男の料理

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　冷蔵庫を開けたら、卵が一つだけあった。
　目玉焼きなら三分で作れる。カップ麺の待ち時間にさっと作ればちょうど良い。などと黙考する間に、先ほど火にかけたやかんはちょうど沸いた模様。
　フライパンをコンロに準備し、麺に湯を注ぐ。ここからは時間との戦いだ。もたつけば麺が大変なことになるが、俺には十数年に及ぶ一人暮らしで培われた技術と自信がある。
　フライパンを熱し、油をひく。温度が上がってきたら、いよいよそこに卵を割りいれるのだ。
　卵を軽く握り、フライパンのふちに当てる。こん、こん、と、二度。
　卵は割れなかった。
　扱いがソフトに過ぎたかと、少し強めに勢いをつけて当てる。こんこんこん。卵は割れなかった。
　はてなといぶかしみつつ、今度は場所を変えてステンレスの調理台にぶつける。ごん。ごんごん。
　果たして卵は割れないのである。
　空焚きのフライパンから、異様なにおいが立ち上り始めていた。

　のびきったカップ麺を胃袋に押し込み、とりあえず腹だけはふくれた。
　この異常事態を発生させた張本人というか張本タマゴは、相変わらず白い顔でのうのうとコンロの横に転がっている。そういえば高校生のころ、張本人という字をハリモトニンと読んで授業中に失笑を買ったことがあった。それから卒業まで俺のあだ名はハリモトになった。ちくしょう思い出しても腹が立つ。腹が立つのはあの卵のせいだ。卵め、今からお前の名前はハリモトだ。
　余計なことを思い出したせいか、体の奥底からふつふつと闘志がわいてくる。俺はあきらめない。かならずあの卵を、いやハリモトを食ってやる。
　俺は先ほど焦がして使い物にならなくなったフライパンを手に取る。このフライパンの仇は俺がとる。このフライパンで。
「チェストー！」
と声高に気を発し、握りしめたフライパンを卵の上に振り下ろす。が、敵もさるもの丸いもの。奴はガツンと音を響かせてフライパンを弾き返し、そのはずみで床へと転がり落ちた。しかし逃がしはしない。俺は弾かれたフライパンをくるりと返し、床を蹴って宙へと飛び上がる。くらえ、これがおれの渾身の一撃だ。
「うおおおおおチェェストオオおおおおッ」
　ガツン。先ほどと同じ硬い音が響き、直後に俺の手を離れたフライパンが壁に当たってグアアンと大きく鳴った。
　卵は、いや、憎きハリモトは、それでも割れていなかった。
「うるせぇえ！」
　隣と接する薄い壁がドンと鳴って、部屋がちょっと揺れた。隣の鈴木さんが力任せに叩くなり蹴るなりしたものだろう。いわゆる壁ドンである。俺ら世代の知る壁ドンはこれである。

　ひとしきり涙と鼻水を流し、世間の理不尽さを呪い、隣人の冷たさに失望し、人生の切なさに打ちひしがれた俺は、膝を抱えたままのろのろと目をあげて卵を見やった。
　ハリモトよ、お前はどこからきてどこへ行こうとしているのか。お前に慈悲はないのか。お前に白身と黄身はないのか。俺が何をしたというのだ。ただ食おうとしただけじゃないか。俺が卵を食うことの何が不満で、お前はこうまでかたくなに俺に逆らうのか。
　リンゴの気持ちがわかるとかって戦後の流行歌があったらしいが、ハリモトは何にも言わないしハリモトの気持ちは全然わからない。
　もうやだ。もう、俺は、嫌だ。
　だって卵割れないし、隣の鈴木さん怖いし、俺は所詮この割れない卵みたいに役に立たない存在で、俺なんかいなくたって社会は変わらず回っていくんだし、俺はもう卵のカドに頭をぶつけて死んでしまったほうがいいのかもしれない。そうだ死のう、この卵のカドで、ってハリモトお前割れない食えないうえにカドすら無いのかよ。なんだそのなめらかなフォルムは、馬鹿にしてんのか。
　俺はただ卵が食いたいだけなのに。
　……あっ割らずにゆでればいいんじゃね？
　なんてことに今さら気づく俺は馬鹿か。馬鹿なのか。馬鹿なんだな、そうだな、じゃあもう仕方ないな、わかった、どうせ俺は馬鹿だし間抜けだし覚えも悪いし融通の利かない時代錯誤の石頭なんだ。
　……あっそうか石頭だ。
　石頭で卵割ればいいじゃないか。卵がうまく割れればバンザイだ。割れるのが俺の頭のほうなら、さっきの念願通り卵に頭をぶつけてこの世界にサヨナラできるわけだ。
　バカバカしいが、馬鹿なんだから仕方ない。よし、それでいこう。
　卵を握り、一つ大きく深呼吸。
　さらば、ハリモト。俺が死ぬか、お前が割れるか。短い付き合いだったが、まあ、うん、特にお前に言うことはない。
　俺は卵を持った手を、自分の額に向けて振り下ろした。

　俺は吹き飛んだ。
　正確には俺の頭部が吹き飛んだ。床に転がった。視界が三周くらい回った。
　見上げると、俺の体の上に、つまり頭のあるべきところに、卵がちょこんとくっついていた。
　……きもい。
　どういうことなんだ。何が起こったんだ。入れ替わっちゃったのか。俺がお前でお前が俺、というより俺の頭が俺で俺の体の頭が卵で卵は俺じゃないけど卵と俺が合体した俺がハリモトで、いやわかんないわ。わかんないわ俺。
　あまりに無茶な現実を飲み込めずにいたら、卵をくっつけた俺の体が勝手に動いてこっちへやってきた。
　俺の手が俺の頭を拾い上げる。そうだ、とにかく元に戻さなければ。卵頭のまま生きていくわけにもいかないだろう。
　と、思っていたら、俺の体は俺の頭を抱えたまま台所に行き、鍋を取り出した。
　鍋に水を満たす。コンロに置く。その中に、頭を、えっ待って。待って待って。どういうことなのどういうことなの、それ何ゆでるの、まさか、だって、俺をゆでてもゆで卵にはならないだろう？
　ねえ、ねえ待って。

　待って。
冗

2017年04月30日 23時07分36秒 公開
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■作者からのメッセージ
◆キャッチコピー：
俺の料理は卵の料理。卵の料理は俺の料理。

◆作者コメント：
卵と牛乳もしくは生クリームを混ぜて、そこに砂糖をどっさり入れ、よく混ぜます。
そこに厚く切ったフランスパンを浸し、冷蔵庫で５時間くらい寝かせます。
フライパンにバターを熱し、漬け込んだパンを焼きます。
おいしいです。

フレンチトーストの作り方ですが、本編とは関係ありません。

2017年05月19日 22時06分53秒
 作者レス
  • つとむューさま
    　お題の消化はいつもストレートな感じになります冗です。卵と言ったら食べることくらいしか思いつかなかったのです。卵食べたいけどそう簡単には食べられない、ただそれだけの話を書こう！　という発想からこうなりました。
    　ちなみに張本人をハリモトと読んだことがあるのは私ではないです。名誉にかけて私じゃないです。
    ＞きっと女性にはない発想でしょうね。
    　そうですね。ちなみに私は女性です。絶世の美女です。
    　あと、いただいた感想の影響でチキンラーメン食べたくなりまして、夜中に卵入りチキンラーメン食べちゃったことをここにご報告させていただきます。おいしかったです。
    　アホらしい作品ですがお読みいただいたことに感謝です。今後も力いっぱい気の抜けたアホらしい作品を書いていけたらと思っております。
    　ありがとうございました。


    Eugene（瀬海）さま
    　食パンのフレンチトーストもいいですよね。浸み込むのが早いから食べたくなった時にさっと作れるし。やわらかくて薄いからひっくり返すのちょっと怖いけど、薄いぶん中まで火を通すのが簡単だったりもしますね。サンドイッチの時に残ったパンの耳で作るのもいいですよ。
    ＞自分は直感型の読者ですので
    　まさにこの作品にぴったりの読み方をしていただいたのだと思います。感覚的に楽しんでいただくのが、いちばんおいしい召しあがり方だったんじゃないかと思うのです。感想を言葉にしづらい作品なので、まあ、企画向きではないかもしれないんですが。
    　ひろくいろんな方に楽しんでいただける作品を、というのが本来なのでしょうが、こんなのも、一つくらいはあっていいと思いました（言い訳）。みんなに好かれる作品って難しいです。
    　ありがとうございました。


    6496 さま
    ＞あ、面白かったっす。
    　ありがとうございまっす。
    ＞でもオチが怖かったっす。
    　えへへ。
    　ショートショートはオチが命です。オチが決まれば９割成功だと思っています。今回はまあ決まったと思っていいのかな、と、ひとりでほくそえんでおります。
    　でもね、これ、オチは息子が考えてくれたんです。なので９割の手柄は息子のものです。なにかおいしいものを食べさせてやらねばなりますまい。
    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2017年05月18日 21時47分19秒
 作者レス
  • ナマケモノさま
    　感想の書きづらい作品で申し訳ないです。そりゃそうよねー。とくにないよねー。
    　書きづらいのに書いてくださったその愛に感謝感謝であります。
    　＞地蔵の体に乗った女の子の生首が
    　ぎゃー！！
    　ありがとうございました。

    あまくささま
    　ものすごく褒めていただいてしまいまして、なんだか申し訳ないような、困ったような、甘く切ないような気持ちになっております。もしかしてこれって……この気持ちって……
    　あとになって掲示板でもおすすめいただいてたことに気づきました。いやあ、もう、なんですかね、ありがとうそしてありがとう！
    　文章中の小ネタひとつひとつに丁寧な感想をつけていただいたので、ものすごく勉強になりました。がんばったところをちゃんと見ていただけるのは幸せです。
    　タイトルは……毎回困るんです……どうすれば魅力的なタイトルつけられるようになるんでしょうか。
    　ありがとうございました。

    たてばんさま
    　ストレートにぐっさり言っていただけて嬉しかったです。絶対に好みの分かれる作品だと思って書いておりましたので。好きじゃないと言っていただいて、変な話ですがちょっと安心いたしました。
    　なにせ、ひねくれて斜めに落とす構成なので。おっしゃるとおり、問題のすり替えともいえます。ほんとのところ、もっと大勢の方に「は？」って言われるんじゃないかと思っておりました。
    　ラストで超常現象、たしかに普通ならここから物語が始まるものかもしれません。ですが、今作では「なんじゃそりゃ」と思っていただけばそれでよし、と思っております。まあ、ゆでられちゃうんで、始まりようがないです。
    　ありがとうございました。


    吾輩はワナビである さま
    　オチでにやりとしていただきましたか。うれしいので私のほうもにやりとしてしまいます。
    　そうめんにワサビは使わない派ですが、ぴりりとスパイシーな味わいはショートショートの醍醐味です。それがうまく出せていたことに安堵いたしました。つぎにそうめんを食べる時にはワサビも試してみようと思います。
    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2017年05月17日 22時23分17秒
 作者レス
  • たぬきさま
    　わかりづらかったですか。わかりづらいこと言ってます。わからなくても気にせず読み飛ばしてもらえるムードにしたかったのですが。なかなか行き届かなかったようです。
    　なんで茹でないのかは私にもわからないやつです。やっぱりばれたか。茹でる選択肢をどこかで提示しないと、オチがわからない可能性があると思ってしまいまして、これは完全に書き手の都合でした。だんだん支離滅裂になっていくのを無理なく呑み込んでもらえるよう段階を踏んだつもりだったのですが、騙されてくれない方もいるなあ。無念です。
    　シュールギャグっぽいのは、あの、狙ってしたことです。好みが分かれるのは承知の上です。
    　ありがとうございました。

    とまとさま
    　お褒めにあずかりまして光栄です。意味不明も理不尽もけっこう得意分野です。短いものの構成も、どっちかいったら得意なほうです。
    　しかしこの、「あるいはさらっと書いてあるように読ませるあたりに」という一文をいただきまして、あああ見抜かれている！……と戦慄いたしました。うんうんうなりながらひねり出しております。軽くさらりと読ませるコメディとか、好きなんですがどうも書けなくて、長いあいだ鬼門でありました。ばれないように書きたいものです。
    　ありがとうございました。

    ハイさま
    　好き、ですって。ドキドキいたします。どうしよう。
    　もうひとつたりない。私自身、うすうす感づいていたところではあります。これ、どうやってもあんまり印象に残らない作品になってしまうだろうなあ、と。でもどうしたら心に足跡を残せるのか、まったくわかんないんです。どうしよう。
    　ありがとうございました。

    粘膜王女三世様
    　まずロボ娘ちゃんにお礼を言わなければなりませんね。ありがとうロボ娘、そしてさようなら。
    　ギャグは苦手なのですが、ギャグと思ってもらえたところでまず一安心いたしました。パンチは、自分でも足りないと思います。噴くほど楽しいギャグを織り込んでくる人って、頭の中どうなってるんでしょうか。
    　シュールなのがやりたくて、けっこう皆さんにシュールと言っていただけているので、そこのところは満足しております。タイトルとオチの関係も、わかっていただけないかもなーと思ってたので、案外好評で嬉しく思っております。
    　コメディはもう少し書けるようになりたいなあ。
    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2017年05月17日 21時17分01秒
 作者レス
  • ちゅやんさま
    　笑っていただけて嬉しいです。コミカルに書くのは得意ではないので、今回その点はとっても頑張りました。
    　続きは、無いです。続き物って企画に投稿してもいいんでしたっけ……。完全な読みきりです。
    　ありがとうございました。


    ag_harukawaさま
    　楽しんでいただけてよかったです。ホラーな題材なんですが、怖く書かずに軽く可笑しく扱おうと思って書きました。発想が貧困でして文章くらいしか売りがないので、そいつでなんとか楽しんでもらえたらと。
    　ありがとうございました。

    たかセカンドさま
    　シュール。ええ、それです。それがやりたかった。伝わってよかったです。
    　前半が冗長でしたか……冗だけに……いや、これはあかんやつですね。文章を楽しく味わっていただいたうえで斜めにストンと落とすのが理想だったので、まだまだ甘いということでしょうか。コメディの文体で無駄なく楽しませるのは難しいですね。
    　ありがとうございました。

    砂浜さま
    　ショートショートの肝であるオチにお褒めをいただいてうれしいです。やってよかったなぁ。
    　タイトルの意味は誰も気づかないかもしれないと思ってました。気づいていただけただけで喜んでいたんですが、みんなに気付いてもらったほうがいいに決まってますよね。うーん。わかりやすく強調して提示するのは大きな課題です。
    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2017年05月17日 01時47分23秒
 作者レス
  • 　みなさまありがとうございます。冗です。ありがとうございます。
    　一年ぶりにパソコンが直ったんで、小説の書き方を思い出したいなーと思っていました。そうしたら、目の前にＧＷ企画がぶら下がっていたのです。しかも二枚から参加できるとか。これはもう神様仏様ミチル様のお導きとしか思えません。そんなわけで、主宰様並びに運営の皆様方、このたびはこのような機会をくださりありがとうございます。
    　そしてこんな地味そうな、しかも短くてしょぼそうな作品を開き、読んでくださった方、あまつさえ感想までくださった方、ほんとにみなさまありがとうございます。全員にハグして回りたいくらいです。
    　投稿期間が始まってから書いたのは秘密です。息子に「ねーねーどんなオチがいいかなー考えてー」とおねだりしてオチのアイデアを手に入れたことはもっと秘密です。て、手抜きではないのです。それでも参加したかったのです。
    　個別のレスはじっくり感想を読み返しながらやっていきますので、今しばらくお時間をいただきたく思います。どうかご容赦くださいませ。
    　後夜祭も楽しんでまいりましょう。

    E-Mail pass
2017年05月14日 17時43分40秒
 +10点
  • ハリモトタマゴさんェ…‥。

    あ、面白かったっす。
    でもオチが怖かったっす。

    なにこれ怖い。
    不思議な卵っていうか不気味な卵だよこれ！

    いやぁ、オチにすべてを注いだショートショートな感じでしたね。
    ありがとうございましたー。

    E-Mail pass
2017年05月14日 12時26分10秒
 +20点
  • 　こんにちは。瀬海と申します。
    　拝読いたしましたので思ったことを幾つか。

    　フレンチトーストですが、食パンで作っても美味しいですよね。
    　あまり市販の食パンを漬け込みすぎるとぐずぐずになって焼きにくいですが、見方を変えれば、短時間の仕込みでそれなりに美味しい、お手軽スウィーツができるということでもあります。
    　自分はしっかり焼き色をつける派ですが、本編には関係ないのでこれくらいに。

    　唐突にシュールになりました。
    　何気ない日常の一コマからいきなり頭が吹き飛ぶというギャップが、おそらく御作の味になるのだろうと思います。
    　かと言って急すぎるということはなく、何故か卵が割れないなんてエピソードがちゃっかり伏線の役割を果たしていないこともないですので、割とスムーズに読むことができました。何というか……何でしょうか。この不思議な読後感は。
    　自分は直感型の読者ですので、これといった指摘はできませんがご容赦ください。

    　では、感想の半分が卵液に漬かっておりますが、自分からは以上となります。
    　執筆お疲れ様でした。

    E-Mail pass
2017年05月14日 06時15分24秒
 +10点
  • GW企画の執筆、お疲れ様でした。
    御作を拝読いたしましたので、感想を記したいと思います。

    卵をどう調理するか！？　というストーリーでした。
    登場する卵は終盤まで普通っぽかったですが（ただ、割れにくいというだけで）、
    ラストのオチで一気に不思議さを演出するところはお見事でした。


    ＞冷蔵庫を開けたら、卵が一つだけあった。

    自分ならチキンラーメンにしてしまいそうです。


    ＞空焚きのフライパンから、異様なにおいが立ち上り始めていた。

    ありましたね、他にも空焚きのフライパンが出て来る作品が。


    ＞そういえば高校生のころ、張本人という字をハリモトニンと読んで授業中に失笑を買ったことがあった。

    これは作者さんの実体験でしょうか？
    クスリとさせていただきました。


    ＞俺ら世代の知る壁ドンはこれである。

    これも面白かったです。


    ＞さらば、ハリモト。俺が死ぬか、お前が割れるか。

    アホらしい展開ですが、隣の鈴木さんが恐いということで、
    妙に納得してしまいました。
    きっと女性にはない発想でしょうね。
    個人的には、この辺りが「男の料理」かと。
    その後のオチも、予想外で面白かったです。

    今後のご活躍を期待しています。

    E-Mail pass
2017年05月13日 20時06分57秒
 +20点
  • 執筆お疲れ様です。「男の料理」を読了しましたので、感想を置いておきます。
    独身男が独り飯を作るという日常的なシーンがいつのまにかホラーじみた展開になり、オチでにやりとさせる私好みの作品でありました。短編はあまり好きになれないのですが、そうめんに入れるワサビのようにぴりりと捻りが効いた御作のような作品なら大歓迎です。あまり参考になる様な感想は書けそうにないのでこの辺で。

    E-Mail pass
2017年05月13日 19時30分18秒
 -10点
  • ・こんばんは、たてばんと申します。
    　拝読させていただいたので、拙いですが感想を落とします。

    ・これは好みの問題ですが、私はあまり好きなオチでは無かったです。
    　というのも、物語の問題は卵が割れないことですよね。なのに、なぜ頭が入れ替わるオチになってしまったのかと。それは問題のすり替えじゃないか、と思いました。
    　あと、この主人公は普通の世界の一般人ですよね。その人が超常現象に巻き込まれた瞬間がオチって……。むしろ物語が始まったとこじゃないですか。

    ・読み違いや勘違いがあったらすみません。
    　では、失礼します。

    E-Mail pass
2017年05月13日 18時11分10秒
 +30点
  • あまくさと申します。拝読しましたので、感想を書かせて頂きます。

    このオチはいいですね。意表をつかれました。

    日常のありそうなエピソードを切り取ったような小品かなと思いながら読み進め、文章に散りばめられた気の利いたユーモアに時々くすっと笑い。
    しかしながら、どうやっても割れないヘンな卵だなと思っていたら、「そう来たか！」というオチでした。
    ホラーと言うか、スパイスの効いたブラック・ジョークという感じ。お見事でした。

    オチ以外はストーリーがどうのという作品ではないので、気に入ったフレーズを抜粋してみます。

    ＞もたつけば麺が大変なことになるが、俺には十数年に及ぶ一人暮らしで培われた技術と自信がある。

    こういう大袈裟な感じがいいんですね。

    ＞果たして卵は割れないのである。

    後の展開があんなことになるなんて夢にも思わなかったので、「何が果たしてだよ？ｗ」とか思いました。

    ＞相変わらず白い顔でのうのうとコンロの横に転がっている。

    白い顔ってｗ

    ＞卵め、今からお前の名前はハリモトだ。

    今からハリモトってｗ

    ＞敵もさるもの丸いもの。

    このフレーズ、本当は「敵もさるもの引っ掻くもの」。丸いものじゃシャレにも何にもなっていませんが、文章の流れがよくて何となく面白かったｗ

    ＞ハリモトよ、お前はどこからきてどこへ行こうとしているのか。

    そう言われても、卵だしｗ

    ＞お前に慈悲はないのか。

    と来てから、

    ＞お前に白身と黄身はないのか。

    と、くっつけるセンスｗ　あるんじゃないですか、卵なんだから。

    ＞もうやだ。もう、俺は、嫌だ。
    ＞だって卵割れないし、隣の鈴木さん怖いし、俺は所詮この割れない卵みたいに役に立たない存在で、俺なんかいなくたって社会は変わらず回っていくんだし、俺はもう卵のカドに頭をぶつけて死んでしまったほうがいいのかもしれない。そうだ死のう、この卵のカドで、ってハリモトお前割れない食えないうえにカドすら無いのかよ。なんだそのなめらかなフォルムは、馬鹿にしてんのか。

    〜し、〜し、と繋げる文章が、ここまではまだセンスある饒舌で笑わせるだけのものかと思っていました。しかし、ドサクサにまぎれて「そうだ死のう」なんて言葉がまざっているのがオチの準備になっていたんですね。いやもう、お見逸れしました。

    それと、

    ＞なんだそのなめらかなフォルムは

    ……ｗ　そりゃ、卵だからｗ


    抜粋はこのくらいにしておきますが、まさかここからあのオチに繋がっていくとは！


    このくらいの短い作品として、私には欠点らしい欠点を発見できませんでした。
    強いて言えば、タイトルが少し物足りなかったでしょうか？　オチに繋がっているのは分かりますが、タイトルだけ見た時点ではあまり読みたいという気にさせないので、今少しピリッとしたやつが欲しかった気はします。無い物ねだりではありますが。


    私からはこれくらいです。企画参加、お疲れ様でした。

    E-Mail pass
2017年05月12日 01時30分18秒
 +10点
  • ( ノﾟДﾟ)コンバンハ　ナマケモノと申します。本作を読ませて頂いたので、感想を書かせて頂きます。

    |дﾟ)ちょっとした、プチホラー

    |дﾟ)以上、本作の感想でした。

    |дﾟ)いや、シュールすぎるSSでこう感想らしい感想が出てこないんです。なんか奇妙だなぁとか、そういえば昔なかよしの付録で似たような話がありましたなぁ。
    　
    |дﾟ)ワガママな女の子が地蔵の首を折っちゃって、その地蔵の首と女の子の首が入れ替わっちゃうって話。ラストのコマに地蔵の体に乗った女の子の生首がリアルに描かれてて、幼心にギャーとなりました。


    E-Mail pass
2017年05月10日 23時56分24秒
 0点
  • 　ロボ娘ちゃんがおすすめしてくれたので読みました。１５０点だそうですよ。すごい！

    　ラノベらしく軽快な語り口調が意識されていました。ただ途中途中に挟まれたギャグのパンチ力が物足りなく感じたのもあり、そこまで強くは引き込まれる感じじゃなかったかなと思います。とはいえ十二分に読みやすく読み終えるのに苦はありませんでした。

    　どうしても割れない卵と戦うというコミカルな内容が一転、語り口調はそのままで「卵と入れ替わってしまう」というシュールかつちょいとホラーなオチに繋がっていきます。主人公の語り口調に真剣さがまるでないのであんまり怖いって感じはしなかったですが、「男の料理」というのが「男自身が料理される」というのとかかっているのは上手だと思います。こういうのショートショートというのでしょうか？

    　創作お疲れ様です。これからもがんばってください。
    　

    E-Mail pass
2017年05月10日 23時44分47秒
 +10点
  • こんにちは、『男の料理』拝見させていただきました。

    これは、エスプリの効いた良いオチでしたｗ
    好きです。

    そして、もう一つ足りないような気がしつつも、どう手を加えて良いかよくわからない感じがすごいです。
    うん、とりあえずこんなの、私には無理。


    私からは以上です。
    それでは、執筆お疲れ様でした！

    E-Mail pass
2017年05月10日 12時30分50秒
 +20点
  • こんばんは、感想を置いていきます。

    これはまた、面白いかったです。
    理由のない理不尽。グロテスクでいてコミカル。頭と卵が入れ替わったところでは、思わずクスリと笑ってしまいました。
    まさしくショートショートらしいシュールかつ明快なお話でした。構成も文章も、無意識か意識的にかはわかりませんが短編の妙を活かしてあり、特に読み終わった後に理解できるタイトルが秀逸です。

    こういう作品をさらりと書いてあるあたりに、あるいはさらっと書いてあるように読ませるあたりに作者様の積み上げた力量を感じさせます。
    どうぞ、ご自分の創作活動に邁進されてくださいませ。

    それでは失礼いたします。

    E-Mail pass
2017年05月08日 06時54分36秒
 +10点
  • おはようございます。たぬきです。
    お前に白身と黄身はないのか。の一文が気に入りましたが、その後に続く文章がちょっとわかりづらかったというか、石頭のくだりが飲み込めずなんで茹でないの？ってなりました。
    オチはなんだか不思議ですがゾッとする感じで、でも全然ゾッとしない書き方なのでシュールギャグのように見てしまいました。おもしろかったです。

    E-Mail pass
2017年05月02日 23時27分02秒
  • これは綺麗なオチ方をしたなあと。
    ただ、もしかするとオチが「男の料理」＝「料理される男」
    だと気づかない人もいるかもしれません。
    となると本作が単なるシュールになってしまう恐れがある。
    だからオチの前後で改めて「男の料理」というのを
    もう一度強調すれば、もっと分かりやすくなるのではないでしょうか。

    E-Mail pass
2017年05月02日 21時26分06秒
 +20点
  • こんばんは。
    「男の料理」を読ませていただきましたので、感想を残させていただきます。

    なんてシュールなｗ

    妙なオチでクスッとしてしまいました。
    自分茹でるのかよ！

    ラストは最高でしたが、前半が少し冗長と感じてしまいましたのでもうひとつ何か……しかけがあるともっと楽しめたと思います。

    読ませていただき、ありがとうございました。

    E-Mail pass
2017年05月01日 00時33分32秒
 +20点
  • 軽快なノリで楽しく読めました。
    コメディなのかと思いきやこれは、……ホラーですな（笑）
    執筆お疲れ様でございます。
    私も御作のような楽しい文章が書けるようになりたいです。

    E-Mail pass
2017年05月01日 00時04分56秒
 +20点
  • おもしろさと不思議さが絶妙なバランスで書かれていて短い作品ながら途中何度も吹きました。笑

    ただ内容のオチには正直続きが気になるほど惹きつけられる感は無かったので作者さんの思惑がまるっきりの読み切りなのか続きを彷彿させたかったのかは読み取れませんでした。

    E-Mail pass
合計 15人 190点

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