45口径の救済 |
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こんにちは。 私は高校二年生の玉木さらさといいます。 実は今、私の通う学校で、変な遊びが流行しているんです。 その遊びは、いわゆる不順異性交遊なのですが、どうも様子がおかしくて普通の彼氏彼女とかではなくて、新興宗教のようになっているんです。しかもやっている人にしか内容のわからない、秘密クラブのような存在でもあるんです。 私の友達もその遊びにはまってしまって、なんだか以前とは別人のようになってしまいました。 お願いです探偵さん。 どうか私の高校にはびこる遊びの正体を暴いて、私の友達を助けてください。 玉木さらさ こんなメールが届いたので、私は依頼人玉木さらさの通う高校へと潜入した。 幸い私はまだ21歳だったので、ギリ制服を着ても大丈夫な気がしたので、内心ドキドキしながら入ってみたが、案外普通に溶け込めた。 さらさに案内されて、校舎裏の人気のない場所で活動を始める。 「みなさんごきげんよう! みなさんはご存じでしょうか今巷で話題のちょっとエロい神様の話――」 自撮り棒にスマホをセットして、録画をする。 私は動画配信者であり視聴者(主に中高生)の身近なお悩みを無償解決する名探偵メラリー・ジューンである。自称である。 「毎回これだけはやらないとね。さ、詳しく教えてちょうだい」 「はい。実は……」 さらさの言うには、この学校で流行っている遊びはその名も――《45口径の救済》 救いの神マグナム・マラリオンが悩める生徒への癒しと救済をもたらす、という触れ込みらしい。 学校内でまことしやかに噂される内容によれば、この学校のどこかに、とても醜い浮浪者の男が住み着いていて、その男は見た目はとてもぶおとこなのだけれど、そのマラはとても太くて固くて黒光りしていて正にマグナム級!なのだという。その男とのセックスによって(男女の別を問わず)全ての悩みから解放され学校生活が見違えるように楽しくなるらしい。 私は思った。これは外れ案件かもしれない。 「ヤバい話ね。信ぴょう性はなさそうだけど」 「そうでしょう!でも本当なんです。私の友達のみいねちゃんもその遊びをしたらしいんです。私、私、みいねちゃんがそんなぶ男にあんなことやこんなことをされたかと思うととてもじゃないですが正気じゃいられません!」 「わかったわかった。わかりましたので取り合えずそのみいねちゃんに会ってみましょう」 私たちはさらさの友人みいねに会いに行った。 時間はすでに放課後、しかしみいねは都合よく部活中であり、活動が終わるのをまって接触することに成功した。 「こんにちはみいねさん。ちょっとお聞きしたいんですけどよろしいですか」 「えっあぅ……今はちょっと、その……」 みいねは頬を紅潮させ、今にも私の前から逃げたいといった風であったが、なんとか特殊な交渉術を使って接触に成功した。 「みいねさんは《45口径の救済》という名前の遊びが流行っていることを知っていますか」 「それは……あの、聞いたことくらいなら」 「あなたがその遊びを行っていると言う人がいるんですが、その遊びってエッチな遊びなんですよね?学校一のブサイクとセックスするとか?それって本当ですか?」 「し、知りません!そんなのただの噂ですよ!わた、わたしがそんなことしてるわけないじゃないですか」 明らかにみいねは動揺していた。 その後いくら質問をしても彼女はそれ以上口を割ろうとしないので、仕方がないので私はさらに特殊な交渉術を使って彼女から情報を聞き出した。 曰く――英語科の木野崎教諭に会えばわかる。 私はみいねとさらさを先に家に帰し、一人で木野崎教諭に会いに職員室へ行った。 職員室へ行き、近くにいた教員に木野崎教諭を訪ねると、あいにく席を外していた。そこで私は考えた。木野崎教諭の机にメモを残して一度退出した。メモにはこう書いた。 先生へ 私も45口径の救済を受けたいと思っています。 とても悩んでいてひとりでは解決できそうもないんです。どうか助けてください。 20時に体育倉庫まで来てください。 この悩みを聞いてくれたらなんでもしますから。 木野崎教諭がマグナム・マラリオン本人もしくはその関係者である確率はとても高かった。 案の定、20時丁度に体育倉庫まで男はきた。 意外とひょろい男だった。こんな奴がデカマラ男なのか? 「先生待ちくたびれましたよ」 「君か、手紙をくれた生徒は――うわッ」 私は木野崎教諭に特殊交渉術を掛けた。 唇をゆっくりと話すと、唾液が糸を引いた。 私とキスした者は誰であれ、短時間私の質問に答えたくなる。 それが私の特殊交渉術である。 「木野崎教諭あなたがマグナムマラリオンですね。生徒たちをたぶらかして性のはけ口にしていますね!」 「そんな、ことは、していない」 強情な男であった。 しかし物証があれば言い逃れもできない。 「では見せてもらいましょうか!あなたのご自慢のマグナムとやらを!!」 私は木野崎教諭のズボンをパンツごと下げた。 「それが、学校に不法侵入して生徒数人と教員に性的暴行を加えた理由かね?」 「はい」 私は逮捕され取り調べを受けていた。 45口径の救済とは不順異性交遊ではなかった。 学力の落ちた生徒への木野崎教諭の特別補修のことだった。 私は今日も事件を解決したのだ!! |
tatetoke 2020年08月09日 23時59分35秒 公開 ■この作品の著作権は tatetoke さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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