地獄の釜の蓋が開くまで

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　赤黒くよどんだ空の下、生ぬるい風が吹きすさびペンペン草も生えぬ荒地に多数の男女が集っていた。
　若きもおり、老いたるもおり、衣装も様々。
　共通点を強いて探せば、誰もが夏の装いであることと、いくばくかの荷物を持っていること、そしてどこかしら浮かれた様子があることぐらいか。
　アロハシャツにスーツケースとこれからハワイに行くのだと言わんばかりのスタイルをした若者が、誰にともなく問いかける。
「今年は何日でしたっけ？」
「いつも通り4日間ですよ。16日にはちゃんと戻ってこないと、ペナルティですからね」
　四角四面な返事を返したのは、スーツの男だった。彼だけは荷物を持っておらず、代わりにクリップボードの書類にせわしなくチェックをつけている。
　そんな男の肩を遠慮がちにつついたのは、赤い浴衣で髪を上げた女性だった。これから夏祭りに行くようにも見えるが、大き目のキャリーバックがそれを否定する。
「そういえば、マスクってした方がいいんでしょうか？」
　そう問うと、女性は人差し指で自分の唇を指した。浴衣の色に合わせた紅が塗られた唇がなまめかしくふるえる。
「気にしなくていいですよ。我々はウィルスを媒介しませんから」
　顔色一つ変えないまま、やはり形式的な答えを男は返す。
「にしても暇だなぁ」
　誰かの呟きが聞こえたとたん、男の眉がピクリと跳ねる。
「そうですねぇ。では、ちょっとお話をしましょうか」
　男の言葉に応えるように、周囲にふっと影が差し、赤い光がポツポツと現れる。
　女性はひっと息を飲み、若者も顔をひきつらせた。
　そんな様子がよほど面白かったのか、男はニヤリと笑みを浮かべた。
蝋燭めいて揺れる赤光に囲まれ、男が宣言する。
「地獄の釜の、蓋が開くまで」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

　それはいつの事だったでしょうか。
　まあ、夏ということでいいでしょう。タイという国は、いつだって日本で言えば夏みたいなもんですから。
　太陽がほんとに真上に来て、影と言う影がほとんど見えないぐらいに縮こまる頃、道を歩いていた女学生は、コインが落ちているのを見つけました。
　彼女は何の気なしにそのコインを拾い上げます。
　別に、お金に困っているわけじゃあありません。タイの田舎の出ですが大学に行かせてもらえる程度には余裕のある家の娘です。
　それに落ちていたのは1バーツのコイン、日本円だと3円ぐらいです。それで何かが買えるってものでもありません。
　それでも彼女がコインを拾いあげたのは、前の王様を尊敬しているからです。
　日本の感覚だとあまり馴染みは無いでしょうが、外国だとコインに王様の顔が刻んであるってのは珍しくもないことで、タイもそうした国の一つなんです。
　ただまあ、前の王様が70年も王様をしていて、今の王様はまだ5年と経っていませんから、まだ前の王様のコインがたくさん出回っているんです。
　いずれにせよ、尊敬する前の王様のお顔が地面に落ちたままになっているなんて、あんまり気分のいいものではありません。
　それだけの理由で彼女はコインを拾い上げ、ジーンズのポケットに押し込んで、そのまま忘れてしまいました。

　寮に帰った彼女は昼寝をすることにしました。
　授業もないのに昼間に起きていたって暑いだけですから。
　見ればルームメイトのドゥアンのベッドも膨らんでいます。ドゥアンを起こさないよう、彼女は服も着替えないまま自分のベッドにもぐりこみました。

　異変に気付いたのは、意識が薄れ始めていた時でした。
　エアコンをつけたかどうかが気になったのです。
　そういえば自分でつけた覚えは無いけど、ドゥアンが先につけていたかもしれない。そう考えて彼女は目をつぶったまま耳を澄ませました。
　何の音も聞こえません。
　タイのエアコンはまだ常時動きっぱなしのタイプが主流ですから、スイッチが入ってるのに風音が聞こえないってことは無いのです。
　しかし、エアコンが付いていないならもっと暑いはず。特に頭から布団をかぶっているドゥアンが寝ていられるはずがありません。
　彼女は、薄く目を開けてドゥアンの様子をうかがいました。
　隣のベッドの布団は、さっき見た時と同じように膨らんだまま、ピクリとも動きません。
　目をぎゅっとつぶり直し、彼女は冷静な（つもりの）頭で状況を整理しました。
　何も変なことなんて起こってない。
　ドゥアンはきっとエアコンを強く効かせすぎたんだ。
　だから、エアコンを消して、布団を頭からかぶって寝ていられる。
　私は、まだ部屋の空気がぬるくなる前に帰ってきただけ。
　何も変なことなんて起こってない。

　そんな思考を邪魔するように、ドアをノックする音がしました。
　ビクリとして思わず目を開けましたが、隣のベッドに変化はありません。
　もう一度ノックの音がしたので、彼女はなるべくそっとベッドから抜け出してドアを開けました。
　しかし、廊下を見渡しても誰もいません。
　気のせいだったのかなと思ってドアを閉めると、すぐにまたノックの音がします。
　もう一度ドアを開けましたが、やはり誰もいません。
　悪戯かなと思ってドアの影も見てみましたが、誰かが隠れていたりもしません。
　訝しみつつもドアを閉めると、間髪入れずにノックの音がしました。
　ただし今度はドアではなく、窓の方から。
　窓を叩いているのは、赤いライダースーツの男に見えました。
　しかし、すぐに彼女は間違いに気づきます。
　男の頭はばっくりと割れており、そこから流れた血がライダースーツを赤く染めているのです。
　彼女は悲鳴をあげながら部屋を飛び出しました。
　そのまま彼女は廊下を駆け抜けます。
　止まることは出来ません。だって、後ろから誰かが付いてきている足音がするんですから。
　止まることもできず、振り向くこともできず、寮から飛び出して走り続けます。
　それでも、足音はずっとついてきます。それどころか、少しずつ距離が詰まってきているようにすら思えます。

　もう、これ以上走れない。そう考えて絶望した時、優しいしわがれ声が聞こえました。
「お嬢さん、1バーツ持っとらんかね」
　彼女に声をかけたのは、くすんだ黄色の僧衣を着た年老いた僧侶でした。
　敬虔な仏教徒である彼女はこんな時だというのに反射的に財布を取り出しかけ、そこでやっと昼間に拾った1バーツコインの事を思い出しました。
　老僧は彼女が思い出したことを見て取ると、こう言いました。
「今すぐ、それを元の場所に返してきなさい」
　いつの間にか、後ろから迫っていた足音は消えていました。
　彼女は僧侶に礼を言うと、昼間行った道に走り、元あった場所にコインを返しました。
　すると、コインのすぐ横にさっきのライダースーツの男の姿が浮かびました。割れた頭も血まみれなのも変わりませんでしたが、なぜかその時は全く恐ろしいとは感じなかったそうです。
　ライダーは彼女に向かって両手を合わせて礼をすると、どこかに歩いていきました。

　後から聞いたことですが、この辺りの風習だと、交通事故など家の外で死んでしまった人間は、そのままだと成仏できないのだそうです。成仏するためには自宅か寺院にたどり着き、そこで経をあげてもらわないといけない。しかし、普通は土地の精霊が人の魂を通してくれません。
　そこで、遺族がお金をポツポツと置いて、精霊に魂を通してもらうように頼むのです。お金で出来た道の上だけは魂が通ることを許されます。
　つまり、彼女が拾ったコインは、交通事故で死んだ人のための道の一部だったのです。知らぬこととはいえ、彼女がコインを拾ってその道を壊してしまったので、困った魂が彼女について回っていたのでした。

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

「こっわ！　リアルのコインが無くなるだけで成仏できないとかこっわ！」
　アロハの若者が両手で自分の顔を挟み込んで悲鳴を上げる。よほど怖いのか、足が地面についていない。
「我々も三途の川の渡し賃は払ってますけど、お供えの一種だから実体は無いですもんねぇ」
　浴衣の女性は、周囲に半透明の一文銭を6枚浮かべて見せる。かつては本物の一文銭を供えていたが、使われなくなってもう150年にもなる通貨だ。実物ではなく、絵を描いた紙を供えるのが普通である。
「今、夏休みでしょ。ガキの頃の俺だったら、1円玉が点々と落ちてたら絶対拾うよ！？　拾いまくってお寺まで行っちゃうって」
「お寺の方ならまだいいですが、事故現場の方に行くと危ないですね」
　ますます浮いていく若者を地面に引き下ろしつつ、スーツの男は冷静にツッコミを入れる。
「いずれにせよ、文化の違うところに行くときは気を付けて、ということです。生きている人用の情報はちょっと検索すればいくらでも出てきますが、死人向けのローカルルールはそうもいかないですからね」
　男のまとめに、周りで話を聞いていた男女らが深く頷く。
　そこにふと、空から光が差した。
「そろそろ、時間のようですね」
　男は天を指し示す。赤黒かった空に、一筋の切れ目ができ、そこから光が差しているのだ。
　それを見た男女らはそれぞれの荷物を持って切れ目を目指して飛び上がっていく。
　今年も地獄の釜の蓋が開く。閻魔大王ですら仕事を休むこの期間は、亡者にとっても、獄卒にとっても貴重な休暇。
　だから、獄卒の一人であるスーツの男は現世に向かう亡者らに柔らかく微笑んで挨拶した。
「では皆さん、よい盂蘭盆会を」
ワルプルギス JL2b9/UVEM

2021年08月07日 17時26分43秒 公開
■この作品の著作権は ワルプルギス JL2b9/UVEM さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
◆テーマ：【夏】×【風】
◆キャッチコピー：夏は怪談、盆の頃はさらなり。異国もなほ。
◆作者コメント：プロットが上手く出来なかったので不参加のつもりだったのですが、色々あって参加することに。
怪談はリアルにタイ人である嫁の体験談を少しアレンジして使用しております。
書きなれてないのもありますが、ホラーって難しいですね……
では皆さん、よい夏企画を

2021年08月21日 23時52分33秒
 +10点
  • 　桝多部とあると申します。拝読させていただきました。

    　評価に困る作品です。確かに舞台はお盆で夏という企画はクリアーしてるのですが、タイのお話して、それがどうした？　ということなんですよね。
    　登場人物が作りこまれてないのでタイの話してこの世に里帰りしておしまい、そんな乱暴さを感じました。タイが何らかの形で登場人物の身の上にかかわるとかいうのであれば話は違ったのですが。

    　私からの感想は以上です。それでは、ご縁があればまたお会いしましょう。

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Re: 2021年08月28日 17時47分01秒
  • ＞　登場人物が作りこまれてないのでタイの話してこの世に里帰りしておしまい、そんな乱暴さを感じました。

    　そうですね。今回はキャラクターは全く作らなかったので、耳の痛い指摘です。
    　ミチル企画にはキャラクター賞もあったんだよなー、と特別賞選定が迫った今になって思い出しました。

    桝多部とあるさん、ご感想ありがとうございました。

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2021年08月21日 23時51分12秒
 +20点
  • 作者の方へ

    作品読みました。

    タイと日本の、死者を冥府に送る風習を描いたショートストーリーでした。

    興味深く作品に触れることができたし、文体にも癖がなくさらりと読むことができました。引っかかることなく読者の頭のなかで物語が再現されるというのはすごい才能だなと思っています。

    半面、知識欲は満たされるものの、物語としてのストーリーがやや薄いように感じられたのでその点がもったいないなと思いました。

    もしかしたらですが、使者を送るときの他国の風習を紹介したり、死にまつわる風習を他にも紹介するとストーリーが膨らむかもしれないなと感じました。

    わがまま満載で感想を書いてしまいましたが、きちんとまとまっていて、綺麗にオチもついているすばらしい作品でした。
    それでは執筆お疲れ様でした。

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Re: 2021年08月28日 17時43分12秒
  • ＞もしかしたらですが、使者を送るときの他国の風習を紹介したり、死にまつわる風習を他にも紹介するとストーリーが膨らむかもしれないなと感じました。

    そうですね。真面目に考えると三途の川やカロンなどの渡し賃的な風習、仏教信仰以前のタイのアニミズムであるピー信仰の影響など考察し甲斐はあるのですが……まあ、能力が追っつかない。東南アジア系民話の本でも探してみますか。

    茉莉花さん、ご感想ありがとうございました。

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2021年08月21日 22時01分07秒
 +10点
  • 夏ｘ火風水土企画の執筆、お疲れ様でした。
    御作を拝読しましたので感想を記したいと思います。

    ＞男の頭はばっくりと割れており、そこから流れた血がライダースーツを赤く染めているのです。

    一瞬ホラーでしたが、あとはほのぼのとした雰囲気の作品でした。
    アロハシャツとスーツケースという出で立ちと、その人たちの真相とのギャップが面白かったです。


    ＞お金で出来た道の上だけは魂が通ることを許されます。
    ＞生きている人用の情報はちょっと検索すればいくらでも出てきますが、死人向けのローカルルールはそうもいかないですからね

    タイの習慣は全然知らなかったので、勉強になりました。
    「死者向けのローカルルール」というのも、なかなか斬新な言葉ですね。


    ＞「では皆さん、よい盂蘭盆会を」

    お盆を題材にしており、お題の夏は良かったと思います。
    使用したテーマは【夏】×【風】で、風はいろいろとあり、エアコンの印象が強かったです。
    今回の企画では他にもお盆を題材にした作品がありましたが、お互いそれぞれの特色があって読みごたえがありました。
    他にももっとお盆を題材にした作品があっても、良かったんじゃないでしょうか。

    今後のご活躍をお祈りしています。

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Re: 2021年08月28日 17時36分53秒
  • ＞タイの習慣は全然知らなかったので、勉強になりました。

    　今回書いた風習が、タイ全体でやってるかは怪しいところなので、他の方にお話しするときは気を付けて。
    　少なくともバンコク市内じゃ交通事故は山ほど見たけど、お金の道は見たこと無いですし。

    ＞他にももっとお盆を題材にした作品があっても、良かったんじゃないでしょうか。

    　そうですねー。個人的にはもっと盆や怪談系がくるのをネタ被り的な意味で恐れていたのですが、意外と少な目で助かったなと。

    つとむューさん、ご感想ありがとうございました。

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2021年08月21日 09時24分21秒
 +10点
  • 　執筆おつかれさまです、燕小太郎と申します。
    『地獄の釜の蓋が開くまで』読みましたので、感想を残したいと思います。

    ＜一通り読んでの第一印象＞
    　ストーリー自体は、ホラーとしてはきちんとできていたと思います。
    　ただ、本筋と冒頭ラストをうまく化学反応しきれなかったように感じました。

    ＜良かった点＞
    　タイという外国の風習とそれにまつわるホラーというのが良かったと思います。どの程度まで本当のことなのかは自分にはわかりませんが、リアリティがしっかりしているから話に入り込みやすくなり、その分怖さや楽しさといった感情を強く揺さぶられます。
    　個人的にバッドエンドが好きではないので、無事に済んだこともほっとした要因ですね。

    　ちなみに盂蘭盆会はお盆の正式名称ですね。これどっかのクイズ番組で出るんじゃないかとこっそり張っている言葉なのですが、よく忘れるので再確認できました。

    ＜気になった点＞
    　タイを舞台にしたホラーストーリーは一定の怖さを出せていると思うのですが、その前後に異なるストーリーを並べた意図はあまり理解できませんでした。
    　まず異なるストーリーが二つ並ぶことになるので、読者が混乱し物語に引き込めなくなる。一方がタイで一方が不気味でまだ明かされていない不思議な場所であるため、ここの結びつきが弱く理解するのが難しいと感じます。
    　また、伝聞形式であることが明らかになるため臨場感が落ちる。語り部は怖い思いをしていませんから、怖い思いをした『私』あるいは『彼女』の気持ちは100パーセントは伝わりません。ホラーであるなら、少しもったいなく感じます。

    　結末で、幽霊たちがホラーを恐れるという皮肉に持っていきたいのかなと思わないでもないですが、デメリットを打ち消しプラスに変えるほどのメリットがあるとは思えませんでした。

    ＜より良くするための提案＞
    　わかり難い構成は根本的に嫌われる、というのが自分の考えです。テーマや作者様が一番押したい部分を強調し、そこを生かすことを考えれば、むしろシンプルでわかりやすい構成の方が適していると考えます。
    　タイのホラーを生かしたいなら、他をシンプルにする。例えばカップルが家で怖い話を語り合い、その一つとして語られる。カップルに話が戻った後、彼氏の家にお金が落ちているのを拾ってきたところ、血がついているのに気づいてしまう。そして血の付いたお金が一つの部屋に続いているのに気づいたとき――。といった構成だと、わかりやすいホラーになるのかなと思います。
    　地獄の窯の蓋を生かすなら、冒頭で状況を伝えきったほうがわかりやすいと思います。死者の行列も退屈した人たちの中にタイ人がいて、彼が母国の都市伝説について語る。こうするだけでタイという共通項があるから展開を理解しやすくなり、わかりやすくなると思います。

    ＜最後に＞
    　世界各国にいろんな風習があって、それ自体がとても面白いですし、生かすのも作者の腕の見せ所だと思います。今回、作者様は面白いところに目を付けたな、と感じました。

    　拙い感想ですが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

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Re: 2021年08月28日 17時30分57秒
  • いつもためになる感想をありがとうございます。

    　伝聞形式だと臨場感が落ちるというのは、あまり考慮していなかったのですが、確かに。
    　というか、せっかく亡者たちがいるのだから、ガチで心霊現象に殺された当事者が語っても良かったんですよね。
    　ああ、そう考えると勿体ない事をした……
    　まあ、今回のバイク事故の霊は決して悪霊では無いので実被害が出るようなことはしないのですが。

    　もう少しタイを絡ませておいた方が良かったなというのは、自分でも投稿後に思っていたところで。亡者に「タイに行くのを楽しみにしてる」って言わせて「タイと言えば……」って続けるだけでも少しマシだったのかなと反省しておりました。

    燕小太郎さん、ご感想ありがとうございました。

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2021年08月16日 20時38分08秒
 +10点
  • 『地獄の釜の蓋が開くまで』拝見させていただきました。

    うむ、雑学作品ですね！
    タイの文化……で、良いのかな？
    が、知れるお得な作品。

    反面、作品としての面白さはそこそこですかねぇ。
    出だしの時点であの世ってのはかなりネタバレしてたので、落ちは答え合わせみたいなもので、ハイライトは頭がぱっかり割れたライダーの所ですね。分かってても怖え！

    個人的には、二段落ち的な展開じゃなくて普通にタイを舞台にした怪談で良かったのではないかと。
    普通に面白かったと思うんですよ、怪談部分が。
    で、地獄部分がかえってその面白さを邪魔してたような気がします。

    では短いですが、こんなところで。

    執筆お疲れさまでした。
    またの機会をお待ちしています！

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Re: 2021年08月28日 16時38分19秒
  • 雑学大すきー
    今回ご紹介したのは、おそらくタイの中でも一般的なものではなく、一部地域限定の文化かと思われますのでご注意を。

    地獄とタイ怪談、どちらを面白いと思ったかが皆さん意見が分かれるのが興味深いですね。
    まあ、「合わさってるからこそ面白い」に出来ていない時点で落第なのですがー（汗

    ハイさん、ご感想ありがとうございました。

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2021年08月15日 19時03分18秒
 +20点
  • 　黒川いさおと申します。御作を拝読致しましたので、感想など書かせて頂きます。


    　サラッと楽しく読了できる、良い掌編だったと感じます。
    　死者の立場から見た怪談という、ちょっと普通は出てこない発想が秀逸だと思いました。
    　そりゃあ生者と死者じゃあ怖がるポイント違うでしょうからね。素晴らしい着眼点だと感服致します。

    　気になった所、という程では無いのですが。
    　タイトルと、序盤の描写で既に「あ、これ死者側からみたお盆だ」と判ってしまうのは勿体無いかも知れません。もっと引っ張って、怪談の後の怖がる理由で読者に疑問を抱かせ、最後にお盆に帰る死者達だったというオチを出した方が絞まるのではないかと愚考致します。

    　お題。「夏」というお題にお盆をつかうというのは良かったと感じます。ただ「風」は少々こじつけ気味だったでしょうか。

    　色々書きましたが、楽しい掌編でした。
    　
    　乱文ご容赦を。お互い企画を楽しみましょう。

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Re: 2021年08月28日 16時27分11秒
  • 神原さんからも指摘いただきましたが、やはり最初の描写で地獄感を出しすぎたのは良くなかったですね。
    伏線は埋めておかなければ伏線にならない……

    お題に関しては、最初に発表されたときに
    「夏の夜に生暖かい風が吹いてきて……」って怪談の基本パターンでお題処理できるよねって思ったのがベースだったりします。

    黒川いさおさん、ご感想ありがとうございました。

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2021年08月12日 13時58分38秒
 +20点
  • 異国文化の絡まるセンターストーリーはハートに届くが、それを挟んだ前後のやり取りがクエスチョン。
    つまるところ、焼きそばはコッペパンがベストフレンドでありカステラではグッドテイストにはレボリューションしない。
    焼きそば単体でウマウマ。

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Re: 2021年08月28日 13時03分59秒
  • タイ怪談は良かったので、そこだけにした方が面白かったと思う、ということですかね。
    元々ホラー系にあまり自信が無かったので前後で捻って収める形に逃げてしまった面もあるので、そこのところを見事に見抜かれていると思います。

    HiroSAMAさん、ご感想ありがとうございました。

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2021年08月11日 03時24分37秒
 +20点
  • 　『地獄の釜の蓋が開くまで』拝読しました。

    　幽霊の皆さんが怪談話をするという点に面白みがある作品でした。
    　語られる怪談は、ホラーとして大きなインパクトがあるものではありませんでしたが、体験談を基にしているというだけあってリアリティを感じました。家の外で死んでしまった人を成仏させるためにお金を置く、というのは興味深かったです。
    　文章も丁寧で読みやすいですし、全体的に作者さんの筆力の高さが感じられる作品だったと思います。

    　ただ、盂蘭盆会というのは個人的には馴染みのない言葉でした。いわゆる「お盆」のことでよろしいのでしょうか？　そのあたりはちょっとフォローが欲しかったと個人的には思いました。

    　執筆お疲れさまでした。

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Re: 2021年08月28日 13時00分15秒
  • ＞家の外で死んでしまった人を成仏させるためにお金を置く、というのは興味深かったです。

    あの世に行くのにお金がいるという意味では三途の川の渡し賃やギリシャ神話のカロンと類似点はあるのですが、現世の物理的金銭に依存するというのが中々珍しいなと思ったのですよね。活かしきれませんでしたが（汗

    盂蘭盆会はお盆の正式名称ですね。
    確かに、言われてみればマイナー単語。これを説明するのに1話作ればよかったんだな……

    いりえミトさん、ご感想ありがとうございました。

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2021年08月10日 12時28分47秒
 +10点
  • どうもこんにちは。
    御作『地獄の釜の蓋が開くまで』を読了いたしましたので、感想・批評を送らせていただきます。
    なお、僕の感想は基本的に激辛です。
    悪意はございませんので、必要と思われる部分を取捨なさってください。


    ・悪くはないんだけど、うーん？
    ジャンルとしては超常現象に追跡されて逃げるタイプのホラーだと思うんですけど、短すぎる為かいまいち盛り上がりがピークに来る前に終わってしまったというのが正直な印象です。
    タイが舞台なので日本よりもそこら中に僧侶がいるものなのだろうとは思いますが、その登場シーンも突然で脈絡もないですし。
    僧侶のアドバイスが的確で、かつ解決方法も拾ったコインをもとの場所に戻すという難易度の低さでいまいち盛り上がりを感じない。

    タイ人の方の体験談を元にしていたり、その土地の風習だったりとオリジナリティは十分だと思います。
    ただ、体験談(リアルで起きた出来事)を元に物語とするならば、盛り上げというかデコレーションは必要だと思うのです。
    だってノンフィクションじゃないんだし。
    だからストーリーラインとして、

    ・拾ったコインが原因で霊的トラブルが発生
    ・逃げ惑っていたら僧侶のアドバイス
    ・コインを戻したら問題解決

    って流れは崩す必要はないのですけど、その合間や事実をどれだけ大げさに盛るか、あるいは登場人物をもっと増やしたり、作中の時間経過を数日にしたりと工夫の余地は沢山あると思います。だってフィクションなんだから。


    ・構造的な面白さと失敗について
    この作品は地獄の亡者が、待ち時間の暇つぶしにお役人のお喋りをきいている、という設定です。
    特に言及がなされていなかったので、この地獄の亡者たちは日本出身ってことでいいんだと思いますが(というか言及がない以上、読者は自動的にそう解釈するとおもうのですが)、その亡者たちが怪談話をきいて怖がるというのは不思議な面白みがありました。

    一方で、どうしてこの怪談部分をタイを舞台にしたのかが分からないんですよね。

    もちろん元ネタがタイの方のお話だからというのはわかるんですけど、別に換骨奪胎して日本国内の架空の地方やその風習を舞台にしても物語は成立するし、なんならそっちの方が馴染みがあるというか。
    タイという異国――せっかく強烈なファクターを登場させているのに、メリットデメリットを活かしきれていないように思えます。

    亡くなった人間がコワイというのは古今東西の共通項なので、もっとやり様はあった気もしますね。
    ざっと思いつくのは

    ・導入とラスト(話を聞いているのは地獄の亡者)を活かすために怪談部分を日本版にアレンジするか、

    ・タイの怪談というメリットを活かすために導入とラストを変えるか。

    もし僕ならば、という仮定ですが、せっかくタイの怪談という変わり種を元にするのですから、
    百物語形式の一ストーリーとして描くかなぁ。
    まぁそうすると今度はタイトル回収が出来なくなっちゃうんですけど。

    なんにせよ短い分工夫の余地はあるし、その余地を活かすことなく物語がクローズしているので色々と勿体ないと感じる作品でした。


    以上、感想批評とさせていただきます。
    それでは。







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Re: 2021年08月28日 12時44分46秒
  • 　百物語まで行かずとも、もうちょっと話を増やして、ちょっとずつ「あれ、聴衆のリアクションが生きてる人間にしては妙だな」と思わせる案も考えてはいたのですが……
    　そもそも怪談系をあまり読まないので、話のストックが無かったというオチだったりします。
    　体験談から面白い怪談にするほど盛り切れなかった（いちおー少しは盛ったのです）事も含め、読書経験の不足ですね。
    　もうちょっとネタを仕入れて練れればマシなものに出来たかもしれません。

    入江九夜鳥さん、ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2021年08月09日 02時42分22秒
 0点
  • 　とても判断が難しいお話です。どう評価したらいいか悩みます。文章は悪くない、と言うより良いと思えます。地獄なのは最初の赤黒い空と題名で分かったので、最後それほど驚きませんし、途中の話も怖くもなく、ちょっとどう評価すればいいか分からなくなりました。

    　もう少し尺を伸ばして、途中のお話をもう少し怖くする。こんな改善しか思い浮かびません。

    　なぜ亡者がそのお話で怖がるかも分かりません。

    　以上でしょうか。

    E-Mail pass
Re: 2021年08月28日 12時24分05秒
  • 一応、「舞台不明→怪談→舞台が地獄だとわかる」という構成を目指してはいたのですが、最初にヒントを書きすぎましたね。ノーヒントでも良かったかも。

    亡者が怖がっている理由としては、お盆が終わった時には地獄に戻ってこないといけない身だからですね。
    死人向けローカルルールに巻き込まれると、お盆が開けても地獄に戻れずペナルティを受けることになりかねないのが怖い、ということです。

    神原さん、ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
合計 10人 130点

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