【跡地化】薔薇小路棘子の粛清

Rev.02　枚数： 3 枚（ 840 文字）
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●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
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kz

2021年05月02日 02時28分32秒 公開
■この作品の著作権は kz さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
跡地化します。

2021年05月15日 23時46分57秒
 +20点
  • 作品読みました。
    中高一貫校で繰り広げられる学園コメディでした。
    女子寮に忍び込むというわくわく感が伝わってきて、こちらまで緊張しながら読みました。
    個性的なキャラクターもコメディ向けでとてもよかったな、と思っています。

    何をする話なのかというのが明確であった反面、男性キャラの成長や得たもの・失ったものが若干分かりにくい……全体的にごちゃっとしてしまった作品であるように感じられました。

    あとは……うーん……そもそもこれ、薔薇小路の物語なのか、遊戯研究部の物語なのか……が、少しふらつく印象でした。
    物語としては薔薇小路の出てくる場面が大きいのですが、キャラクターの動きとしては遊戯研究部のメンツの動きが大きい感じです。

    もしかしたら薔薇小路を深掘りして遊戯研究部のメンツをサブキャラ扱いにするか、遊戯研究部のメンツをもっと大きく書いて薔薇小路のキャラクターを少し抑えるか……何かバランスを考えたほうがもっと映えるのかもしれないな、と感じました。

    拙い感想で申し訳なかったです。
    ドキドキ感のある楽しい作品でした。

    執筆お疲れ様でした。

    E-Mail pass
Re: 2021年05月16日 01時35分44秒
  • ＞茉莉花さんへ


    いつもお世話になります。ご感想ありがとうございます。

    ＞個性的なキャラクターもコメディ向けでとてもよかったな、と思っています。
    ありがとうございます。そういうところリーダビリティ稼がないと読んでもらえないので←

    ＞もしかしたら薔薇小路を深掘りして遊戯研究部のメンツをサブキャラ扱いにするか、遊戯研究部のメンツをもっと大きく書いて薔薇小路のキャラクターを少し抑えるか……何かバランスを考えたほうがもっと映えるのかもしれないな、と感じました。
    薔薇小路の視点に立って書くとおそらく面白い話にはならないので、やはり秀景の物語にして、薔薇小路を消すのが手っ取り早いですかね。柿澤をラスボスにすれば簡単にざまあｗできますので(ぁ

    ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2021年05月15日 21時55分02秒
 +10点
  • 　赤城と申します。拙いですが、感想を残させて頂きます。

    　最初は登場人物がたくさん出てきて、これは話がまとまるのか、と心配になりましたが、それぞれのキャラの書き分けが出来て、しっかりとした話を作り上げられていたかと思います。学園、風紀委員、自由を求めるゲリラ部の生徒達、といった、王道的な題材を扱われていましたがそうした作品につきもののドタバタ感など、良さがしっかりと出た作品であったかと思います。

    　
    　気になった点としては、作品のエンジンがかかるまでに時間がかかった点でしょうか。冒頭、主人公達と生徒会の関係を丁寧に描れていましたが、少々冗長と感じられました。
    　そして、終わり方がすっきりしなかったことも残念でした。娯楽部と風紀委員との対立が御作でのポイントの一つだったかと思いますが、どちらが勝利するでもなく、和解して大団円を迎えるでもなく終わったことで、個人の好みの問題もあるかと思いますが、すっきりしない感じを受けました。物語の中で提示された問題の内、解決をみたのは生徒会の不正が正されたことのみ。全て解決しようとすれば到底百枚では終わらないでしょうが、それならば、作品内で提示する問題を減らした方が良かったと思います。
    　また、娯楽部と風紀委員のそれぞれに強い動機が見えなかったことも問題だったかもしれません。娯楽部を存続させたい、風紀委員の仕事を徹底したい、その熱意は感じられるのですが、どうしてそこまで入れ込むのか、そこがあまり深く突っ込まれなかった（見逃しているだけかもしれませんが…）故に深く感情移入をすることが出来なかったような気がします。


    　色々とまとまりのないことを書いて申しわけありませんが、学園モノの良い要素を持っていたが故に、もうひと味が欲しい、そんな作品だったように思います。雑文はご容赦頂けると幸いです。ではでは。

    E-Mail pass
Re: 2021年05月16日 01時36分28秒
  • ＞赤城さんへ

    いつもお世話になります。ご感想ありがとうございます。

    ＞気になった点としては、作品のエンジンがかかるまでに時間がかかった点でしょうか。冒頭、主人公達と生徒会の関係を丁寧に描れていましたが、少々冗長と感じられました。
    半分は難しいですが、正直２／３ぐらいに圧縮できなかったの？　とは自分のことながら感じております。

    ＞また、娯楽部と風紀委員のそれぞれに強い動機が見えなかったことも問題だったかもしれません。娯楽部を存続させたい、風紀委員の仕事を徹底したい、その熱意は感じられるのですが、どうしてそこまで入れ込むのか、そこがあまり深く突っ込まれなかった（見逃しているだけかもしれませんが…）故に深く感情移入をすることが出来なかったような気がします。
    娯楽部はともかく、薔薇小路の動機は書きたかったのですが、作者の技量不足で展開に自然と組みこめず、あのような形になってしまいました。

    ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2021年05月15日 21時40分53秒
 +20点
  • 『薔薇小路棘子の粛清』拝見させていただきました。

    これは……何？　なんだろう。
    あ、良い意味で、なんだろう？　な作品でした。
    陰謀策略粛清渦巻く学園に潤いの娯楽を絶やさないために主人公らが立ち向かう……立ち向かってるつもりの……お話？
    それとも、おバカ達の骨折り損を見届ける話……。
    うーん、カテゴライズがわかりません。

    ただ、私個人は最後のオチが割と好きで、シニカルな笑みを浮かべてるであろう棘子さんのセリフで「ひっでぇ！w　でもわかる！」ってなってしまいました。

    ……いやまあ、わかるんですけどね？
    主人公らの行動全否定しちゃってるんで、なんて言ったら良いのかな……猛烈な必殺技レベルの肩透かしを食らったような脱力感をもらってしまって苦笑するしかないみたいな、そんな状態です。
    この感覚はー、なんだったかな……高校生のときに読んだ洋物の推理小説にそんなラストのやつがあったような気がするんですが、名前が全く出てきません。
    ともかくあれ以来の脱力感でした。

    ……これまた、感想書きにくいなぁ！

    ●気になったところ

    特にはないんですが、強いてあげるとこの作品そのもの、ですかね？
    またすごいセオリー外しの変化球だなぁ、と。

    あ。それと全く同じフレーズを別企画別作品で見たことがあるので、もしその作者さんなら気をつけられたほうが良いのではないかと思いました。

    ●気に入ったところ

    ・「娯楽部の人脈を舐めないでもらいたいね。娯楽部の仲間で、ルームメイトの後輩にそれを着せて毎晩遊んでいる奴がいてね。そいつから借りたんだ」

    ここ……もっと詳しく聞きたいんですけど、どのような遊びで？
    と言うか、眺めたい。壁になりt

    ・全体の雰囲気

    なんて言ったら良いんですかね。こう、学園全体がガチガチだからこそスリルがあって、ドラマがあって、ルールを破る楽しさがあって、みたいな空気感が素敵でした。
    特にスパイ物みたいな展開も楽しく読ませていただけて、二転三転する流れも巧みで読みがいがありました。

    ・オチ

    見事と言って良いのやらわかりませんが、皮肉が効いてて笑えました。

    ●まとめ

    今作は、多分ラストのセリフを楽しめるかどうかで評価が変わってくると思うんですね。
    で、私はそれを楽しめたわけですが……実際のところ、これどのぐらいの人が楽しめるのかな、と。ちょっと疑問だったりして。
    だいたい三割ぐらい？　と予想を立ててますが、ただの勘なのでどんな結果になるかが今から割と楽しみです。

    それでは執筆お疲れさまでした！

    E-Mail pass
Re: 2021年05月16日 01時36分56秒
  • ＞ハイさんへ

    いつもお世話になります。ご感想ありがとうございます。

    ＞ただ、私個人は最後のオチが割と好きで、シニカルな笑みを浮かべてるであろう棘子さんのセリフで「ひっでぇ！w　でもわかる！」ってなってしまいました。
    ありがとうございます。でもたぶん彼女は、笑ってないと思います(ぁ

    ＞……高校生のときに読んだ洋物の推理小説にそんなラストのやつがあったような気がするんですが、名前が全く出てきません。
    シャーロット・アームストロングの「あほうどり」ですね。

    ＞あ。それと全く同じフレーズを別企画別作品で見たことがあるので、もしその作者さんなら気をつけられたほうが良いのではないかと思いました。
    「そういえば前回ハイさんがなぜかこの描写気に入っていたよなあ。同じの書いたら作者バレるかなあ。とはいえ一年前だしなあ」とか考えながら書いてました(ぁ

    ＞ここ……もっと詳しく聞きたいんですけど、どのような遊びで？
    お医者さんごっこです。

    ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2021年05月15日 21時18分32秒
 +30点
  • 『薔薇小路棘子の粛清』拝読しました。

    ※以下ネタバレがあります。

    ・学園ものでありながら、知略、策略に満ちた展開で、読みを感じ応える作品でした。
    　娯楽部を守りたい秀景・梓沙・橘花と、潰したい薔薇小路棘子の対決、その二転三転しする攻防には目を引き込まれるものがありました。
    　梓沙に女装をさせての、女子寮への鮮やかな侵入劇にわくわくさせられましたし、無人だと思っていた部屋から女子生徒が出てきた時の緊迫感にはサスペンス的な面白さがありました。
    　梓沙が落としたバッグを回収するために秀景が潜入するシーンではラッキースケベ的な要素もあり（まあ、別にエッチな描写はありませんでしたが）、「BIG BOSS」や「ルイズ」など小ネタも充実してるなど、様々な面白さがてんこ盛りという感じでした。
    　マキャベリの『君主論』に言及する部分があるのも、作者さんの教養の高さが感じられていいですね（ちなみに私にはさっぱり分かりません）。
    　キャラクターたちも魅力的で、主人公らしく常識的な秀景、男の娘な梓沙、変態オタクな橘花、幼い見た目と裏腹に声と正確には凄みを感じる薔薇小路と、実に個性的な面々でした。
    　薔薇小路の所属する委員会でも内部で対立があるなど一枚岩ではない描写があり、そのあたりには「人間が描けている」ものを感じました。
    　文章も文句なしのハイレベルで、非常に読みやすく、わかりやすかったです。

    ・とにかく全体的にハイレベルな作品だと思いましたが、その一方で、作品を読み終えた時にちょっとすっきりしないものを私は感じてしまいました。
    　主人公・秀景たちの目的は「薔薇小路に奪われたものを取り返す」ことですが、その理由は「賭博のことを知られないようにしたい」という後ろめたさが付随しているものなので、前向きさや爽やかさに欠けるという部分はあると思います。
    　なおかつラストは痛み分け、というか敗北に近い感じだったので、カタルシスが感じられないというか。
    　基本的には秀景の視点で物語が進むのに、ラストシーンは薔薇小路の視点になっていたのも、ちょっと中途半端な気がしました。最後は主役側の視点で締めたほうがいいんじゃないかなと。
    　なんだかまだ続きがありそうな終わり方にも見えましたし、そのあたりもすっきりしなかった理由の一つです。

    ・秀景たちと薔薇小路の対決に関しては間違いなく一線級で、非常に楽しめる素晴らしい作品だったと思います。
    　ラストでカタルシスが感じられるような内容になっていると、さらに良かったのではないかと思います。

    　感想は以上です。指摘点が私自身の作品にブーメランになっていたらごめんなさい。
    　執筆お疲れさまでした。

    E-Mail pass
Re: 2021年05月16日 01時37分23秒
  • ＞いりえミトさんへ

    いつもお世話になります。ご感想ありがとうございます。

    ＞女子寮への鮮やかな侵入劇にわくわくさせられましたし
    ありがとうございます。お約束と言えばそれまでですが、一連のドタバタ劇は自分でも結構気に入っております。

    ＞「ルイズ」
    最初は粘膜王女三世さんかうっぴーさんにする予定でしたが、何となく嫌な予感がしたので止めました。失敗だったと思ってます(ぇ

    ＞なおかつラストは痛み分け、というか敗北に近い感じだったので、カタルシスが感じられないというか。
    ＞基本的には秀景の視点で物語が進むのに、ラストシーンは薔薇小路の視点になっていたのも、ちょっと中途半端な気がしました。
    薔薇小路を消して柿澤をラスボスにするか、もしくは薔薇小路にも一撃を加える展開があればよかったのですが、前者はともかく、後者は作者の技量からして難しかったです(ぉい

    ＞なんだかまだ続きがありそうな終わり方にも見えましたし
    この辺はちょっと読者の皆さんに非常に申し訳ない事情が……すみません(ぁ

    ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2021年05月15日 21時07分40秒
 +30点
  • 　執筆おつかれさまです、燕小太郎と申します。
    『薔薇小路棘子の粛清』読みましたので、感想を残したいと思います。

    ＜一通り読んでの第一印象＞
    　非常に引き込まれる作品でした。
    　自分とは好みが違うのでその分他の方と違う印象になるかもしれませんが、こと上手さ、技術に関しては申し分のない作者様であると思います。

    ＜良かった点＞
    　あらゆる点で上手さが際立つその技術です。
    　例えば文章・構成。特に冒頭については、『君主論』で意味ありげな一文で読者を釣り、麻雀、風紀委員女子の踏み込みとテンポよく物語を動かしていく。この間原稿用紙換算でわずか2～3枚といったところでしょうか。これで説明も挟みつつここまで読まされたら行くしかない。冒頭の掴み方がまさに上手い人のそれでした。
    　文章・構成という点で言えば、真面目にストーリーを追いかける部分と、キャラクターの個性にスポットライトを当ててコメディチックに描かれるシーンがバランスよく配置されていて、色々な面白さを味わわせてくれるところも上手いなと思います。
    　キャラクターについても各々の個性をきちんと作り、生かす。飛ばず鳴かずな主人公秀景はややスタンダードですが、中性的でな顔立ちで期待にそぐわず女装姿を見せてくれた友達の梓紗、へらへらしながらもその技術は超一流の技を持つ変態先輩橘花。それぞれがそれぞれの個性をストーリーの中で生かして描かれているので、キャラクターとしても生きつつストーリーも面白くなっていく。
    　見た目は子供、頭脳はマキャベリの薔薇小路風紀委員長、柔道版の蘭姉ちゃんのような友人古川を敵役に据え、とかく個性と印象の強いキャラクターたちが積極的に動かしていく物語は、魅力にあふれていました。
    　主人公サイドのやっていることが賭博、賄賂、女装、不法侵入（女子寮）、覗き、窃盗、脅迫とだいぶロクでもないことばかりなのが気になりますが、善悪と物語の良し悪しは必ずしも一致しないので大丈夫でしょう。

    ＜気になった点＞
    　好みの部分と重なる点になりますが、主人公の活躍が少ないことです。
    　特に、最終的にはほぼ敗北なんですよね。秀景の視点から物語を見てきた読者からすると、敗北で結末を迎えることになる。敗北だってストーリーの一つですが、どうせなら勝って『イエーイ！』と気分よく終わりたい、というのが率直な感想です。
    　確かにラスト、証拠を握られ動きの取れなくなった主人公サイドに対し、これを利用しなければならないような事態は起きないと確信し、爪切りに使って捨てる薔薇小路の格好良さは青天井ものですが、秀景から感情移入していた身としては、うーん、という感じでした。せめて一矢報いてほしかった。
    　いっそ彼女の視点から描いてくれればスッキリすると思うのですが、やっぱり好みの部分になるのかなと思います。

    ＜より良くするための提案＞
    　提案というよりは考え方の一つだと思いますが、薔薇小路棘子という敵役についてです。
    　彼女は作中においてほぼ一切の隙が無く、半ば魔王然として秀景と副委員長に立ちふさがります。これはこれで正しいと思います。あらゆる事態を先回りして対処し、完全勝利を達成する。脅威にならない異分子なら踏みつけるまでもないその態度は、まさに魔王という風情がありました。
    　こうした底の『見えない』描かれ方は、畏怖や憧れといった感情を抱かせる書き方だと考えます。
    　一方で自分のキャラクター論は『二方向から描く』です。優しそうな先輩にキレやすい二面性があったり、最強のキャラクターなのに動物が苦手だったり。そうした多面性を描くことで、よりキャラクターにリアリティを持たせる。裏の面まで『見える』ことで、親しみが持てるようになるのではないかと考えています。
    　薔薇小路で言えば、シャワー室で脱衣中に覗かれて女の子のような悲鳴を挙げたり、盗み見た彼女のバッグに友達と行った遊園地で撮った笑顔の写真なんかあったりすると、普段の冷たさからギャップを作れるようになるのではないかと思います。
    　とまあ書いてみましたが、今作の完成度から考えれば今の『徹する』描かれ方の方が彼女らしいのかなと思います。こうだったらどうだったかな、というIFの物語を少し想像しました。

    ＜最後に＞
    　オリジナリティという点で言うと、そこまで特別な設定があるわけではなかったと思います。しかしながら、君主論をテーマとして押し出し、キャラクターを軸にしたストーリー作りによって極めて完成度の高い物語に昇華させている。
    　お見事でした。

    　拙い感想ですが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。


    E-Mail pass
Re: 2021年05月16日 01時37分57秒
  • ＞燕小太郎さんへ

    いつもお世話になります。ご感想ありがとうございます。


    ＞主人公サイドのやっていることが賭博、賄賂、女装、不法侵入（女子寮）、覗き、窃盗、脅迫とだいぶロクでもないことばかりなのが気になりますが、善悪と物語の良し悪しは必ずしも一致しないので大丈夫でしょう。
    正直一昔前のノリなので、読者の皆さんに引かれないかなと思っておりましたが、意外と好評で安心しました。いや、もしかしたら皆さん、一昔前の方々なのかも（ﾏﾃ

    ＞どうせなら勝って『イエーイ！』と気分よく終わりたい、というのが率直な感想です。
    いま言っても後の祭りですが、秀景たちが薔薇小路にも一撃を加える展開も一応は考えていたのですが、彼女がどうしてあれほどまでに苛烈で過激なのか――その内面・事情を描く技量が無く、秀景たちの完全敗北という形で終わってしまいました。

    ＞一方で自分のキャラクター論は『二方向から描く』です。
    秀景と梓沙はわりと一面的なキャラ付けですね。橘花は先輩らしい面があったりするみたいです。薔薇小路は……どうなんですかね？(ぁ

    ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2021年05月15日 01時55分48秒
 +10点
  • 　読了しました。

    　まず文章がものすごく読みやすく、それによって物語もたいへん掴みやすかったです。
    　百枚という枚数を考慮すれば決して少なくはない登場人物、込み入った利害関係に、女子寮への侵入から脱出までの駆け引き・攻防など、生半可な筆力の人間が描けばこんがらがって何が何やら分からなくなりそうなことをしっかりと描き切っていました。経験値の豊富さを感じさせます。

    　キャラクターも立っている人物が多かったです。名前の読みづらいのが多かったのでルビ振って欲しいとか点数評価には反映させない不満点はありましたが、特に主人公の先輩のキャラが魅力的で「もうこいつ主人公で良くね？」と何度も思ってました。
    　ヒロイン兼ボスキャラの棘子、上手に三下やってる柿澤なども、特徴が掴みやすくて良かったですね。

    　ストーリーに関して気になる点は、最後は痛み分けどころかややヒロイン側の思惑通りになった感の強い終わり方で、カタルシス的にはあんまりかなぁって印象だったことですかね。
    　ここは多分他の人の意見でも（読んではないけど）賛否両論ある部分なんでしょうね。ヒロインの方を恰好良くそして恐ろしくさせて終わらせるというのにも一定の効果があるのは分かるんですが、これってもっと長めの物語の中盤でやることなんですよ。ボスキャラであるヒロインはこれこれこういうしたたかさのある人物です、っていうのを示した後で、最後に打ち倒すとか力を認めさせた上で和解するとかそういう風にするから面白いのであって、ここで終わっちゃうと尻切れトンボ感はあるんですよね。冷酷かつ有能なヒロインの活劇を、それに対抗する主人公側の視点から描く、というトリッキーな手法は否定しませんし自分もそういうひねくれた書き方は好きな方ですが、一読者として素直な感想を言うなら、打ち倒すかどうかはともかく主人公達を認めた上で和解って感じにはして欲しかったですね。『心底どうでもよさそうに』あんな馬鹿にはかまうなこっちのレベルも下がる、と言っちゃうと主人公サイドの奮闘を割と応援していた身としては悲しかったかと言えば悲しかったです。
    　後はせっかくヒロインなんですからもうちょっとかわいいシーンやセクシーなシーンがあっても良かったのかも？　これは好みですが、あっても良いかな、くらいのレベルでは感じたことではありました。まあ本当好みです。

    　後は主人公、こいつがちょっとキャラ薄いんですよね。
    　ヒロインと先輩のキャラが立っていたので、彼カメラ以上の役割は果たせていない感があるんですよ。いっそ先輩が主人公でも良かったんか？　主人公をカメラに徹させるとしたら、最初から主人公はあくまでワトスン役で先輩が真の主人公的ポジだよっていうのを分かりやすくする書き方でも良かったんかな？
    　いやまあ別に主人公が一番活躍する必要はどこにもないんです。でも『主人公の闘い』でなくてはならないとも思うんです。そういう意味では、戦う理由は娯楽部の命運云々な訳でこれは主人公は当事者の一人という程度でやはり先輩の方が真剣に考えているし、目を付けられて嫌がらせ付けられてるうっぷん晴らしっていうのを主人公が強く感じている訳でもないんですよね。
    　最後の最後、機転を利かせてヒロインを出し抜いて一矢報いる花を主人公に持たせて、先輩からも『やるじゃないか』みたいに言わせて、もちろんヒロインの格は保つために一矢報いられつつもなんだかんだ最後に笑うのは彼女で、でもエピローグで『あの男……敵にしておくのは惜しいな』みたいなことを言わせることで主人公にも花を持たせて、そういう風にして上げても良かったかもですね。

    　上記は技術的な問題を指摘しているというのとはちょっぴり違うかもしれません。結局作者様に取ってみたら『匙加減』の問題の話で、能力がなくてそうできなかったんじゃなく、変えようと思えば替えられたものを作者様自身の裁量でそうしたんですから。どっちからいうと批評者としてよりは読者としての感想なのかも？
    　自分のような意見がマジョリティであるようなら一考していただく価値はないでもないかもしれませんが、作者様のやりたいことと食い違ってたら無視してくださっても大丈夫です。
    　ただその上でやっぱり、この物語が一番面白くなるためには、上記のようなことを意識した後半戦をもう百枚で書いて長編とするのが一番だと、個人的には自信をもってそう思っています。

    　創作お疲れ様です。これからもがんばってください。

    E-Mail pass
Re: 2021年05月16日 01時38分26秒
  • ＞粘膜王女三世さんへ

    いつもお世話になります。ご感想ありがとうございます。

    ＞まず文章がものすごく読みやすく、それによって物語もたいへん掴みやすかったです。
    ありがとうございます。文章だけが取り柄です。あ、いや、いわゆる美しい文章はまったく書けませんけどね(ぁ

    ＞名前の読みづらいのが多かったのでルビ振って欲しい
    橘花は当初の予定だと「立花橘花」という名前だったので、「たちばな」と読んでいただいて結構です（そういう問題じゃない←

    ＞カタルシス的にはあんまりかなぁって印象だったことですかね。
    ＞一読者として素直な感想を言うなら、打ち倒すかどうかはともかく主人公達を認めた上で和解って感じにはして欲しかったですね。
    読者の皆さま一同から突っ込まれております(ぁ
    一番手っ取り早いのは薔薇小路を消して柿澤をラスボスにするか、あるいは薔薇小路の悪事も暴いて打倒ないし痛み分けにするのが安牌でした。でも作者の技量でそれは難しいです(ぇ

    ＞いっそ先輩が主人公でも良かったんか？
    これも作者の技量ゆえなのですが、橘花みたいなアホなキャラが輝くのは、ツッコミ役とでも言うべき冷静なキャラがいてこそだと思っておりまして、またハイテンションキャラを語り部にしてしまうと、読者も疲れてしまうと思うんですよね。
    そういう意味では、梓沙を語り部にして秀景を消してもよかったのですが←

    ＞あの男……敵にしておくのは惜しいな
    有能キャラにそういう台詞を言わせて、主人公サイドを立てる手法ですね、わかります←

    なお余談ですが、作中にある「ルイズ・フラ」云々の下りですが、当初は粘膜王女三世さんのお名前を借りるつもりでした(ぇ

    ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2021年05月14日 23時27分29秒
 +20点
  • 桝多部とあると申します。拝読させていただきました。

    『トーキョーＮ◎ＶＡ』（※本企画作品『ヴァンプ・スレイ・ヴァンプ』）の次は『蓬莱学園』かよ……。本企画は1990年代の時空軸にあるんじゃないかと本気で心配になるラノベでした。ノリも蓬莱ぽい「そーそーそーそー！」とおっさん歓喜ものでした（笑）個人的には「どうみても女なのに脱いだら男」という梓沙の存在に、蓬莱学園よりもそれがデビューするちょっと前の漫画、『ここはグリーン・ウッド』に出てくる如月瞬を思い出しました。というか、秀景が蓮川和也で橘花が池田光流じゃね？　と邪推してしまいました（※わからない人はググれば解説が山ほど出てくる『花とゆめ』の名作漫画です）。

    問題があるとすればほかの方も指摘してるのですが、オチにカタルシスが全くない点。結局『主人公サイドに全くかかわりがない』棘子がすべてを最終的に解決してて、主人公チームの行動が無駄になってるんですよね。ここまで書ける人がこんなオチで満足（？）してるのは非常に残念でした。

    私からの感想は以上です。点数は厳しめに。それでは、ご縁があればまたお会いしましょう。

    E-Mail pass
Re: 2021年05月16日 01時39分14秒
  • ＞枡多亜米紫苑さんへ

    いつもお世話になります。ご感想ありがとうございます。

    ＞『トーキョーＮ◎ＶＡ』（※本企画作品『ヴァンプ・スレイ・ヴァンプ』）の次は『蓬莱学園』かよ……。本企画は1990年代の時空軸にあるんじゃないかと本気で心配になるラノベでした。――中略――（※わからない人はググれば解説が山ほど出てくる『花とゆめ』の名作漫画です）。
    あの、えっと、その……私が生まれる前の話をしないでください(ぁ

    ＞問題があるとすればほかの方も指摘してるのですが、オチにカタルシスが全くない点。
    ＞ここまで書ける人がこんなオチで満足（？）してるのは非常に残念でした。
    今回こそは企画に参加している雰囲気を味わいたかったので、いま書いてる長編の頭の部分をそれっぽくまとめて投稿しちゃいました。さーせん！（ぉい

    ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2021年05月11日 20時54分39秒
 +10点
  • GW企画の執筆、お疲れ様でした。
    御作を拝読しましたので、感想を記したいと思います。

    ※本感想にはネタバレが含まれているかもしれません。

    ＞「風紀委員会が突入してくる直前に見ていた藁半紙――あれにも活動記録と帳簿が書いてあるんだけど、とっさに漫画に挟んで隠して、それを風紀委員会に没収されちゃった」

    風紀委委員に没収された藁半紙を回収しようと女子寮に潜入する学園ストーリーでした。
    スリルの連続で、面白かったです。
    藁半紙というのは懐かしいですね。
    実は五、六年前に無性に藁半紙が使いたくなってお店を探し回ったのですが、どこにも売っていなくてびっくりしました。昔はどこにでもあったのに。
    今はコピー用紙が安く手に入るので、藁半紙の需要が低くなってしまったんじゃないかと勝手に予想しています。

    ＞「ぼくにはとっておきの秘策がある」

    橘花の秘策も楽しかったです。
    最後はお決まりのアレでしたし。

    ＞それに防犯カメラの映像や寮監の証言などから、柿澤が没収品を寮の自室に持ちこんで、それを実家に送っていたことは分かっている。一度家族を介してから売っていたのだ。

    ここはちょっと？でした。
    足がつかないためとはいえ、実家に送ったら送付代がかかって、せっかく没収品を売っても儲けが少なくなってしまいます。
    柿澤は退学のリスクを背負ってやっているのですから、もう少し考えているんじゃないかと思いました。


    全体的な感想としては、他の方と同じような印象を受けました。
    これは秀景の物語なのか？　それとも棘子の物語なのか？
    それがあいまいだったように感じました。

    ＞いきなりカーテンの向こうに人影が現れて、秀景は再び固まる。薔薇小路だった。

    やはり、ここで何かを起こして欲しかったかなと個人的には思います。
    秀景は素っ裸、もしかしたら棘子も裸だったかもしれない。しかも秀景の最大のピンチ！
    ピンチを脱するために秀景は棘子を抱きしめて唇を奪うとか？（わけわからんけど）
    それで二人が恋に落ちてしまったら、同じラストでも全然違う印象になっていたかもしれませんね（個人的な勝手な妄想でスイマセン）。


    テーマの『今こそ』について、文字列では使用されていませんでした。
    個人的には、橘花の秘策が一番『今こそ』だったように感じました。

    いろいろ書いてしまいましたが、女子寮潜入作戦がドキドキの作品でした。
    拙い感想ですいません。今後のご活躍をお祈りします。

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Re: 2021年05月16日 01時39分46秒
  • ＞つとむューさんへ

    いつもお世話になります。ご感想ありがとうございます。

    ＞今はコピー用紙が安く手に入るので、藁半紙の需要が低くなってしまったんじゃないかと勝手に予想しています。
    イメージ優先で藁半紙を採用しましたが、再生紙偽装問題とか古紙の需要増とか色々とあって、今では価格が逆転してしまっているらしいですね。

    ＞橘花の秘策も楽しかったです。
    秘策のバーゲンセールでした。かなり安売りだったと思います(ぁ

    ＞足がつかないためとはいえ、実家に送ったら送付代がかかって、せっかく没収品を売っても儲けが少なくなってしまいます。
    まとめて送っちゃえば輸送コストはおさえられるはず！←
    まあ裏設定と言うか作者の頭の内を明かすと、寮生活をしている高校生が商品をサイトに掲載したり、梱包してあっちこっちに送ったりするのは現実的に難しくね？　と思ったので、実家にいる家族（大学生の兄とか）に任せることにしました。

    ＞やはり、ここで何かを起こして欲しかったかなと個人的には思います。
    最初期のシナリオだと薔薇小路の付き人の古川千景さんがシャワールームの個室で秀景くんと鉢合わせになって、なぜか彼女は秀景さんのことを一時的に匿ったみたいです。なぜなんでしょうね？(ぇ

    ＞ピンチを脱するために秀景は棘子を抱きしめて唇を奪うとか？（わけわからんけど）
    時代小説みたいに手籠めにしたらワンチャン惚れてくれるかもしれませんからね（ぉい

    ＞個人的には、橘花の秘策が一番『今こそ』だったように感じました。
    今こそ――ぽちっとな。

    ご感想ありがとうございました。

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2021年05月08日 22時52分17秒
 +20点
  • 　いさおと申します。御作を拝読致しましたので、感想など書かせて頂きます。


    　蓬莱学園と聞けば思わず往年の名作TRPG『蓬莱学園の冒険！！』を思い起こします。これがもしも偶然で無いのなら、作者さんも中々のおっさんですね。
    　それはともかく。
    　特殊な学園を舞台にした（まさに蓬莱学園）コメディ。お約束ながら、というかお約束だからこそのテンポの良い展開は、ある意味武芸における『型』の様なものではないでしょうか。こなれた文章も相まって、最後までストレス無く読み終える事ができました。
    　女子寮潜入作戦辺りの流れは、特に秀逸。読者に、
    （きっと一筋縄じゃいかないんだろうな……来るかな？　来るかな？　ほら来たあ！）
    　的な感じにくすぐる手法はお見事。そして、きっとこんな感じになるんだろうなと思う辺りに、ちゃんと着地しています。総じて安心して読む事ができました。


    　気になった点は、既に庵さんや瀬海さんが指摘されておりますが、やはり僕もカタルシスに乏しく、また薔薇小路棘子の魅力もさほど感じる事ができませんでした。
    　何故かと考えると、やはり視点と情報量のブレなのでしょう。
    終わってみれば、全ては棘子の掌の上で踊らされているという話でしたが、ここで僕は頭を抱えます。
    　これは秀景と棘子、どっちのお話だったのか、と。
    　基本、秀景目線で話は進んでいきますがタイトルは『薔薇小路棘子の粛清』、そして冒頭はマキャベリ云々、最後も棘子で終わります。更に、今まで感情移入しながら読んでいたキャラたちまでもが簡単に切り捨てられてしまいます。
    　そして、そこまで言い切る棘子の事を、我々読者は何も知りません。異常な程に自他を律する彼女の、何故そうなったかといった理由や心情を一切知らされぬまま唐突に終わってしまっているのです。
    　例えばダブル主人公としてこの二人のパートを交互に進める形だったらまた違った印象を受けたと思われます。
    　また、棘子を徹底的にラスボス扱いして秀景達に「絶対に勝てない敵」として君臨させる。ｓこで最後に副会長の件をぶつけて一泡吹かせる形にすれば、カタルシスも得られるのではなかろうかと愚考致しました。
    　

    　乱文ご容赦を。お互い企画を楽しみましょう。

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Re: 2021年05月16日 01時40分18秒
  • ＞いさおＡＧＥさんへ

    いつもお世話になります。ご感想ありがとうございます。

    ＞蓬莱学園と聞けば思わず往年の名作TRPG『蓬莱学園の冒険！！』を思い起こします。これがもしも偶然で無いのなら、作者さんも中々のおっさんですね。
    ぐぐりました。えっと、私が生まれる前の話をされてもちょっと……(ぁ
    ちなみに元ネタと言いますか、当初の名前は「ぱらいそ学園」でした。ただ前回の企画ではそのせいで作者バレしてしまったので、蓬莱に変えました。おかげで今回はステルスできたと思います。

    ＞約束ながら、というかお約束だからこそのテンポの良い展開は、ある意味武芸における『型』の様なものではないでしょうか。
    ＞総じて安心して読む事ができました。
    ありがとうございます。予定調和といえばそれまでですが、お約束を踏まえつつちゃんと楽しめる展開を描けていたようで安心しました。

    ＞やはり僕もカタルシスに乏しく、また薔薇小路棘子の魅力もさほど感じる事ができませんでした。
    ＞例えばダブル主人公としてこの二人のパートを交互に進める形だったらまた違った印象を受けたと思われます。
    皆さんからご指摘をいただいて、この筋（ストーリー）を生かしつつカタルシスを与えるにはどうすればよかったかなあと考えているのですが、やはりそのままだと難しいです(ぁ
    まず攻防戦に枚数を使いすぎ。というか、女子寮に潜入するまでが長い。キャラ紹介とか舞台を整えるためとはいえ、ちょっと枚数を使いすぎです。そのせいで薔薇小路の内面を描写できず、彼女との直接対決を盛り上げることができませんでした。いさおさんのおっしゃる通り、薔薇小路に対しても一撃を加え、最悪でも痛み分けのようなオチにしないとカタルシスは生まれませんよね。
    そもそもカタルシスを与えるだけなら、薔薇小路を消して、副委員長を敵キャラにすれば簡単だったんですけどね。普段はあんなご立派なことを言っているけど、裏ではこんなことしてたんだ、この犯罪者が！　的な感じでざまあｗを簡単に演出できるので。まあ今更な話ではありますが。

    ご感想ありがとうございました。

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2021年05月06日 22時05分03秒
 +10点
  • 　こんにちは、瀬海と申します。
    　拝読しましたので、早速感想をば。

    　恥ずかしながらマキャベリには全然詳しくないのですが、なぜか手元に『君主論』を紹介している書籍があったので、ちょうどいい機会だと開いてみました。内容をがっつり要約すると、「マキャベリはルネサンス期に活躍した思想家で、神ではなく人間による現実主義的な統治を解いた点で近代政治哲学の祖であると言われる」とのこと。
    　あとこれは孫引きになりますが、「一つの悪徳を行使しなければ、自国の存亡にかかわるという容易ならぬばあいには、汚名などかまわずに受けるがよい」みたいな記述もあるようで。冒頭の引用含め、このあたりを知っていればより楽しめる作品だったのかな、と。いえ、薔薇小路さんが主人公であるわけではないのでまだいいのですが。
    　ここまでは読み飛ばしていただいて構いません。

    　それで肝心の御作ですが、思惑入り乱れるコメディでした。
    　コメディなのかな……少し曖昧なので「学園もの」という括りにさせていただきます。何にしても、手慣れた構成と軽快な文章が特徴の飽きのこない一作で、簡単にで言い表すなら「ちょっと硬めのラノベ」みたいな感じになるのでしょうか。お手本のような展開はお見事の一言です。こういうの真似できればな……。
    　また、主人公の周りを固めるキャラクター達も魅力的で、彼らの掛け合いにはそれだけで読んでいられるくらいのテンポの良さを感じました。若干恣意的な造形（男子寮の友人なのにほとんど男の娘、とか）がないではないですが、それ含めても充分に楽しめる作品だったことには間違いありません。

    　指摘としては大きく二点、まずはカタルシスに乏しかったことです。
    　主人公の側から見ればかなりの問題が起きてはいるのですが、かと言って学園全体がどうこうという話ではなし、誰かの成長が認められるわけでもなし。単純に「薔薇小路棘子」という人物を紹介しただけという印象を受けました。
    　それも彼女側の事情を掘り下げてもおらず、内面に関してはほぼブラックボックス。存在感はあるのですが、タイトルにまで起用したにしては魅力を感じませんでした。

    　それと二点目、個人的な所感で申し訳ありませんが……あまり好きになれませんでした。
    　御作単品で見たときに何かしら伝えたいことがあるようではなく、これといった熱量も感じられない。書き上げた作者様の努力を否定するわけではありませんが、それでも「書けたから書いた」とでも言うような無味乾燥さを感じてしまったんですね。
    　もちろんそれは御作が一エピソードに終始しているからかもしれませんし、この後に何か続くのであれば評価も変わってくるものとは思います。何より展開は本当にお見事で、文句のつけようがなかったくらいです。ただ現状、百枚弱あるにもかかわらず物語ではない。

    　自分からは以上です。……失礼なことを書き連ねましたが、ご容赦ください。
    　盛大なブーメランになっていることでしょうし、見当はずれの意見も多々あるとは思いますので、取捨選択はお任せします。
    　ではでは、引き続き企画を楽しみましょう。

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Re: 2021年05月16日 01時40分44秒
  • ＞瀬海（せうみ）さんへ

    いつもお世話になります。ご感想ありがとうございます。

    ＞恥ずかしながらマキャベリには全然詳しくないのですが、
    冒頭にあんな言葉を引用しておきながら私も未読です。いや、ホント、信じられないですよね(ぉい

    ＞また、主人公の周りを固めるキャラクター達も魅力的で、彼らの掛け合いにはそれだけで読んでいられるくらいのテンポの良さを感じました。
    ありがとうございます。こういう要素でリーダビリティを高められないかなと考えていたので、その助けになっていたようなら何よりです。

    ＞若干恣意的な造形（男子寮の友人なのにほとんど男の娘、とか）がないではないですが
    男の娘の選択は、他の男キャラとの差別化――もとい、私のキャラ造形の引き出しが少ないのと、女子寮に潜入させるための都合のよい設定として採用致しました←

    ＞まずはカタルシスに乏しかったことです。
    ＞内面に関してはほぼブラックボックス
    ＞ただ現状、百枚弱あるにもかかわらず物語ではない。
    これに関して本当に申し訳ないです(ぁ
    作中でも語り部が「一体何が彼女をそこまで駆り立てるのか。」と言っておりますが、彼女の内面を描くゆとりがありませんでした。いや、ゆとりという言葉は正しくないですね。だって一〇〇枚（四万字）も使っているんですから。
    作者としてはまず書き終えて、「内容のままで半分くらいにまとめられないかな」とは思いました。ぶっちゃけ四万字は多いです。枚数使いすぎです。またこんなにも枚数を使いながらバッドエンド（語り部サイドの敗北）、しかも敵キャラの背景は描かれず、わかりやすい感動がない――正直致命的です。展開を二転三転させて飽きさせないためとはいえ、失った物は大きかったなというのが作者としては正直なところです。せっかくこの枚数を読んでくださった方に「書けたから書いた」と言われるようでは、非常に情けないです。

    ご感想ありがとうございました。

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2021年05月04日 20時00分42秒
 +20点
  • 　作者さま、こんばんは。
    　御作を拝読しましたので感想を述べさせて頂きます。


    　良質な学園コメディでした。
    　高校生（作中では中高ひと続きの学年になっていましたが）が賭博麻雀をするのは感心しませんが、それに近い「ちょっとした悪さ」なら大抵の男性読者はやってきたのではないでしょうか。
    　遵法精神よりもその時どきの楽しさを優先してしまう、その意味では男子高校生らしさがよく出ていたと思います。
    　そんなちょっとしたワルにとって、風紀ほど邪魔なものはありません（そういえば、現実に風紀委員が存在する学校を見たことがありません。創作物ならではの幻想なのかも）。風紀委員長が厳しい人であるなら尚更。
    　本作では、娯楽部の活動記録と帳簿が書かれたメモを取り返す為に女子寮への潜入が実行されますが、この展開に「正　対　不正」の面白さを感じました。やってることは悪いことだけど、やってる側が憎めないといいますか。そうそう、ルパン三世が銭形警部の追跡を振り切って、より大きな悪に一泡吹かせるような。潜入の場面は楽しく読ませて頂きました。
    　あずにゃん、ポチッとな、ルイーズ、といった小ネタも楽しかったです。


    　指摘したいのは薔薇小路さんの魅力がいまいち伝わってこないこと。
    　本作では秀景、橘花、梓紗（梓沙？）の３人がメインで書かれていたので、彼らの魅力はよく伝わってきました。
    　しかしその一方で、薔薇小路さんについては「徹底的に厳しい人」というイメージ止まりでした。他人を律するならまず己が清廉でなければならないという信念は立派ですが、なぜ彼女がそのような信念を抱くようになったのか。その信念を貫くことに迷いは、葛藤はないのか。そんな彼女の人間らしさをもっと見たいと思いました。
    　彼女は本作が始まる前から完成されたキャラクターであって、作中で彼女自身が成長するわけではない。そこが個人的には魅力減の原因でした。
    　もしかしたら彼女はヒロインではなく、ラスボスという位置づけなのかも。だったら一貫したキャラクターとして素敵ではあるのですが、読了後に自分が好きになれたかというと、そうでもなかったです。


    　文章がこなれていて、展開も面白い。男子３名は魅力的なキャラクターとして描かれていました。全体的にレベルの高い作品で、楽しむこともできました。
    　作者さまは実力のある方、もしかしたら知り合いの方かもしれません。
    　これからも自分のやり方で執筆を頑張って下さい。
    　それではでは。

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Re: 2021年05月16日 01時41分09秒
  • ＞庵（いおり）さんへ

    いつもお世話になります。
    ご感想ありがとうございます。

    ＞良質な学園コメディでした。
    ありがとうございます。たまには人を殺さない話を書きたかったので、かなりふざけて書きました。いや、まあミステリも結構ふざけて書いてますけどね←

    ＞現実に風紀委員が存在する学校を見たことがありません。創作物ならではの幻想なのかも
    実在している学校もあるみたいですが、活動内容を見ると、いわゆる美化委員会と大差ないみたいですね。

    ＞この展開に「正　対　不正」の面白さを感じました。やってることは悪いことだけど、やってる側が憎めないといいますか。
    こういういかにもラノベらしい展開（ノリ）って今の世の中でも受け入れられるのかしらん、とか思いつつ書いておりましたので、感触が悪くなくてほっとしました。ただ女子寮に潜入するとか、ふつーに性犯罪ですけどね。

    ＞あずにゃん、ポチッとな、ルイーズ、といった小ネタも楽しかったです。
    ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールさんですよ！　間違えないでください（ぁ

    ＞梓紗（梓沙？）
    誤字です、ガチで気づきませんでした。途中から「沙」で統一されてますけど、プロットだと「紗」になっているので、本来は「紗」が正しいみたいです。

    ＞なぜ彼女がそのような信念を抱くようになったのか。その信念を貫くことに迷いは、葛藤はないのか。そんな彼女の人間らしさをもっと見たいと思いました。
    私も書きながら、ここは間違いなく指摘を受けるだろうなと思っておりました。実際、作中で語り部も「一体何が彼女をそこまで駆り立てるのか。」と言ってますしね。
    庵さんを始め、読者の皆さんには申し訳ないのですが、実はこの作品、今書いている連作ミステリの第一話を短編にアレンジしたものでして、彼女の造形がヒロインでありながら敵役に徹しているのも、また彼女の目的・内面が描かれていないのもそういう事情がありました。本当はその辺りも一つの短編として上手く落とし込めたらよかったんですけどね。

    ご感想ありがとうございました。

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