言われてきたものですから……（泣　憧れの「飽きさせない展開」に少しは近づいているのでしょうか、嬉しいです。

    ＞気になった部分としては最後にいきなり魔女が現れたのがちょっと唐突だったかもしれません。

    おや、そうでしたか。なにか前兆っぽいことがあったほうがいいのでしょうか。いきなり現れて博士の告白を邪魔してほしくてああしたのですが……うーむ。

    ＞また、結末がよく理解できてないかも。

    結末については申し訳ございませんでした。あまりに説明不足でした。共通の作者レスに説明というか弁明をいたしましたので、お手数ですがよろしければそちらをご覧くださいませ。


    それでは、またどこかで。お互い執筆頑張りましょう。
    ありがとうございました。

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合計 9人 150点

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