【跡地化】【超長編】気まぐれハイブリッド異世界転生

Rev.02　枚数： 3 枚（ 840 文字）
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でんでんむし

2023年12月31日 23時50分06秒 公開
■この作品の著作権は でんでんむし さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
◆キャッチコピー：
ざまぁされる勇者×無気力悪役令嬢。異色にして究極のコラボレーション！！
◆作者コメント：
これまでで類を見ないほどの大大大難産でございました。
厳しい中ではございましたが、なんとか書ききる事はできました。

2024年01月21日 19時23分29秒
 作者レス
  • 　企画に参加された皆様、お疲れさまでした。

    　知り合いから「君が書いてるのは面白いけどもっと流行りを意識しないと生き残れないヨ」みたいな事を（ちょっと上から目線で）言われたのですが、でも確かにその通りだな～と納得できる部分もあって、今回は最新の流行りを勉強するつもりで制作しました。

    　これが思ったより大変で、特にテンポについてそれなりに自信はあったのですが、最新の成功作と比べたら三千歩くらい遅れていました。恐ろしい時代になったものです。

    　今回の目標については特に序盤は一話を二千字でまとめる。これが必須科目なのですが、本当に大変で二千字とか無理やろ！　とちょっと頭おかしくなりそうになりましたが、これができるようにならなきゃダメなんでしょうね。

    　後は異世界転生。更に自分のユニークポイントを表現する。文体やスタイルもちょっと変えてみようと思ったのですが、やはり普段の自分のやり方を変えるのは、かなり負担が多いんだなと思いました。

    　最初はざまぁされる勇者をメインテーマに書いていたのですが、実は同じようなのが結構ゴロゴロしている事が判明して（最初に調べろ）完全に躓きました。

    　もう断念しようと思ったのですが、悪役令嬢の作品を読んだらとても面白かったので、それをミックスすることにしました。ただ、これは難易度が高すぎた気がします。

    　最初はめちゃくちゃ暗かったです。なんかずっと主人公が謝ってばかりで、これを読んでいて面白いのか？　と疑問になるレベルでした。文字も三十万字くらいありましたし、なんか個性も弱い気がしました。

    　それで悪役令嬢をさらに捻って無気力悪役令嬢にしてみたら、かなりしっくり来たので、これを起点に作風を柔らかくしてさらに読んでいて面白かった『勘違い系』に挑戦してみようと全削除してみました。ちょうど文字数の削減になるし。今作の題材で唯一これならマッチしそうな気がしたのですが、これもちょっと高等テクニックすぎた気もしますし、結局いつも通りの酔狂というか癖の強い作品になってしまった感があります。

    　時間もギリギリで色々と大変でしたが、なんとか気力でやりきれました。よかったです。
    　とにかくたくさん勉強になった会でした。感想を頂いた皆様に感謝です。

    　今回もハイレベルな作品が多かったと思います。点数評価をしなければならなこともあってか、めちゃくちゃ夢中になって読んでしまいました。楽しかったです。
    　かなりジャンルがばらけて割と読者で好みが別れた印象があったのが今回は特に面白かったですね。全てを読み切れなかったのですが、その中でも様々な読者の意見が飛び交って好きの気持ち、あるいはその逆の気持ちが混ざり合っているのが企画らしくて非常に素晴らしかったです。
    　しかし、前から薄々気付いていたのですが、自分はファンタジーを読むのがめちゃ苦手な事が分かりました。最近は本当にファンタジーが強いと思うので、読む勉強をしつつ需要を理解できるよう頑張りたいです。
    　
    　それでは失礼します。今回も楽しませてくれてありがとうございます。

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2024年01月19日 20時09分51秒
 +30点
  • 　いさおと申します。拝読致しましたので、感想など書かせて頂きます。


    　昨今流行りのざまぁ系と悪役令嬢のハイブリッド。一見素人の「ぼくのかんがえたすげえ小説」的な強引極まりない手段ですが、それを最後まできっちりやり通したセンスと力量は素晴らしかったです。今回投稿された作品の中でも、その完成度は一、二を争うものではなかったかと感じます。奇抜なアイデアと、それを貫き通す実行力と筆力、おみそれしました。
    　また、最終的な敵役の据え方も良かったと思います。同じ様な展開の作品を実は今回の企画でも目にしましたが、こちらに出てくる悪の天使メイズは悲劇に傾倒しているという点においてより強いオリジナリティがあったかと感じます。その彼女を、最終的に悲劇のヒロインにしてしまうという展開には思わず膝を打ちました。素晴らしい締め方だったかと思います。

    　一方、気になる部分もありました。
    　ひとつは既に他の方も指摘されておりましたが、勇者グロウが今まで行ってきた悪行を全て「試練だった」で済ませた所はいかがなものでしょうか。どうやらかつての勇者はちょっと気に入らない事があると平気で人を殺す様な残虐な人物。であるならばこれまで理不尽に殺された人だって沢山居た筈。それを全て「試練」の一言で済ませる事が、はたしてできるのでしょうか？　彼が今まで溜めたヘイトを考えると、ちょっと無理があるのでは。
    　それと、個人的にはここが一番勿体無く感じたのですが、キラーがスティールの存在を明かすのが早すぎる所。これのお陰でメイズ戦を読んでいる時には既に（きっとキラーが精霊石を盗むんだろうな）と簡単に予測できてしまったのは残念でした。キラー自体はとても良いキャラで、しかもメイズ戦での切り札になる重要なキャラであっただけにこれはいかにも勿体無い。元々凄腕の盗賊である事、そしてフィオナから隠密の修行を受けている事、このふたつでも充分伏線として成立すると僕は考えます。
    　あと、これは前ふたつに比べれば些細な事ですが、勇者の力が戦闘中にどんどん判明していくのは若干後出しジャンケン的な感じを覚えました。元の勇者が愚劣であったが為に本来の力を発揮できていなかったというのは素晴らしい着眼点でしたが、それが何度も続くとちょっと興覚めしてしまいます。

    　
    　などといくつかいちゃもんを付けさせて頂きましたが、しかし御作が今企画屈指の良作であろう事は疑いの無い所です。こういった作品と勝負できる事を、僕は心から感謝しております。
    　乱文ご容赦を。
    　お互い企画を楽しみましょう。

    E-Mail pass
Re: 2024年01月21日 17時25分47秒
  • 　いさお様　最後まで読んでいただきありがとうございました！

    ＞昨今流行りのざまぁ系と悪役令嬢のハイブリッド。一見素人の「ぼくのかんがえたすげえ小説」的な強引極まりない手段ですが、それを最後まできっちりやり通したセンスと力量は素晴らしかったです。

    　ありがとうございます。異世界転生はかなり好き嫌いが別れると個人的には思っていまして、ある意味では最も読者を選ぶと内容なので褒めてもらえたのがとても嬉しく思います。

    ＞最終的な敵役の据え方も良かったと思います。

    　個人的には好きな表現でして、悲劇に拘る人物が自分自身にその悲劇を享受した場合、それで喜べるかどうかで本物が決まるみたいなテーマでした。答えはあえて出さずに本人が喜んでいたかどうかは読み手様の解釈次第とさせていただきました。

    　＞勇者グロウが今まで行ってきた悪行を全て「試練だった」で済ませた所はいかがなものでしょうか。　

    　ここは設定的に強引に行きすぎました。あまりコメディにしていい場面で無かったですね。勇者の設定はもう少しマイルドにしてみようかな、と思います。

    　＞それと、個人的にはここが一番勿体無く感じたのですが、キラーがスティールの存在を明かすのが早すぎる所。

    　これはちょっと想定外の指摘でした。鋭い方はこの時点でここまで完璧に先が読めてしまうのですね！　この展開が『伏線回収が面白い』となれば良いのですが『先読みしやすくて平凡』となってしまっては良くないですね。
    　あえてスティールの単語は最後まで隠すのも手かもしれません。

    　いさお様のエルフの里のコックさんはとても楽しく読ませていただきました。特に文章面の読みやすさは凄く勉強になりました。まさか自分以外に異世界転生に挑戦する方がいると思ってなかったので本当に驚きました。あとタイトルの文字数で苦戦してたのが自分以外にもいてちょっと共感できて嬉しかったですｗ

    　それでは失礼します。感想ありがとうございました！

    E-Mail pass
2024年01月12日 20時17分08秒
 +40点
  • 　拝読いたしました。朱鷺（とき）と申します。
    　『ざまぁされる勇者×無気力悪役令嬢』を楽しませていただきました。
    　内容は、ゲーム世界、勇者への転生、婚約破棄された悪役令嬢、奴隷エルフ、スローライフ、勇者に追放された魔物使いの成り上がりなどなど、いま人気のある分野やギミックの単なるコラージュ。と思わせておいて、勇者はざまぁされる寸前から開始させられる鬼畜のスタート。勇者が頼った悪役令嬢は、やる気のない現役女子高生。などなど、ひとひねりもふたひねりもある設定でした。
    　王道をしっかりと押さえたうえで外してくる。
    　似たテイストの作品として、スレイヤーズの第一巻が思い浮かびました。
    　さらに、すでに”悪い”という定評のできてしまった勇者が、いかにして苦境を乗り越えてゆくか、手に汗をにぎる展開が待っていました。
    　苦難につぐ苦難を乗り越えてゆく登場人物たちの活躍は、読んでいて実に爽快でした。
    　これぞまさにラノベと感じました。
    　大大大難産のすえに完成した本作を無事に拝読できて本当に幸せでした。
    　執筆まことにお疲れ様でした。次回作も楽しみにしております。

    E-Mail pass
Re: 2024年01月21日 16時05分01秒
  • 　朱鷺（とき）様。いつもお世話になっております。今作も最後まで読んでいただき誠にありがとうございます！

    　＞内容は、ゲーム世界、勇者への転生、婚約破棄された悪役令嬢、奴隷エルフ、スローライフ、勇者に追放された魔物使いの成り上がりなどなど、いま人気のある分野やギミックの単なるコラージュ。と思わせておいて、勇者はざまぁされる寸前から開始させられる鬼畜のスタート。勇者が頼った悪役令嬢は、やる気のない現役女子高生。などなど、ひとひねりもふたひねりもある設定でした。

    　めちゃくちゃひねりまくった感のある作品となってしまいました。もうねじりハチマキ状態です笑　楽しんでもらえたことを嬉しく思います。

    　＞似たテイストの作品として、スレイヤーズの第一巻が思い浮かびました。

    　スレイヤーズはファンタジーを真面目だけの一辺倒には書かず、面白おかしく表現するというライトノベルの形として、当初はめちゃくちゃ斬新だったみたいですね。王道を目指しつつも、自分も新しい事に挑戦する心は常に持っていたい所ですね。

    　シナリオも楽しんでいただけて嬉しいです。ラノベらしさを上手く表現できていたのかちょっと心配だったので、魅力が伝わってよかったです。

    　＞大大大難産のすえに完成した本作を無事に拝読できて本当に幸せでした。

    　本当に大変でした。何回も書き直して迷走していた感もあっただけに楽しんでいただけたのが心から嬉しいです。

    　それでは失礼します。今後ともよろしくお願いします。

    E-Mail pass
2024年01月09日 07時20分44秒
 +20点
  • 2/2

    　続きです。

    　キャラクターにも触れておきます。

    　主人公は前述しましたがそんなに格好良かったり有能な感じはしないなりに、読者との距離が良い意味で近く、とにかく親しみ易い感じに描かれてはいました。
    　良くこの手の主人公に対して「こんな奴が好かれるのが分からない」みたいに言われることがありますが、今作はハーレムって程ハーレムじゃない上、こいつ自身格好良くはなくともちゃんと優しいので、ある程度受け入れられるのも理解が出来ます。優しいだけでなく、ちょいおもろいですよね。独白がいちいち愉快だし。
    　こいつがこいつのままで物語を進め完結させる為には、どうしても作中世界がイージーにならざるを得なかった、と考えると、やはり上記のような点も匙加減レヴェルの話なのかな？　と思ったりもしています。

    　半面ヒロイン達の魅力は全体的に弱いかなと。同時に、魅力は弱くとも個性自体はあるのかなとも。

    　悪役令嬢ちゃんは面倒くさがりという個性はありつつも、面倒臭い面倒臭い本人が口でいう以上ではないのがやや残念ではあります。とは言え素直な良い子であるのは分かるので不快感とかはまったくないし、ともすれば主人公以上に活躍していることもあって、他のキャラと比較した際のメインヒロインとしての格はあると思います。
    　とは言え主人公に媚び諂っていなりの（媚び諂うのが良いという訳ではなく）可愛らしさがあるという訳ではなかったのかなと。個人的には可哀そうは可愛いな人間なので、悪役令嬢として周囲から冷たい扱いをされるシーンとかもっと書いて欲しかったところではあると思います。

    　侍女さんは普通に格好良かったですが、ヒロインちゃんを慕う気持ちや責任感自体は伝わっても、そこをもっと掘り下げて欲しいというか、現在だと職責であるからというのしか見えて来なくて絆みたいなものを説得力が足りてない感はあったかなと。前任者とは別人になったヒロインちゃんと新たに関係性を構築していく流れとかももっと描いて欲しいですね。

    　ニーナちゃんは、それで勇者を慕うっていうのは健気な彼女のキャラクター性だし、何でもいうこと聞いちゃうのも強力な個性で良いと思います。ただ強力な個性だけに、これほどの一途さを持てる精神構造ってのをもっと掘り下げてじっとり描いてくれれば、どこまでもより良いキャラに出来る余地はあったのかなと。
    　冷静に考えると理由はどうあれ殺人の共同正犯レベルかそれに近いことはしてるんだろうし、反省して裁きを受け入れようとしている点を酌量したとしても、主人公の弁護で死刑は免れたけどそんでも一応何年かくらいは牢屋に行くみたいな結末の方が、倫理観のバランスは取れるとは思います。少なくとも主人公の庇い立ての仕方には首傾げるところもあったかも。

    　カイルは前任勇者に何されてたかっていうところの描写が弱いってのは感じましたね。作品のテーマ考えると主人公の次くらいには深く描写されてなきゃいけないポジションだとも思うし、『復讐』っていうかなり強い感情を持ち合わせてる人物ではあるんで、そのあたりの感情の掘り下げやされたことに関する事実の提示などはあっても良かったかなと。
    　半面、復讐心を捨てるまでの導線自体は、それなりにちゃんとあるようにも評価してます。悪役令嬢ちゃんの説得が腑に落ちたってのが

    　あとはキラー。おまえがMVPだ。こいつはキャラクター賞に票入れると思います。

    　ラスボスの悪役天使ちゃん。このポジションのキャラをラスボスに持って来たということ自体は物凄く関心したのですが、このキャラ自体は弱かったです。もっと邪悪かコミカルかどちらかに振り切っているか、背景とか人格面とかもうちょっとしっかり練って置けばより盛り上がる終盤になったかなと言う印象です。



    　総評としては。

    　物語の流れや構成面に問題はなく、かつ魅力的なシーンもしっかりとあり、良いところはとても良い魅力ある作品です。

    　半面、主人公にとって物語世界がどこまでもイージーである点が、盛り上がるべき展開を盛り上げ切れていないというこの手の作品特有の短所もしっかりと感じさせるようにも思います。
    　ただそのぬるま湯い世界観が、そのまま主人公の語り口調の気質ともマッチしているという話もありますので、ここは賛否両論点とするべきなのかな？　とも思います。あんまり深刻な描き方をしちゃうと、この雰囲気の作品にはならないよ、というべきか。

    　そもそも色々言った点についてはあくまでも賛否両論点であり、気にしないと言う人はとことん気にしないような気もしますし、そもそも小説を評価する上で短所っていうのが締めるウェイトは然程大きなものではないと考えています。創作物というのは基本的には良いところ尖ったところ同士をぶつけ合って競い合うべきものだと言う話もありますからね。面白かったです。

    　創作お疲れ様です。これからも頑張ってください。

    E-Mail pass
2024年01月09日 07時20分20秒
 +20点
  • 1/2


    　読了しました。

    　何にとは言いませんがとてもびっくりしました。もしかしたら作者様も同じびっくりを味わう可能性もありそうですが、とにかくびっくりしました。あんまり触れすぎると規約違反になる箇所なのでこの辺にしておきます。

    　この手の異世界転生系は完全に守備範囲外なのですが、悔しいかな、感心させられる点の多い作品でした。

    　特に良いと思ったのが中盤・キャラクター達の秘めたる実力が次々とカミングアウトされるアビスワーム戦と、終盤のラスボス戦です。

    　中盤のアビスワーム戦。最初、勇者の秘めたる才能が発揮されるところでは驚きを感じつつ、「結局主人公に都合の良い奴じゃん」と冷めた気持ちにもなりましたが、その後他のキャラクターでも同じことをどんどん被せていったことでどうでも良くなったというか。勢いに押されてそんな変なケチをつける気にならなくさせられたのには参りました。
    　主人公だけが強くて恰好良くて都合が良い訳じゃなくて、他のキャラクター達がそれを凌駕する、霞ませる程の実力があるというのが、あくまでも主人公だけに良い思いをさせるこの手の作品特有の嫌な感じを出さずに済ませているんじゃないかなと。

    　そしてラスボス戦。個人的にはここを一番評価しています。
    　何が良かったかって、これ以上なく「作品に相応しいラスボス」である点。
    　一見すると、『ざまあされる勇者』たる主人公の敵対者に相応しいのは、ざまあする側の魔法使いであるカイルな訳ですが、しかしよくよく考えるまでもなく彼は悪人でも何でもない、むしろ善良な存在でなければ辻褄が合わない存在です。
    　そんな彼が話の通じない復讐鬼と化して主人公と対峙するだけでは、ただ良くあるざまあ系のテンプレを単純に反転させただけの、最も芸がない類の逆張りにならざるを得ないところですし、途中の展開でそうなってしまうことを一度危惧しました。
    　しかし彼が実は悪の天使なる存在に操られていただけであると分かり、その悪の天使がラスボスとして君臨する訳ですが、これが本当に諸悪の根源に相応しい。
    　そうなんですよね。望まぬ転生をさせられて苦心する主人公達にとって真の敵は、彼らを転生させた存在以外他にないんですよ。仮にカイルか、そうでなくとも物語世界内の誰かがラスボスを務めることになってしまえば、結局は物語世界を構成するメタ存在の手の平の上で行われる物語に過ぎない訳で。主人公達が真に自らの尊厳と、与えられたものでない幸福を勝ち取る為には、何かしらの形で相手の思惑を上回り神殺しを果たさなければならないんですよね。
    　しかもメタ存在である悪の天使をはっきりと無敵の神として描いた上で、ご都合主義に力勝ちするのではないところが良いですね。トーリーテラーとしての拙さ・キャラクターの実力の把握漏れという、物語世界内で主人公達を弄ぼうとしたメタ存在としてはもっともしてはいけないミスを咎める形での勝利になっているのが良かったです。
    　このポジションのキャラがラスボスとして君臨することの説得力が本当に凄まじく、このクライマックスのお陰で全体の完成度・構成面の評価が大きく上昇していたかなと思います。



    　ここからは賛否両論点です。
    　この作品本当にオモチャなんですよ。すっげーオモチャ。オモチャ過ぎる。
    　『この手の』作品なんだからある程度そういうものなのかもしれないというフィルターを通しつつ、それでも看過できなかった点を少し書いておきます。

    　勇者に転生した主人公はこれまでの自身の悪行について、「これは試練だ！」という愚にも着かない言い訳を展開します。これが無茶苦茶であることはカイルにも指摘された上で主人公も「うわぁあああ正論だぁあああ」と認めています。
    だったらそれであっさり騙されるモブ共、おまえら愚民すぎだろというのはずっと思ってました。
    　試練っていうのは相手に乗り越えさせる為にあるものなのに、乗り越えさせるべき相手を殺しちゃってんだからあんた、それは無理だろ、無理って気づけよ、と。糞教師とか毒親とかパワハラ上司が言いがちですよね。「おまえの為にやってるんだぞ！」と。余計ムカつくだけですよね。「またアホが無茶苦茶言い出したぞ」と思われてそれで終わりのはずです。本来なら。
    　なのにそれであっけなく騙されるっていう描写はちょっと作中世界をチープなものに貶めすぎるというか、ギャグとして描いてるんじゃないかと思うレベルでした。前任者の罪を全部引き受けて土下座して謝った上で行動を改めて少しずつ評判を回復させたとか、そうでなくとももうちょっと知恵を絞って何とかしてった方が良かったんじゃないかなあと。
    　これを初めとして、異世界における主人公の立ち回りの一つ一つが、そんなんが効果あるのかよと思いたくなるような代物ばかりなんですよね。最低限レベルの常識と良識に乗っ取って行動し続ければ、それだけで周りから認められ再評価されどんどん味方が増えて行くと言う感じで、関心するところがないんですよ。

    　そもそも今作の設定のキモである『悪行の限りを尽くした勇者として再スタート』というのは、相当な困難な状況であるはずです。命すら平気で奪うような悪党な訳ですから、そんな勇者から様々なものを奪われて来た人達と正面から向き合うのは、相当に過酷で胃が痛くなるような、強力な困難として描く予知があります。それをどこまで描写できるかは今作の設定を活かしきる上で重要なはず。
    　ところが実際にはそうした描写はない訳ではないですが弱く、真正面から主人公を責めることの出来るキャラクターすらカイル陣営の二人を除けばおらず、その二人すら責め方が生温い印象です。
    　それでも設定そのものが困難なのでピンチ状況にいること自体は読んでいて理解自体は出来るのですが、じゃあそれを打開するための主人公の知恵や有機。人格といったものが描けているかというとそうではなく、よって主人公を格好良く感じたり問題解決のカタルシスを強力に得られたりと言う風にもなりづらかったんじゃないかなと。
    　全体的に作中世界が主人公陣営にイージーであり、味方がいちいち優秀過ぎる点なども、そこに拍車をかけている印象がありました。

    　まあでもこのあたりはぶっちゃけ匙加減の問題というか。
    　前任者のしでかしたことで、例えば家族殺されたとか大きな障害負ったとか夢を失ったとか、そういう部分で主人公を（そうすることで自分が殺されるかもしれないと知りつつ）涙ながらに非難する人達の描写が見たい。それに戸惑い、自分がしたことではないのにと理不尽に感じつつも、それでもその人達と和解することこそが『ざまあ回避』に必要なのだと感じながら、前任者の贖罪の為に奔走する主人公が見たい。よっぽど死に物狂いでないとそんなこと認められるはずもないのだけれど、それでも知恵と勇気・そして人格を駆使してやり遂げ少しずつ地盤を築いたところで、最大の被害者たるカイルが登場して……みたいに描いて欲しい。みたいなのって。自分個人としては『絶対そうするべきやん！』と強く確信を持って思うことではあったとしても、それ絶対暗いし全然雰囲気の違う話になるよね？　って話はあると思うんですよね。
    　この作品の良いところの一つが、格好良かったり有能だったりっていうのは感じられずとも、その分親しみやすく読者と距離の近い主人公の、ゆるい雰囲気の語り口にある訳ですが。それを維持したまま上記のような書き方が出来るんかって言ったら、多分無理なんですよね。

    　そう言う意味では自分が欠点に感じた上記のような点も、或いはこの作品をこの作品として成立させるためには必要なことでもあるのかな？　と言う風に思うので、この項目は『短所』ではなく『賛否両論点』という風にしておこうかなと思います。

    　勢いあまって５０００文字描いて収まらなくなったので続きます。

    E-Mail pass
Re: 2024年01月21日 15時08分24秒
  • 　粘膜王女三世様、お世話になっております。今作も最後まで読んでいただきありがとうございます！

    　めちゃくちゃ熱い感想をいただいて感動しております！　しっかり読んでくれたのが伝わってきました。

    　＞特に良いと思ったのが中盤・キャラクター達の秘めたる実力が次々とカミングアウトされるアビスワーム戦と、終盤のラスボス戦です。

    　実はこの辺とラストはプロット通りではあったものの、読者受け的には難しいと思っていたので、ここを褒めてくれたのは凄く嬉しかったです。
    　主人公の設定的にあまり強くし過ぎるのもよくないと思って、でもそうしなきゃ盛り上がらないので色々と苦肉の策を仕込んでいたのですが、それが伝わった事が嬉しいです。

    　＞何が良かったかって、これ以上なく「作品に相応しいラスボス」である点。

    　カインをやっつけて終わったら、流石に胸糞が悪すぎるので、最後はどうやって締めればいいんじゃぁぁぁ！　って苦悩していたのですが、やはりオチとしてはこれが一番ふさわしいラスボスであると思います。

    　＞この作品本当にオモチャなんですよ。すっげーオモチャ。オモチャ過ぎる。

    　最新の成功した作品を結構読んでいるんですけど、共通しているのが『オモチャらしさを面白さとして表現できている』だと思ったんですね。それで自分も習得してみようと思ったのですが、まだまだ要練習ですね。もうこれは才能の世界の気もしてきましたが、も少し頑張ってみようと思います。

    　最近は『勘違い系』という手法で成功している作品を見かけるようになって、これを習得できればかなりの武器になると思って挑戦してみました。主人公の意図せぬ部分を周りが勝手に解釈して、それを面白おかしく表現するみたいな手法なのですが、いや難しいですね～。これこそ才能がいる気がします。

    　＞ギャグとして描いてるんじゃないかと思うレベルでした。

    　実はギャグとして書いているつもりでした。書き方が良くなかったと思います。というか今作の題材では無理がありましたね。

    　＞命すら平気で奪うような悪党な訳ですから、そんな勇者から様々なものを奪われて来た人達と正面から向き合うのは、相当に過酷で胃が痛くなるような、強力な困難として描く予知があります。

    　初期プロットはそんな感じでめちゃくちゃ暗い感じでした。それだと読んでいる方が楽しくないような気がして明るくするために勘違い系にシフトしたのですが、題材からすると無理があり過ぎた感があります。いわゆる迷走というやつかもしれません。もう少し勇者の設定をマイルドにすればあるいはいけるか？？　まあ、これ以上の改稿は迷走が進むだけの気がしますが。

    　キャラクターについて

    　今作はアイデアとか方向性とかで力尽きてしまってキャラに力を注げなかった感があります。特にヒロインはもうちょっと個性的にできたかもしれませんね。

    ＞悪役令嬢として周囲から冷たい扱いをされるシーンとかもっと書いて欲しかったところではあると思います。

    　悪役令嬢系でこういうタイプは実際にいるので、もう少し深く書いてもよさそうではあります。一応、さらりとは描写していましたが、ちょっと弱かったかもしれません。力加減が難しい部分ですね。

    　＞あとはキラー。おまえがMVPだ。

    　一番趣味に走ったキャラなんで彼を気に入ってくれたのはめちゃめちゃ嬉しかったりします！！
    　
    　たくさんの熱い思いが籠った感想をありがとうございました！　やはり自分の作品を読んだ方の熱量を感じられるのは嬉しいものです。これからもよろしくお願いします。

    　最後に優勝おめでとうございます！　優勝作品こそ読み逃してしまったもののやはり全体的に感情や心が惹き寄せられる作品ばかりで色々と非常に良い刺激を受けました。

    E-Mail pass
2024年01月05日 14時58分27秒
  • 　まずは冒頭一万文字を読み散らかしています。

    　よろしくお願いします。


    　転生先がざまぁ系小説で、主人公がざまぁされる側に転生する。
    　設定として面白く、私もそういうネタで考えたことがあります。
    　そういう意味では興味津々でした。

    　ただ、最初の見せ場であるざまぁされる場面が弱く、キャッチーさがないのは残念に思いました。
    　もっと悪行を見せつけて良かったと思います。
    　また、ビフォーアフターを比べられないのでギャップも機能していないのが残念です。

    　悪役令嬢のネタばらしも早く、デレる（仲間になる？）前に、もっとしっかりとツン（拒絶）パートを用意したほうが良いのではないかと思いました。

    　まあでも……このくらい軽いノリの方が一般的にはウケるのかな？　とも思います

    　序盤は、ひたすら設定消化という印象でしたが、一万文字で状況完了というのは、案外収まりが良かったかも知れません。
    　その一万文字で、読者の心を捕らえることができるかは知りませんが……。


    　以上。

    　未熟者の感想ですが、なにかの参考になれば幸いです。
    　失礼しました。

    E-Mail pass
Re: 2024年01月21日 11時32分41秒
  • 　HiroSAMA様　いつもお世話になっております。感想ありがとうございます！

    　最近のネット小説はとんでもない物量となりました。それを全て読み切るのはどんな人類でも不可能でしょう。

    　この企画は少なくとも参加者には読んでもらえるチャンスはありますが、それでも今回は文字数の総量的に全てを読むのは厳しいでしょう。自分もいくつかギブアップしてしまいました。

    　その中でも一万字でも読んでもらえたのはありがたい話です。むしろ多い方と言えるでしょう。というか掌編なら読破です。

    　序盤でどれだけターゲットとなる読者様の興味を引けるか。それを作者は様々な試行錯誤をしつつ、引っ張っていかなければなりませんね。頑張っていきます。

    　それでは失礼します。読んでくれてありがとうございました。

    E-Mail pass
2024年01月04日 21時49分06秒
 +20点
  • ｋｚと申します。拝読しました。

    ちょっと疲れたからテンプレ小説でも読むか――と思ったら、よい意味で期待を裏切られました。ざまあされた勇者に転生するだけでも変化球なのに、悪役令嬢の世界とクロスするとは。これは中々のアイディアではないでしょうか。

    とはいえストーリーはテンプレに忠実――前世で得た一週目の知識（厳密には読書でシナリオを知っているだけですが）を使って破滅ルートを回避するというオーソドックスな展開で、お約束をきちんと踏まえていて楽しめました。

    ただ少し残念に思ったのは、悪役令嬢の要素を持ち出したがゆえにそちらに尺を使ってしまい、追放した主人公との対立が前半おざなりになってしまったのがもったいない気がしました。本作では深く追求されていませんけど、ニーナは中身が入れ替わる前の勇者が好きだったわけで、中身が入れ替わったことを知って葛藤するエピソードがあって然るべきだと思うのですが、この辺が非常に淡泊なんですよね。この辺りをエピソードに絡められたらキャラクターもドラマもより深みが出るのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

    ざまあされる勇者に転生×悪役令嬢に転生したヒロインというアイディアは素晴らしいですが、上記のような理由もあって、ざまあされる勇者に転生の一本に絞ってもよかったのではないかと個人的には思いました。

    感想は以上です。執筆お疲れ様でした。

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Re: 2024年01月21日 10時09分22秒
  • ｋｚ様、いつもお世話になっております。今作も最後まで読んでいただきありがとうございます！

    　＞ちょっと疲れたからテンプレ小説でも読むか――と思ったら、よい意味で期待を裏切られました。ざまあされた勇者に転生するだけでも変化球なのに、悪役令嬢の世界とクロスするとは。これは中々のアイディアではないでしょうか。

    　ありがとうございます。アイデア全振りの作品でした。作者本人はかなり振り回されてしまいました笑

    　＞ただ少し残念に思ったのは、悪役令嬢の要素を持ち出したがゆえにそちらに尺を使ってしまい、追放した主人公との対立が前半おざなりになってしまったのがもったいない気がしました。

    　ちょっと捻り過ぎた感あります。捻れば捻るほど王道からはずれていくのでバランスが大事ですね。
    　ニーナに関してはアドバイスありがとうございます。かなり参考になりました。余裕があれば彼女の葛藤を取り入れて改稿してみようと思います。

    　＞ざまあされる勇者に転生×悪役令嬢に転生したヒロインというアイディアは素晴らしいですが、上記のような理由もあって、ざまあされる勇者に転生の一本に絞ってもよかったのではないかと個人的には思いました。

    　実は初期プロットはその予定でした。でも調べてみたら同じようなのを書いている方が意外と多く、斬新さで言えばかなり弱くて、しかも自分のがめちゃくちゃ作風が暗くなってしまって、既存の作品と比べたら（書籍化した作品と比べるのはおこがましいが）非常に不利だと思ったんですよね。なのでもっとめちゃくちゃ色を付けて、気付いたら結局いつもの癖の強い作品が仕上がってしまった気もします笑

    　ちなみにｋｚ様の災厄の再来はめちゃくちゃ笑えて、ネタが完全に自分の好みのどストライクでございましたｗ

    　それでは失礼します。今後ともよろしくお願いします。

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2024年01月02日 15時13分15秒
 +30点
  • こんにちは。『気まぐれハイブリッド異世界転生』読みました。

    １８話　ざまぁ回避大作戦！
    １９話　『主人公』と『ざまぁ勇者』との対峙
    １８話　悪役令嬢と主人公
    １９話　本当のざまぁ
    ２０話　悪の天使
    と、いうふうになっているので、「１８話　悪役令嬢と主人公」のところで時間が戻る能力でも使われているのかと思ったのですが、そうでもないようなので、単なる話数ミスでしょうか？　でも、時間を戻す能力が発動したところでこういう話数進行、を別の作品で使っても面白そうかもと思いました。
    投稿最終日の時間もぎりぎりのところで投稿された作品なので、本当に最後の最後まで追い込んで書いていたのでしょうか。始まったのなら貫くのみ、という虹ヶ咲学園ネタも出てきていましたが、ミチル企画で長編を出すには本当に初志貫徹が必要で、よく締め切りに間に合わせたものです。おつかれさまでした。
    大抵、この時間帯に出てくる作品はクオリティもお察しの場合が多いです。作品出展数も多くない企画なので参加しただけでも十分ではあるので駄目だと言うつもりはありません。
    ただ、この作品はクオリティ的にもハイレベルで、楽しく読める作品でした。



    追放ざまぁ、がなろう系の中である程度のメインストリームとなっている中で、そこをひねってざまぁされる側の勇者の方が主人公、というのは、まあそのへんまでだったら思いつく人もいるだろうなあ、という感じなのですが、そこに更に悪役令嬢まで持ってくるのは大胆な発想だったと思います。

    なろう系作品として、テンポ良くストーリーが進むし、冒頭の早い段階でこの作品が何をする話であるかを提示しているし、転生したらざまぁされる勇者側だった＋悪役令嬢も出てくる、というこの作品の売りも提示している。などなど、押さえるべきところをしっかり押さえており、この部分を見ただけでも企画参加作品の中でも一歩抜け出しているハイクオリティ作品であることがうかがえます。

    途中の展開も、主人公たちが考えて実行している作戦の途中で想定外の出来事で対処が必要になる、といったふうになっていて、読者を飽きさせない工夫が細かい部分まで行き届いていました。新しい要素やキャラを出す前の前振りとかその伏線回収もしっかり行われていて、このハイレベルなフラグ管理技術はミチル企画参加者みんなが見習わなければならない部分だと思います。
    ただまあ、ところどころ、例えば最終決戦の場になるドルゴン砂漠の名前とか、聖なる雫の名前なんかは、もっと前のところで事前にさりげなく名前を出しておけば、より良かったかなとも思いました。

    コミカルな作品として、笑える表現もところどころありました。声を出して大笑いしたのが、「あたし、やっちゃいました？」のところと、『って、結局なんの情報も吐かないんかぁぁぁい』のところでした。

    キャラクターも多数登場しますが、無駄なキャラが全くいないのが優れているところです。ミチル企画参加作品でも、あまり上手くない作品だとどうしても「そのキャラ必要無いですよね」というキャラが登場してきたり、物語の尺に対してキャラが多すぎて読者も把握できないし作者も扱い切れていない、というケースも見られます。が、本作品はちゃんと多数のキャラがコントロールされていて、その辺も技術が高い。
    キャラについては、表向きのユニットとしての属性だけのキャラ付けではなく、ちゃんと裏設定を持っていて、という部分で深みを持たせていたのも上手かったです。


    問題点としては。

    主人公の頑張りによって味方を増やしていくタイプの話で、その中には当然女性キャラも多々いるわけですが、その割にはハーレム感がそんなに無かったのは惜しかったかなという感じは受けました。
    恋愛やハーレムが必須というわけではありませんが、この手の作品としてはあった方が華がありますし、無いのだったら何かよほどの、他作品との強い差別要素が必要になるのではないでしょうか。
    本作品で言えば、メインヒロインであろうところのルビア、付き合いが長くもっとも忠実なニーナ、あとは、パン屋姉妹あたりが主人公に好意を抱いて、みたいな展開を期待できるキャラのように思います。
    ルビアは主人公のことをおっさんと認識しているので恋愛方向には進みにくそうであるとか、ニーナの場合は最初から恋愛感情があると主人公に対する感謝と忠誠心という部分がブレてしまうので最後に助けられた時から恋愛感情を持ち始める形にしたいとか、なかなかにやりにくそうではありますが。

    キャラが多数出てくるため、どうしても一人一人のキャラに関しては描き込みが薄まってしまっている感じはありました。出番の少なめのキャラは良いのですが、主要キャラである主人公、ルビアあたりは、もっと読者が感情移入できるような一歩深めた描き込みがあれば良かったと思いました。その辺、ルビアの日記は工夫があった部分とは思いました。

    で、一番の問題はその悪役令嬢ルビアかなと感じました。
    男性向け追放ざまぁ作品に悪役令嬢を持ち込むという大胆さがみどころなわけですが、その悪役令嬢像が、どうなのかな、と思ってしまいました。
    まず、令嬢というからには、家は高い貴族の爵位のはずなのですが、本作品でそういった設定ってありましたでしょうか。家の爵位が高いことをかさにきて平民の主人公をいじめて人心を失う、というのが悪役令嬢のはずですが、本作品では逆に、貴族のスカーレットにいじめられていたようです。端的に逆なのでは。
    キャラ配置の都合の問題だとは思いますが、悪役令嬢側の主人公って存在していなかったですね。ピンク髪の平民。『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』でいえばマリア・キャンベル、『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』だったらフィーネ。平民をいじめていて、それで人心を失ったら破滅エンドだと改心した言動を取るようになって、という部分が悪役令嬢ものの面白さであり特徴でもあるのですが、その流れって侍女フィオナくらいしかなかったので、あまり悪役令嬢というキャラの像が実感を伴いにくかったかなと。


    あれこれ問題点も挙げましたが、現状でも十分にレベルの高い作品ではあるけど、更にアップさせるにはどうするかという観点なので、そんなに大きな減点ポイントでもありません。
    長編でこのレベルの作品を書ける人に対して私ごときが言えることって基本的に何も無いんですわ。
    どんどん作品を書いて、公募なり、なろうやカクヨムなどのコンテストに挑んでいただければと思います。

    感想は以上です。企画参加おつかれさまでした。

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Re: 2024年01月21日 08時43分38秒
  • 　kanegon様、いつもお世話になっております。最後まで読んでいただきありがとうございました！

    　まず話数については完全にミスです。ごめんなさい！！

    　最初は一話を二千字以内にという目標があったのですが、途中で無理だと分かり断念してしまい、最後は時間がギリギリで自分が今何話なのか確認する前に投稿時間となってしまったのです泣

    　＞始まったのなら貫くのみ、という虹ヶ咲学園ネタも出てきていましたが

    　このネタを拾ってくれる人がいるとは思いませんでしたｗ　kanegon様は相当のやり手ですね！

    　どうでもよいのですが自分は同シリーズで虹が特に好きで虹推しだったりします。にじよん二期と新作映画が楽しみでございます。

    　＞追放ざまぁ、がなろう系の中である程度のメインストリームとなっている中で、そこをひねってざまぁされる側の勇者の方が主人公、というのは、まあそのへんまでだったら思いつく人もいるだろうなあ

    　最初はざまぁされる勇者の一本で行くつもりだったのですが、調べてみると他に書いている人は結構多いんですよね。書籍化されている作品もあるし、これだけでは斬新とは言えないでしょう。みんな同じことを考えているんだな～って思いました。

    　＞そこに更に悪役令嬢まで持ってくるのは大胆な発想だったと思います。

    　これは誰も書いていないっぽかったです。どうして誰も書かないのかは……書くのが難しすぎるだからだと思いました。

    ＞なろう系作品として、テンポ良くストーリーが進むし、冒頭の早い段階でこの作品が何をする話であるかを提示しているし、転生したらざまぁされる勇者側だった＋悪役令嬢も出てくる、というこの作品の売りも提示している。などなど、押さえるべきところをしっかり押さえており、

    　ここを褒めてくれたのはむちゃ嬉しいです。最新の流行りで成功している作品を勉強したのですが、戦慄するレベルでハイテンポなんですよね。今の時代、これが出来なきゃ生き残れないのでしょう。恐ろしい話です。今回はその練習でもありましたが、更なる鍛錬が必要ですね。

    　＞コミカルな作品として、笑える表現もところどころありました。声を出して大笑いしたのが、「あたし、やっちゃいました？」のところと、『って、結局なんの情報も吐かないんかぁぁぁい』のところでした。
    -
    　ありがとうございます。今回はコメディ風を目標にして頑張ったのですが、ものすごく難しかったです。褒めてくれて嬉しかったです！

    　問題点について……

    　ハーレム要素については今作では難しいと思ったのですが、でも特にパン屋姉妹なんかは頑張ったら書けましたね～。これはちょっと改稿を考えようと思います。

    　キャラも今回はアイデア全振りで力尽きてしまって、深く描写できなかった感がありました。特に悪役令嬢はかなり書くのが難しく、悪役令嬢らしさの表現がかなり弱くなってしまったんですよね。ちょっと作者が題材に振り回された感があります。

    　はめフラもツンデレリーゼロッテもアニメで見たら特に後者はめちゃくちゃ面白くて、悪役令嬢の作品も読んだら凄く面白くて書いてみたのですが、実際に書くのはかなり難しかったです。ここも要練習ですね。悪役令嬢側の正ヒロイン（真主人公？）も構成的に扱いきれそうになかったので登場を断念してしまいました。

    　色々と褒めてくれて凄く嬉しかったです。今度ともよろしくお願いいたします。

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