キャッチコピー集

Rev.01 枚数: 15 枚( 5,870 文字)

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※この投稿は集計対象外です。
 こんばんは、GW企画運営です。
 お忙しい中で本企画に挑んだすべての方に感謝申し上げます。
 いよいよ感想投稿期間となりました!
 個性豊かなキャッチコピー集となります。
 どの作品を読むのか迷った時に、参考にしてくださると幸いです♪

◇タイトル:遺書は捨てても蘇る
◆キャッチコピー:ごめんね。ちくしょう。


~書き出し~
 自分と関係ないところで起きている危機や悲劇は、なんだか少しわくわくする。
 成績を落とした妹が、リビングで叱られている声を自室で寝転んで聞く時だとか。
 交通事故現場で血塗れになって倒れる人の隣を、自転車で走り抜ける時だとか。
 ソフトボールの部活の試合で、先輩が酷いエラーをして試合が無茶苦茶になる時だとか。
 不幸に陥る人達を嫌っている訳じゃないのだ。ただ人の危機や不幸を目の当たりにすることで、自分が今安全であることを心から感じられるのが痛快なのだと思う。優越感に浸り偽悪に酔い暗い快感を愉しむ。そういう感覚はきっと誰にでもあるのではないか?


◇タイトル:量子コンピュータ搭載の人工知能(AI)が世界支配を手助けする
◆キャッチコピー:「火野君の話しでは、白鳥さんが合州国と○シアに核攻撃をするらしいわ」


~書き出し~
 二月十四日、高校二年生の三学期も後半に入り、皆が待ちわびたバレンタインデー当日のことだった。
 昼休みに青山竜一が校内の売店にいると、玄川明妃(くろかわ あき)が声を掛けてきた。
「放課後に体育館の裏に来てください」
 意外だった。
 玄川明妃はいつもクラスでは控え目に振舞っている。だが、頭の回転は早いし、会話も上手で社交的だ。きらめくような美貌をもち、おしゃれでエレガントだ。
(玄川明妃は、上級市民のお嬢様だ。ボクとはカーストが違う)
 だから青山竜一は、これまで玄川明妃とは特に接点を持たないでいた。


◇タイトル:手に手を取って
◆キャッチコピー:《本日ご紹介いたしますのは、未来型のAIを搭載した量子コンピュータでございます》


~書き出し~
「……何の用だろう?」
 浅井透(あさい とおる)は思わずつぶやいた。
 昼休みが終わり、授業開始を告げるチャイムが鳴った時だった。ひとりの女生徒が浅井透の机の上に細かく折りたたまれた紙を置いた。小柄な女生徒は、そのまま早足で教室の前へと進み、席についた。
 西山茜(にしやま あかね)だった。艶のある黒いショートヘアから少しだけ見える茜の耳がちょっと赤くなっているように思えた。そのあと茜は背筋をのばしてじっと黒板を見つめている。
 浅井透は固く折りたたまれた紙を慎重に開いた。几帳面な字で、『放課後に理科準備室に来てください』と書かれている。


◇タイトル:マドハンドの行く手には…
◆キャッチコピー:マドハンドが現れた!


~書き出し~
第1話:マドハンドの日常

 魔王バラモスが世界征服を企む世界。
 マドハンドAとマドハンドBは、そんな世界の片隅で暮らしていました。
 時々仲間に呼ばれ、勇者たちと戦います。
 そして二本は他のマドハンドと混ざって勇者に挑み……返り討ちに遭う日々を繰り返していました。

 ある日、マドハンドAがため息とともに愚痴をこぼします。
『こんなことを続けてなんになるんだ』
 Aの意見にマドハンドBも『まったくだ』と同意し、続けます。
『勝てもしない戦いに駆り出され、踏んだり蹴ったり。


◇タイトル:常世の食事
◆キャッチコピー:それは誰のために、なんのために用意されたのか。


~書き出し~
 灰谷(はいたに)から連絡があったのは数年ぶりのことだった。転勤族で全国を転々としてきた男だったが、数か月前にこちらに赴任してきたのだという。

「懐かしいなぁ、元気にしてたか? お前、ちっとも変わってないな」

 居酒屋で相合を崩した灰谷こそ、かつて大学で一緒にバカや無茶をやった頃から、少しシワと白髪と脂肪が増えたくらいだ。若々しいというか、成長がないというか。
 そう言ってやると、笑いながらテーブルの下で足を蹴られた。それそれ、そういうところがまだガキだってんだよ。
 かつての仲間というのはいいものだ。瞬時に時空を超えて、甘酸っぱく輝いていたあの頃に心を戻してくれる。


◇タイトル:Zのネックレス
◆キャッチコピー:ところで、この事件でお前は何に一番腹が立った?


~書き出し~
 俺——クレッグ・ホールはその日、妙に胸騒ぎが止まらなかった。そして、夕方になってその嫌な予感は見事的中した。
 二〇二三年五月二十一日。ワイオミング州で警官をしている俺と、同僚のサム・ディッカーソンは、イエローストーン国立公園のほど近くにあるホテルからの通報を受け、支配人に聞き取りを行っていた。俺が支配人と話し、サムは調書を取った。
「それで、白人の二人連れがホテルに戻ってこない、との通報でしたが」
 支配人はニック・ゴードンという初老の男性だった。
「はい。一昨日から当ホテルに滞在されている男女二人連れが、夕食時になってもお戻りにならないのです。それだけなら、通報したりはしませんが……掃除に入ったスタッフが、これを見つけたのです」


◇タイトル:あえかな彼女は苦痛の女王
◆キャッチコピー:助けて、お父さん。


~書き出し~
 ※残酷描写あり。

 ※残酷描写あり。

 そのゲームは単に『決戦』と呼ばれていた。
 ルールは然程複雑ではない。まず、向かい合う対戦相手二人の左手を、中央のテーブルに固定する。そして自由になる右手を使って相手の固定された左手を攻撃し合い、痛みに耐えかねて降参した者が敗者となる。
 道具の持ち込みは自由。複数持ち込むことも許されるが、総重量は一キログラム以内。
 ペンチで相手の指を潰す者、熱した針を爪の間に差し込む者、ナイフで指を切り落とす者など、戦術は様々。運営が用意した道具の中から好きなものを選択する場合がほとんどだが、極一部特注した拷問器具などを持ち込む者も存在する。
 今宵もまた、新たな『決戦』が始まろうとしている。


◇タイトル:Clione
◆キャッチコピー:触手プレイ


~書き出し~
 クリオネ――流氷の天使。
 可愛い外見とは裏腹に「バッカルコーン!」が非常に有名であり、そのえげつない捕食風景は一瞬で天使のイメージを反転させてしまう。ぱっくりと二つに割れた頭部から俄かに触手が這い出てくる光景は、グロテスクな印象を与えられるがどこかしら淫靡でもある。
 和名、ハダカカメガイというのも何となくエロティック。裸。亀。貝。……あれ、夜の営みかな? なんて連想をしてしまっても無理はないだろう。それを念頭に置けばクリオネと言う名称もアレであり、誰かしらが狙って付けたのではないかと疑いたくなる気持ちもあるのだが――問題はそこじゃない。
 巨大なクリオネに教頭が襲われていることである。


◇タイトル:帝国の女戦士
◆キャッチコピー:ポストアポカリプスな近未来を舞台に、女戦士が手とかを狩るお話。


~書き出し~
※※※ 流血+若干の胸糞描写あり。


 帝国の兵士は敵兵の手を切り落とすことから恐れられています。
 ただ、それは敵が噂するように、私達が手に対して変態的な嗜好を抱いているからなんてことではなく、戦功の証明に使うからなのです。自分がぶった切った手の数や、刻まれた入れ墨によって報償や昇進が決まるとなれば、多少気色が悪くてもそりゃ一生懸命に敵の手を切るでしょう。
 そんな訳で、帝国の戦では、腰に備えた専用の金具にいくつもの手をぶっ刺した兵士が走り回ることになります。彼らの多くは戦闘の興奮でさも愉快そうに笑っています。腰にいくつもの他人の手を携えた兵士が、死体がごろごろ転がる中を狂人じみた笑いを浮かべて走り回るのですから、その光景は地獄と言っても過言ではなく、初めて見た兵士は恐怖と絶望に支配され、中にはそのまま自死する者もいるそうです。


◇タイトル:武骨な重機は俺の手足だ
◆キャッチコピー:「これで憎悪の連鎖が断ち切られたわけだ」


~書き出し~
 注意:作中に殲滅場面が描かれています。

 ここは最前線に近い野営地だ。サイボーグ兵団『殲滅師団スキュラ』が駐屯している。
 かつてここには肥沃な農地が広がっていた。いまは見わたす限りの荒れはてた大地に太陽が無慈悲に照りつけている。
 本日は戦場レポーターが取材にくるそうだ。
 物好きなことだ。
 出迎えるために集合する兵士たちの姿は、屠殺場へ向かう家畜を思わせた。
 激戦が終わり、戦死者も多くでた。すでに主要部隊の移動が開始されている。
 集まった兵士の数は、惨めなほど少なかった。


◇タイトル:宇宙の墓場同好会
◆キャッチコピー:宇宙の途方もない広さと、絶対零度の冷たさが、時には人を救うのだ。


~書き出し~
「あ……死にたいかも」
 春も深まったある金曜日の夜、私——天野満宵(あまのまよい)はふとそう思った。
 世間一般では違うかもしれないが、私にとって、死にたいという感情はさほど珍しいものではない。子供の頃からずっと、心の中にその感情は確かに存在していた。
 嫌なことがあった時だけでなく、真っ赤な夕焼けを見た時や、ずぶ濡れで死んだ子猫を見つけた時、その感情は不意に訪れた。だが、それは実行に移すほど強く私を揺さぶることは一回も無かった。言うなれば、「一億円欲しい」と思うのと同じような感じだ。例えが合っているか分からないが。
 しかし今回に限っては、私はこれまでに無い程揺さぶられていた。


◇タイトル:雨のBOXER
◆キャッチコピー::豪雨の中、BOXERは峠を駆ける!


~書き出し~
 しゃぁぁぁぁぁぁ!
 豪雨の中、峠道を駆け抜けるポルシェ。リアエンジンリアドライブの特性を生かし、雨の中でもタイヤはグリップを失わない。時折カーブで『故意に』スリップをさせ、まるで滑るようにコーナーをクリアーしていく。

「ツルギ、次、左、松!」
「おう!」

 バシ! バシ! 相棒の五十嵐悠(いがらし・ゆう)の指示に、運転手(ドライバー)にして車のオーナーである真船剣(まふね・つるぎ)がハンドルの脇についた翅を引き、ギアを落とす。瞬間、エンジンが高回転の咆哮を上げ、1.5トンもある車体の速度を落とすよう命ずる。


◇タイトル:顔のない女
◆キャッチコピー:「鏡よ、鏡。この世で一番うつくしいものは……」


~書き出し~
*一部残酷な描写を含みます。




 青い蝶が飛んでいる。鮮やかで美しい蝶。
 それは思わず掴みそうになった十歌(とおか)の指先に止まってぱたり、ぱたりと翅を閉じた。
 綺麗な蝶だった。翅は青く光る衣を纏って黒い模様で彩られている。
 指先に止まったそれはほんの一瞬十歌の目に青い色彩を映して指先を離れ、空を舞った。
 青い蝶はひらひらと飛ぶと山道の柵を乗り越えていく。
 蝶の先にはこの××市の市街地を一望できる風景が広がっており、観光客はこぞって見に来るが小さい頃からこの景色を見慣れている十歌はありふれた光景が広がっているだけだった。


◇タイトル:救済の手
◆キャッチコピー:その手は誰を救う


~書き出し~
 ジャックは老若男女の人間を看取って来た。
 不思議なことに、死期が近付いた人間は何かに縋るように手を伸ばしてくるのだ。
 目の前のベッドで横になっているロバートも例外ではない。
「どうした。苦しいのか?」
 白衣姿のジャックの問いに、ロバートは口で答えることができず、代わりに、ジャックの胸ぐらを力いっぱい掴んだ。
 そのことについて、ジャックは意に介せず淡々と説明をし始める。
「キミには少量の鎮静剤を打ってある。少し眠くて力が入りづらいかもしれないが、心配する必要はない」
 ジャックは震えるロバートの手を握り、胸元から優しく引き離した。


◇タイトル:四本腕のジャコウさん
◆キャッチコピー:「わたくし、ご恩返しに来ました」


~書き出し~
「おかえりなさい、ナルミさん。わたくし、ジャコウと申します。ご恩返しに参りました」

 重たい足を引きずってようやっと帰宅したナルミをそんな言葉で出迎えたのは、どこからどう見てもバケモノだった。
 なにしろそいつには、腕が四本あったのだ。
 凹凸の少ない華奢な立ち姿と優しげな顔立ちから、おそらく性別はメスであろう。体にピッタリフィットする墨色のワンピースは、足首あたりに橙色の斑模様があしらわれている。長いまつげに縁取られた黒目がちな瞳に濡れたような黒髪と、不吉な色を身に纏うそいつには、しかし目が離せないような妖しい魅力も備わっていた。
 そして、腕が四本。


◇タイトル:僕の触手をとらないでね
◆キャッチコピー:触手が嫌いな男子なんていないのでしたよね?


~書き出し~
湿り気を帯びたヒモ状のものが少女へと忍び寄る。

それは触手だ。

グロテスクな容貌な触手は、幼くも厚みのある太ももに絡みつくと、一気に獲物を宙へとつり上げた。
そこに至り、ようやく窮地に気づいた少女は悲鳴をあげるが意味はない。
相手の自由を奪った触手は、獲物から滴る水分を求め身体に食い込んでいく。
そして服の上からでは効率が悪いと判断したのか、その内側へと伸び出して行くのだった。

「……うらやましい」



◇タイトル:君のサーヴァントになりたい
◆キャッチコピー:マスターの仰せのままに


~書き出し~
『すごいよコレ。ビックリだよ!』

 地下アイドルやってる姉貴からラインが来た。
 白い腕時計の写真と一緒に。

『すごいって何がだよ』

 俺はすぐに返信する。
 腕時計がすごいと言う姉貴ににわかに賛同できなかったから。

『白い腕時計ってホワイトウォッチーズのアイコンだろ? 姉貴が着けるのは当たり前じゃん』

 姉貴が所属しているのは『ホワイトウォッチーズ』という女性三人組の地下アイドル。
 お揃いの白い腕時計がアイコンで、踊りながら歌うパフォーマンスをウリにしている。


◇タイトル:Qのまま
◆キャッチコピー:指は性器です。


~書き出し~
※ちょっとエッチです。

 指は性器です。
 わたしは確信をもってそう定義していました。
 そもそも、性器とは何か。
 それはヴァジャナイナか、ヴァジャイナの中に入る何か、ということになるのだと思います。
 つい先月行われた保健体育の授業において、ヴァジャイナの中に本来入るべきものは、少なくとも生物学的には男性のおちんちんなのだと説明されていました。
 わたしとてもう十三の娘です。お年頃です。それしきのことは友人との会話他様々な媒体で得る情報などから薄っすら把握していましたが、改めてその事実と直面してみると、それは忌避感を伴う事実として認識されたのでした。
GW企画運営

3024年04月29日 00時09分00秒 公開
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