キャッチコピー集です!

Rev.01 枚数: 21 枚( 8,057 文字)

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※この投稿は集計対象外です。
 こんばんは、冬企画主催のミチルです。
 まずは作品を投稿した皆様、大変お疲れさまでした!
 忙しく、体調管理が難しい中で、鬼畜なお題に挑んだすべての方々に感謝いたします。
 天に星、地に花、人に愛、いずれの難儀だったと思いますが、果敢に挑戦した全ての勇者に敬意を表します!

 いよいよ作品がでそろい、感想投稿期間となりました。

 作品を投稿した方はもちろん、投稿が叶わなかった方も、読む専門の方も、どしどし感想をお書きください☆彡
 読む作品を選ぶ一助として、運営からはキャッチコピー集を投稿いたします。

 以下、キャッチコピーです。
 作者様の素晴らしいキャッチコピーの数々をご堪能ください♪

◇タイトル:天に星、人に愛、そして地に花…
◆キャッチコピー:午後三時の星から届く愛は地上の人の心に花を咲かせる

~書き出し~
 窓の外に目を向けると、一面の星空が広がっていた。
 現在、二〇二〇年十二月三十一日、つまり大晦日。
 時刻は午後二時五十分。ただし世界標準時だけど。

「タロウ、ソロソロ、ジャナイカ?」
 クルーのジョージが気を遣って休憩を促してくれた。
「ありがとう。ちょっと電話してくる」
 私は隣の棟に移動し、自宅に電話を掛ける。
 
 
◇タイトル:クリスマスをぶっ壊せ
◆キャッチコピー:両片思い、ちょい病み風

~書き出し~
We crush your merry Christmas.
We crush your merry Christmas.
We crush your merry Christmas.
And fxxking new year!

 伸びの良いテノールは空しく夜空にこだました。
 その歌い手の整った顔立ちを眺め、ため息を一つついてからマネージャーは一言指摘する。
「三吉、お前さっきから替え歌歌ってるよな」
「あ、バレました?」
 ひげ付きのマスクをもごもごさせて、三吉と呼ばれた青年が笑う。赤い服に赤い三角帽、そして白く長いひげ。誰がどう見てもサンタクロース……の仮装をしてケーキを売るバイトだ。
 

◇タイトル:アイムプラウドマイちんこ
◆キャッチコピー:自分のちんこを誇ろう!

~書き出し~
【注意】下ネタを含みます。ちんこの苦手な方はご注意ください。


「ほえっ!」
 木こりである私は、木こりらしく森を探索していたのだが、前触れもなくちんこがもげた。もげたちんこはぽよんぽよんと跳ねていき、湖に落ちてしまった。
「うん……えぇっ?」
 意味が分からん。もげた部分を見れば別に痛みもなく、とぅるんとした肌があるだけだ。もはやそこには最初から何もなかったかのようであるが、木こりであるにも関わらず、私は斧よりちんこを握っている時間が長かったくらいちんこを溺愛してきたのだ。そこには間違いなく私のマイサン(重複表現)がぶらさがっていた。
 
 
◇タイトル:天才スリと児童虐待お姉ちゃん
◆キャッチコピー:その携帯灰皿は魔法を使う。

~書き出し~
 ※残酷描写あり

 『ねぇ径ちゃん。あんたプロの手品師になりなよ』
 小さい頃のあたしにそんな風に言ってくれたのは、当時あたしを『携帯灰皿』呼ばわりして、実際手やら腕やらに煙草の火を頻繁に押し付けてくれやがっていたお姉ちゃんだった。
 あたしは手先が器用だった。他のことはもう本当に、どうしてここまで酷いんだって言われるくらいダメだったけど、でも手先だけはおそらく天才と言って良いくらいに器用だった。だから、テレビの中の魔術師が披露して見せた色んな手品も、あたしは一目見ただけで自分のものにすることが出来た。
 あたしはお姉ちゃんが選んだトランプを、お姉ちゃんのポケットに滑り込ませることが出来た。お姉ちゃんのポケットにある煙草の箱の中にカードを入れることさえ、お姉ちゃんを目の前にしながら行えた。タネも仕掛けも必要ない。ただ上手く注意を他に引き付けて、一瞬の隙を突くだけのことだ。


◇タイトル:デッドマンイズノットデッド
◆キャッチコピー: 何故死なないのか? それはもともと死んでるから……故に彼はデッドマンと呼ばれるのです。

~書き出し~
※ グロ注意


1.


 あたしを殺そうとしたサイコヤクザは、突然現れたジャージ男にあえなく殺された。
 一部始終を目の前で見ていたあたしでも、訳が分からない。
 ただ、そんなあたしにはお構いなしに首から上が無くなったサイコヤクザの体からは血がびゅーと噴き出てあたしの顔を汚してくるし、部屋の隅にはジャージ男に切り飛ばされたヤクザの顔がこっちを見ているし、血まみれのジャージ男は黙ってあたしに向かってくる。
 年頃は二〇後半から、三〇に差し掛かったくらいだろうか。ぼさぼさした髪と無精髭に覆われた顔はイケメンの部類に入るだろうけど、無表情な上に血まみれで全て台無しだ。


◇タイトル:ハイドラの書
◆キャッチコピー:『ハイドラの書』に曰く、『魅了(チャーム)』は人を従わせる技ゆえ、これを施すならば充分な配慮が必須となろう。

~書き出し~
 これは、はるか昔の物語でございます。大陸が今とは異なる形をなし、天の星々も今とは異なる位置にあり、今ではその名すら忘れ去られた古き神々が人の世に力を顕わすことのあった、失われた過去の物語でございます。

 ここで語られる事柄には、古い物語によくあるように、今では受け入れがたい考え方や風習に基づいて、粗暴な力がためらうことなく振るわれる場面が描かれております。また、力ある者によって弱き者が虐げられて苦しむさまや、多くの者たちが逃れようもなく苦悶のうちに命を落とす状況が描写されております。
 そのような物語を聞くことを望まれない方は、ここを離れ、ほかの語り部の方々が紡ぐもっと平穏な物語の輪に加わることをお勧めいたします。


◇タイトル:魅せられて
◆キャッチコピー:ただ美しい物を見たというだけのお話

~書き出し~
 満天の星空を見たように瞳を輝かせて、赤く頬を染め艶やかな花のよう、そして話す言葉は恋人に語る愛の調べに聞こえた。
 お前をそんな風にした―― ならば、今のお前こそ――。



「そんなに退屈なら帰ったらどうです、柳君?」
 ソシャゲをしていると、隣に座って小説を読んでいる女生徒―― 広津 楊子(ひろつ ようこ)に言われた。
「お前がチクるから、無理」
「まだ根に持ってるですか、もう半年以上前のことですよ?」
 しょうがない人だというように溜息を吐く。


◇タイトル:2006
◆キャッチコピー:つらいことばかりだったあの日々に、どうしてか今は縋り付いている。

~書き出し~
 母親の財布に、千円札が六枚入っている。
 この中から果たして一枚盗るのか二枚盗るのか、それが問題だった。
 判断は可及的速やかに下さなければならない。今母親はベランダにて洗濯物を干しているところだが、過去の傾向から推測して、およそ三分から五分後にはリビングルームに戻って来てきてしまう。財布を覗き込んでいるところを発見され、現行犯逮捕という最悪の事態だけは避けなければならなかった。
 もちろん、一枚よりは二枚盗れた方が嬉しいことは言うまでもない。
 俺はトレーディングカードゲーム『デュエルマスターズ』の大ファンであり、それは六年二組の男子の大半がそうである。クラスの友人達とは互いに切磋琢磨し合う関係であるのだが、強力なデッキを作る為には高額なカードが必要だ。千円でも多く獲得できるに越したことはない。


◇タイトル:信ずるに足りる光
◆キャッチコピー: 人を信じるって難しい。でも、だからこそ価値がある。

~書き出し~
※本作には残酷な表現があります。



 それは凄惨な光景だった。
 自宅の奥にある十畳の和室。そこでは、病床に伏している父が一人娘の帰りを待っているはずだった。
 末期の膵臓癌に侵され、五〇歳の若さで骸骨同然に痩せ衰えた父だったが、娘が帰宅を告げに来た時には必ず身を起こし、温かい声で迎えてくれていた。
 そんな父が、今は布団の上で俯せに倒れている。体の下には真新しい血溜まりが出来ていた。
 背が僅かに上下している。まだ生きていると知るなり、叶絵(かのえ)は駆け寄った。
「お父さん!」
「……か、のえ……か」


◇タイトル:嗚呼、文芸愛好会よ何処へ往く
◆キャッチコピー:何なんですか、このお題。企画の主催者は参加者集める気があるんですかね?

~書き出し~
 プロローグ


「涼子先輩……俺、もう我慢できないんだッ!」
「な、何? どうしたの山下く、きゃあっ!?」

 言うや、彼は突然私を足払いで倒して上から伸し掛かってきました。
 突然の事に混乱していた私は、彼にされるがまま体を押さえ付けられます。
 ようやく押し倒された事に気付き、抵抗してみるも所詮は男女の体格差。しかも長年柔道で鍛えてきた山下君の巨体を押し退ける事など、か弱い私にできる筈もありません。
「じ……柔道の技を、こんな事に使うなんて。あなたは恥ずかしくないの?」
 せめてもの抵抗に、彼を正面から睨んで言い捨てます。
 でも……


◇タイトル:小麦の妖精に恋したら
◆キャッチコピー:皆さんは、どんなパンが好きでしょう? 生き物全ての望みは、美味しい物を食べて安全にたくさん寝ることだよ!

~書き出し~
〔1〕

 食欲の秋と、人は言う。
「天高く馬肥ゆる秋」の諺もある。
 空は高く青く澄み渡り、心地よい日差しと頬を撫でる涼やかな風。美味なる穀物や果物が、豊富に実る秋……。
「……って、食べ過ぎじゃない? フーミン!」
 午前授業終わりのチャイムと共に、山ほどの惣菜パンを机に積み上げた春風一二美(はるかぜ ひふみ)は、呆れる私を気にする素振りもなく満面の笑みを浮かべた。
「うん、心配しなくて大丈夫よぅ、スー子。五個中三個がお昼で、残りの二個はオヤツなの」
「そういう問題じゃなくてさぁ……」
 溜息と共に私は自分の机から椅子を引っ張って、一二美の正面に腰掛ける。


◇タイトル:月に咲く花
◆キャッチコピー:宇宙人っていると思う?

~書き出し~
 歳を重ねたからといって目に映る景色が急に変化するわけじゃないし、知識や思考能力が自動的に身につくわけでもない。
 それでも私たちは分類される。年齢、立場、肩書、そういった属性で判断され、それに相応しい立ち振る舞いを求められる。
 私は常に、私でしかないのに。
 なんにせよ、私は本日一月二十一日をもってニ十歳になり、この国の規定によって成人すなわち大人として定義されることになった。
 成人になると様々な権利が認められ、飲酒もその一つだ。
 で、私はいまアルコールドリンクのメニュー表を見つめている。人生で二十度目の誕生日の夜、とあるファミリーレストランで、さっそく大人の権利を行使しようとしているのだ。


◇タイトル:ナニモナイが来るよ
◆キャッチコピー:愛が世界を救うコズミックホラー

~書き出し~
●異端審問局長向け ノルデント癲狂院からの定期報告書
 雪待月二十九日
 未明に複数患者から愁訴あり。全階層での同時多発は稀であり、対応人員が不足。収束は昼過ぎとなる。
 奇妙なことに、約半数の患者がそれぞれの平素の愁訴とは異なる内容を訴え、それらにある程度の共通点が見られた。
 もっとも明瞭であった患者の述べた内容を参考として記す。

「ナニモナイが来るよ。ナニモナイがやってきて、何もかもが無くなってしまうよ」

同日夕刻に患者番号13-42が独居房に不在であることを発見。独居房の施錠状態は維持されており、魔術的手段の使用が疑われる。房内の遺留品として黒い絹布1枚を確認。


◇タイトル:若宮公園のヒーロー
◆キャッチコピー:愛の戦士・仮面アイダーここに推参!

~書き出し~
1.ヒーロー推参

 塾に行ったら休みだった。
 休みなら休みって誰か教えてくれればいいのにって思ったけど、教えてくれるような「誰か」なんて居ないことに思い至り苦笑いをする。
 何しろ、この春、中学生になったお祝いに買ってもらった僕のスマホには、父さんと母さんの番号とメアドとラインぐらいしか登録されてないのだから。
 しょうがない、帰って明日の予習でもするか、なんて思いつつ家路へと足を進めるうち、そういえばこの先を曲がると、小学校のころによく遊びに行った『若宮公園(わかみやこうえん)』って公園があったことを思い出す。
 その公園で、よくヒーローごっこをしたものだった。


◇タイトル:南雲青子は屋上にいる
◆キャッチコピー:私ってさ、結局なんだったんだろうね

~書き出し~
「――――私ってさ、結局なんだったんだろうね?」





 高いところが好きなのは、馬鹿となんだったかな。
 そんなことを、学校の屋上に上がってすぐに思った。フェンスの上側に腰掛け外を眺める豪胆な少女の背中を見つけ、「よお」と声をかける。
 少女はこちらを振り返ると、ぱあっと笑顔を浮かべて大きく手を振ってきた。
「芽吹くーん! 今日は遅かったね」
「日直だ。相棒が忘れてったせいで二人分働いてきた」
 眉をひそめて言い返す。「別に私が悪いわけじゃないでしょ、睨まないでよ」と反論されればその通りなのだが、そうですねと素直に受け入れきれない事情があった。


◇タイトル:水彩Suicide
◆キャッチコピー:私は貴方と、シネマスコープの牢獄を歩く。

~書き出し~
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 私の朝は黄土色の砂嵐から始まる。濁った水晶体をぎょろりと動かし、窓を見る。今は何月だろうか。黒澤明の映画のように、煤けた雨が窓を叩く。両手を天井へと伸ばす。木の葉を喪った枯木のように、しかしそこには血液が流れている。流れてしまっている。
 小さく呼吸をする。その度に下腹部の蟲が蠢き出す。そんな感覚に襲われる。
 震える掌はベッド脇の手すりを掴み、白いケーブルの先にあるプラスティックの安定剤を求める。かちり。ピー、ピー、と微かに響く音がSSRIの役目を果たしてくれる。

「サラさん、おはようございます」

 穢れないナース服を掴んで顔を埋めた。これがいつもの風景。いつもこの人が来てくれるから私は安心して壊れていられる。
 ぽんぽんと背中を擦ってくれる。だから愛おしくなる。神の加護などありはしない。あるとしたら、私にとっての神は貴方だけだ


◇タイトル:奇跡は今日も古墳に眠る
◆キャッチコピー:あなたも奇跡を起こしてみたいですか?

~書き出し~
※ この作品には刺激的な表現が含まれています。


「こ、こんなところに、入っていいのかい?」
 前を歩く幼馴染のサキに思わず声を掛けた。不安に声を震わせながら。
「平気よ。だって私の父が作らせたものなんだから」
 振り返るサキは僕の目を見る。
 それはいつもと違う、決意に満ちた眼差しだった。

 集落から離れた丘に、その場所はあった。
 人工的に土が盛られた巨大なその丘は、綺麗な円形に整地されており、広さは田んぼ一反ほどもある。
 驚くべきはその麓に見える構造物だ。
 石を積み上げて作られた、人が三人並んで入れる程の大きさの洞窟。その入口がぽっかりと口を開けている。


◇タイトル:情死なるものの、甚だ美はしきものなるを想ふ
◆キャッチコピー:百合作品ではありません。決して、きっと、おそらく、たぶん。

~書き出し~
 佐倉マリアは美しいものに目がない。むしろ、自分を「美」そのものに昇華させたいとすら思っている。
 母親譲りの整った目鼻立ちとぷっくりと妖艶な唇と、月の光が向こうに透けて見えるような、細く長い漆黒の髪筋。長い脚で立てばパリコレモデルも斯くやという脚線美を描き、脚から肩にかけての直線的なラインは芸術ですらある。
 彼女は「美」を追求する者である。それは容姿だけでなく立ち振る舞いにも及び、茶、花は勿論のこと、長刀をも修める才女でもある。
 歩く「美」こと、佐倉マリア。しかし、彼女は自分の現状に満足していなかった。なぜなら、自分の可能性は無限大だと確信していたからである。彼女は自己肯定の塊であった。
 自らの美しさをさらに引き立てるにはどうすればよいか。様々なことを試してきた彼女にとって、もはやオカルトじみた方法くらいしか残されてはいなかった。まだ見ぬ美の追求を目指して、今日も日課であるネットサーフィンに余念がない。


◇タイトル:無辜の殺戮者
◆キャッチコピー:人は自分が生きる為に、どれだけの行為が許されるのでしょうか?

~書き出し~
 注意:残酷描写あり。

 前編

 〇

 ある日を境に、五味星子(イツミセイコ)は両親と敬語でしか話せなくなった。
 五味家では基本的に、両親には「はい」と返事することになっている。「うん」とか「ええ」とか言ったら叱られる。親子とは言え目上の人間に対しある種の敬意を表現するべきだ、ということになっているのだ。
 他に、何か失敗をして叱られている時は敬語を使う、というルールもあった。反省とは感じるだけでなく伝わって初めて意味があるのであり、ならば反省する時はそれ相応の態度や言葉遣いを実践するべきである、ということらしい。
 それらのルールに、星子は特別大きな不満を感じている訳ではなかった。素晴らしい教育方針だと深く賛同する訳ではない。そもそもそれらのルールの意味について深く考えたことも一度もない。ただそこまで神経を使う要求ではないから、大きな苦痛は感じないというだけのことだ。小学生の時に習わされた剣道や、つらかった中学受験を思い出せば、この程度は些細な要求だと心から思える。


◇タイトル:手りゅう弾と文豪の金言と薔薇に挟まる女子
◆キャッチコピー:文学少年少女に振り注ぐ非日常!

~書き出し~
※エロいシーンがあるのでR15とさせてもらいます。

 彼女は芝生の上に座ると、校舎の壁にもたれかかる。そして大きなバッグからいろいろ取り出し始めた。バッグの中から出てきたのは、大きな双眼鏡、男物らしき大きなランチジャー、そして水筒。彼女はランチジャーを開けご飯が入ったタッパーを取り出すと、重いはずの双眼鏡を片手で顔に近づけ、片手で器用に膝で抱えたタッパーからご飯を箸でつまみ上げ、むしゃむしゃと食べ始めた。いったい彼女は何を見ながら食べているのかというと……。

「ひどい本を読んだ……」
 頭は金髪、それを逆立てたすごいヘアスタイルの少年が傍らの少年に話しかける。彼はホットドックを片手にかじりながら話している。
「何だよ、それ」
 サンドイッチを手にした黒髪の少年が答える。彼は眼鏡をくいとあげると金髪の子に微笑む。


◇タイトル:殺人サンタクロース
◆キャッチコピー:殺人サンタだぞ、みんな並べ

~書き出し~
 ※グロ注意


「やあ、君たち」
 保育園の園児たちは、みな行儀よく床へ座り、並んだ状態でワクワクしながら、前に立つサンタさんへたくさんの輝く視線を送った。
 サンタさんは人々へ与える存在だ。だがきっと、まったくの無報酬というわけでもなく。
 彼らは多分、受け取っている。そう、子どもたちからの笑顔、そして感謝といった精神的あれこれを。
 しかしそれは、良いサンタさんの場合に限ってのことかもしれない。そうでない場合は、どうかな。

 ○

(ねえ、どっちだと思う?)
 正面に座っていた健太くんが振り向いて小声でそう話しかけてきた時、藍子ちゃんは一瞬、無視しようかと思った。
 サンタさんが前にいるので、良い子として振舞いたいのだ。


◇タイトル:幻の花
◆キャッチコピー:幻の花が咲いたらしい

~書き出し~
 幻の花が咲いているという。
 しかも全国各地で。

 その花の名は『花紅(かこう)』。
 リンゴの一種で、中国原産のジリンゴとして日本でも古くは栽培されていた花だ。
 一般にリンゴといえば白い花が咲くものだが、花紅は花弁が赤い。と言っても真っ赤というわけでなく、花弁の根元は白く、端にいくにつれてピンクに染まり、端は真っ赤となる。正に『花紅』の名に恥じぬ美しい花なのだ。
 ただでさえ珍しい赤いリンゴの花。青森県の一部だけで見られると聞いたことがある。それが全国各地で咲くとは、一体どういうことなんだろう?
冬企画運営

3020年12月28日 00時11分06秒 公開
■この作品の著作権は 冬企画運営 さんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ
◆テーマ:
 天に星【○】
 地に花【○】
 人に愛【○】
◆キャッチコピー:キャッチコピー集です。
◆作者コメント:運営より

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