俺の特殊能力

Rev.02　枚数： 2 枚（ 800 文字）
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「紗紀美さんの特殊能力はね……」
「そ、それは？」
　学級委員長がゴクリと唾を飲み込みながら、教室の隅で彼の言葉に耳を傾けている。
「クラスメートを納得させるオーラを纏うことかな」
「おおっ、紗紀美にピッタリだよ。それで私は？」
「知佳さんはね……」
　今度は図書委員が興味津々の眼差しを彼に向けていた。
「頭の中に行間の声が自然と響くでしょ？」
　彼の名前は言亜輝（ことあ　てる）。
　最近女子生徒に人気のクラスメートだ。
「すごい、すごいよ！　輝君に言われると、なんかそんな特殊能力を持ってるような気になっちゃうよ」
　そりゃそうだろ。
　学級委員長に図書委員。
　彼女たちは自分自身の得手不得手と向き合ってその委員を選択したに違いない。委員名から推測されるその過程を、ちょっと中二病っぽく言い当ててるだけじゃねえか。
　ていうか、行間の声が響くってなんだよ。
「ほら、多拓君もこっちに来たら？」
　ヤバい、彼女たちに見つかっちまった。
「お、俺はいいよ」
「そんなこと言わないで、多拓君も輝君に調べてもらいなよ」
「そうだよ、すごいよピッタリだよ」
　だからそういうのは信じないんだって。
　拒み続ける俺に向かって輝は腕を組み、目を閉じて意識を集中させていた。そしておもむろに口を開く。
「君の特殊能力はね……」
「俺は平凡な男子高校生だよ。じゃあな、バイバイ！」
　慌てて俺は放課後の教室を後にした。

　その日以来、彼の言葉の続きが気になってしょうがない。
　俺の特殊能力って……何？
　いやいや、そんなのあるわけない。彼の診断なんて中二病のまやかしに決まってるじゃないか。
　しかし後日、俺は偶然耳にしてしまったんだ。輝が俺の特殊能力について他のクラスメートと話しているところを。
『多拓君の能力って何だと思う？』
『彼の特殊能力はね……』
　それは何だ？
『怪しいものを見定める魔眼だと思うんだ』
　くっくっくっ、やはりな。
　思わず俺はほくそ笑んでいた。
つとむュー

2022年12月23日 00時05分33秒 公開
■この作品の著作権は つとむュー さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
◆キャッチコピー：俺の特殊能力は……何？
◆作者コメント：
中二病企画の開催、おめでとうございます！
長い作品の合間の息抜きにどうぞ。
運営の皆様、お疲れ様です。メリークリスマス＆ハッピーニューイヤー！！

2023年02月09日 00時02分56秒
 作者レス
  • 拙作に感想を寄せていただいた皆様、ありがとうございます。
    ミチルさん、運営の皆様、このような機会を設けていただき大変感謝いたします。

    今回、特別賞の感想人賞をいただけて、とても嬉しいです。
    投稿したのは８００字作品で、結果も１０位だったので、いつも通りに終わったなぁと思っていたところにラストのサプライズ。
    こういうのがあるから、ミチル企画はやめられないですね。

    前回の夏企画に、勝手に作者予想をして、この方の作品ならキツイことを書いても許されるだろうと甘えた姿勢で感想を書いてしまいました。
    その時の反省を込めて、今回はすべて初対面の方だと思って感想を書くように心がけました。
    （『さんざめく思慕のヴァルダナ』の作者さんは、kanegonさん以外にあり得ないと思いながら……）
    感想に対するこの姿勢が良かったんじゃないかと思います。今回は良い教訓になったので続けていきたいと思います。

    今回は字数上限が十六万文字ということで、最初、自分もやってみようと思いました。
    が、開催一ヵ月前くらいに「もう無理だ」と思った瞬間、すべてのモチベーションが無くなりました。
    別に十六万文字にこだわらなくても、十万文字でも五万文字でも良いわけなのですが、参加する気力が全く無くなりました。
    不思議ですよね、これはなぜなんでしょう？
    でも直前にやっぱり参加したくなって、最低文字数の８００字で投稿しました。
    上にも書きましたが、ラストにサプライズをいただけて、結果的には参加して良かったです。

    もう、ＧＷ企画のお題も決まっていると思うので、ここに書いても影響はないと思い呟いてみます。
    個人的には、以前のような「お題が１０個くらいあって、その中からいくつか選ぶスタイル」が好きです。
    難易度を自分で調整できますし、予想外の作品が生まれる可能性があるので。
    読む時も、「今回は中二病の作品しかないのか」と思うと読む気力がいまいちなのです（個人的にはですが）。
    やっぱり、「おいおい、『ラーメン丼』がこの作品のどこに出てくるんだ？」と思うと、ついスクロールしてしまうあのドキドキ感が楽しいと思うのです。

    個別の返信は、後日、行いたいと思います。
    少し時間がかかると思いますが、気長にお待ちいただけると幸いです。
    と言いながらも、この作品をTapNovelに投稿してみました。
    https://tapnovel.com/stories/18384
    ゲーム小説っぽくなって楽しいので、立ち寄ってみていただけると嬉しいです。
    今後もよろしくお願いします。

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2023年01月12日 06時44分10秒
 +20点
  • 参加お疲れ様です。読ませていただきましたので感想を。

    長編ＯＫな今回の企画にあえて８００字にこだわってぶち込むストロングスタイルに乾杯。
    私みたいな変人には少しオチが弱いかな？　という感じはしましたが（笑）、クッソ長い作品が多い今回の企画では安心して読めました。

    重箱の隅をつつくようなことを言うと、ことあてる君？　彼に名前は必要だったかなぁ。このお話、固有名詞があるのは彼だけですよね。ショートショートって無駄をこそぎ取るのがだいご味という言い方はおかしいですがそんなところあるので彼だけ固有名詞が与えられているのがなんか浮いている感じがしました。気が付いたのはそんなところでしょうか。

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Re: 2023年04月11日 06時14分14秒
  • 桝多部とあるさん、感想ありがとうございます。
    いつもお世話になっています。

    ＞長編ＯＫな今回の企画にあえて８００字にこだわってぶち込むストロングスタイルに乾杯。
    ＞私みたいな変人には少しオチが弱いかな？　という感じはしましたが（笑）、クッソ長い作品が多い今回の企画では安心して読めました。

    長編を書こうと思っておりましたが書けなかったので、あえて８００字にこだわりました。
    オチは、おそらく誰が読んでも弱いんじゃないかと思っています。
    もっと強烈なオチが思い浮かべば（優勝作品のように！）、もう少し上位を狙えたかと思うと残念でしかたがありませんが、意外と中二病感が出たテーマっぽいオチだったと思っています。


    ＞重箱の隅をつつくようなことを言うと、ことあてる君？　彼に名前は必要だったかなぁ。このお話、固有名詞があるのは彼だけですよね。ショートショートって無駄をこそぎ取るのがだいご味という言い方はおかしいですがそんなところあるので彼だけ固有名詞が与えられているのがなんか浮いている感じがしました。気が付いたのはそんなところでしょうか。

    ショートショートって、無駄をばっさりそぎ落としてしまうと意外と窮屈になってしまったりします。
    オチの強さ、読みやすさ、無駄の有無など、微妙なさじ加減が必要なのかもしれません。
    ご指摘のように、輝だけフルネームというのも変ですね。
    でも、最初のインスピレーションで書いたのがこんな感じの内容だったので、それを信じて投稿しました。
    もし桝多部とあるさんが、輝の名前について気になって感想を書いていただけたのであれば、ミチル企画的には彼だけ固有名詞は正解だったかも？
    今後もよろしくお願いします。

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2023年01月09日 20時38分26秒
 +20点
  • 　拝読いたしました。朱鷺（とき）と申します。
    　八百文字の圭作でした。ずいぶん掌編を書きなれていらっしゃると感じました。お見事です。
    　ほかの作品も読んでみたい。期待しております。
    　執筆お疲れ様でした。

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Re: 2023年04月11日 06時10分27秒
  • 朱鷺（とき）さん、感想ありがとうございます。
    いつもお世話になっています。

    ＞八百文字の圭作でした。ずいぶん掌編を書きなれていらっしゃると感じました。お見事です。
    ＞ほかの作品も読んでみたい。期待しております。

    ありがとうございます。
    朱鷺（とき）さんとは企画では長いお付き合いなので、お互いの作品をかなり読んでいると思うのですが、「あっ、これは朱鷺（とき）さんの作品だ」と感じることがあまりないのが不思議です。
    今回も御作『明晰夢』を読まさせていただきましたが、「誰の作品だろう？」と思っておりました。
    ミチル企画は、なにか不思議な魅力がありますよね。
    今後もよろしくお願いします。

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2023年01月07日 10時12分10秒
 +10点
  • 俺の特殊能力、読ませていただきました。

    ジャスト八百文字で終わっているあたり、作者様のこだわりを感じさせられます。

    個人的にではありますが、企画作品の中でも特に読解力が必要なタイプだと思いました。

    短い内容の中で四人ものキャラクターの特徴を読み取る必要があり、そこからキャラの優先度を取捨選択をしつつ、どんな物語なのか理解して、更に作品の魅力を感じ取らなければならない。サクッと読むのは難しいタイプで、最後に回したのですが、確かにしっかり読めばきちんと理解できる内容でした。

    自分の中では二つの解釈ができあがりました。


    パターン１→主人公は、実は一般人のふりをしている特殊能力者だったオチ


    自分を一般人と自称する主人公は、輝が紗紀美と知佳の内面を言い当てるのは適当で、能力ではないと馬鹿にしていた。しかし、なぜか大袈裟に警戒している。

    最後に輝の答えを聞いて、その能力はやはり本物だと確信した。そして自身も本性を現した。実は彼は一般人のふりをしていた特殊能力者だったのだ……的なオチ。


    パターン２→高二病だった主人公は、褒められて舞い上がって中二病に戻っちゃいました！　オチ


    中二病を卒業した主人公は、今は高二病となっており、輝の事を能力と称して自分の人気を稼いでいる痛い奴と馬鹿にしている。でも、いざ自分の事を褒められたら、ついつい舞い上がってしまって、また中二病に戻っちゃいました！　みたいなオチ。


    パターン１はちょっと深読みし過ぎで、パターン２が正解なのかな、と思ってたりします。両方外れだったらごめんなさい。

    どちらにせよ、輝が能力者かどうかは、謎のようですね。

    それでは失礼します。執筆お疲れさまでした。

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Re: 2023年03月29日 21時24分08秒
  • でんでんむしさん、感想ありがとうございます。
    企画ではお世話になっています。

    ＞ジャスト八百文字で終わっているあたり、作者様のこだわりを感じさせられます。
    ＞個人的にではありますが、企画作品の中でも特に読解力が必要なタイプだと思いました。
    ＞短い内容の中で四人ものキャラクターの特徴を読み取る必要があり、そこからキャラの優先度を取捨選択をしつつ、どんな物語なのか理解して、更に作品の魅力を感じ取らなければならない。サクッと読むのは難しいタイプで、最後に回したのですが、確かにしっかり読めばきちんと理解できる内容でした。

    やはり序盤で沢山名前が登場してしまい、読者の皆様を混乱させてしまったようです。
    作者としては、この四人の特徴をどう読み取られたのかとても興味がありますので、コメントいただき大変助かります。


    ＞自分の中では二つの解釈ができあがりました。
    ＞パターン１→主人公は、実は一般人のふりをしている特殊能力者だったオチ
    ＞自分を一般人と自称する主人公は、輝が紗紀美と知佳の内面を言い当てるのは適当で、能力ではないと馬鹿にしていた。しかし、なぜか大袈裟に警戒している。
    ＞最後に輝の答えを聞いて、その能力はやはり本物だと確信した。そして自身も本性を現した。実は彼は一般人のふりをしていた特殊能力者だったのだ……的なオチ。

    読者の多くの方が、このような解釈をしていただけるのではないかと思って書いておりました。


    ＞パターン２→高二病だった主人公は、褒められて舞い上がって中二病に戻っちゃいました！　オチ
    ＞中二病を卒業した主人公は、今は高二病となっており、輝の事を能力と称して自分の人気を稼いでいる痛い奴と馬鹿にしている。でも、いざ自分の事を褒められたら、ついつい舞い上がってしまって、また中二病に戻っちゃいました！　みたいなオチ。

    主人公が舞い上がってしまうところが、正に中二病ですよね。
    最初は、こういうパターンは想定していなかったのですが、中二病というテーマを入れ込むことによって予想外のこのパターン２が生まれてしまったことを、作品を読み返していたり皆さんのコメントを読んでいる時に自覚しました。


    ＞パターン１はちょっと深読みし過ぎで、パターン２が正解なのかな、と思ってたりします。両方外れだったらごめんなさい。
    ＞どちらにせよ、輝が能力者かどうかは、謎のようですね。

    本作のモチーフは、有名な「嘘つきのパラドックス」です。
    具体的には「俺は嘘つきだ。この発言は本当か嘘か？」というもので、どう解釈しても矛盾が生じるので答えがないのです。
    ということで、本作はどのように解釈していただいても正解なのだと思います。
    （輝はラストで「主人公は嘘つきが誰だか分かる」と言っているので、どう解釈しても矛盾が生じるのです）
    深読みしていただき、大変嬉しいです。こういうところがミチル企画の魅力ですね。
    今後もよろしくお願いします。

    E-Mail pass
2023年01月05日 12時13分11秒
 +10点
  • 俺の特殊能力、読ませていただきました。

    【一通り読んでみての印象】

    　ザ・ショートショーという感じで良いですね。

    【タイトル】

    　ショートショートらしいシンプルタイトルでいいと思います。

    【良かったところ】

    　オチがいいですね。皮肉や毒を感じました。この枚数ならではのラストだったと思います。

    【気になったところ】

    　気になったポイントが二つありました。

    　すでに他の方からも指摘されている点ですが、冒頭、誰が何を話しているのかわかりづらかったので、話に入っていくのが困難でした。冒頭数行は、初対面の相手への自己紹介タイムのようなものなので、ここで躓くと、「取っつきづらそう」「合わなさそう」と思われ、人を遠ざけてしまう可能性が高いです。また、ショートショートは短い分、冒頭の印象を後から覆すのは難しいです。オチで「傑作だこれは！」となるなら話は別かもしれませんが。

    　5w1h「When：いつ」「Where：どこで」「Who：だれが」「What：何を」「Why：なぜ」「How：どのように」を意識しながら書くと、情景が浮かんで、読者としてはかなりありがたくなると思います。

    　もう一つが、名前を出す必要はなかったのではないか、という点。いろいろと情報を削っているわけですが、真っ先に削るべきは登場人物の名前だったように思います。
    　
    ＞紗紀美、知佳、言亜輝、多拓君。

    　800字の中で出てくる名前が四つ。そして真っ先に出た名前が、紗紀美、知佳という、御作においてはサイドのキャラクター。名前が多いのと、名前を出す順番に問題があるので、冒頭がわかりづらくなってしまっている気がしました。女子二人もそうですが、語り手の名前も、本作においてはいらないのではないかと個人的には思いました。僕の知る限り、ショートショートって、語り手の名前が出ないまま終わる作品の方が多い気もしたので（星新一、Oヘンリ、筒井康隆などのショートショートではそうだった印象）。

    　最初の女子二人は少なくとも、学級委員長、図書委員長、とだけ記してもよかったと思います。名前が出ると重要人物だと思い、読者が「名前を覚えなくては！」と無駄にリソースを使ってしまうので。


    【本作の強み（セールスポイント）】

    　ストーリーやオチは、王道ショートショートと言えるもので、ショートショートってどういうものかと疑問に思っている人に読んでいただきたいと思いました。


    【総評】

    　ひょっとしたら枚数２枚にするためにいろいろと削った結果なのかもしれませんが、読みやすさを犠牲にしてまで２枚にする必要もない気がしました。他の文を磨いたら凄く良くなると思います。

    　とはいえ、ストーリーとオチは王道ショートショートと言えるもので、読めてよかったです。

    　執筆おつかれさまでした！


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Re: 2023年03月29日 00時15分52秒
  • 円藤飛鳥さん、感想ありがとうございます。
    企画ではお世話になっています。

    ＞【一通り読んでみての印象】
    ＞ザ・ショートショーという感じで良いですね。
    ＞【タイトル】
    ＞ショートショートらしいシンプルタイトルでいいと思います。
    ＞【良かったところ】
    ＞オチがいいですね。皮肉や毒を感じました。この枚数ならではのラストだったと思います。

    短いながらも、皮肉や毒を感じていただき嬉しいです。
    そうです、こういう感じを描きたかったのでした。


    ＞【気になったところ】
    ＞気になったポイントが二つありました。
    ＞すでに他の方からも指摘されている点ですが、冒頭、誰が何を話しているのかわかりづらかったので、話に入っていくのが困難でした。冒頭数行は、初対面の相手への自己紹介タイムのようなものなので、ここで躓くと、「取っつきづらそう」「合わなさそう」と思われ、人を遠ざけてしまう可能性が高いです。また、ショートショートは短い分、冒頭の印象を後から覆すのは難しいです。オチで「傑作だこれは！」となるなら話は別かもしれませんが。
    ＞5w1h「When：いつ」「Where：どこで」「Who：だれが」「What：何を」「Why：なぜ」「How：どのように」を意識しながら書くと、情景が浮かんで、読者としてはかなりありがたくなると思います。

    他の方からも同様のコメントをいただきました。
    自分でも読み返している時に、「ちょっと読みにくいなぁ」と感じておりました。
    一方、「800字だし、そんなに強烈なオチでもないので、読みやす過ぎるのも何も残らないかも」と危惧しておりました。
    ということで、読みにくさをあえて残して投稿したのですが、やっぱり読みにくかったようですね。
    難しいですね、このあたりのさじ加減は。
    皆さんからコメントをいただいたので、もうちょっと読みやすくしておけば良かったと思っています。
    ご指摘ありがとうございます。


    ＞もう一つが、名前を出す必要はなかったのではないか、という点。いろいろと情報を削っているわけですが、真っ先に削るべきは登場人物の名前だったように思います。
    ＞＞紗紀美、知佳、言亜輝、多拓君。
    ＞800字の中で出てくる名前が四つ。そして真っ先に出た名前が、紗紀美、知佳という、御作においてはサイドのキャラクター。名前が多いのと、名前を出す順番に問題があるので、冒頭がわかりづらくなってしまっている気がしました。女子二人もそうですが、語り手の名前も、本作においてはいらないのではないかと個人的には思いました。僕の知る限り、ショートショートって、語り手の名前が出ないまま終わる作品の方が多い気もしたので（星新一、Oヘンリ、筒井康隆などのショートショートではそうだった印象）。
    ＞最初の女子二人は少なくとも、学級委員長、図書委員長、とだけ記してもよかったと思います。名前が出ると重要人物だと思い、読者が「名前を覚えなくては！」と無駄にリソースを使ってしまうので。

    名前を出したのは、リアリティを出すためです。
    他の方への返信にも書きましたが、強烈なオチを思いついていたのであれば、おっしゃる通り名前は必要なかったように思います。
    できるだけさらりと読めるようにしてラストのオチに誘導した方が、よりショートショートらしくなっていたでしょう。
    でも、そのようなオチを思いつくことができず、上記でご指摘いただいたような皮肉や毒を匂わすラストだったので、そこに導く演出として名前はあった方がいいかもと思い、入れることにしました。
    効果を発揮したかどうかはわかりません。
    まあ、微妙なオチになってしまったことが、すべての原因だと思っていただけると嬉しいです。


    ＞【本作の強み（セールスポイント）】
    ＞ストーリーやオチは、王道ショートショートと言えるもので、ショートショートってどういうものかと疑問に思っている人に読んでいただきたいと思いました。
    ＞【総評】
    ＞ひょっとしたら枚数２枚にするためにいろいろと削った結果なのかもしれませんが、読みやすさを犠牲にしてまで２枚にする必要もない気がしました。他の文を磨いたら凄く良くなると思います。
    ＞とはいえ、ストーリーとオチは王道ショートショートと言えるもので、読めてよかったです。

    ショートショートとして評価していただき、大変嬉しいです。
    「500文字の心臓」というサイトや、カクヨムのKACなどに参加していて、500文字から1000文字作品は割と書いているんじゃないかと思っています。
    ということで、ほぼ一発で800文字作品を書くことができました。
    つまり最初のインスピレーションそのままの文章なので、多少読みにくくてもそのまま投稿してしまった、という面はあるかもしれません。
    いろいろと推敲を重ねても、結局最初の文章に戻った、ということも多々ありますしね。
    今回は最初の文章をほぼそのまま投稿したので、ありのままの自分を出せたんじゃないかと思っています。
    今後もよろしくお願いします。

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2023年01月01日 21時37分47秒
 0点
  • はじめまして、たてばんと申します。

    800文字で完結させるこだわりを感じる作品でした。
    そのこだわり故に、誰が何を話しているのかわかりにくかったと感じます。
    地の文を改稿＆登場人物の外見や仕草を描写してイメージしやすくすると、僕たち読者はリズムよく読み進められると思います。

    オチに関しても特に思うところがなく、はえ～って感じでした。
    良いか悪いかは別として、どの作品でも読者の予想を裏切るオチには自然と人が集まります。
    この企画に集まる人達は変人が多いので、もう少しぶっ飛んだオチの方がウケが良いと思います。

    執筆お疲れ様でした。
    次の企画でも800文字で頑張ってください。
    作風は良いですし、続けた人にしか見えない景色がありますので。

    E-Mail pass
Re: 2023年02月21日 22時37分48秒
  • たてばんさん、感想ありがとうございます。
    お久しぶりです。

    ＞800文字で完結させるこだわりを感じる作品でした。
    ＞そのこだわり故に、誰が何を話しているのかわかりにくかったと感じます。
    ＞地の文を改稿＆登場人物の外見や仕草を描写してイメージしやすくすると、僕たち読者はリズムよく読み進められると思います。
    ＞オチに関しても特に思うところがなく、はえ～って感じでした。
    ＞良いか悪いかは別として、どの作品でも読者の予想を裏切るオチには自然と人が集まります。
    ＞この企画に集まる人達は変人が多いので、もう少しぶっ飛んだオチの方がウケが良いと思います。

    800文字で勝負するのであれば、おっしゃる通り、ぶっ飛んだオチと、それに至るまでのリズムの良さが重要になると思います。
    （今回優勝した『中二病の間に！』が、それにあたるんじゃないかと個人的には思っています）
    しかし、そんなキレのあるオチを思いつくことができなかったので、テーマの『中二病』をじんわりと感じられるようなラストにしてみました。
    ということで、序盤からリズム良く読まれてしまうとそのまますうっとラストを迎えてしまい、何も残らなかったみたいなことになりそうで、まあ、ちょっとくらいは読みにくくてもいいかもと割り切ることにしました。
    もちろん、ぶっ飛んだオチとリズムの良さが重要であることは承知しておりますので、そんなオチを思いついた時にはチャレンジしてみたいと思います。
    （毎年、３月にカクヨムで行われるＫＡＣが、その良い機会かもしれません）


    ＞執筆お疲れ様でした。
    ＞次の企画でも800文字で頑張ってください。
    ＞作風は良いですし、続けた人にしか見えない景色がありますので。

    上記のように、まずはＫＡＣで頑張ってみたいと思います。
    ＫＡＣは、オチの良い作品にはちゃんと星が集まりますし、何回もチャレンジする機会があるので、作品の良し悪しをすぐに比較・検証できるのがいいですね。
    次の企画で800文字を投稿するのは、おそらく２作品目を書く余裕があった時になると思います。
    今後もよろしくお願いします。

    E-Mail pass
2022年12月31日 18時15分28秒
 +10点
  • 　赤木と申します、読ませて頂いたので感想をば。

    　質の高い超ショートショート、だったかと思います。
    　ショートショートのキモはいかに落とすか、というところに尽きると思うのですが、御作はそこが良かったと感じました。単なる偶然なのか、それとも輝の能力なのか、ちょっとした不気味さを匂わせる感じ、とても好みでした。
    　書き慣れた方がさらっと書いた良作、堪能させていただきました。ただ、物語としての味わいとしては、作品の形式などなどもあり、薄いと感じてしまいましたので、点数としてはこんな感じになります。機会があればまたお会いしましょう。

    E-Mail pass
Re: 2023年02月17日 22時02分54秒
  • 赤木さん、感想ありがとうございます。
    いつもお世話になっています。

    ＞質の高い超ショートショート、だったかと思います。
    ＞ショートショートのキモはいかに落とすか、というところに尽きると思うのですが、御作はそこが良かったと感じました。単なる偶然なのか、それとも輝の能力なのか、ちょっとした不気味さを匂わせる感じ、とても好みでした。

    落としどころについて、ありがとうございます。
    不気味な感じが出たのは、「魔眼」という言葉のせいなのか、輝の特殊能力のせいなのか、とにかく「中二病」のおかげなんじゃないかと思っています。


    ＞書き慣れた方がさらっと書いた良作、堪能させていただきました。ただ、物語としての味わいとしては、作品の形式などなどもあり、薄いと感じてしまいましたので、点数としてはこんな感じになります。機会があればまたお会いしましょう。

    まあ、八百字なので、上記のような雰囲気を楽しんでもらえただけで光栄です。
    今後もよろしくお願いします。

    E-Mail pass
2022年12月28日 01時38分41秒
 0点
  • 　人の中二病には厳しいのに自分の中二病には甘い、っていう中二病あるあるに目をつけたのは良いですね。
    　中二病は自己評価が高すぎるため、自分が絡む話になると矛盾した考えを起こしたりしがちですよね。自分にとって都合のいいことを言われた時だけ中二病を信じる感じが良かったです。

    　書き出しで、誰が何を喋ってるかよくよく観察しないとわからないのは、私が読むにはちょっと辛かったです。
    　言亜輝・学級委員長・図書委員が三人で喋っていました。これを読む私としては予備知識が全くないため、俺君がどれなのか途中まで気づかず混乱しました。結果俺君は三人のうちどれでもありませんでした。

    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
Re: 2023年02月15日 21時04分38秒
  • ディスイズ春菊さん、感想ありがとうございます。
    企画ではお世話になっています。

    ＞人の中二病には厳しいのに自分の中二病には甘い、っていう中二病あるあるに目をつけたのは良いですね。
    ＞中二病は自己評価が高すぎるため、自分が絡む話になると矛盾した考えを起こしたりしがちですよね。自分にとって都合のいいことを言われた時だけ中二病を信じる感じが良かったです。

    こんなに短い作品なのに、書きたかったことをちゃんと汲み取っていただき、大変嬉しいです！
    そうなのです。自分の事が絡むとちょっと矛盾しちゃう中二病っぽさを出したかった作品でした。


    ＞書き出しで、誰が何を喋ってるかよくよく観察しないとわからないのは、私が読むにはちょっと辛かったです。
    ＞言亜輝・学級委員長・図書委員が三人で喋っていました。これを読む私としては予備知識が全くないため、俺君がどれなのか途中まで気づかず混乱しました。結果俺君は三人のうちどれでもありませんでした。

    他の方からも同様のコメントを沢山いただきました。
    実は自分も「冒頭が分かりにくいなぁ」と思っておりました。
    でも、ジャスト８００文字作品にしたかったので字数の余裕は全くないし、冒頭が読みにくくても後半に書いている言いたいことは伝わりそうなので、えいやと投稿してしまいました。
    混乱させてしまって、申し訳なく感じています。

    今後もよろしくお願いします。

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合計 7人 70点

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