【跡地化】冬薔薇の咲く頃に

Rev.02　枚数： 3 枚（ 840 文字）
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■□■□■□■　この作品は跡地化されました。　□■□■□■□
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kz

2018年12月30日 16時54分24秒 公開
■この作品の著作権は kz さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
◆テーマ：冬のミステリー
◆キャッチコピー： 不可能犯罪の王道――密室殺人。しかもこれは二重密室ですね。
◆作者コメント： 冬に食べるアイスっておいしいですよね。

2019年01月14日 01時48分09秒
 作者レス
  • ＞とよきちさんへ

    いつもお世話になります。
    ご感想ありがとうごいます。好物は、ホモです(ぇ

    ＞及川のあの論理に偏った考え方ですね。
    ＞彼女でなければここまでスマートに謎は解けなかったと思います。
    プロット練ってる時に名探偵が必要か不要か考えるのですが、ひねくれた展開だったので警察だけでは力不足と思い、名探偵を登場させました。だから彼女もひねくれた人物です（ぇ

    ＞彼女の過去が気になってきますね笑
    庭師で名探偵……どんな経歴を辿ればそうなるんでしょうかね笑

    ＞単純な物語としてみるともう一つどんでん返しがあってもいいのかな、とは思いました。
    有体に言うと華が無いんですよね（ぁ　難しい問題です

    ＞わりとあっさり及川が解決してしまったのでそう感じたんだと思います。
    スレンダーな体型なだけに解決もスマートでしたね（そういうことじゃない

    ご感想ありがとうございました。


    ＞6496さんへ

    いつもお世話になります。
    ご感想ありがとうございます。

    ＞密室トリックが解けるまでの流れもいっそ親しみを感じるレベルでミステリしてますね！
    歳を取ったせいか長い話は読むのも書くのも苦痛なので、短編ミステリらしく不要と思われる要素は極力排除して書きました。まあ本音を言いますと、仕事が忙しくてミステリ以外の要素を練る時間がなかったからなんですけどね（ぉい

    ＞ちなみに密室トリックの方は分からなかったのですが、犯人は当たってました。
    犯人特定のロジックが見破られなければ作者の勝ちということで←

    ＞しかしそれ以上に、「真犯人」である「岡本さんのお母さん」がヤベェ。
    裏設定とか考えてませんけど、かなりやべえ奴ですよね。

    ＞特に恐れ入ったのが「トリックが分かると犯人の安全性が増す」っていうトリックの作りですね。
    前例は腐るほどありますが、綺麗に決まったようで何よりです。

    ＞登場人物同士の絡みなんかも見てみたかったところです。
    次回は考えます(ぁ

    ご感想ありがとうございました。


    ＞燕小太郎さんへ

    いつもお世話になります。
    ご感想ありがとうございます。

    ＞個人的なことを言えば、及川の正体や背景についてももっと見たかったですね。
    及川さんは「むこうぶち」の傀みたいな奴とでも思っていただければ……(ぇ

    ＞ストーリーにおいて、自分は今作を短編ミステリにおける一つの模範だと思います。
    ありがとうございます。ドラマとかを頼りにしないスマートなミステリを書きたいと思っていたのでうれしいです。

    ＞唯一不満を残すとすれば、せっかくの裏の裏の真相を、ゼロから及川がばらしてしまったことでしょう
    ＞犯人探しにはもう少し枚数をかけて苦戦してほしかったです。
    ミスリードであの三人の中から偽の犯人役を用意して、及川がそれを覆すくらいの展開があってもよかったかもしれませんね

    ＞久方ぶりに見た『ラーメン丼』には思わず吹き出しました。
    あれは許さない(ぁ

    ご感想ありがとうございました。


    ＞uniさんへ

    いつもお世話になります。
    ご感想ありがとうございます。

    ＞誰かがカッコよく活躍するでもなく、推理の過程がすごいと思わせるように構成されているでもない気がしました。
    「爆弾ドカーン！シンイチー！ラーン！」な展開でも用意すればよかったですかね。

    ＞印象として『トリック構成ありき』という感じが強くします。
    狙い通りです。

    ＞密室とかは、割とあるかなと。
    コアなファンが多くいるようで、タイトルに「密室」とあると結構売れるらしいですよ。
    まあ真面目な話もしますと、プロの作家も「密室」だの「アリバイ」だの「見立て」だのテンプレートな謎に頼らないで、今まで見たことがないような不可能興味を考えてほしいですよね。

    ＞たぶん、現在では、ＡＩで防犯カメラ画像全部見る必要無いかもしれないです。
    AIの性能がどんなものなのかは存じませんが、たとえ機械で判定できたとしても、捜査の要を機械に任せて自分の目でチェックしないなんてことは無いと思います、たぶん。

    ご感想ありがとうございました。


    ＞茉莉花さんへ

    いつもお世話になります。
    ご感想ありがとうございます。

    ＞五感描写が少なめだったようには感じていますが……。
    人間ドラマな話ではないですからね（ぇ

    ＞もう少しエンターテイメントに寄るととっつきやすかったのかな、と考えています。
    ごめんなさい、今回はガチミステリなんです(ぁ

    ＞隠語を使うことでそれらしくなるのではないかなぁ、と思いました。
    わたし、そういう隠語って嫌いなんですよね。テレビドラマみたいで安っぽい感じがして←

    ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2019年01月14日 01時46分15秒
 作者レス
  • ＞庵(いおり)さん

    いつもお世話になります。
    ご感想ありがとうございます。

    ＞自身も二重密室を使った作品を書いたことがあるのですが
    そうですよね、存じております（ぁ

    ＞その困難に挑まれた作者様には、かなりの親近感を抱きました。
    実は今作を執筆するに当たり、庵さんの作品をかなり意識しました。防犯カメラを使ったトリック自体は以前に書いた小説の流用なのですが、二重密室なのは庵さんの影響です。タイトルを「私が消えてなくなった後に」にしようかと思いましたが、自重しました←

    ＞被害者の趣味が釣りというのは、テグスを使ったトリックのミスリードを狙ったものでしょうか？
    練炭ストーブ持ってる奴ってどんな奴だろ？　と思ってぐぐったら釣りが出てきたので、被害者の趣味を釣りにしました。実はあんまり深く考えてないです←

    ＞次に合鍵を手に入れることが可能な人物を考えたときに、家政婦しか有り得ないと思ったのですよね。
    狙い通りです(ぇ　ただ犯人特定のロジックまでは読めなかったに違いあるまい←

    ＞なぜ密室である必要があったのか、これがしっかりと書かれている作品は大好きです。
    ありがとうございます。実は物理トリックを考えるのがあまり得意ではないので、どうしてもこういう方向に力を入れてしまいます。本当は物理トリック一本で勝負できる作品も書いてみたいんですけどね。

    ありがとうございました。


    ＞いりえミトさんへ

    いつもお世話になります。
    ご感想ありがとうございます。

    ＞リスクの高いトリックのような気もしますが
    西口さんが裏口を使ったらその瞬間にバレますからね(ぁ

    ＞「事故死さえもトリックの一部」という及川の推理は驚愕ものですが
    この辺りはどう処理するかは最後まで悩みました。岡本母がすでに故人でないと、共犯という図式がより鮮明になってしまい、読者にばれてしまうおそれがありましたので。

    ＞岡本が犯人である証拠が発見された経緯は、ちょっと偶然性が高かったように思います
    この辺をもうちょっと上手く扱えていれば、もう一段レベルの高い小説に仕上げられたのではないかとも考えております。

    ＞本作独自の面白みというか、大きなインパクトがなかったかなと思います
    確かにもうちょっと華はほしかったですよね。ストーリー性が云々の小説ではないので、改良するとしたらキャラクター性でしょうか。

    ＞潮崎刑事と及川のラブロマンスとか…
    うーん、ない！ｗ(ぁ

    ＞登場人物の名前が、どこかで見たことのあるものが多いですね。某獅子球団あたりで。
    西口さんが被害者なら、容疑者にはあの面々が相応しいかなと思いまして。ちょうど岡本も二人いらっしゃいますし←

    ありがとうございました。


    ＞ハイさんへ

    いつもお世話になります。ご感想ありがとうございます。

    ＞私はミステリ苦手であまり読まないほうですが、この作品は良い作品でした。
    苦手なジャンルにもかかわらずありがとうございます。すでに気づいていらっしゃるとは思いますが、とっつきやすさとか万人受けとかそういうのを無視して書きました。すみません。

    ＞粗、ないですよね？（ドキドキ
    ダミーであの三人の中から犯人っぽい奴を一人用意して、また家政婦犯人説を裏付ける証拠とか用意できたら完成度上がったんじゃないかなあとか思ってたりします。

    ＞謎の庭師、及川さん
    よくよく考えたらこの人、何者なんでしょうね。警察にちょっかい出して、勝手に推理語って。あと設定上だとアラサーらしいですよ（謎情報

    ＞気になることと言えば、冒頭近辺がやや緩慢な流れってことぐらいですかね。
    現場検証とか、聞き込みのシーンってつまらないですよね。まあミステリを楽しむにはそういうシーンを我慢して読む根気が必要なわけですが、面白く書けるにこしたことはありませんね。精進したいです。

    ご感想ありがとうございました。


    ＞つとむューさんへ

    いつもお世話になります。
    ご感想ありがとうございます。

    ＞その四人の名前を一度に提示するのではなく、
    聞き込みのシーンって読むのも書くのも嫌いなので、省略しちゃいました。結果オーライですね←

    ＞某有名ミステリーを彷彿させる展開に
    うーん、どの作品だろ？　密室トリックは自己流なのでたぶん前例はないと思いますが、故人の犯行計画で有名なのは海外のアレだろうし、逆説の論法も海外のアレだし、オチは国産のアレが有名だし。
    ちなみにトリックとかロジックは無関係ですが、今作を執筆する上で庵(いおり)さんのミステリが念頭にありました。ウルトラ傑作なのでおすすめですよ。
    っttps://kakuyomu.jp/works/1177354054886713612

    ＞練炭自殺をするためには、ドアやその他の隙間に目張りをしなくては一酸化中毒にならないような気もします。
    ニュースなんかを見ますと普通の火事で中毒死されてる方が少なくありませんが、実際どうなんでしょうね←詳しく調べてない

    ＞一酸化中毒死させた後で火事にするという時間差トリックが最後まで明かされなかったことでした
    設定を明かすと、岡本が練炭を炊いたのは、彼女が退勤する直前です。練炭に火をつけるのと同時に部屋にも火を放ちました。これなら時間差トリックもいらないはず。……はずです（ぁ

    ＞岡本母は、こんなラストのために死んでしまったのかと。
    この辺りはもうちょっと詰めて、読者に分かりやすい設定を用意出来たらなと思っておりました。作中のロジックだと、岡本母の動機がひねくれ過ぎていているんですよね。

    ＞やっぱりあれは、伝説のお題だったのですね。
    イミワカンナイお題でしたが、主催者ご本人様に話を聞いてみたら、ちゃんと考えあってのことだったらしく、納得のいく理由がちゃんとありました。でも許さない←

    ご感想ありがとうございました。


    ＞たかセカンドさんへ

    いつもお世話になります。
    ご感想ありがとうございます。

    ＞文章も固くなりすぎず、特にわかりにくいところもなく、最後まで楽しんで読むことができました。
    ありがとうございます。キャラはあんな感じでしたが、ミステリよりラノベを読んでいるような人間なので、ノリは微妙に軽いと自負しております（ぇ

    ＞気になった点としましては、本格ミステリーに対しいちゃもんだとは思いますが、若干、キャラ性が薄いのかな？　とも感じました。
    ＞申し訳ありません。見当違いの意見かもしれませんね。
    そんなことないです、ミステリにおいてキャラクター性ってとても大事ですよね。
    漫画のコナンの巻末にある、古今東西の名探偵の紹介を見れば分かる通り、ミステリにおいてキャラは大変重要で、これがあるのとないのとでは大違いです。現に売れているミステリの多くはキャラクター性が抜群です。逆に良質だけど世間の評価はいま一つという作品は、キャラクター性が乏しかったり展開が地味だったりと、俗な言い方で言うと華がないです。そもそもミステリって他のジャンルと比べるとドラマ性はどうしても低くなるので、キャラクターで頑張らなければならない面もあるとは思っております。
    とはいえ今回は短篇ミステリなんですよね。五十枚程度で済んでしまうようなネタにキャラだのドラマだのいろんな要素を詰め込んで、最終的に百枚もの分量になってしまうのは、ミステリとしてどうなの？　と考えてしまったりもします。
    もちろんキャラもドラマも大事ですが、まるでカルピスの原液を多量の水で薄めてしまうようで躊躇いを覚えます。短い枚数には短いなりのよさがあると思うんですよ。
    しかし名探偵を出しておきながら、そのキャラがしょぼいというのも悲しい話です。次回はもっとバランスを考えて執筆していきたいです。

    ＞実は、本格推理ものの小説を何冊か持っているのですが、最後まで読めたことはありません。
    それはもったいないですね（ぁ
    ちなみにネットで気軽に読める傑作ミステリがあるので宣伝しておきますね。本格警察小説でありながらキャラクター性も抜群。庵(いおり)さんの超絶傑作ミステリ『私が消えてなくなる前に』です　っttps://kakuyomu.jp/works/1177354054886713612

    ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2019年01月13日 23時37分01秒
  • 作者の方へ

    茉莉花です。
    作品読みました。……が！　ごめんなさい。
    コージーミステリやキャラミス、バカミスは好きなのですが、本格的な推理物は苦手でして……及川のたたみかけるような推理の提示に圧倒されると同時に、その情報量の多さにうまくついていくことができませんでした。

    文章は癖がなく、読みやすかったことは間違いないです。五感描写が少なめだったようには感じていますが……。
    キャラクターも本格推理を目指そうとしていたのであれば何も問題はないのですが、もう少しエンターテイメントに寄るととっつきやすかったのかな、と考えています。

    ろくに推理物を読まない人間が言うのもなんですが、冒頭の刑事と潮崎の会話のシーン……大分わかりやすいのですが、「焼死体」を「ホトケ」、「被害者」を「ガイシャ」、「殺人事件」「他殺」を「コロシ」等、隠語を使うことでそれらしくなるのではないかなぁ、と思いました。

    本格推理としては手堅く、隙のない上質な物語でした。

    おおざっぱな感想で失礼しました。
    時間ができたら再度読んでみます。

    それでは執筆お疲れ様でした。

    E-Mail pass
2019年01月13日 23時27分38秒
 +10点
  • uni と申します。
    最近、ちょっとよそで投稿したことがあったので、ここで復習のために、立ち寄らせていただいています。

    この作品を読ませていただいたので、感想を残しておきます。
    気に障る表現があるかもしれませんが、私の文章能力の程度の問題もありますので、ご容赦ください。

    全体：
    トリック単体はちゃんと構成されているだろうと思えます。
    一方で、エンターテインメント的でない感がします。
    誰かがカッコよく活躍するでもなく、推理の過程がすごいと思わせるように構成されているでもない気がしました。

    文章・構成系：
    印象として『トリック構成ありき』という感じが強くします。
    某アニメなどとは違い、媒体が文字なので、一度に人物が出ると読むのが大変と思いました。
    容疑者も作中で交流しないので、名前は符号と等価になってしまい、印象に残らないかなと。
    また、トリック構成もロジックの列として示されているようで、これも読むのが大変と思いました。
    ただ、私の経験則としては、構成のできる人がエンターテイメントを意識するより、エンターテイメント的な人が構成を意識するほうがよほど大変だとは思う（テレビから消えてしまう芸人さんのような……）ので、要素としては良いと思いました。

    オリジナリティ・テーマ系：
    密室とかは、割とあるかなと。

    キャラクター・台詞系：
    地の文の、どこまでも論理的、というのは表現としてはかなり危うい気がしました。
    文としておかしいというよりは、採点者に隙を与えてしまう（反例が見つかったら論破状態）、という意味で不利な表現だと思います。
    同様に後半は構成のごり押しで、危ういかなと。

    取材・時事情報系：
    たぶん、現在では、ＡＩで防犯カメラ画像全部見る必要無いかもしれないです。

    E-Mail pass
2019年01月13日 21時03分16秒
 +30点
  • 　執筆おつかれさまでした、燕小太郎と申します。
    『冬薔薇の咲く頃に』読ませていただきましたので、感想を残したいと思います。

    　一読して感じたこと
    　思った以上に本格的にミステリーをしていました。
    　ラノベや企画ではあまり見ないジャンルだけに驚くとともに、クオリティの高さにも目を見張るものがありました。

    　キャラクターについて
    　良きキャラクターとは何か。自分は今回、これを『リアリティ』と『オリジナリティ』ではないかと考えることにしました。自分が考えるリアリティとはそのキャラクター『らしさ』が出ているかどうか。ストーリーに流されるのではなく、キャラクター自身の意志や理由によって言動をとっているかどうかだと考えています。オリジナリティとは文字通り個性があるかどうか。この二点から、感想を述べて行きます（ここまでテンプレート）
    　ミステリーですのでキャラクターの重要性は多少落ちるかもしれませんが、一応テンプレートを使用して感想を書いてるのでこのままにします。
    　真面目堅気なベテラン刑事というベタな主人公と、探偵ヨロシクしゃしゃり出てくる謎多き庭師の女性。リアリティある前者が二時間ドラマのド定番とすれば、後者はどちらかといえばラノベやエンタメ寄りの小説に近いキャラクターで、ミステリー作品キャラとしては個性的でオリジナリティがある。この辺りのバランスのとり方は上手かったと思います。
    　個人的なことを言えば、及川の正体や背景についてももっと見たかったですね。謎を残してしまう点が果たして読後感として良いかどうかは、読者によるかもしれませんが。

    　ストーリーについて
    　良きストーリーとは何か。自分は今回、これを『引きの強さ』と『カタルシス』の二つを軸として考えることにしました。次に何か起こるのか。この事件がどのように収めるのか。気になって読まざるを得なくなる、力づくで読ませる『引き込む力』こそストーリーの目的になるのではないか。そうして引き込んだストーリーを、どのようにまとめ、読者を満足させるのか。この二点をストーリーの骨子と考え、この観点からストーリーの感想を述べたいと思います（ここまでテンプレート）。
    　開幕に事件を起こし、奇妙な二重密室事件という謎が生まれる。密室事件よりおかしな庭師及川の助言を受けてトリックを暴くが、真の謎はその裏にこそあって……。
    　ミステリに詳しいわけではありませんが、トリックを考えたりするよりも、トリックの裏にある心理描写や背景、目的にスポットライトが当たった解決編はミステリファンでない自分も面白く読むことができました。及川という変な人やトリックという謎で引き込む力を作り、裏の裏まで施された事件の真相と正体を明かさない及川という存在で独特な読後感を演出する。
    　ストーリーにおいて、自分は今作を短編ミステリにおける一つの模範だと思います。

    　次に向けての提案
    　唯一不満を残すとすれば、せっかくの裏の裏の真相を、ゼロから及川がばらしてしまったことでしょう。
    　真犯人はトリックを解かれた後のことまで考えて計画を立てたのですから、解く側にも同じ順路を辿ってほしかったし、なんなら辿りつかなくても良かったと思います。誰にでもできるトリックを解き明かし、再び犯人探しが難航したとき、再び及川からヒントを得て答えに至る。ルートとしては一緒ですが、現状だとあっさりばれてしまい楽勝な印象なので、犯人探しにはもう少し枚数をかけて苦戦してほしかったです。
    　トリックから先の計画こそ今作の肝だっただけに、ここがあっさり風味になってしまったことが残念でした。
    　もう少し言えば、結末を見ると『保険をかける』というのが一つのテーマのように重要視されています。二重密室も一つの伏線でしたが、トリック以外の面でも保険というテーマを活かすことができれば、ストーリーがよりまとまるのではないかとも思いました。

    　まとめ
    　シリアスなミステリ作品の中で、久方ぶりに見た『ラーメン丼』には思わず吹き出しました。多分ミチル企画になる前の企画でしょう。とても懐かしく思い出されました。

    　拙い感想ですが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

    E-Mail pass
2019年01月12日 18時03分53秒
 +30点
  • 6496です。
    読ませていただいたので感想を書きます。

    ※若干ネタバレ含みます。

    レベルたっけぇ……。
    いやー、ミステリのアンソロジーに収録されてても遜色ない話でした。

    密室の構成からそれを作るファクターと、密室トリックの中身にいたるまで。
    実にミステリしている話でした。
    密室トリックが解けるまでの流れもいっそ親しみを感じるレベルでミステリしてますね！

    ちなみに密室トリックの方は分からなかったのですが、犯人は当たってました。
    トリックは全然わかんなかったね！　くやちぃ！

    探偵役の及川さんの「庭師」という肩書が意外性があって面白かったですね。
    しかしそれ以上に、「真犯人」である「岡本さんのお母さん」がヤベェ。
    すでに故人なので実際はどういった人かは描かれませんでしたが、作中に描写されていることだけで想像してもかーなりヤベェ方だというのがわかりますね。素晴らしい。

    特に恐れ入ったのが「トリックが分かると犯人の安全性が増す」っていうトリックの作りですね。
    大好きですよ、こういう二重構造のトリック。犯人の知能の高さを想像させますよね。

    ミステリは結構好物なのでそこそこ読んでいますが、このお話はかなり満足の行くお話しでした。
    惜しむらくはやはり文字数の制限か、ほとんど種明かしで終わってしまったところですね。
    登場人物同士の絡みなんかも見てみたかったところです。ありがとうございました！

    E-Mail pass
2019年01月11日 12時28分10秒
 +20点
  • 初めましてでしょうか。とよきちと申します。
    それでは拝読したのでさっそくさっそく。

    ライトな推理ものはいくつか読んだことはありますが、本格推理ものはあまり読んだことはありませんでした。情報処理能力がおっつかないせいで、情報を整理して推理しながら読み進めていくという本格推理小説ならではの楽しみ方ができないんですよね。だから申し訳ないですけど、とても大雑把な感想になってしまうと思います。そこはご勘弁ください。

    一番面白いと思ったのはトリックももちろんそうですけど、及川のあの論理に偏った考え方ですね。
    彼女でなければここまでスマートに謎は解けなかったと思います。ただひたすらに論理で答えを導きだす及川を見ていると、彼女の過去が気になってきますね笑 登場の仕方もよかったですし、超然としたあの場をかき回しっぷりは見ていて楽しかったです。

    ただ、本格推理ものとして見ると自分からは非の打ち所は見つけられないのですが、単純な物語としてみるともう一つどんでん返しがあってもいいのかな、とは思いました。わりとあっさり及川が解決してしまったのでそう感じたんだと思います。
    作者さんが御作で目指した面白さのベクトルとは違うと思うのでナンセンスなのかもしれませんが、基本的に物語は読者がどんな受け取り方をしても自由だとは思います。なので「そういう捉え方もあるんだな」くらいに聞き流してもらっても一向に構わないです。

    総評として、全体的にかなりクオリティーの高い作品でした。よくもまあこんな緻密な作品を作れるものだなあと笑
    ただ個人としては、上述したようにもう一つ欲しい気もしました。
    それでもこの企画でこれだけのものを読めたのは、なんだか贅沢をした気分で満足です笑

    自分からは以上です。雑な感想ですみません。

    ごちそう様でした！

    E-Mail pass
2019年01月09日 22時33分53秒
 +20点
  • 執筆お疲れさまでした。
    「冬薔薇の咲く頃に」を読ませていただきました。

    　本格ミステリーだ！
    　自分はキャラクター色の強い、軽めのミステリーなら読んだことはあるのですが本格ミステリーはあまり読んだことがありません……。
    　見当違いの意見を述べてしまうかもしれませんが、ご容赦いただけましたらと思います。

    　と、言っても読み進めていくうちに、特に指摘らしい指摘は思い浮かばず……。
    　文章も固くなりすぎず、特にわかりにくいところもなく、最後まで楽しんで読むことができました。
    　完成度は非常に高いと思われます。

    　気になった点としましては、本格ミステリーに対しいちゃもんだとは思いますが、若干、キャラ性が薄いのかな？　とも感じました。
    　ミステリーを楽しませる作品であるとは承知しておりますが、そこに印象深いキャラがいれば……物語としてもっと入り込めたのかな、と感じます。

    　庭師の及川がキャラ的には立っていたのかと思いますが、印象深いというほどではなく……。

    　申し訳ありません。見当違いの意見かもしれませんね。

    　実は、本格推理ものの小説を何冊か持っているのですが、最後まで読めたことはありません。
    　しかし、こちらの作品はすんなりと最後まで読むことができたので、推理小説に慣れていない自分のようなものでも読める良質な作品なのだと感じております。

    　以上となります。
    　読ませていただきありがとうございました。

    E-Mail pass
2019年01月07日 04時01分38秒
 +10点
  • 冬企画の執筆、お疲れ様でした。
    御作を拝読しましたので感想を記したいと思います。

    ※本感想にはネタバレがあります。

    ＞練炭自殺に見せかけた殺人事件。

    どうやら本格的なミステリーのようです。
    文章は読みやすく、過不足もなく、
    それよりも構成が素晴らしいと思いました。


    ＞事件当夜、被害者を除いて四人の人物が邸を出入りしていた。

    殺人を行える可能性があるのは四人とのことですが、
    その四人の名前を一度に提示するのではなく、
    まず物語を動かして読者の興味を引いてから、順々に名前を提示するやり方は、
    とても良かったと思います。
    （一度に四人の名前が出てくると、個人的にはその時点で脳がパニックを起こしそうなので）
    ラストの謎解きの部分も、素晴らしかったです。


    ＞一度疑われた後に容疑が晴れたことで、強力な免疫を得たのだ。
    ＞今まで邸にいなかった人物が殺人をするからこそ、このトリックを実行する意義があります

    いやぁ、すごいですね。
    捜査側が密室殺人であることを疑った時点で、犯人の安全性が増すという構造は、
    とても素晴らしいと思いました。
    しかも、そのトリックを構築したのは、すでにこの世にいない人物という。
    某有名ミステリーを彷彿させる展開に、鳥肌が立ちました。

    しかし、このトリックを成立させるために、失っているものも多かったと思います。


    ＞十数分ばかりして、扉の枠から煙が漏れてくる。
    ＞解剖の結果、死因は一酸化炭素による中毒死で、火が回るよりも先に死んだことが判明した。

    練炭自殺をするためには、ドアやその他の隙間に目張りをしなくては
    一酸化中毒にならないような気もします。
    でも、密室殺人であることを疑わせなくてはいけないので、わざと扉の枠から煙が漏れるようにしていた？
    いやいや、それでは一酸化中毒にはならないのでは？
    という感じで、よく分からなくなってしまいました（泣）
    個人的に一番不満だったのは、一酸化中毒死させた後で火事にするという時間差トリックが
    最後まで明かされなかったことでした（読み飛ばしていたらスイマセン）。


    ＞岡本は母の殺意と計画、そして自身が西口の実の娘であることを知った。

    この事実はラストになって明かされるので、西口武也の遺言状には書かれていなかったと推測されます。
    もしそうであれば、今回のトリックは意味があったのかどうか、ちょっと疑問に感じました。
    というのも、岡本母の意図通りになった場合のことを考えてみると、なんだか腑に落ちないからです。
    例えば、岡本娘は疑われずに、他の三人の誰かが逮捕されて事件が終了したとします（岡本母の意図通り）。
    でも、遺言状には岡本娘のことは書かれていないので、遺産は相続できません。
    犯人と疑われないようにするため、「実は娘でした」と言い出すわけにもいきません。
    うーん、なんだかとってもモヤモヤします。岡本母は、こんなラストのために死んでしまったのかと。
    母が娘の幸せを考えるのであれば、完全犯罪を実行することよりも、
    遺産を相続させる方を選ぶのではないかと、個人的には思うのですが……

    もう少し岡本母娘の人生についての描写があれば、さらに良かったんじゃないかと感じました。
    例えば、西口武也は自分の娘だとは知らずに岡本娘にも関係を迫り、
    岡本娘自身の殺意も増していった、というような描写があれば、より説得力が増したような気もします。


    ＞先月の十二月が「冬の○○」で、その前が「金」。「鼻血」だとか「ラーメン丼」だとか、頭の悪そうなお題も並んである。

    さりげなく？「ラーメン丼」がふち込まれていて笑いました。
    やっぱりあれは、伝説のお題だったのですね。


    テーマの『冬の〇〇』は、冬のミステリーとのこと。
    現場に練炭ストーブを違和感なく置けるのは、やはり冬のみだと思うので、
    これは良かったと思います。

    いろいろと書いてしまいましたが、読みやすく読者に優しい構成が素晴らしい作品でした。
    拙い感想ですいません。今後のご活躍をお祈りしています。

    E-Mail pass
2019年01月05日 23時33分24秒
 +20点
  • あけましておめでとうございます。
    「冬薔薇の咲く頃に」拝見しました。

    私はミステリ苦手であまり読まないほうですが、この作品は良い作品でした。

    何より、推理に粗が無い。……ように、見えました。
    いえ、あくまで私はですけど。
    粗、ないですよね？（ドキドキ

    まあそもそも粗の有無よりも、推理の説得力があったというのが正確なところかもしれません。
    謎の庭師、及川さんの回りくどくも説得力のある論理展開が心地よくて、ああ、確かにそれやられたら、岡本さん疑う人皆無だよね！　と。
    そのあたりのトリックと論理に素直に感服しました。

    総評としては

    優秀なミステリと思いますし、文章も読みやすかったかと。
    気になることと言えば、冒頭近辺がやや緩慢な流れってことぐらいですかね。
    そこをすっと入り込めるような作りにすればもっと良かったやも。

    では、そんなところで。
    執筆お疲れ様でした！

    E-Mail pass
2019年01月03日 15時25分01秒
 +30点
  • 『冬薔薇の咲く頃に』、拝読しました。感想を書かせていただきます。

    　※以下、ネタバレがあります。


    ●いいと思ったところ

    ・推理小説としての構成が非常にしっかりとしており、完成度の高さを感じました。
    　警察同士のやり取りにリアリティを感じますし、及川悠子という探偵役が登場する点は、これぞ推理小説という感じです。
    　推理の過程にも大きな穴がないように思いますし、プロの短編集の中の一篇と考えても違和感がなさそうなくらい、推理小説としてよくできていると思います。

    ・犯行のトリックも、納得のいくものでした。
    　美術館のトリックアートの伏線もあったので、写真を使ったトリックだろうなとは想像ができましたが、窓に張り付けるところまでは分かりませんでした。
    　二か月間以上、誰にもばれずにいる必要があるため、リスクの高いトリックのような気もしますが、「ばれなかったのは偶然だろうが、トリックが成功したのは必然」というふうにフォローされていたのは上手かったですね。

    ・細かい点にも抜かりがなく、なぜ二重密室にしなければならなかったのか、なぜ火災を発生させたのか、という点にも、しっかりと納得のいく理由付けがされていたのがよかったですね。
    　「事故死さえもトリックの一部」という及川の推理は驚愕ものですが、その部分は外れていたというラストも、愛嬌があってよかったと思います。

    ・文章も安定しており、非常に読みやすく、分かりやすく、推理小説らしく必要な情報を明確に伝えていました。


    ●感じたこと

    ・岡本が犯人である証拠が発見された経緯は、ちょっと偶然性が高かったように思います。
    　まあ、証拠が見つからなければ完全犯罪になってしまうので、難しいところではあるのですが。

    ・プロ並みの完成度を感じた本作ですが、本作独自の面白みというか、大きなインパクトがなかったかなと思います。
    　短編集の中の一篇なら文句なしだと思うのですが、ラ研の企画で読む作品としては、本作単体としての面白みも何か欲しかったですね。
    　たとえば、潮崎刑事と及川のラブロマンスとか…いや、あくまでたとえで言っているだけで、実際に本作に恋愛要素が似合うとは思わないのですが…「短編推理小説」という要素に加えて、もうひとつ面白い要素があると、なお良かったかなと思います。


    ●全体として

    　とにかく完成度の高い推理小説で、ミステリ好きの私としては楽しむことができました。
    　余談ですけど、登場人物の名前が、どこかで見たことのあるものが多いですね。某獅子球団あたりで。気のせいならすみません。


    　感想は以上です。
    　なお、私は読者目線で本音の感想を書くことを心がけており、指摘点が私自身の作品にブーメランになっている可能性がありますが、どうかご容赦いただければと思います。
    　それでは失礼します。執筆おつかれさまでした。

    E-Mail pass
2018年12月31日 16時39分32秒
 +30点
  • ■■■この感想にはネタバレがあります■■■









    読了しました。
    文庫の密室殺人アンソロジーに収録されていてもおかしくないぐらい、良質な本格ミステリでした。
    私はかなりの密室好きでして、自身も二重密室を使った作品を書いたことがあるのですが、執筆するのも一苦労ですよね。
    その困難に挑まれた作者様には、かなりの親近感を抱きました。


    さて、読みながら自分なりに推理してみましたが、中庭のカメラとガラス戸が謎を解く鍵というのは解答編よりも前に気付きました。
    ただ、私の場合は、ガラスを鏡にすり替えるという考えでして……残念ながら及びませんでした。
    あと、ガラス戸に細工を施すところがカメラの映像に映る、ということを完全に失念していました。
    というわけで、トリックに関しては完敗でした。
    犯人は当たってました。
    第一の密室を構成した方法について、合鍵使用の可能性が払拭されていなかったので(被害者の趣味が釣りというのは、テグスを使ったトリックのミスリードを狙ったものでしょうか？)、この方法が本筋だと当たりを付けました。
    次に合鍵を手に入れることが可能な人物を考えたときに、家政婦しか有り得ないと思ったのですよね。
    家政婦であれば業者に合鍵を発注する必要もなく、最初から合鍵を預けられているわけですし(作中には業者を特定したと書かれていましたが)。


    推理を楽しめただけでも本作の良さは実感できたのですが、素敵だなと思ったのは、密室を構成する動機(理由)について、ちゃんと説明されていたところ。
    なぜ密室である必要があったのか、これがしっかりと書かれている作品は大好きです。
    作者様は、かなりの「密室もの」を読んでいる方とお見受けします。


    総じて、無駄のない、レベルの高い作品でした。
    できるだけ多くの密室フリークとミステリファンがこの作品に出会えますように。
    楽しい時間をありがとうございました。

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合計 10人 200点

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