【跡地化】Ｓｎａｉｌ　―利己的な恋の矢―

Rev.03　枚数： 3 枚（ 840 文字）
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たぬき zxtEuhJ6b6

2018年04月27日 05時24分33秒 公開
■この作品の著作権は たぬき zxtEuhJ6b6 さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
跡地です

2018年05月12日 23時28分43秒
 +30点
  • タカテンと申します。
    拝読いたしましたので感想を送らせていただきます。

    （以降ネタバレあり。未読の方はご注意ください）




    どうも、男の娘大好きな自分が来ましたよ（ぁ
    いいですね、カワイイんだけど、どこか表情が固い男の娘。そのぎこちなさがいい。たまらないですね！
    ただ、どうやら姫華ちゃんは外見は可愛く変身できても、話し方や声までは無理なようで。そこで二次元男の娘専門な自分は冷静になったのですが、それでもまったく気にしない七瀬さんは俺よりレベルの高い変態、もとい本当に姫華ちゃんが大好きなんだなぁと感心しました。

    しかし、ホント、この物語は七瀬さんの姫華ちゃんへの真実の愛を描いたものだと思います。
    最後のシーンには当初「ええ……そう行っちゃう？」って思ったものですが、この感想を考えているうちにその事に気付きました。

    七瀬さんも二丈原君も、お母さんのせいでここまで不本意な人生を送らされていますよね。
    そしてふたりとも高校を卒業したら自由に生きることを切望している。
    まさに鏡写しのようなふたり。
    だけどその希望の先が交わることは絶対になかったんですね……。
    二丈原君は姫華ちゃんな自分を捨てて、二丈原歩夢として七瀬さんと付き合いたいけど、七瀬さんは姫華ちゃんとの未来しか考えていない。
    二丈原君が高校卒業とともに独立して姫華ちゃんになるのをやめるのなら、七瀬さんに出来ることはそれしかなかったんですね……。

    利己的で、悲しくて、どうしようもないけれど、多分七瀬さんにとってはこれがハッピーエンド。
    そして七瀬さんがその間際にでも姫華ちゃんだけでなく二丈原君のことも愛しく思ってくれていたのなら、二丈原君にとってもこれがハッピーエンドだったのではないでしょうか。
    そうであってほしいと切に祈るばかりです。

    拙いですが自分からは以上です。
    執筆お疲れ様でした。

    E-Mail pass
Re: 2018年05月17日 20時27分46秒
  • 　タカテンさんへ。

    ＞どうも、男の娘大好きな自分が来ましたよ（ぁ
    　・男の娘かわいいですよね。なんででしょうね、変態だからでしょうか。いや、そんなはずはない。そんなはずは。

    ＞いいですね、カワイイんだけど、どこか表情が固い男の娘。そのぎこちなさがいい。たまらないですね！
    　・をふ、なにやらツボを押さえていたようで、よかったです。己夜美ちゃんに迫られてたじたじの姫華ちゃんって、立派なヒロインですよね。

    ＞ただ、どうやら姫華ちゃんは外見は可愛く変身できても、話し方や声までは無理なようで。
    　・ふふ、ここは最初どうしようかと思ったんです。でもやっぱり声まで変えるというのは、二丈原君らしくないなと、リアリティのほうを優先させてしまいました。三次だと、男の娘と一口に言っても色々ありますよね、なんというか、気持ちが男の娘になってる男の娘だと、割と違和感無く受け取れるのが不思議。やっぱり心ですよ(何言ってるんでしょね)

    ＞しかし、ホント、この物語は七瀬さんの姫華ちゃんへの真実の愛を描いたものだと思います。
    　・愛ですよ愛。僕らのこの街がまだジャングルだった時から変わらない愛の形をさがしておるのですよ(アポロ)
    　わりと、愛についての小説は書くほうなのですが、私自身そのはっきりとした愛というものの定義についてはまだわかりかねています。感情の一種だとは思うんですけど、幅広いなーとか。まだまだ具体的に言い表せないことは多いです。なので物語で愛っぽいものを表現して、上手くいった！　と思ってみたり。こう書き出して見てるとわかるものなんですけどね、実際に自分の中にある愛はどれだって言われると、ちょっと疑ってしまうものです。好きとどう違うのか、とか。難しい！

    ＞まさに鏡写しのようなふたり。
    　・そのように受け取っていただけて、よかったです。もうちょっと二丈原君サイドの描写を増やして、二人の線を交わらせるようにストーリーラインを組めたら、きっと彼女達も、母親とも線が交わったのではないでしょうか。その辺、やっぱり手腕がたりなかったというか、ページのせいでもあるんですが、やっぱり取捨選択やら構成力ですね。精進せねばなりますまい。

    ＞利己的で、悲しくて、どうしようもないけれど、多分七瀬さんにとってはこれがハッピーエンド。
    　・うん、利己的で、自分勝手なハッピーエンドです。もう一つ先、読者もハッピーにできる真のハッピーエンドを今後も考えつつ、こういった話もたまには書きつつの、執筆活動を続けていこうと思います。

    　では、ご感想ありがとうございました。

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2018年05月12日 22時37分29秒
 +30点
  • 作者の方へ

    作品読みました。

    ええと、ひとまず叫ばせてください。
    これ、好きだ―！！
    めちゃくちゃ好き。

    あー満足したｗ

    ええと、物語に触れないのもなんなのでざくっと。

    母親に搾取される中で日常生活の喜びを失ってしまった己夜美の心の痛みや虚無感、喪失感がひしひしと伝わってきました。
    主要登場人物、己夜美の心情描写が深掘りされていて、とてもよかったです。
    また、己夜美の母親が（少し読み取りにくい部分もあったものの）きちんと悪者として描かれていて、キャラクター配置の点から見ても素晴らしいなと思いました。

    その反面、ストーリーが若干スローテンポになっていたなというのが正直なところです。あと、己夜美が姫華に憧れや好意を抱くのが、その容姿に惹かれたのか、どこか共通したものを感じたからなのか……また「理想の女性像だったのかどうか」がうまくつかめず、ちょっとふわふわしました。
    言葉を選ばずに言うと「己夜美はレズなの？　それとも『理想の女性』として憧れていたの？」という部分です。「好き」と「憧れ」が入り混じっているように感じてしまいました。


    あと、気になった部分としては己夜美の母の行動でした。
    途中でご飯を作るシーンがあるのですが、これは罪悪感の憧れと捉えていいでしょうか？
    その後に入院した己夜美を見舞うシーンがあるのですが、反省していないような感じを受けてしまいました。
    自分でやったことに関しては反省しているけど、ほかの人が問題行動を起こしたことで得る金銭に対しては自分の懐に入れてもいいと考えているのかなと思っています。

    もう一つ。
    己夜美の思考ですが、歩夢が女装を嫌がっているということを知りつつ、それでも姫華を求めた理由がうまく読み取れませんでした。これも「好き」なのか「憧れ」なのかがまざってしまったように感じられたからかな、と考えています。

    ラストの部分ですが、個人的にはいい意味での衝撃を感じました。メリーバッドエンドに近いのかな。歩夢側から見るとバッドエンドですが。
    私はこの急転直下の終わり方、好きですよ。

    ごちゃごちゃ言ってしまって失礼しました。

    読み応えがあり、充実した時間が過ごせました。ありがとうございます。

    執筆お疲れ様でした。

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Re: 2018年05月17日 20時10分41秒
  • 　茉莉花さんへ。

    ＞ええと、ひとまず叫ばせてください。
    　・だめです！
    　　嘘です。好みの作品だといっていただけて書いた甲斐があります。こういうしんみりしたのは、私自身も肌に合うんですけど、読後感はなんとも言えない感じになりますよね。(それが魅力なのかも)


    ＞母親に搾取される中で日常生活の喜びを失ってしまった己夜美の心の痛みや虚無感、喪失感がひしひしと伝わってきました。
    　・私自身はこういった経験が無いのですが、虚無感とは長い付き合いといいますか、もっと普通であったなら幸せだったのかなー、なんて悲劇のヒロインぶってみたりもするのがなんか馬鹿馬鹿しいというか嘘くさい、と思う辺りもやっぱりちょっと自己投影してるんでしょうかね。すれてるっていうか、厭世的というか。ろくでもないぜ！

    ＞主要登場人物、己夜美の心情描写が深掘りされていて、とてもよかったです。
    　・ありがとうございます。主人公の心情がメインでしたので、違和感無く読んでいただけたのなら成功です。

    ＞また、己夜美の母親が（少し読み取りにくい部分もあったものの）きちんと悪者として描かれていて、キャラクター配置の点から見ても素晴らしいなと思いました。
    　・後述の部分ですね。

    ＞その反面、ストーリーが若干スローテンポになっていたなというのが正直なところです。
    　・うう、ここは、あれです、もうちょっと推敲と構成力を鍛えねばなるまいよ。


    ＞あと、己夜美が姫華に憧れや好意を抱くのが、その容姿に惹かれたのか、どこか共通したものを感じたからなのか……また「理想の女性像だったのかどうか」がうまくつかめず、ちょっとふわふわしました。
    ＞言葉を選ばずに言うと「己夜美はレズなの？　それとも『理想の女性』として憧れていたの？」という部分です。「好き」と「憧れ」が入り混じっているように感じてしまいました。
    　・これに関して、私自身まだつかめていない部分もありますが、己夜美にとって姫華は「憧れ」ではありません。ここは、はっきりと言えると思います。
    　ただその「好き」に関しては、非常にややこしいというか、屈折しているというか。姫華は男なのか女なのかで言えば間違いなく男です。二丈原が男として姫華を演じていても己夜美は迷い無く彼女を姫華と認識しています。それに対しての彼女の行動、肉欲的な好きという面は、恐らく母親似として書いた部分です。男を連れ込んだり、夜の仕事に適合したりと、何かと性に関して積極的であるという面ですね。
    　ただ、己夜美は姫華に自己投影しています。その背景、表情から自分を見る鏡のような心境でも姫華を見ています。それに対して性的に興奮するというのは、ナルシストっぽいんじゃないかとも自分で思ったんですが、多少はそういう面もあると思いますが、どちらかといえば姫華に直接抱きしめて、自分の苦しみを紛らわして欲しい、精神的に自分を幸福にして欲しいという面が色濃いのかなと思いました。二丈原が彼女だとわかって、積極的に虜にしようとしていたのも、ある意味では同じ境遇の者同士、傷を舐めあいたいと思っていたからで、憧れというのではなく、自分が好きな相手が自分と同じであるという安心感が己夜美は欲しかったんだと思います。だからこそ、二丈原にキスされるシーンでは姫華が自分を置いて行ってしまうと思って、それが悔しさに繋がったと思います。彼女を自分と同じままにしておきたかった。たぶんそうじゃないかなーとか、色々考えながら書いてたので、まだちょっとつかみきれて居ない部分もあるんですよね。
    　あそこで二丈原が、絶対お前のことを幸せにしてやるから、と踏みとどまって、己夜美の殻を破れるくらいに前を歩いて行けていれば、もしかしたら違う未来になってたかもしれません。それでも散々心が荒んだあの状態の己夜美だと、しばらくは否定し続けるでしょう。既に諦めモードに入っていますので。
    　しかしまあ、強引さかー、私には無いですから書いててたぶん「嘘くさい」って思ってしまうのでしょう。恋愛モノだとそういう強引さって結構重要なんですよね。それが幸せに繋がるってわかるんですけど。なかなかなかなか。

    ＞あと、気になった部分としては己夜美の母の行動でした。
    ＞途中でご飯を作るシーンがあるのですが、これは罪悪感の憧れと捉えていいでしょうか？
    ＞その後に入院した己夜美を見舞うシーンがあるのですが、反省していないような感じを受けてしまいました。
    ＞自分でやったことに関しては反省しているけど、ほかの人が問題行動を起こしたことで得る金銭に対しては自分の懐に入れてもいいと考えているのかなと思っています。
    　・う、やっぱり病院のシーンはちょっと違和感でしたか。たしか他の方からも、母親が冷たい、という印象で受け取られていました。ここはたぶん表現の方法が悪かったんだと思います。お金のことに言及していますが、本心は「仕返しをしてやる」です。ちょっとあれですね、もう少し己夜美の体のことに言及しておけばよかったか。いや、一応「すぐに退院できる」的なことは言ってますけど、もうちょっと気遣う言い方があったか(ちょっとがさつだけど頼もしい母親を演じている感を出したつもりだったんですけど、やっぱり慈愛が足りないか、慈愛が)


    ＞もう一つ。
    ＞己夜美の思考ですが、歩夢が女装を嫌がっているということを知りつつ、それでも姫華を求めた理由がうまく読み取れませんでした。これも「好き」なのか「憧れ」なのかがまざってしまったように感じられたからかな、と考えています。
    ・ここは、上記で説明した感じでいいですかね。(何かあればまた個人的にでもご質問ください。どこぞかで)

    ＞ラストの部分ですが、個人的にはいい意味での衝撃を感じました。メリーバッドエンドに近いのかな。歩夢側から見るとバッドエンドですが。
    ＞私はこの急転直下の終わり方、好きですよ。
    　・ありがとうございます。こういった終わり方が好みの方も割といらっしゃるのは存じておりました。次に恋愛を書く時は、この経験を生かしてラブラブにせねばなりませんね……問題は、記憶が持つかどうかです。(すぐに記憶が消えていく刹那のたぬき脳)

    　ではでは、ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2018年05月12日 22時24分29秒
 +30点
  • お疲れ様です。
    「Ｓｎａｉｌ　―利己的な恋の矢―」を読ませていただきました。

    ええ、面白かったです！
    文学的な香りのする作品でした。

    自分はこういった結末の作品は好みではないのですが、最後まで面白く読ませていただきました。
    単純に官能的な部分があって、それが非常に良かったのかもしれません。
    心情も丁寧すぎるくらいに描写されており、文章も非常に上手でしたので、暗めの作品ですが読みやすかったです。

    己夜美の二面性も良かったです。
    普段はあまり感情を表に出していないのに、二丈原君扮する、姫華ちゃんのことを考えているときのギャップが良かったです。
    すいません。ラノベ的な考え方で……。

    非常にすぐれた作品かと感じますが、気になったところを少々。

    ヒロイン？　である二丈原君の心の移り変わりに対し、少しだけ違和感がありました。
    二丈原君の心情はとてもよく描写されていましたが、最初はあんなに己夜美を貶していたのに、どんどん親密になっていく。
    己夜美に押し切られて流されているように感じてしまいました。
    性格だと言えばそれでですが、そのあたりが気になってしまいました。

    後は、若干展開がスローテンポと感じました。
    もちろんこういう雰囲気の作品ですので、心情描写が大事なのですがもう少しスリム化してテンポよく勧められたのではないかと感じました。

    とはいえ、完成度の高い中で少々気になった点です。

    以上となります。
    読ませていただきありがとうございました。

    E-Mail pass
Re: 2018年05月17日 19時36分54秒
  • 　たかセカンドさんへ。

    　たかファーストさんから、セカンドさんへ進化して、いずれは「たかサード」さんになるのだろうか。

    ＞ええ、面白かったです！
    ＞文学的な香りのする作品でした。
    　・ありがとうございます！　文学的でしたか、前にもそういわれたことがあるんですよ。というか今青空文庫でドグラ・マグラを見ていまして、ちょうど「キチガイ地獄」の辺りなんですけど、その辺の文体がまあ、前に掌編に出した作品をちょっと想起させるといいますか。その時にもらった感想に「夢野久作さんぽい」というのがあって、その時は全く気にしてなかったんですけど、感性が少し似てるのかなとか思ったりします。文章力はまだまだ足元にも及ばないみたいなので、その辺も似れるようになればもっといい作品かけるようになるかもしれません。あと構成力とかインプットですね。文学的なものって、知識量が物を言う作風のようにも思います。

    ＞自分はこういった結末の作品は好みではないのですが、最後まで面白く読ませていただきました。
    ＞単純に官能的な部分があって、それが非常に良かったのかもしれません。
    ＞心情も丁寧すぎるくらいに描写されており、文章も非常に上手でしたので、暗めの作品ですが読みやすかったです。
    　・読みやすかったですか？　ありがとうございます。文章に平素な語句を使って、一人称は声に出して聞いても違和感の無いように、というのを心がけていますので、読みやすいといってもらえるのは嬉しいです。
    　あと、ちょっと官能的ですよね。その辺も上手く表現できてたみたいで、良かったです。(あまり表現を濃密にすると官能的ではなくエロいになってしまいがちなので、加減はちょうど良かったですかね)


    ＞己夜美の二面性も良かったです。
    ＞普段はあまり感情を表に出していないのに、二丈原君扮する、姫華ちゃんのことを考えているときのギャップが良かったです。
    　・いいですよね。変な己夜美ちゃん。こういうちょっと本能的なのを裏に持ってる地味系少女って、大好きなキャラクターでもあります。男だと変態ってなるのが、少女だと許される、これはたぶん世界の共通認識なのでしょう。

    ＞ヒロイン？　である二丈原君の心の移り変わりに対し、少しだけ違和感がありました。
    　・序盤のガキ大将の印象は、不真面目な彼女を真面目に勉強させるためのおせっかい、であり、好きな子にちょっかいを出す少年的な感情でもある。という部分をそれとなく表現してたんです。己夜美が姫華ちゃんに気付き始めて、思わぬ失態を見せた辺りからより意識し出して、壁ドンみたいなことされて完全に己夜美に気をとられてしまう。
    　それからデートやらなんやらあって、問題のラスト前。彼が姫華に対して自分の感情を素直に投げる。キスという手段は多少強引でしたが、それをすることが彼の男になりたいという意思を率直に己夜美に突きつける手段でもあり、わがままを言う彼女を自分に振り向かせたいという欲求でもあります。
    　感情が先走るというのは若い子にはありがちで、特にあの状況では彼も心を決めるのが男だと思ったでしょう(雨の夜に二人っきりで、初デートの場所で、正面から見合って体も触れ合っていて、彼女は心身ともに傷ついている。自分はそれを支えてあげたいと思っている)
    　その結果、自分の勇気を振り絞った行為を、己夜美に利用されてしまうことになります。相手に無理矢理にキスをした、という後ろめたさが裏目に出て、ズルズルと引き込まれた感じですね。
    　全体を通しての心情の移り変わりとしては、己夜美ばかり追っていたので二丈原側の心情はやや描写不足だったかと思われます。やっぱり恋愛劇としてはその辺を考慮して、双方のシーンを差し込むべきですね。

    ＞後は、若干展開がスローテンポと感じました。
    　・うおふ。やっぱりスローリーでしたかー。そうなんです、のろのろなんです。削れるシーンスパッと切ってドラマ入れておけば、もうちょっと万人受けする物になってたはず！　その辺は感性でもあるのでしょうけど、構成力という点でもやはりまだまだ腕が足りないようです。
    　
    　なんだかんだ楽しんでいただけた部分あったようで、良かったです。
    　ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2018年05月12日 21時57分22秒
 +20点
  • 「ぼ、ぼこぼこにしてやる」

    　うん、あれだ。姫華は可愛い♪

    　ひながたはずみと申します。作品を拝読させていただきましたので感想など残させていただければと思います。


    　読後の第一印象は「バッドエンドにならないといいな、バッドエンドにならないといいな、バッドエンド…orz」
    　でした。


    　健気で優しい、一見普通の女の子に宿る狂気。一人称でよく表現されていたと思います。己夜美ちゃんの優しさも怖さも伝わってきました。しかも徐々に怖さが強くなっていく。性別逆転というだけでなく、心の逆転も上手く描かれていたように感じました。

    　最後、病院からいなくなったという報告は誰経由で生徒まで届いたのでしょうか…?　あと、聞いた生徒がいたとしても、クラスの様子と雰囲気からして、姫華ちゃん以外動かなさそうな気がします。いじめっ子が気にして動いていたとしたら反省よろし。でもそこに伝える先生はアホ。

    　「あの女」は娘に愛情があった、けどそれは伝わっていなかった。表面上のコミュニケーションだけではお互いの本当の気持ちも伝わらない。気を付けます。

    　タイトルも内容にふさわしい物だったと思います。これしかない。

    　己夜美にとって姫華ちゃんはアイドルだったのでしょうね。「偶像」いわば心の拠り所としてのアイドル。それがわかったから、自分としては嫌でも大好きな人の頼みを受け入れたのでしょう。歩夢くんは立派に男や…

    　読ませていただいてよかったです。ただ、個人的にハッピーエンド推進派なので、点数はこちらにします。

    　全くの余談ですが、半年前に卒業したアイドルに「中元日芽香」という人がいます。自分がベッドで卒業発表を聞いていた時に「日芽香ちゃん…」と言っていたのと己夜美が被って…うん、ほどほどにしよう、と思いました。
    　ちなみに山邊歩夢(やまべあゆ)という子もアイドルにいます。どっちの名前でもアイドル…二丈原君、お疲れさま。

    　それでは、企画参加お疲れさまでした。

    E-Mail pass
Re: 2018年05月17日 19時03分33秒
  • 　ひながたはずみさんへ。

    ＞「ぼ、ぼこぼこにしてやる」
    ＞　うん、あれだ。姫華は可愛い♪
    　・かわいいですよね。なんか小動物の威嚇を見ているみたいで、鼻先をちょんってしたくなる。
    　やっぱり、姫華ちゃん歩夢君サイドの描写ももっと増やすべきでしたか。個人的にも歩夢君は書いていて楽しいですし、姫華ちゃんになってるときのぎこちなさももっと推していけば、ダブルヒロインとして。

    ＞　読後の第一印象は「バッドエンドにならないといいな、バッドエンドにならないといいな、バッドエンド…orz」
    　・おうふ。も、申し訳ないぬ。(だが、後悔はしていない)

    ＞　健気で優しい、一見普通の女の子に宿る狂気。
    　・抑圧されていた感情が、ほんの些細なことをきっかけに暴走するっていうのは、現実でもありますよね。それが、唐突に見えて、今までの蓄積があってそうなってるんでしょう。でもそれに気付ける人間はたぶん居ないんです。そんな切なさを。

    ＞　最後、病院からいなくなったという報告は誰経由で生徒まで届いたのでしょうか…?　あと、聞いた生徒がいたとしても、クラスの様子と雰囲気からして、姫華ちゃん以外動かなさそうな気がします。いじめっ子が気にして動いていたとしたら反省よろし。でもそこに伝える先生はアホ。
    　・己夜美ちゃんを探してくれてた人というのは、クラスメイトを想定していました。もしくはクラスメイトの親ですね。連絡網を使っての伝播だと思うので、いじめっ子のところにも連絡は行っています。先生はたぶんアホというか、そこのところ考えていないですね(そういう教師が居るというのは、現実でも仮想でも同じです)

    ＞　「あの女」は娘に愛情があった、けどそれは伝わっていなかった。表面上のコミュニケーションだけではお互いの本当の気持ちも伝わらない。気を付けます。
    　・ちょっとした気付きって、難しいですよね。後から「あっ」となることが多々あります。本当に、一言あればいいのに、その一言が無い。言いづらいってのもあるんでしょうね、それがまた苦痛を蓄積させるというか。　ハキハキ言うのが一番ですね。　

    ＞　タイトルも内容にふさわしい物だったと思います。これしかない。
    　・ありがとうございます。タイトルは、個人的にも気に入っています。というより、タイトルから逆算されたシーンもありますので、やはりこれしかない！


    ＞　己夜美にとって姫華ちゃんはアイドルだったのでしょうね。「偶像」いわば心の拠り所としてのアイドル。それがわかったから、自分としては嫌でも大好きな人の頼みを受け入れたのでしょう。歩夢くんは立派に男や…
    　・歩夢君は男です。男であろうとしたんです。そこを己夜美は利用して姫華ちゃんを引っ張り出してしまった。心の拠り所としてのアイドル、という表現は、確かにそうかもしれません。もうそれしかないと彼女は思い至ってのことでしたので。


    ＞　読ませていただいてよかったです。ただ、個人的にハッピーエンド推進派なので、点数はこちらにします。
    　・いやいや、ハッピーにできず申し訳ないです。といいつつ、切ない感じを受け取ってもらえたのは、個人的には成功でもあります。次は、ハッピーでいければ。

    ＞　全くの余談ですが、
    　・やはり歩夢(姫華)はアイドルだった。ダブルヒロインで己夜美がうはうはなお話でもつくるか。(いや、ノクターン行きになるな)

    　ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2018年05月12日 20時25分09秒
 +30点
  • 　執筆おつかれさまです、燕小太郎と申します。
    　拝読しましたので、感想を残したいと思います。

    ＜自分が思った今作のポイントになるところ＞
    　男女の『らしさ』が入れ替わった様なキャラクター。
    　決してライトとは言い難いものの、一筋縄ではいかないストーリー。
    　それらの土台になる設定。
    　一つでも充分戦えるオリジナリティがそれぞれに含まれており、長所の多い物語でした。

    ＜良かったところ＞
    　複数の項目で高いレベルにあり、小説を書く能力の高さを感じました。
    　対照的な二人のキャラクターを用意し、それぞれに二つの面を持っていることがよりキャラクターらしさや、その魅力を出していました。己夜美は複雑な家族関係による諦めと惰性で生きているようで、ブログの中の姫華に対してだけは強い好意と執着心を持っている。五丈原くんにはそのまま『歩夢』と『姫華』の二つの面があり、複雑な心境が伝わります。好意を抱く少女が異なる自分に好意を示すという状況も、彼の心境をより複雑なものにしているでしょう。
    　ストーリーでは、自分はキャラクターをいじめるのがあまり得意ではないので、自分にない技術を少し羨ましく思います。怠惰な母親や嫉妬するクラスメイトなど、目標の前に複数の障害が現れます。それでも、必死に前を向いて立ち上がり進む姿は、ストーリーをとても面白くしていると思いました。
    　逆転がテーマの企画で、己夜美と五丈原君の設定は一つの模範解答だと感じました。また性別的なものだけでなく、二人の背景も、非常に独特で飽きさせないオリジナリティを放っている。

    　総じて、高い技術レベルを感じるお話でした。

    ＜気になった点＞
    　今作に何を求めるかにもよると思うのですが、全体的に暗い印象がありました。
    　とりわけ前半部だと、デート辺りまで基本的に暗い。とかくヒロインである己夜美の背景が描かれている前半部は、概ね嫌なことや辛い部分の描写が多いので、読んでいて楽しい気分にはなれません。だからこそデートでのウキウキした彼女やそのシーンは映えるのですが、そこまでが結構きついものがありました。
    　起承転結で言うところの転もなかなか酷で、そこからの反動を求めたい結末が受け取り方に悩みました。幸せに結ばれたと思っていいのか、犯して壊した、あるいは壊れたと考えるべきなのか。不幸の時間が多い分、はっきりしたハッピーエンドが欲しかっただけに読後感に何とも言えない印象がありました。

    　物語の大筋からはやや逸れますが、お母さんの変貌振りをどう受け取っていいかも考えてしまいました。いつもと異なる反応をされたことに我が身を振り返り母親らしいことをするようになったのか、根底にはきちんと愛があったのか、さらなる要求をするためにご機嫌取りをしたかったのかまで疑ってしまったので、作中でどうというよりは、返信のときに作者様の意図を聞きたいな、という感じです。

    ＜自分なりの改稿案＞
    　全体に高いレベルにある今作において改稿案を挙げるとすれば、枚数制限を考えないものとしてエピローグを追加することではないかと思います。
    　主役二人の関係の変化や、右足に残っているかも知れない障害の程度や完治の可能性、結果的に事故を起こしてしまった園田の心情。個人的に疑問を持っている母親の真意等々も含めて、全て暗示させるような形で終わっていてハッキリしていない。余韻を残す終わり方もあると思いますが、自分としてはハッキリさせた上で前向きな終わり方が好きかなと思います。

    ＜総評＞
    　一度読み始めたら途中下車できない、させない物語でした。暗い話は苦手なところもあって読者としては求めている面白さと少し違ったものの、書き手としては多く刺激と影響を受け、参考にしたいことがとても多かったです。

    　拙い感想ですが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

    E-Mail pass
Re: 2018年05月17日 18時43分54秒
  • 　燕小太郎さんへ。

    　をふ。ミガクとひかるの砂時計！
    (そいえばミガク君が天邪鬼なところがわかるシーン、いいなって思ってたのに感想欄に書いてなかったぬ。ここで補足じゃ！)

    ＜自分が思った今作のポイントになるところ＞
    　・己夜美ちゃんも女の子にしてはぐいぐいでしたね(歩夢君はたじたじ)
    　　そしてちょっと薄暗いお話でした。オリジナリティ出てましたか？　こういう雰囲気の物語は割と自分の作風に合うというか、書きやすいのです。褒めていただきありがとうございます。

    ＞　対照的な二人のキャラクターを用意し、それぞれに二つの面を持っていることがよりキャラクターらしさや、その魅力を出していました。
    　・ご感想を読んで色々考えてみているんですが、やっぱりこういう恋愛ものでは、恋する側とされる側両方の面を十分に見せていくのが望ましいみたいで。本作では己夜美一辺倒になりがちだったので、そこのところは少し弱いですね。
    　姫華ちゃん好きな己夜美、己夜美好きな歩夢君、てな感じでちょっとしたすれ違いにもっと目を向けるといい恋愛ドラマが書けそうです。

    ＞　ストーリーでは、自分はキャラクターをいじめるのがあまり得意ではないので、自分にない技術を少し羨ましく思います。
    　・私も、いじめると決めたら徹底的にやろうかなとは思うんですけど、そうすると作品全体のバランスを考えてどこまでやるべきか、という新たな問題にぶつかってしまいます。そしてこう、過激なシーンがメインになる場合ですと、ショーちっくになると言うか、エンターテイメント性のある拷問というか、嘘くさい感じ(ある意味では漫画的)になってしまいます。楽しいんですけどね、楽しさを出す目的じゃないのにそうなるのはちょっと……っていう感じで、まだ改善の余地のありそうです。

    　そして作中のテーマを、感じ取っていただき、感謝です。
    　(でももうちょっとわかりやすい逆転だと、おおー！　ってなりますかね。この辺の按配がどうにもわからんのです。金どうするべか)


    ＞＜気になった点＞
    ＞　とりわけ前半部だと、デート辺りまで基本的に暗い。
    　・うおふ。序盤のスローリーさはもうちょっと緩和した方がいいですね。

    ＞　起承転結で言うところの転もなかなか酷で、そこからの反動を求めたい結末が受け取り方に悩みました。幸せに結ばれたと思っていいのか、犯して壊した、あるいは壊れたと考えるべきなのか。不幸の時間が多い分、はっきりしたハッピーエンドが欲しかっただけに読後感に何とも言えない印象がありました。
    　・切ない感じを出してみたのです。でも、やっぱりハッピーがいいですよね。うーむー、どうしようか、あとで改稿してどこぞかに「真・スネイル―双曲する恋の行方―」とかなんとかで投稿すべきか。(ロボアニメっぽい名前になりましたが気のせいです)


    ＞　物語の大筋からはやや逸れますが、お母さんの変貌振りをどう受け取っていいかも考えてしまいました。
    　・母のだらしない一面は、娘への後ろめたさ、不器用さ、己夜美の姫華ちゃんとデートしてるときのだらしなさとの共通性、などを目的として入れてあります。
    　己夜美はいわゆる「大人しい子」として過去からずっと母の要求を飲んできました。父に似て無愛想、と言われますが、ちゃんと母親にも似ています。そんな彼女が姫華と直接出会って、大人しい子から少し変化してしまい、反抗的な素振りを初めて見せます。
    　たぶん己夜美の表情とか雰囲気で、母の静香もこれはいつもの娘じゃない、と思ったんでしょう。それで色々考えた結果、家事をまたやってみるかー⇒上手くいかなくてしょんぼり。
    　それから、病院に駆けつけたのは昼か夕だったので、服装は夜のものではないですが、化粧は仕事の為にしてある感じです。言葉が悪いのは母親の育ちの影響というか、夜の仕事もメインでやっているのでイケイケな感じにしてありました。

    　と、このような感じで背景を考えつつ書いておりました。ご感想にある質問の通り、母には決して愛情が無かったわけではありません。ただ彼女も、娘が反抗に至るまで、その心情に気付けなかっただけなんです。仕事上一緒に居る時間も少ないですから。

    ＞＜自分なりの改稿案＞
    ＞　全体に高いレベルにある今作において改稿案を挙げるとすれば、枚数制限を考えないものとしてエピローグを追加することではないかと思います。
    　・そうですね。やっぱりエンディングを迎えるには少し早かったです。もう一歩先の、幸せな家庭を築く未来まで書ききって、完走と言えるのだと思います。
    　今回は、これはこれで。切ないながらも楽しんでいただける物になったというのは私としても進歩だと思います。色々読み解いて、感じていただけたのであれば作者としても嬉しいです。

    　ご感想ありがとうございました。

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2018年05月12日 14時55分49秒
 +30点
  • Snail　利己的な愛の矢、拝見しました。

    無いなー。
    特に言うこと、無いなー。
    面白いよ、はいしゅーりょー。
    で、終わりたかったのですが、まあ、そんなわけにもいかんかと、いくつか突っ込んでおきます。

    ＞端正な住宅街の一軒家と

    ●と、最初の方にありましたが。
    えっと……閑静（かんせい）な、ではなく？
    一度ご確認ください。

    ＞意外に気配りのできるやつなんだと感心した。女子にもてるのもわかる気がする。

    話が進むと二条原がモテる、ってことが明らかになりますが、最初のちょっかい出してくるシーンから見ると、少しチグハグに思えました。
    確か、ガキ大将とか表現されてたのに、モテ？　うーん、モテなくもないと思うけど、ガキ大将タイプとモテは私個人のイメージでは噛み合いませんでした。子供っぽいけど密かに好きなひとがいる、とか。そんな感じかなぁ。

    ラストシーンはプロローグで示唆されてるので予想してましたが、それでもなお面白かったです。
    ただ、プロローグからラストシーンを想起しなかった人からすると、着地点が見えなくて退屈な話に見える可能性がありますね。
    私の場合はラストシーンを想定した上で読んでいたせいか、起承転結の流れが把握出来ていたのと丁寧な文章もあいまって、50枚ぐらいの短さに感じました。おそるべしー。

    とまあ、優れた作品にはあれこれ言いたくないのでこの辺で。
    優勝出来ると良いですね！

    あ、すいません。あと、えっと……。
    ちょっとついでに書いときたいのですが、カタツムリなどの陸生巻貝は交尾、産卵しても必ずしも死にません。種類によります。
    まあ、一応ということで。

    では、こんなところで。
    執筆お疲れ様でした！

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Re: 2018年05月16日 22時10分46秒
  • 　ハイさんへ。

    　その名前を見るたびに、私は両手を上げるジェスチャーを心の中でやってしまう。(ハイタッチ)

    ＞無いなー。
    ＞特に言うこと、無いなー。
    ＞面白いよ、はいしゅーりょー。
    　・ご感想ありがとうございました。





    ＞で、終わりたかったのですが、まあ、そんなわけにもいかんかと、いくつか突っ込んでおきます。
    　・おふ。


    ＞えっと……閑静（かんせい）な、ではなく？
    　・うう、ここは一回グーグル先生に聞いて調べたはずなんですよね。そして打ち込んだ！　たぶん端正って！　指と脳みそが連結して無い時に打ち込んだんだと思われます。推敲もしたのにー。


    ＞話が進むと二条原がモテる、ってことが明らかになりますが、最初のちょっかい出してくるシーンから見ると、少しチグハグに思えました。
    　・指摘されるかなーと思っていました。彼の家が裕福で、顔立ちも中性的で、社交的で、と、部活をしていないという点を除けばもてる要素はあるんですが、性格はできるだけ男らしくありたいと願う彼でしたので、学校ではガキ大将と己夜美には思われていました。表現、もうちょっと変えたらよかったかな。面倒臭いやつ、程度で済ましておけば印象もかわってくるかも。その辺り、もう少し推敲ができたらよかったですね。

    ＞ただ、プロローグからラストシーンを想起しなかった人からすると、着地点が見えなくて退屈な話に見える可能性がありますね。
    　・う、うん。やっぱりここはにおわすだけじゃなくて、彼の死をもう少しわかりやすい表現で一つ入れておくべきでしたね。でも、なんとなくそれをしたらだめな気がしたんです。考えすぎか！　うーん、詩的な表現を入れるのってかなり難しい。

    ＞私の場合はラストシーンを想定した上で読んでいたせいか、起承転結の流れが把握出来ていたのと丁寧な文章もあいまって、50枚ぐらいの短さに感じました。おそるべしー。
    　・作者自身もこの作品と波長が合うので、読んでいてそんなに時間かかる感じはしないんですよ。ただそれが間延びしたシーンでの違和感を若干感じさせて、切り捨てようかそのまま置いておこうかの判断を鈍らせてしまうことに。　もしかするともっとドライに見ていればスパッと切って、別のドラマを差し込めた可能性はありますね。

    ＞ちょっとついでに書いときたいのですが、カタツムリなどの陸生巻貝は交尾、産卵しても必ずしも死にません。種類によります。
    　・そうなんですか。私調べによると、カタツムリは繁殖期に交尾産卵を繰り返して寿命を迎えるまで続く、という情報は手に入れました。あと恋矢により傷つけられた個体は、そうでないものに比べて寿命が短いとも。
    　陸生の歳を越すカタツムリは、確かに長生きそうですよね。アフリカマイマイとか、何年も生きそうですし、そこら辺の細かい分類による個体差は単体名で調べないとすぐに出てこない情報ですから、なかなか難しいですね。ちなみに雌雄同体でないカタツムリも居るのかなと思って、試作段階にあったセリフを削ったりしてます。専門家につっこまれる怖さは、それとなーく知っていますので(ぶるぶる……)

    　ではでは、楽しんでいただいてよかったです。
    　ご感想ありがとうございました。

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2018年05月11日 20時32分11秒
 +30点
  • 　こ、殺しやがった…
    　はえーやべえなめっちゃ変態。あ、おもしろかったです。
    　なんか家事に学校にバイトにとくそ忙しくておかんもあれではあああ、わたしの癒しはひめかちゃんだけよね。って学校にいるやんけ！　つってちょいちょい距離ちぢめーの邪魔されーの怪我しーの最後に（もごもご
    　ラストはこれすごい予想外でした。最後まで読んで「あれこれまさか、いやそんな、なにかの間違いじゃ…」って何度も読み返しちゃいました。でもぜんぜん動いてないし幸せのなんちゃらを切り取ってとかあるし、たぶんそうだよなぁ、うわぁ、きっついな、おっもいな、なりました。
    　ぼくの予想してたラストはもうちょい前向きというか、親によっていろいろ歪められちゃったふたりが、手をとりあって一歩前進みたいなそういうやつだったんですけどそんなことにはぜんぜんならなかったもよう。ハッピーエンドじゃないのかよぉおお。
    　まあでもなっとくできないでもなかった気がします。こよみちゃんすげえ疲れてるかんじしてますもんね。で、最後のよりどころであるひめかちゃんがひめかちゃんやめるっていって、一線越えちゃったのかなぁ。いや越えんなよまじで。
    　とりあえず最初から最後までおもしろくないところまったくなかったんですごいなって思ったんですけどラストこれどうなんだ…。いやおれは誘導されていたのか。おかんが料理作ってくれたところとか、病院にお見舞いにきてくれたところでだいぶヘイト減ったんですよ。なんかほんとだめなおかんなんだな、でも娘のこときらいでもないのかな、くらいの。ってことはなんとか前向きなエンディングかなって。後ろ向きでした。おのれぇえええ
    　こうくるかー、こうなのかー、点数どうしようかなぁ。おれはハッピーエンドがすきなんだよなぁ…
    　感想は以上になります。とっちらかっててさーせんふひひ
    　でわでわ

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Re: 2018年05月16日 21時54分07秒
  • 　etunamaさんへ。

    ＞　こ、殺しやがった…
    　デデデデ・デデ・デーデー！(火サス)

    ＞　はえーやべえなめっちゃ変態。あ、おもしろかったです。
    　・ありがとうございます。変態ですよね、変態な女の子は可愛いですよね。男だとこう、すごくイメージ悪いのに。

    ＞　ラストはこれすごい予想外でした。
    　・やっぱりちょっと後ろ向き過ぎましたね。うーん、なんでかこんな感じの主人公を書いていると、幸せを嘘だと感じてしまうんです。なんででしょうね、って聞いてもわからんか！　まあアレです、驚かすつもりは全然無かったんです！

    ＞　ぼくの予想してたラストはもうちょい前向きというか、親によっていろいろ歪められちゃったふたりが、手をとりあって一歩前進みたいなそういうやつだったんですけどそんなことにはぜんぜんならなかったもよう。ハッピーエンドじゃないのかよぉおお。
    　・うう、ごめんなさい。ハッピーがいいですよね。次こそは……でもこういう話も好きだからどうなるかわからないけどハッピーエンドにできたらいいなーとか、思いつつ書こうかな。

    ＞　まあでもなっとくできないでもなかった気がします。
    　・おっしゃるとおり、二丈原君が姫華ちゃんを捨てるといったところが、彼女にとってのボーダーラインだったんです。ここ、色々迷ったんですよ。いや、こんな感じでいいのか、もっとなんか考えることあるんじゃないか、とか。でもちょっと思い浮かばなくてですね。もうちょっと別の一線を越えただけで踏みとどまっていたらよかったか。そっちで行くべきだったかー……。他の読者さんの意見見ててもそうだもんね。
    　うむむ、やっぱりこういうの考えるのは難しいよ。

    ＞　とりあえず最初から最後までおもしろくないところまったくなかったんですごいなって思ったんですけどラストこれどうなんだ…。いやおれは誘導されていたのか。おかんが料理作ってくれたところとか、病院にお見舞いにきてくれたところでだいぶヘイト減ったんですよ。なんかほんとだめなおかんなんだな、でも娘のこときらいでもないのかな、くらいの。ってことはなんとか前向きなエンディングかなって。後ろ向きでした。おのれぇえええ
    　・うむむ、誘導は上手くいっていたようだぬ。お母さんはあれはあれで色々手を尽くそうと思っていたんですよ(空回りしてたけど)そしてエンディングが！　すまぬー。でもこうするしかなかったのじゃ。(妥協してでもどっか削ってハッピーにしとけばよかったぜ。だが後悔はしていない。公開はしたけど)

    　ふひひ。作者レスもとっちらかってるから、読みづらくてもうしわけないぬ。
    　ご感想ありがとうございました。

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2018年05月10日 20時48分11秒
 +20点
  • こんにちは。御作拝見しました！　早速感想をば。

    まず卓越した文章力に目を見張りました。
    己夜美ちゃんの心情も余すことなく伝わってきました。情景描写も透明で立体感があり、目に浮かぶようです。

    好きなキャラは歩夢君です！
    本人は男らしくありたいのに、無理やり女の子の恰好をさせられている事がなにやら倒錯めいていて、どきっとしました。
    また好きな女の子が、女装した自分を好きだったという下手したら凹むどころではない現実を前にしても、投げやりになったりせずにリクエストに応えてあげる漢気にほろりときました。

    あとは、作中で歩夢君がどんどん成長しているのがわかって、応援したくなりました。
    最初は好きな子にいじわるするガキ大将だったのに、だんだんと己夜美ちゃんに素直になっていき、最後には男らしく告白するまでに！
    私こういうのに弱いので、グッと来ました。
    続きが気になります。願わくば己夜美ちゃんが応えてくれますように。

    気になるところは、
    ストーリーに大きな起伏がなくちょっとやきもきしました。
    もっとテンポが速い方が個人的には好みです。
    あと歩夢君の内面がもっと見たかったなと思いました。

    以上とりとめのない感想ですみません。
    執筆お疲れさまでした。

    PS.
    他の方の感想を拝見して気付いたのですが、ラストシーンで己夜美ちゃんが歩夢君を殺していたのですか？！
    なんと……。
    いやまぁ、殺害をはっきり書かなかったのは正解だと思います。
    私は全然気づかなかったし、雨の中寄り添うなんて静かな雰囲気でいいなぁって思ってたくらいでしたから。
    でもなぁ……。自分のこと好きとまで言ってくれた人を殺しちゃうのはちょっとわかんなかったです。
    なんというか、己夜美ちゃんは普段は自分を抑圧していた反動なのか、歩夢君に対しては自分本位すぎるかもなぁと思っていたのですが、ラストシーンが歩夢君の殺害なら、究極の自分本位だなと思いました。
    それが悪いってわけではないのですが、なんかこう得も言われぬもやもや感がありました。
    物語を通して己夜美ちゃんの心情が分かりかけてきたと思ったのですが、ラストシーンでもう一歩先の深い闇をみたような気持ちです。
    以上追記でした。長々とすみません。

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Re: 2018年05月16日 21時41分06秒
  • 　北斗さんへ。

    　おいしいーきのこは(ＨＯ・ＫＵ・ＴＯ)


    ＞まず卓越した文章力に目を見張りました。
    ＞己夜美ちゃんの心情も余すことなく伝わってきました。情景描写も透明で立体感があり、目に浮かぶようです。
    　・をふ。褒めていただきありがとうございます。やっぱり心情メインの方が私の書き方に合ってるみたいですね。前にそう言われて長所を伸ばそうと色々考えています(でもアクションも書きたい盛り。あとギャグ！　ギャグですよ！)

    ＞好きなキャラは歩夢君です！
    　・歩夢君、いいですよね。前向きに進んでいく少年として書いていました。成長していく彼の姿に、本編では己夜美が悔しさを滲ませてしまいますが、本当はハッピーにしたかったんですよ。その方が受けがいいっていうのはわかってたのですが、どうしてもできなかった。枚数もですけど、たぶん、そういう雰囲気を嘘だと思ってしまうところが私の中にあるんだと思います。色々考えてやめたドラマチックな演出の数々も、思い返せばそうじゃないかなーなんて。あれですね、恥ずかしがらずにドラマを書こう！　ってことで、今後はちょっとその辺も考えつつ。

    ＞もっとテンポが速い方が個人的には好みです。
    ＞あと歩夢君の内面がもっと見たかったなと思いました。
    　・ﾌｫﾌｫ。この二点、他の方からの指摘にもありましたぬー。テンポは確かに自分でもスローリーだと思います。それと、歩夢君の成長と己夜美との感情の交差をメインにした、ダブル主役の物語の方がよかったか。甘い、甘い物語になる予感！

    ＞PS.
    　・うう、ハッピーだと思ったあとに、事実に気付かせてしまうと余計に薄暗く感じてしまいますよね。もうちょっとわかりやすくても良かったか。
    　本当に、その切なさを演出できたことは私としては成功なのですが、もう一つ先に考えが及べば、きっとすばらしいと言っていただける物語がかけるんだろうと思います。そういうところ、難しいんですよね。


    　とと、色々言っていましたが、あれです、次はもやもやしない感じのも書こうかな！(保障はできませんが！)

    　ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2018年05月08日 21時49分58秒
 +30点
  • 『Ｓｎａｉｌ　―利己的な恋の矢―』、拝読しました。感想を書かせていただきます。

    　
    　女子校生の主人公が、クラスメイトの女装男子とデートをするというところも意外性があって面白いのですが、全編に渡る主人公・己夜美の丁寧な心理描写が、なによりも凄いところだと思います。

    　姫華ちゃんの写真を見て喜ぶ様子や、ダメな母親に対する嫌悪感、辛い人生に対する悲壮感など、各シーンで己夜美の心情が濃厚に描かれており、感情移入がしやすかったです。
    　また、二丈原が己夜美の前で姫華ちゃんになったときの照れる様子や、園部たちによる陰湿ないやがらせなどの描写も細かく、引き込まれるものがありました。

    　文章そのものも全体的に安定しており、読みやすく、ハイレベルだったと思います。

    　ストーリーとしては大きな動きのない内容なのですが、描写力で読者を引き込む力が感じられ、それは作者さんの力量の高さの証かと思います。
    　また、ラストシーンの描写は、残酷で儚げで、それでいて美しさを感じるものでした。冒頭のシーンとのつながりもあり、作者さんとしてもこだわったシーンなのではないかと思います。お上手でした。

    　以下は気になったところです。
    　
    　・ラストシーン

    　明記されてはいませんが、「己夜美が二丈原を殺した（姫華ちゃんの状態を維持するため）」という解釈でよろしいでしょうか。
    　この展開に関しては、上記のように「シーンとしての良さ」は感じる一方、「ああ、こういう方向に行っちゃうのか」というふうに感じて、展開的には私としてはすっきりするものではありませんでした。
    　とはいえ、改善案なども私には思いつきませんし、この終わり方が正解なのかなとも思います。私が「すっきりしない」と感じたのは、単に好みの問題かもしれません。
    　
    　・長さ

    　全体的に丁寧に書かれているのはいいのですが、内容的に100枚という長さはちょっと冗長だったかなとも感じました。
    　特に、姫華ちゃんとの最初のデートが終わってから、園部たちにやられるまでの間の展開は、話がなかなか進まないためもどかしさを感じました。
    　このあたりはもう少し省略するか、あるいは己夜美が初めて母親に対してキレるなどの変化を入れてもよかったかなと、個人的には感じます。
    　
    　全体としては、作者さんの筆力の高さが感じられる、ハイレベルな作品だったと思います。


    　感想は以上です。執筆お疲れさまでした。

    E-Mail pass
Re: 2018年05月16日 21時22分05秒
  • 　いりえミトさんへ。

    　心理描写よかったですか？　ありがとうございます。自分なりに違和感の無いように心がけているんですけど、たまに「ここでこんなこと思うか？」なんて思ったりするんですよね。やはり自分で見るより公開して意見を聞いた方がすんなり納得できます。

    ＞　また、二丈原が己夜美の前で姫華ちゃんになったときの照れる様子や、園部たちによる陰湿ないやがらせなどの描写も細かく、引き込まれるものがありました。
    　・いちゃいちゃモードの己夜美ちゃんは恋する女の子ですね。可愛くかけていたようで、よかったです。作品内でのそういう積極的なところは母親に似せてた部分でもあります。

    ＞　ストーリーとしては大きな動きのない内容なのですが、描写力で読者を引き込む力が感じられ、それは作者さんの力量の高さの証かと思います。
    　・ふふ、やっぱりスローテンポなのはありますよね。自分で読んでいてもゆっくりだなーと思う部分はまだ残っていますし、できるだけ無くそうとは思ったんですけど、なかなか上手くいかないものです。(地の文でごまかしごまかし)

    ＞　また、ラストシーンの描写は、残酷で儚げで、それでいて美しさを感じるものでした。冒頭のシーンとのつながりもあり、作者さんとしてもこだわったシーンなのではないかと思います。お上手でした。
    　・ここは、できるだけくどくないように、でも詩的に、雰囲気を最重要視して書いていました。綺麗だといってもらえて嬉しいです。


    ＞　以下は気になったところです。
    ＞　・ラストシーン
    　・やっぱりハッピーがいいですかー。実はお題発表時点からずっとハッピーかバッドかで悩んでいたんです。悩むってほどでもないですけど、読者傾向としてどちらがいいのかなって。最近は残酷だったり生々しい描写が一般でも増えてきているみたいで、良く耳にします。それをどう受け取るか。私個人の周囲の反応を見るに、そういった過激な表現というのはまだそれほどメジャーであるといい難いのかなと判断しました。確かに印象には残りますが、その為にあえてそちらをメインにするのは、ここではやめておこうかなと思ったり。好きなんですけどね。今回は綺麗な方でせめてみました(でも終わり方はビター)

    ＞　・長さ
    　・長いですよね。自分で読んでるとサクッと終わっちゃうのに、感情移入できなかったらどれだけ退屈な時間を費やさせてしまうのだろうとか考えてしまいます。やっぱり100枚という数字は伊達じゃないですね。

    ＞　特に、姫華ちゃんとの最初のデートが終わってから、園部たちにやられるまでの間の展開は、話がなかなか進まないためもどかしさを感じました。
    　・そこですよね……推敲段階で何度も気にしてた部分です。他にもいくつか似た場面はあったし、少し削ってでもイベントを入れた方がよかったかな。

    　でも気に入っていただけたようで、良かったです。

    　ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2018年05月06日 21時07分14秒
 +20点
  • ＧＷ企画の執筆、お疲れ様です。
    御作を拝読しましたので、感想を記したいと思います。

    ＞私は女で、彼女は男なのに。こんなに恵まれているのに、愛されているのに、彼女の作り笑いはぎこちなさが残る。
    ＞見上げる小動物のような瞳をじっと見つめていると、恥ずかしげに視線を逸らした。愛くるしい。撫でたい。かぶりつきたい。

    お互い不遇な環境で育てられた二人。
    二人で会うシーンの描写で、お互いの感情が細かく描写されており、
    素晴らしいと思いました。


    ＞病院のごはんは味が薄くて、女の作ったスープを思い出す。

    主人公と母親の関係も、うまく表現されていたと思います。
    もうこれはライトノベルではなくて、文学作品ですね。


    ＞「ちょっと今月足りなくなってさ、いくらか貸してくれない？」
    ＞水だけが置かれた棚を見て、誰も居ない椅子を見て、瞼を閉じた。

    終盤に連続する不運。
    この辺りは主人公の気持ちになって読んでしまいました。


    テーマの『逆転』は、二丈原君が姫華ちゃんに変身するところでしょうか？
    これは、大変申し訳ありませんが、かなり弱いと感じました。
    今回の企画ではなく、普通の投稿室であれば、もっと点がもらえるんじゃないかと
    とても残念に思いました。

    いろいろと書いてしまいましたが、表情による心情描写が素敵な作品でした。
    拙い感想ですいません。
    今後のご活躍をお祈りしています。

    E-Mail pass
Re: 2018年05月15日 19時30分11秒
  • 　つとむューさんへ。

    　＜＝・３・＞　むュー。って発音すると口がこんな感じに……(前も同じこと言ったような気がするけど。忘れてしまった忘却のたぬ記憶)

    ＞お互い不遇な環境で育てられた二人。
    ＞二人で会うシーンの描写で、お互いの感情が細かく描写されており、
    ＞素晴らしいと思いました。
    　・デートでの己夜美の感情は、普段と少し違う色で書いていました。気に入っていただけたようでありがたいです。
    　ワクワクというか、ドキドキというか。フラットな平常時とは違って、感情的になる彼女はかわいいですよね。少し変態ちっくですけど。
    　二丈原君の陰のある表情に対して、愛情で返す彼女はやはり少し周りが見えないというか。そういう部分も気にしつつ書いておりました。

    ＞＞病院のごはんは味が薄くて、女の作ったスープを思い出す。
    ＞主人公と母親の関係も、うまく表現されていたと思います。
    　・そう言ってもらえると嬉しいです。私自身は入院したことは無いのですが、見舞いにはそこそこ行ったことがありまして、その度に病院食の話を聞くわけです。健康的だなあと……。

    ＞終盤に連続する不運。
    ＞この辺りは主人公の気持ちになって読んでしまいました。
    　・共感していただけると、私も書いてよかったと思えます。結末は少し悲しいですが、これを読んで何か一つでも新しいことに気付いていただければ、とか、あんまりそういうの言っても嘘くさくなりますね。でも、こういう悲しい終わり方の物語が好きな方って、本当は幸せも同じくらい好きなんじゃないかって思います。もしくは、結末を通して悲しみを分かち合うことで自分の何かを肩代わりしてもらっているとか。んなこた無いか。


    ＞テーマの『逆転』は、二丈原君が姫華ちゃんに変身するところでしょうか？
    ＞これは、大変申し訳ありませんが、かなり弱いと感じました。
    　・をふ。やっぱり弱いですよね。というか伝わりづらい！　次は、次の「金」こそは！　と思いつつ、アイディアを練ってるんですけどやっぱり難しいですね。

    　次は明るい話でも共感してもらえるように、色々考えてみます。読んでいただいて感謝です。

    　ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2018年05月06日 11時54分41秒
  • こんにちは。

    ※以下よりかなり内容に踏み込んだ感想になります。ネタバレを避けたい方はこの感想をとばして読んでください。というかそもそもクリックしてる時点でネタバレなんて気にしない人読むのだとは思いますが。


    拝読させていただきました。

    で、まずは確認なんですが、これはあれですか。つまりは二人とも死ぬエンドってことデスか？

    い、いえ何となく匂わしてますし、交尾したら死んじゃうらしいですもんねかたつむりって。もうね衝撃的。ちゃん伏線も仕込んでるし、エンドに至るまでの心理描写がめちゃくちゃ良かったです。この主人公ならそうするだろう、っていうゾクゾクッとする怖さがありました。

    今回の企画の作品の大半を読みましたが、この作品は飛び抜けてストーリーの完成度が高いです。ってかこれ選考受けしそうな気がします。うわーすげえもん読ませてもらったって感じで、ちょっと読み終わった今も何度か読み返すくらい良いです。

    今回のキャラクターで印象に残ったのはお母さんですね。これが今作の主人公のリアルな切実さの伴う絶望の深さを物語ってくれました。

    殴る蹴る、とかじゃないところ。言葉とかそういうものじゃないところ。家族だからこそ、親だからこそ許すことの出来ない嫌悪感。それをちゃんと書けてるんですよねこの作品は。

    主人公が入院して「ぶんどってくる」ってのも決して親として動いていないんでしょう。勿論表向きではそういう「親だから」を振りかざすでしょうが、実のところ金になるからでしかない。

    今までのこの親の言動を見れば一目瞭然で吐き気がするくらい最低な親だと思います。

    勿論、主人公がそんな親になにも言わなくなったから、というのも一因だと思いますし、ぶつかってみれば案外良い関係になる場合もあるかもしれませんが、そんなことを出来る余裕は主人公にあるはずありませんから。

    ※僕の見解だと母親は決して悪い人じゃないと思います。親としては失格だけど、娘に対してはちゃんとしたあいじょうがある。だけど主人公はそんな母親の気持ちを理解しようとする事が出来ないくらい嫌悪している、そんな感じで感想を書きました。最後のところも含めて作者の意図を聞きたいですが、はてさて。

    いやあ、本当に素晴らしい作品だと思いました。

    （※）一読者としてはこの感想なのですが、少しよけいなお世話を言いますと、やはりバッドエンドよりハッピーエンドのほうが読者の受けは良いと思います。またバッドエンドを書くよりも、案外ハッピーエンドをかくほうが作者としては難しいというのもあります。今回の作品は少々安易なバッドエンドだったかもしれません。殺す必要があったか、と言えば無いですからね。この主人公が救われる終わり方も模索してみると良いかもしれません。

    でもこええええ
    殺すなよ。いやこええよ。女って怖い。

    執筆お疲れさまでした。

    E-Mail pass
Re: 2018年05月14日 20時41分40秒
  • 　金木犀あうさんへ。

    　あうっ！(マイケルジャクソン)

    ＞で、まずは確認なんですが、これはあれですか。つまりは二人とも死ぬエンドってことデスか？
    　・その通りでございます。本当は腸を引きずりながら逃げる二丈原の上に跨って、己夜美も自分の体に包丁をつきたてるとか、そういうホラーっぽい物も想定してたんですけど、やっぱり雰囲気にそぐわないので、こっちになりました。
    　幸せを求めて購入したマフラーで、愛する彼女を手にかけるという展開は作者としても書いていてちょっと切なかったですね。

    　完成度高かったですか？　ありがとうございます！
    　しかし十回は推敲したはずなのにまだちょっと荒が残ってるんですよね。シーンにしても、必要不必要の区別がつきにくいというか、削るとそれはそれで何か違うってなって、悩ましい。もうちょっと完成させられたかなーとは思うので、これに懲りず練り練りは続けていこうと思います。

    ＞今回のキャラクターで印象に残ったのはお母さんですね。これが今作の主人公のリアルな切実さの伴う絶望の深さを物語ってくれました。
    　・親の影響って本当に大きいですよね。それゆえに己夜美はもっと母親と向き合ったほうが健全だったのだろうとは思います。もちろん母の方も。
    　私の考えとしては、作者レスの方に書いてあるとおり、気付けなかったという点も重視しています。たった一つ、ほんの一言でもいい、不満をぶつけ合えば何かに気付けたかもしれない。でもそうならなかった。幸せはそこらに転がっているものなのに、目を向けなければたぶん石ころと同じ物じゃないかなーと。それをしなかった主人公の結末として、この終わり方もふさわしいと思っています。ある意味では自分なりの幸せにたどり着いたともいえます。自分勝手過ぎるとは思いますけど。

    ＞殺すなよ。いやこええよ。女って怖い。
    　・ﾌｫﾌｫ。殺さずに取っておく方がよかったですかねえ(それもそれで官能的)
    　まあ冗談ですが、ハッピーエンドに持って行きたいという意図はありましたし。色々あったけど譲歩した結果が現在のちょっと違うハッピーになってしまったということで、どうか一つ。

    　ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2018年05月06日 02時56分35秒
 +10点

  • どうも初めまして。
    入江九夜鳥と申します若輩者です。
    御作「Snail～」を読ませていただいたので感想を送らせていただきます。

    なお、僕の感想は基本的に辛口です。
    その点をご了承のうえ、必要な部分を取捨されてください。

    またこの作品を未読の読者様へ。
    この感想には以下ネタバレが含まれますので、ご注意下さい。




    ・なんというか、評価に困るというか感想に困るというか。

    今回の企画で、僕は投稿された順に作品を読んでいきました。
    ですが感想は順不同。それはなぜかと言えば、この作品の感想をどうするか困っていたからです。
    今こうして感想を書いている段階でまだどうしたものか迷っています。


    まずそもそも、これ、ラノベに分類していい作品なんですかね？
    そこから話するのかよ、って話なんですが。

    個人的な考えとして、

    ・文学　作品を通じてテーマ(哲学的なことや人生的なこと)を語る作品。
    ・文芸　作品を通じて読者にエンターテイメントを提供する作品。
    ・ライトノベル　文芸の中で更にエンターテイメント性を追求した作品。

    と考えております。
    勿論ラノベや文芸で哲学的なこととか、人生を考えさせるようなメッセージを入れちゃ駄目ってことじゃないのですが、それはそれとして、頭空っぽにして楽しめることがラノベとして先にあるべきところなのではないかな、と。

    もちろん僕個人の考えですし、今後変化もすると思いますので皆さんや作者さまそれぞれ異論はあると思います。ただ、ここはそれを議論する場ではないですので、僕がそう考えているとだけ。

    その上でこの「Snail」という作品を見た時、余りに文学的に寄り過ぎではないかなぁ、と。
    文学に寄った文芸ではなく、文芸に寄った文学的だな、と思ったのです。

    そう考えるに至った理由として、

    1.　主人公である七瀬こよみさんが、どうにも内向的というか、ダウナーな気質であること

    2.物語全体がそのタイトルの通り、内向きに渦を巻いていること。

    がありました。



    1.について。
    七瀬こよみさんは、その家庭環境から高校や人生に対して希望を持たず、ただただ現状を抜け出したいと考えていますが、その実アルバイト以外に積極的な外界への接触行動を行っておらず、そのアルバイトも生活の支えにするという内向きの理由であること。

    姫華ちゃんという希望を得た彼女はそれで希望を得たのではなくて、むしろその人生を好転させるのではなく、姫華ちゃんさえいれば良いというもっと泥沼にハマる方向に突き進んでいきます。

    結果、僅かながら改善の兆しを見せた母親の変化に対して「なにを今更」と頑なな態度と拒絶を示し、自身の肉体的な損壊すら無視して、ただひたすら姫華という小さな希望――自分自身でそれが虚構と知っているにも関わらず――にひたすら縋り付いています。

    これが、母親の変化をきっかけに、不器用ながらもその手を取ってこよみ自身もより明るい方向に進んで行くのであればよかったのですが、そんな変化を受け入れることなく、より暗い方へと突き進む彼女は、ある意味で人生の諦観者、あるい消極的破滅主義者のようにすら見えました。


    2.そんな彼女に、姫華こと二丈原歩夢くんも引きずられていきますね。
    彼自身はこよみさんと似たような境遇にありながらも、もう少し積極的というか親に対する拒絶が真っ当と言うか男性的というか。それなりに前に進もうとしているのに、こよみさんにフラれ、姫華であることを望まれ、それに引きずられて渦に沈み込んでいくように見えました。


    ラストシーンでは雨の中に取り残された公園の東屋で締めくくられますが、なんというか「死・自殺・切り取られた世界の果て」のような物悲しいイメージです。

    この切り取られた狭い世界のイメージはこよみさんの人生観のようで、彼女は高校を卒業したらあの女から離れて生きるといいつつ、卒業後のことを何もイメージできていないように感じました。現実を直視したくないから未来へ、未来へと自分に暗示をかけているようですらあります。


    この作品は、企画のテーマである「逆転」の作品ではないように思えます。

    タイトルである、Snail　が意味するように、逆転という言葉から連想さりる、「回転、渦、ぐるぐるまわる」みたいな印象です。むしろ、渦にのまれて、そのまま沈んでいくイメージです。

    ですので、えー、その。

    なんか語り過ぎて、逆に何を言えばいいのか分からなくなってきたのでもうここで切り上げることにします。


    作品としては、完成度が低いとは思わないどころか結構高いと思うのです。
    ですがラノベ的ではないのですよね……やっぱり文学的というか。
    読者である僕を「考えさせられた」という点で文学としてはアリですが、考えずに楽しめさせることができなかったという点でラノベとしては微妙かも知れません。

    個人的な趣味ではないという点、および「逆転」という企画趣旨をちゃんと満たしていないように感じたことで、この点数とさせていただきます。

    以上、辛口ですが感想になってない感想を送らせていただきます。
    必要な部分を取捨されますようお願いいたします。

    それでは。

    E-Mail pass
Re: 2018年05月14日 20時21分34秒
  • 　入江九夜鳥さんへ。

    　じゃ、若輩者……。


    ＞・なんというか、評価に困るというか感想に困るというか。
    　・おふ。
    　そういえば、かなり前にラ研の投稿室に作品を上げた際も、どっちかというと文学に近い、っていう感想がつきました。一人称で、単一主人公を書き上げるとどうしてもそれに近くなってしまうみたいです。

    ＞・文学　作品を通じてテーマ(哲学的なことや人生的なこと)を語る作品。
    ＞・文芸　作品を通じて読者にエンターテイメントを提供する作品。
    ＞・ライトノベル　文芸の中で更にエンターテイメント性を追求した作品。
    　・これはちょっと面白いですね。明確にどれが何であるか、というのを意識せず、あくまでも一つの物語として書き上げるだけになってしまっていますから、こういった部分を意識すればラノベらしいラノベというのも違和感無くかけるかもしれません。(シリアスなシーンでは文芸、文学を意識しつつ)


    ＞頭空っぽにして楽しめることがラノベとして先にあるべきところなのではないかな、と。
    　・そうですよねー。クッキーかじりながらだらだと見流せるような作品が……どこかに転がっていたような感じで。アレにストーリーつけたらラノベっぽいですよね。


    ＞1.について。
    　・深く読み解いてもらって、作者としてもありがたいかぎりです。入江さんに限らずですが、皆さんの感想を眺めながら、何度か己夜美の心情を追ったりもしてまして、これを書いていた時は何を考えて、何を思ってこんな性格にしていたのか、そこのところあまり深く考えてなかったんじゃないかーなんて。思ってしまいました。
    　もともと別の作品でもこの子と同じような物の考え方をする少女を書いたことがあったので、イメージもそれに準じた物になってます。
    　それと、己夜美の性格は作者の中にある感情の一つを投射したものでもありますので。客観的にどう思われるか、というのは非常に興味深いですね。


    ＞2.そんな彼女に、姫華こと二丈原歩夢くんも引きずられていきますね。
    　・前向き、とまでは行かないけど、二丈原君には己夜美に無いものがあります。簡単に言えば希望とか言われるものですけど、明確にではないにしろ彼には先があったんですよね。どんなに境遇に恵まれなくても、幸福だと思えれば幸福になれる。その根本的な部分で己夜美とは違っていたから、己夜美が幸福を手に入れられるとすれば、それは二丈原が引っ張っていくしかないわけで。あの時点ではですけど。本作ではそれを信じたり受け入れたりということができなかった己夜美を書いています。

    ＞ラストシーンでは雨の中に取り残された公園の東屋で締めくくられますが、なんというか「死・自殺・切り取られた世界の果て」のような物悲しいイメージです。
    　・何もかも捨てて、唯一つのものにだけすがり付いていればいいという、自分勝手な幸せですね。物悲しさを感じていただけたのなら、作者としては成功だったと思います。

    ＞この作品は、企画のテーマである「逆転」の作品ではないように思えます。
    　・むぐぐ。やっぱりテーマがちょっとずれてますかー。逆転って案外難しいんですよね。書けるには書けるけど、逆転をメインにするとどうしても単調になってしまいがち。次回は「金」でしたか。こちらはまた幅が広くて、どんな作品が集まるのか楽しみではありますね。

    　読んで、さらに色々考えていただいて、作者冥利に尽きるというものです。
    　次はもっと楽しげなものも書いていきたいと思います。そっちの方が、読者に望まれているようでもありますし。私としてもすっきり終われる方が好みですから。

    　ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2018年05月04日 14時42分50秒
 +10点
  • 拝読させていただきました。

    ラストが衝撃的で少し驚きました。それまでの展開がややのんびりしていただけに、いきなり冷水をぶっかけられたとでもいうような。

    非常に心理描写が丁寧な作品だったと思います。ただ、それが過剰というか余剰な部分はあったのかなと思います。１００枚の作品となっていますが、短縮しようと思えば半分くらいには短縮できそうな気がします。特にヒメカちゃんへの想いを抱いて自室でゴロゴロするシーンなど、削ろうと思えば削れるかなぁと。

    上にも書きましたが、展開はゆっくりですね。終盤が目を離せない展開となっただけに、本作のターニングポイントと思われるヒメカちゃんとのデートを描くまでを早めるなど、見どころを際立たせる構成にするとより良くなると思います。

    以下、気になった点です。

    ・母親が料理を作ったのはなぜなのでしょう？　主人公が入院してからもお見舞いに来てくれたりと、それまでの態度とは違ったものを見せますが、特に結末には影響していませんよね。何か意図があったのでしょうか。

    ・トイレに閉じ込められて窓から飛び降りるのは、とってつけたというか、安易なイベントのように感じます。タイトルであるsnailを満たすために右足を負傷させたのかなと穿った見方をしてしまいます。

    以上が私の感想になります。
    今後も創作活動頑張ってください。
    それでは、失礼します。

    E-Mail pass
Re: 2018年05月14日 19時46分44秒
  • 　クロウさんへ。

    　クロウというと、やっぱりあれですか、カラスですか。(なんか個人的にクールなイメージ)

    ＞ラストが衝撃的で少し驚きました。それまでの展開がややのんびりしていただけに、いきなり冷水をぶっかけられたとでもいうような。
    　・驚いていただけて嬉しいです。ほんとはもっと甘甘な方が良かったかもしれませんね。冷や水より水あめをぶっかけて、あまーーい！　とか、言ってもらったり。今回ちょっとビターでした。

    ＞非常に心理描写が丁寧な作品だったと思います。ただ、それが過剰というか余剰な部分はあったのかなと思います。
    　・推敲時に十回は少なくとも見直していますが、シーン丸ごと削っても全体に差し支えない場所はいくつかありますよね。ただその部分って、読んでいて、ここ何かイベント挟んだ方がいいんじゃないか……とか思う箇所でもあって、そうすると文字数増える一方なんですよね。思い切ってばっさりいっちゃえばよかったか。

    ＞上にも書きましたが、展開はゆっくりですね。終盤が目を離せない展開となっただけに、本作のターニングポイントと思われるヒメカちゃんとのデートを描くまでを早めるなど、見どころを際立たせる構成にするとより良くなると思います。
    　・序盤もスローですよね。あそこはまだ改良の余地はあると思います。試作段階ではしょっぱなからいちゃついて交尾してる感じでしたけど、流石に、無いなと思って現在のムーディーなワンシーンに落ち着いてます。(いや、やっぱり動きのある冒頭の方がよかったか？)　悩みどころです。


    ＞・母親が料理を作ったのはなぜなのでしょう？　主人公が入院してからもお見舞いに来てくれたりと、それまでの態度とは違ったものを見せますが、特に結末には影響していませんよね。何か意図があったのでしょうか。
    　・娘に直接反抗されたので、ちょっとどうにかせねばと焦るけどいまいちやり方がわからない不器用な母を、それとなく書いてみたのです。ちょっとだけ唐突でしたかね。主人公が母親と向かい合って話していればそう思われることも無かったかもしれません。ここは、エンディングの弊害というか、影響というか。ですね。

    ＞・トイレに閉じ込められて窓から飛び降りるのは、とってつけたというか、安易なイベントのように感じます。タイトルであるsnailを満たすために右足を負傷させたのかなと穿った見方をしてしまいます。
    　・いやあ、まったくその通りでした。負傷した脚とカタツムリを重ねる部分はありましたが、そのためにではないですよ。あの場面、本当はいじめでも何でもよかったんです、己夜美が心から生きる気力を失って姫華ちゃんだけにすがり付いてくれれば。
    　もともとは母が連れてきた男が絡む予定でしたし、流石にそれはちょっと雰囲気壊れるなと思って、ソフトないじめの方になってます。
    　(……やっぱり書いた本人が気になる部分は、読者も気になってるってことですね)

    　ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2018年05月03日 22時56分23秒
 +10点
  • 　キーゼルバッハと申します。読まさせていただきましたので感想を。
    　以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
    　

    （キャラ）
    　
    　己夜美(こよみ)
    　：物語の主人公で、複雑な家庭環境、孤立した学校生活を送る女子高校生。
    　　ひょんな事から知った姫華ちゃんのブログを見ることが、毎日の日課兼
    　　人生の拠り所になった。
    　　この作品は、終始こよみの一人称視点で語られます。主人公の悩み、
    　　嬉しかった事、葛藤、そして主人公の目から語られる詳細な情景など、
    　　作者さまの力量を確かに感じました。ただ、主人公の性格上、もしくは
    　　物語の性質上、物語の起伏が乏しく感じられ、なかなか感情移入しにく
    　　かった印象です。
    　
    　　母（こよみ）
    　　：主人公の母親で、夜に働き、朝帰るという昼夜逆転の生活を送っている。
    　　　主人は亡くなっており、その遺産である家にこよみと一緒に住んでいる。
    　　　典型的な、ダメ母という印象でした。金の無心や、怠惰な性格、家に男
    　　　を連れ込むなど。しかし、こよみが入院した時は駆けつけ、教師の言葉
    　　　を鵜呑みにはせず、こよみのことを信じるところ等、こよみに対する
    　　　愛情を感じる場面がありました。個人的にはもう少し、見せ場というか
    　　　折り合いを付ける場面が欲しかったなという個人的な印象です。

    　二丈原歩夢（姫華ちゃん）
    　　：クラスのガキ大将で、こよみの後ろの席に座っている。こよみに気がある
    　　　ようだ。実は、姫華ちゃんとしてブログにのっているのは、彼自身が
    　　　女装した姿である。彼も複雑な事情で、いやいやながら女装している。
    　　　主人公のヒロイン役で、女装男子というのは、何というか背徳的で、
    　　　そそられる物がありました。
    　　　こよみに素直になれない一方で、純粋な気持ちを持ち続けているところ
    　　　に好感が持てました。
    　
    　母（歩夢）
    　　：歩夢の母親で、本人は女の子の子供が欲しかった未練のせいで、
    　　　歩夢にしたくもない女装を強いている張本人。
    　　　作中ではほとんど出番がないので、印象はあまりありませんでした。
    　　　歩夢とのわだかまりや、何らかのイベントが欲しかった印象です。

    　園部(そのべ)
    　　：典型的ないじめっ子でクラスの女子リーダー。歩夢に気があり、
    　　　仲良くしているこよみに対して詮索したり、女子トイレに追い詰めて
    　　　いじめようとした。
    　　　彼女についても、ただ主人公をいじめるだけの存在として作られた
    　　　ような感じで、印象が薄かったと個人的に思いました。

    （文章）

    　文章は、こよみの一人称で情景描写や心情など丁寧に書かれていた印象です。
    　特に主人公の心理描写には力を入れていて、主人公がどんな思いで、
    　なぜ、そういうことをしようと思ったのか、とても分かりやすく、感情移入
    　もしやすい文章であると思いました。
    　ただ、丁寧に書かれている分、文字数が大幅に増えており、１００枚という
    　制限がある中、そうとう圧迫されているように感じられました。

    （テーマ）

    　テーマである『逆転』なのですが、これは男性が女子の格好をしている
    　という意味の『逆転』でしょうか？　物語的にはあまりテーマである
    　逆転は感じられなかった印象です。

    （総評）

    　丁寧な文章から、濃密な主人公の一人称で始まる物語で、作者さまの力量が
    　伺えるお話でありました。ただ、物語的には主人公の心理描写が多くを占めており、
    　感情移入しやすい反面、物語の進行が遅くなっている印象でした。
    　また、物語の起伏が少ないように感じられました。主人公であるこよみが、
    　今の生活を変えようとしない、主人公の興味の対象は姫華ちゃん一択で、
    　最後まで変わらない、など主人公に変化が無いことがその要因じゃないかと
    　個人的に思いました。その反面、歩夢は自身の秘密をこよみに知られ、
    　複雑な感情の中女装姿を見せつつ、最後は自身の素直に慣れない性格を乗り越え
    　こよみに告白しています。個人的に歩夢の方に焦点を当てても、良かったかな？
    　と思いました。


    それでは、逆転GW企画お疲れ様でした！　また機会がありましたら、読ませていただけると嬉しいです。

    キーゼルバッハでした。

    E-Mail pass
Re: 2018年05月14日 19時29分51秒
  • 　キーゼルバッハさんへ。

    　キーゼルバッハさんという名前を見るたびに音楽家の肖像画が頭の中に出てきます。あのくるくるしてる髪の。


    ＞己夜美(こよみ)
    　・をふ。感情移入しにくかったですかー。暗いですもんね。今回彼女にのみスポットが当たっているような作品でしたので、そうなるとなかなか読みづらかったのではないでしょうか。ちょっと申し訳なくも思いつつ、最後まで見ていただいて感謝です。

    ＞母（こよみ）
    　・和解して、ハッピーになれるエンディングは頭の中にはあったのです。だが、枚数がたりなかった！　いえ、結構だらだら書いてる部分もあったので、削ればいけたかもしれません。雰囲気よりも物語を重視すべきだったかな。今度はその辺ももうちょっと考えて見ますね。

    ＞二丈原歩夢（姫華ちゃん）
    　・二丈原君はいい子ですよね。序盤はちょっと素直じゃないところもありましたけど、己夜美に迫られてたじたじするところとか書いていて楽しかったです。やっぱりこっちをもう少し掘り下げた方が読む側としては楽しいですよね。て、それもそうか、楽しい部分は読んでて楽しいですし、当たり前のことですけど、今回は明暗の暗の部分が強すぎたのかもしれません。薄暗いって感じで。

    ＞母（歩夢）
    　・クリーニング屋以外での繋がりはないですもんね。ほんとは喫茶店に姫華ちゃん連れてきたり、休んだ歩夢君にプリント届けに行った己夜美がインターホン越しに突き放されたりとか、色々考えてはみたんです。考えただけになってしまいましたけども。


    ＞園部(そのべ)
    　・ＴＨＥ、いるだけ存在。いじめっ子っぽい名前をつけてみましたが、女子モブとしてしか見てませんでした。敵は敵としてもう少し本編に絡んできてもよかったかな。


    ＞　ただ、丁寧に書かれている分、文字数が大幅に増えており、１００枚という制限がある中、そうとう圧迫されているように感じられました。
    　・枚数は、最初に書き上げた時点ですでに枚数オーバーしていまして、中だるみしてる部分もまだあるかと思いますので、削れるとこ削ったらよかったですね。バイトとか、公園見回りに行くとことか、サクサクッとやってもっとヒロイン(姫華)との絡みを増やすべきじゃった。

    ＞（テーマ）
    　・今回の逆転というテーマで色々考えてみて、性別の逆転を最初に思いついたけど、それじゃ弱いということで、本作では幸運と不幸の逆転がメインになっていました(わかりづらい)　い、一応ですね、運命がどうとかこうとか作中で己夜美ちゃんに言ってもらってるのも伏線だったり(でもわかりづらい)


    ＞（総評）
    　・やっぱりドラマですよねー。ドラマチックな感動ストーリー。
    　一人称で長々書いているとどうしてもその辺が蔑ろになってしまいがちです。現実と物語を混ぜて考えてしまうからなんでしょうかね。もっとこう、スパッと切り離して物語を作れるようにしないと。

    　ご感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
2018年05月03日 12時54分07秒
 +20点
  • 　とよきちと申す者です。
    　それでは拝読したのでさっそくさっそく。

    　まず、読後の率直の感想として、丁寧な文章もあって非常に綺麗にまとまっているように見えるのですが、読み終わった後は『あれ、ここで終わり？』という印象を持ってしまいました。
    　ただ心情描写は素晴らしかったです。すごくリアルですし、表現の仕方も好みで、企画作品の冒頭を一通りさらった中ではもっとも期待の高まった作品でした。タイトルであるＳｎａｉｌ(スネイル)の要素を作品のそこここに散りばめている作りも好みです。

    　さてじゃあここまで褒めておいて何が気になったのか、というお話になりますが、表面的に言えば粘膜王女さんも仰ってますが落差だと思います。ここら辺は粘膜王女さんと同意見なので割愛します。
    　ただ、表面的、というふうに表現したように、自分はもう少し底のほうに流れるものを覗いてみようと思います。

    　最初に前述した『あれ、ここで終わり？』と思ったことに繋がるのですが、物語が終わっていないように感じたんですよね、自分としては。むしろラストのあそこから転に繋がっていくんじゃないかと考えているんです。
    　要因として挙げられるのは、主人公の願望が表面的な部分でしか成就していないからですね。
    　彼女の奥底にある本当の望みというのはもっと別のところにあって、それが解消されていないから終わっていないと感じたんですね。ああいう終わり方にするのであれば、主人公のキャラクター性はむしろ純粋無垢なほうがいいと思います。純粋すぎて物事の（自分自身を含めての）悪い部分を見ないようにしてきた女の子が、あることをきっかけに自分の悪い部分を見つけて悪に堕ちるという物語。例に挙げるとスターウォーズのダースベイダー誕生秘話みたいな形になるでしょうか。
    　
    　ただ、現状の主人公ですとやっぱり本当の意味で何かしら救われないと嘘のような気がします。抱えている問題は山積みなのに一つも解消されていないですし。
    　自然な流れを考えると、本編ラストの後に姫華を失ってしまう『転』があって、主人公とは対照的に良くなった母親との和解があり、最終的に何か大きな欠落は出てくるけれども主人公やそれ以外の人物たちは健全で前向きな姿勢を見せていく、というのが自然のような気がします。そうでなければ主人公の奥底にある望みは達成できないんじゃないかと思うんです。
    　だから、この主人公を物語にするのであればもう少し長めの尺が必要になってくるだろうと思います。母親との関係ももっと掘り下げていく必要もあるでしょうし。あの母親の立ち位置は主人公に対しても物語に対してもキーとなると思うのでぜひ掘り下げてほしいですね。彼女は主人公とは真逆な存在であって、いわゆる物語上での『もう一人の自分』でしょうから。御作でもちょろっと使っていますが、母親と主人公の立ち位置や明暗は常に逆転しますよね、おそらく。それだけでも面白くなりそうです。
    　
    ◆まとめ

    　たぶん、今作は『Ｓｎａｉｌ(スネイル)』という題材に引っ張られすぎたんじゃないかと思います。だから表面的にはまとまっているように見えるけれど、題材にとらわれすぎて物語の真芯をとらえそこなっているように見受けられました。
    　しかし前述したようにリアルな文章は素晴らしかったですし、題材の使い方そのものは好みでした、ということで点数はこの辺で。
    　
    　自分からは以上ですね。
    　また次の作品を楽しみにしております。

    　それではごちそう様でした！


    E-Mail pass
Re: 2018年05月14日 19時10分53秒
  • 　とよきちさんへ。

    　
    ＞『あれ、ここで終わり？』という印象を持ってしまいました。
    　・どこかふわふわした終わり方になってしまったので、そう思われてしまうのも仕方ないですよね。次はもっとはっきりした物語を考えてみます。

    ＞　要因として挙げられるのは、主人公の願望が表面的な部分でしか成就していないからですね。
    　・やっぱりそう思われましたか。自分で読み直しても主人公が真に納得いっていない感じがしました。余韻はそれを含めても良いものだと思いますが、もやもや感は出てしまいましたね。


    ＞主人公のキャラクター性はむしろ純粋無垢なほうがいいと思います。
    　・作者自身が雑念の塊みたいなもんで、なかなか純粋な心を書くのは骨が折れるんですよね。途中で「こいつ嘘くせえ」みたいになってしまって。ヒロインや敵としてはそういう純粋無垢なキャラクターはいいんですけど、主役となるとなかなか手が伸びないというか。いつか練習がてらそういったものにも挑戦してみたいですね。

    ＞　ただ、現状の主人公ですとやっぱり本当の意味で何かしら救われないと嘘のような気がします。抱えている問題は山積みなのに一つも解消されていないですし。
    　・そうですね。本当に利己的で周りの見えないものの考え方です。そういうところを感じ取っていただけたのは嬉しいです。

    ＞あの母親の立ち位置は主人公に対しても物語に対してもキーとなると思うのでぜひ掘り下げてほしいですね。
    　・構想段階では色々と考えてみたんですよ。あの母親、自分でも結構気に入ってて。ただちょっと前半部はだめ親でしたけど、娘の機嫌を損ねたのをきっかけに、なんとか仲直りしようとするけど、不器用で上手くいかない。そんなところも若干似てるかなーとか思いながら書いてました。

    　それと、やっぱりハッピーエンドがいいですよね。そこのところは十分考えたつもりです。ただ、本作のエンディングになってしまったのはある意味では妥協案ですが、そのおかげで主人公一人にスポットを当てられたと言う意味では別の完成を見たと思っています。

    　タイトルに引っ張られた感は確かにありますね。実のところ「―利己的な恋の矢―」の部分は完成後まで付けようか消そうか悩んでいたりもしました。エンディングをこれで行くと決めた後に、正式に利己的な恋の矢とつけたので、もし二丈原と結ばれる物語になった場合には、この部分は別の言葉が入る予定でした。
    　それはまだ決めてませんでしたけども。

    　ご感想ありがとうございました。


    E-Mail pass
2018年05月03日 00時33分11秒
 +10点
  • 　読了しました。粘膜です。

    雑感：
    　文章は読みやすく雰囲気があり、設定も倒錯的で魅力的。ここからどんなふうに面白くなるんだろうと期待させられるのですが、展開がゆっくりゆっくりな上物語の動き自体少ない。ヒロインとヒーロー（？）はただひたすら傷をなめ合うのみで二人で何かしら乗り越えたり進歩したりする部分もなく、タイトルを回収してこの先の二人がどんな関係になっていくのかぼんやりと示唆したところで終わってしまった。
    　というのが正直な印象です。そんでここまでに１００枚かけてるんですよね。ただ、主人公の心理をひたすら丁寧に丁寧に書いてあるのはすごいと思いますし、そういうのが好きな人もいると思います。

    文章とか構成とか：
    　主人公の心理描写の掘り下げがすさまじく、文章はまるで雨の日の学校みたいなしっとりとした素敵な雰囲気がありました。

    設定とかテーマとか：
    　魅力的だとおもいます。自分を取り巻く環境を打破しようとしない『怠け者』『カタツムリ人間』の二人が、ひょんなことから出会い相互理解とも言い難い不思議な疑似恋愛関係を築いていく。タイトルの回収の仕方もうまいです。

    キャラとか：
    　主人公は非常に深く造形されていました。現状をただやり過ごすことしか目標のない怠け者のトロミ。自分なりに見つけた小さな救いに執着してそれで満足している。
    　こういう子って実際いたら案外その小さな救いすらいざとなったら面倒がって手放すようなイメージあるんですけど、松葉杖状態でデートしたがるような執着心を発揮するあたりの根性の出し方は結構よかった。
    　女装ヒーローの方は設定自体は魅力的だったのですが、１００枚使うのですから彼の方の内面や葛藤をもう少し突っ込んで書く余地はあったようにおもいます。

    ストーリー：
    　魅力的な設定、キャラを用いて高い文章力で描かれるストーリーですが、ここがちょっと弱く感じました。
    　歪んだ相思相愛状態から始まる物語なのですが、その歪んだ相思相愛状態を延々と描写しているだけで進歩とか変化とかには欠けているんですよね。何かグッとくるような展開を経て二人の関係性が明確に変化する様子を書いて欲しいというのが個人的ないけんです。結局ヒーロー君女の子の恰好しっぱなしで終わっちゃったし。
    　主人公ちゃんマッマからお金せびられただけにしてはダメージ受けすぎなのも気になりました。いや物語的にここでダメージ受ける必要あるのは分かるけれども、もっと読者の心に爪を立てるような深刻なダメージ描写をしてほしかったです。マッマもそんな悪いだけの人じゃなさそうだけれど和解とかそういうの全然ないし。
    　全体的に主人公に成長や進歩がないんですよね。『この話の主人公はこんな子なんだよー』というのを延々と見せられるだけで変化や戦いがない感じがちょっと残念でした。相手の好意に付け込んで相手のコンプレックスを踏みにじる女装を強要する『利己的』な姿から、何も変わっていないのが物足りなく感じます。
    　主人公を最初の状態のまま変化をさせないのなら、変化しないなりの何か戦いとか刺激的な展開とかが欲しかったです。いじめっ子から逃げて窓から飛び立つだけじゃ物足りないです。

    総評：
    　こういう倒錯的な設定は好きです。
    　書いていて楽しかったんだろうなあとそれは本当に思いました。主人公に無茶苦茶感情移入して丁寧に深く突っ込んでこの子を描いたんだろうなって。タイトルの回収の仕方も上手かったです。
    　色々書きましたがこれだけ感想が浮かんだのは作者様の熱量故でしょう。そういう意味では楽しませていただきました。

    　創作お疲れ様です。これからもがんばってください。

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Re: 2018年05月13日 21時55分14秒
  • 　粘膜王女三世さんへ。

    　いつ見てもすごい名前だぬ。

    　文章読みやすかったですか？　良かったです。でもちょっとゆっくりでしたよね。自分でも推敲のさいに何度も読み返して、ちょっと長いかな、でも切っても埋め合わせる素材が無いなー、なんて思いながら見ていました。やはりドラマですか、ドラマティックな演出ですか。物語にするのに必要とはいえ、違和感になりかねないシーンを入れるのは勇気が要りますね。今度はそういう作り物っぽいけど印象深い話も考えてみます。

    ＞　主人公の心理描写の掘り下げがすさまじく、文章はまるで雨の日の学校みたいなしっとりとした素敵な雰囲気がありました。
    　・梅雨時期を意識して、文章全体はスローテンポにしていました。たぶん、意識しなくても勝手にこうなったかもしれません、主人公の心情が暗いですから。素敵といってもらえて嬉しいです。

    　カタツムリ人間。いい響きですね。自己完結してそうな、じとじとしてそうな。
    　設定を褒めていただいてありがとうございます。

    ＞キャラとか：
    　己夜美については作品内でメインを務める人物なので、性格や背景など細かく書いてはあるんですけど、歩夢君ですよねー。もうちょっと絡んでもよかったか。その辺弱いかなとは思ってたんですけど、主人公を優先しすぎてしまいました。キャラクターとしては彼も好きですし、背景も考えてはいたんですが。絡む機会が無くて。


    ＞　魅力的な設定、キャラを用いて高い文章力で描かれるストーリーですが、ここがちょっと弱く感じました。
    　・ドラマチックな展開というのは、魅力があるけど、肌に合わないというか……それ言っちゃアレなんですが。自分でも読んでてちょっと長いかなって部分はありましたし、やっぱり二丈原君ともっと接する場面を作った方が告白が引き立ちますよね。修正するのならその辺ですね(バイトのところとか、日常の空白にイベントを差し込む)
    　文字数制限が無ければなんとでもなりそうです。

    ＞　主人公ちゃんマッマからお金せびられただけにしてはダメージ受けすぎなのも気になりました。
    　・これですよね。最初は地の文に「姫華ちゃんのこと以外でこんなに気持ちが揺さぶられたのは初めてかもしれない」って入れてたんですよ。でも良く考えたらお金要るのは姫華ちゃんのためだから、あれ？ってなって消してしまいました。
    　それと、心の移り変わりは確かにわかりづらいですが、母親から金をせびられた時のリアクション１回目と２回目では差をつけて書いたつもりだったのです。
    　姫華ちゃんとデートしたことで、欲が強くなったというか、感情が発露しやすくなったというか。そういうところをやんわりと表現していましたが、やんわり過ぎてちょっとわかりづらかったですね。

    ＞　全体的に主人公に成長や進歩がないんですよね。
    　・全くその通りだと思います。その対比として二丈原を出していました。じゃあもっと絡みを増やせよって話ですけど、まあその辺は……いずれ！
    　あと、いじめのシーンはどうするか迷ったんです。本当は校門前で複数の男に待ち伏せされた己夜美を二丈原が身を挺して助けて、顔に傷作って、母親二人が激怒して殴りこんで「お前の母さんって、なんか、すごいな」とかあきれ顔されて、己夜美も失笑して、って感じで和解したかったんですよ。ちょっと雰囲気違うなって思って今の形になってますけど。その方が物語りらしかったですかねぇ。削れるところもっと削ってもよかったか。

    　なんやかんや楽しんでいただけて幸いです。
    　クインビーも結構面白かったですよ。ああいうグサグサくるやつも、いつか挑戦してみたいですね。


    　ご感想ありがとうございました。

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2018年04月30日 07時13分36秒
 +30点
  • こんばんは、楽間快人（らくま・かいと）という者です。
    御作『Ｓｎａｉｌ　―利己的な恋の矢―』を拝読しました。
    御作は投稿１日目の作品の中から、冒頭だけ読んで好みっぽい作品を探した末、
    読むことを決めた作品でした。結末をある程度予測させる出だしなので、
    ミスリードだったら嫌だなあと思ってましたが、どうやらマイセンサーはなかなか
    優秀だったようです。いいですね、僕はこういうの大好きです（物好き）。
    予測させる出だしと言えば、僕は初読時に冒頭で叙述臭を嗅ぎ取ってしまい、
    気になって一気に下スクロールしたことをここに告白します。
    逆転だからどっちがどっちだろう？って思ってしまったわけですね。
    なのでそうページが進まないうちに「私は女で、彼女は男なのに。」
    という一文で、趣向を早めに提示してくれたのは、非常に良かったと思います。
    僕のような人間は叙述がいったん気になると話が入ってこなくなるので（苦笑）、
    ここの情報開示は個人的には最高のタイミングでした。
    ……で結果、女×女装男子（というよりむしろその背後にある脳内幻想）の趣向とは……。
    いいですね。この倒錯具合、ゾクゾクします笑　
    それで結末がああなり、その背後には親の呪縛による逃れようのない屈折という
    要素がある。これらが意識的に配置されている御作から、僕は作者さまの
    物語IQの高さを感じずにはいられませんでした。
    己夜美の愛が危ういものだということは事前に充分に示されていてこの結末
    も納得ですし、血という呪いが己夜美にどうしようもなく刻まれているのは
    やるせない気持ちにもなりますが、だからこそこのやるせなさを、忘れずに
    生きていこうと思えます。世間に余裕がなくなると、物語にはハッピーエンドが
    求められがちになりますが、僕はこういう物語も、あってもいいのではと思うのです。

    いきなり話は変わりますが、作中で言及されてるカタツムリの交尾ついて、
    テレビで見たことありますけどアレ、意外と美しいもんですよね。
    もっとじとじとしてんのかと思ったら、なんかくるくる回ってて、
    ダンスを踊っているようで幻想的。本作の雰囲気とはちと異なる
    ようではありましたが、もしそういう裏があるなら、彼女も少しは
    救われるかもしれませんね。

    なお、わりと褒めているわりに、なぜか点数のほうはこれになります。
    なんでかっていうとそれは簡単。ただ単に、ページ数がいっぱいあったからです。
    もともと僕は長いのが苦手（ハードルがどんどんあがる）だというものありますが、
    このお話は結末がある程度予測できるので、もう少しコンパクトサイズで読みたかったな、
    というのが本音です。まあ、これは個人的な好みですけれどね。色んなシーンを積み重ねて
    キャラに入り込んでいく人は大勢いるし（ていうかそれが多数派？）、本作の結末の切なさは、
    紙面があればあるほど、深まるものだとは思います。まあ、間違いなく僕が少数派です。

    まとめ。
    とにかく物語の趣向とその要素が、結末まで含めて好きでした。
    中核部分は最高なので、もっとシーンを厳選して濃度をあげると
    エンディングの衝撃が和らぎ、意外と大衆向けになるのでは、とか
    ……さすがにそれは言いすぎか。
    ともあれ僕はこの結末をまっすぐ書き切った作者さまに、心からの
    賛辞を送ります。おもしろかったです、ごちそうさまでした。

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Re: 2018年05月13日 15時25分17秒
  • 　楽間快人さんへ。

    　か、かいとさんと読むんですね。(ずっとカイジンさんって読んでたぬ)

    　ﾌｫﾌｫ。冒頭はムーディーに決めつつ、少し匂わせる程度にしてあったのですが、読み物に慣れている方だとやっぱり気付かれてしまいますね。

    ＞気になって一気に下スクロールしたことをここに告白します。
    ・なんということを。　いや冗談です、読み方は人それぞれですね。叙述トリックについて、男か女かという点を隠したまま進む物語もありますが、本作はあまりそっちは重要ではないですね。(性別が判明したことで大きく流れが変わるというシナリオであれば、隠しておく必要はあると思います)

    ＞……で結果、女×女装男子（というよりむしろその背後にある脳内幻想）の趣向とは……。
    　・己夜美ちゃんの変態っぷりはそう思わせるように書いてました。こういう偏執的なキャラクターの愛情って、見てる分には可愛くて。

    ＞それで結末がああなり
    　・愛情が強い分、終わりが綺麗に見えるものです。だめな母親を見て育って、苦労している自分の救いを他人に求めようとせず殻にこもって。諦めたふりをして、でも欲望には素直で。自業自得とも言えるでしょうか。そんな己夜美には作為的に母の性格を入れて書いていました。やっぱり親子というのは似る物なんだと、暗に示す形で。

    ＞やるせない気持ちにもなりますが、だからこそこのやるせなさを、忘れずに
    ＞生きていこうと思えます。
    　・気付けなかった己夜美をみて、何かに気付いていただけたのなら書いた甲斐があるというもんです。まあでもハッピーな話を見て、いい気分になることも心のゆとりになりますので、今度はそっち路線も。

    　別件。
    　ﾌｫﾌｫ。カタツムリの交尾って、グネグネしててお互いに交換して、なんか卑猥ですよね。でも軟体が絡み合ってて良く見ないと何がなんだかわからない。
    　動きそのものは結構ゆっくりだったりするらしいという情報は集めましたが、求愛行動の時にダンスを踊るみたいに体をくねらせる感じはありましたぬー。


    ＞なお、わりと褒めているわりに、なぜか点数のほうはこれになります。
    　・ﾌｫﾌｫ。私も短い話のほうがサクッと読めて嬉しい派ではあります。なんだかんだ文章を目で追いつつ脳内補完する作業って、気力を使いますからぬ。その分、読んでる時は夢中にもなりつつ。

    　本作を好きだと言ってもらえて作者冥利に尽きます。

    　ご感想ありがとうございました。

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2018年04月30日 03時57分31秒
 +40点
  • いやあ面白かった。久しぶりにラ研企画に参加して読んだ作品がこれで良かったです。
    ゆーぢと申すものが感想を入ておきます。

    枚数がたっぷりあることから、丁寧で分かりやすい状況や心理の描写がまず何よりイイですね。
    このおかげで登場人物が近くに迫ってきて、まるで本当にそこにいる人のようなリアリティを持っています。
    倒錯しているし色々と人として破綻している（破たんしているのは主人公ではなく周りの環境かもしれませんが）んですけど、それを一発ネタではなく、丁寧に丁寧に描いているのが本当に良い。
    扱っている題材も今風というか新しくて目を引くものですし、でもその根底に流れる人物の感情とかは普遍的でみんなが理解できるものですし。
    いやあ満足できるものを読みました。
    楽しい作品をありがとうございます。
    僕も作品で参加しているんですが一緒に優勝争いができるといいなと思いました。
    まあまだ作品読み始めなんで、他にもそう思える作品があるかもしれませんが。。。ｗ

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Re: 2018年05月13日 14時50分54秒
  • 　ゆーぢさんへ。

    　企画開始早々に褒めていただけたので、ちょっぴりドキドキしつつ見ておりました。

    　物語に共感していただけた部分があったのなら、書いたかいがありました。心情描写は気を使ってましたので、いい結果が残せてよかったです。

    　己夜美ちゃんはちょっと普通じゃない感じですよね、でも明らかに普通じゃないわけではなくて、なんとなく変というか、書き出しの時にはもうキャラクターの性格は大筋で固まっていましたので、ふらふらせずに書ききることができたのかな。

    ＞扱っている題材も今風というか新しくて目を引くものですし、でもその根底に流れる人物の感情とかは普遍的でみんなが理解できるものですし。
    ・己夜美ちゃんみたいなちょっと世捨て人的な考えってどこかにあるものですよね。割り切って生きてるっていうか、ちょっとそちらに目を向けるとズルズル行ってしまいそうで怖いものです。

    　長い作品でしたけど、読みきっていただけて嬉しいです。

    　ご感想ありがとうございました。



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