【跡地化】歳末のバビロン

Rev.05　枚数： 3 枚（ 840 文字）
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肉球

2019年12月30日 23時33分56秒 公開
■この作品の著作権は 肉球 さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
◆キャッチコピー：
――では諸君。悪を成そうか

◆作者コメント：
なんとか間に合いました。
今回は、自分の中でこれまでと作風をガラッと変えてみました。
楽しんでいただけたら幸いです。
それでは皆様、よいお年を。

※
ほんの少しですが、性描写があります。
苦手な方はご注意ください。

2020年01月17日 21時56分16秒
 作者レス
  • 明けましておめでとうございます。
    肉球です。

    この度は、拙作「歳末のバビロン　～彼女が悪の秘密結社の女幹部になった理由～」をお読みいただき、誠にありがとうございます。
    思っていた以上に高い評価をいただけて、嬉しいやら気恥ずかしいやら、不思議な気持ちです。

    私事ですが、ここ数年は仕事の影響もあってスランプに陥っており、公募どころか企画に参加するのもかなり久しぶりという有様。
    年末に麻雀をした際に執筆仲間にお尻を叩いていただき、なんとか完成したのは締切直前。
    投稿後は恒例の「これ面白いのかよ症候群」に悩まされ、1個目の感想をいただくまで胃が痛かったです。
    ただ、こうして終わってみると、やっぱり企画って良いな、楽しいなと改めて思います。
    名前をお見かけしたことがある方もちらほらいらっしゃいますし、同窓会のような心持で楽しませていただきました。
    次回もネタを思いつけば馳せ参じたいと思いますので、その時はお手柔らかにお願いします。

    最後に、この場を借りて企画に携わった全ての方に百万の感謝を。
    個別レスはのんびり行っていきます。

    ではでは～


    E-Mail pass
2020年01月15日 13時02分14秒
 +40点
  • お久しぶりです、肉球さん。
    まずは優勝おめでとうございます！　これは納得の優勝だったと思います。
    遅くなってしまいましたが、拝読したのでさっそくさっそく。

    非常に良質な作品でした。もっとも良かったと感じたところは、作品全体のバランスです。ところどころで散りばめられた伏線を回収し、終わりになるにつれて収束していく様は素晴らしかったです。特に人物がそれぞれ抱える課題ーーたとえばサタンクロスであれば己のアイデンティティーの形成とオメガマンへの勝利をストーリーの中で上手く落としこんでいますし、美咲の場合は父親への反逆もまたクライマックスの父親のへの拒絶と、オメガマンへの平手打ちとして描かれています。この平手打ちはよかったです。父親への反抗、正義との決別、悪の道へと進む象徴と、色々な意味合いがこの平手打ちにこめられている気がして、同時に肉球さんらしいなと感じられてすごく気に入ったシーンでした。

    さて、褒めてばかりではアレなので気になった点も挙げてみます。
    ここは燕さんと少し被るところもあるのですが、今作の敵であるオメガマンはもう少しちゃんとカッコいい人物であってもいいんじゃないかと思うんです。まともな人物というか。
    あんまり上手くは言えないのですが、端的にいうと今作は悪のほうに肩入れしすぎて少しだけバランスを崩している印象があるのです。
    現状最後のシーンでオメガマンの煽るような言動によって美咲に火がつき、悪の道に進む決意をすることになるのですが、「自分たちの価値観でしか物事を計れない。あなたたち（正義）なんて大嫌いよ」という美咲もまた自分の偏った価値観でそれを言っているような気がするんです。というのも、彼女は本当の正義や善を知らずにそれを憎んで悪の道に進んでいて、その選択の仕方はちょっと不健全でこちらからすると見ていて不安になります。選択というよりは周囲の状況に流されて悪の道に行き着いたというふうに目に映るからです。
    正義の体現者であるオメガマンがちゃんとした人物で、その存在（善や正義）を知り、それを美咲が受け入れ、それでもなお自分は悪の道に進むんだとなれば納得のできる選択だと思うんです。同時に、美咲が一歩を踏み出す感じが一段と強く感じるシーンになるんじゃないかなと。

    と、自分からはこのくらいですかね。いちゃもんこそつけましたが、まあ、重箱の隅を突いた程度です。個人的に感じたことに過ぎないので肉球さんのお好みで取捨選択してください。良作なのには変わりありませんしね。読んでよかったと本当に思いました。

    それでは肉球さんの次回作、楽しみにしております(^^)

    ご馳走さまでした！


    E-Mail pass
Re: 2020年03月15日 14時10分51秒
  • とよきち様

    お読みいただき、ありがとうございます。

    ＞非常に良質な作品でした。もっとも良かったと感じたところは、作品全体のバランスです。
    ＞特に人物がそれぞれ抱える課題ーーたとえばサタンクロスであれば己のアイデンティティーの形成とオメガマンへの勝利をストーリーの中で上手く落としこんでいますし、美咲の場合は父親への反逆もまたクライマックスの父親のへの拒絶と、オメガマンへの平手打ちとして描かれています。この平手打ちはよかったです。父親への反抗、正義との決別、悪の道へと進む象徴と、色々な意味合いがこの平手打ちにこめられている気がして、同時に肉球さんらしいなと感じられてすごく気に入ったシーンでした。

    平手打ちを気に入っていただけたのことで、流石Ｍきちさんだなって思いました(白目)
    嘘です。褒めていただけて嬉しいです。ちょっとテンプレ過ぎるかなとも思ったんですけど、とよきちさんにしゅきと言っていただけて、挿入れて良かったと心から思いました(迫真。


    ＞今作の敵であるオメガマンはもう少しちゃんとカッコいい人物であってもいいんじゃないかと思うんです。まともな人物というか。
    あんまり上手くは言えないのですが、端的にいうと今作は悪のほうに肩入れしすぎて少しだけバランスを崩している印象があるのです。

    やはり、オメガマンの造詣は不評ですね。他の方へのレスでも書いたのですが、ラストの爽快感のためにあえてアホの子にしたのですが、それが結果に繋がっているのかと考えると自信が無くなっております。また、尺も余っていたので、もう少し深く書きこむべきだったなと後悔しております。


    ＞「自分たちの価値観でしか物事を計れない。あなたたち（正義）なんて大嫌いよ」という美咲もまた自分の偏った価値観でそれを言っているような気がするんです

    ここは凄く納得しました。確かに、美咲は全く同条件で正義と悪を比較して悪を選んだわけではなく、悪を選ばざるを得なかった形になってしまってますね。


    ＞正義の体現者であるオメガマンがちゃんとした人物で、その存在（善や正義）を知り、それを美咲が受け入れ、それでもなお自分は悪の道に進むんだとなれば納得のできる選択だと思うんです。同時に、美咲が一歩を踏み出す感じが一段と強く感じるシーンになるんじゃないかなと。

    一々納得です。ヒロインの境遇を考えるに、全く平等に比較は出来ないと思うんですけど、もう少し正義と悪のバランスを整えた方が良かったんだと思いました。

    ＞それでは肉球さんの次回作、楽しみにしております(^^)
    ＞ご馳走さまでした！

    いただかれてしまいました(*・ω・*)
    最近お忙しそうですけれども、とよきちさんとも、是非また殴り合いたいと思っております。
    タイミングが合えば、是非又御手合わせ願います。

    以上となります。
    ありがとうございました。
    今後ともよろしくお願いいたします。




    E-Mail pass
2020年01月12日 23時46分16秒
 +30点
  • ｋｚと申します。拝読しましたので、コメントします。

    ラ研の企画といいますと、変態とか幼女とか品のない単語がよく飛び交うイメージがありましたので、こういう方向に舵を切ってくるとは……とまず驚きました。（いや、まあ世間一般ではそれが普通なんですけどね←
    怪人とJKという組み合わせ自体シュールですが、二人の何気ないやり取りもユーモアたっぷりで面白かったです。文章もキザじゃないといいますか、自然な感じで心地よかったです。
    展開に関しては正直予想通りでした。といっても、意外性がないとそしっているわけではなく、ヘンに奇をてらっていない分、キャラクターの方に集中できていて、とても読み応えがありました。
    そしてお約束のハッピーエンド（伏線が露骨だったのはご愛嬌(笑)）。こんなにあっけないオチでよいのだろうかｗと一瞬思いましたが、よくよく考えたらタイトルにある通りなので、ここは素直にハッピーエンドをかみしめるべきなんでしょうｗ
    気になる点を挙げるとするならば、サタンクロスの背景がカットされていることでしょうか。オメガマンやバビロンの活動内容も詳細には触れておりませんよね。サタンクロスは自身のアイデンティティに疑問を覚えており、美咲と出会ったことで悟りに至り、終盤の感動的な展開につながるわけですが、彼の怪人自体のエピソードが描写されておりませんでしたので、なぜ彼が自分自身や悪に疑念を抱くのか理解できず、そこまで深く感情移入することができませんでした。その辺りも触れてあったら、終盤の展開ももっと盛り上がったかもしれません。

    感想は以上です。少しでも参考になれば幸いです。

    E-Mail pass
Re: 2020年03月15日 14時10分37秒
  • ｋｚ様

    お読みいただき、ありがとうございます。

    ＞ラ研の企画といいますと、変態とか幼女とか品のない単語がよく飛び交うイメージがありましたので、こういう方向に舵を切ってくるとは……とまず驚きました。

    大変申し訳ございません(´･ω･`；)
    当方、至極真面目で普通の人間でして、変態とか幼女なんてとてもじゃないんですけど書けないんです。ああ、まともな自分が情けないです……。


    ＞怪人とJKという組み合わせ自体シュールですが、二人の何気ないやり取りもユーモアたっぷりで面白かったです。文章もキザじゃないといいますか、自然な感じで心地よかったです。

    ありがとうございます。掛け合い部分はかなり気を使って書いたので、嬉しいです。


    ＞展開に関しては正直予想通りでした。といっても、意外性がないとそしっているわけではなく、ヘンに奇をてらっていない分、キャラクターの方に集中できていて、とても読み応えがありました。
    そしてお約束のハッピーエンド（伏線が露骨だったのはご愛嬌(笑)）。こんなにあっけないオチでよいのだろうかｗと一瞬思いましたが、よくよく考えたらタイトルにある通りなので、ここは素直にハッピーエンドをかみしめるべきなんでしょうｗ

    ミステリ好きの友人にも言われたのですが、労働時間の部分でオチまでの流れが完全に読めてしまう方が結構な数いらっしゃったようで、情報開示の部分で甘すぎたのかな、と。また、ストーリーラインもテンプレ過ぎたかなと反省しております。


    ＞気になる点を挙げるとするならば、サタンクロスの背景がカットされていることでしょうか。オメガマンやバビロンの活動内容も詳細には触れておりませんよね。サタンクロスは自身のアイデンティティに疑問を覚えており、美咲と出会ったことで悟りに至り、終盤の感動的な展開につながるわけですが、彼の怪人自体のエピソードが描写されておりませんでしたので、なぜ彼が自分自身や悪に疑念を抱くのか理解できず、そこまで深く感情移入することができませんでした。

    やはり、突っ込まれ(意味深)ますよね。
    正直、細部に関してはなぁなぁで流してくれないかな的な淡い期待もあったんですけど、読者を舐めすぎでした。ラストシーンへの感情移入に影響する部分なので、もう少し掘り込めば(意味深)良かったと後悔しきりです。


    ＞感想は以上です。少しでも参考になれば幸いです。

    感想ありがとうございました。
    今作が企画に間に合ったのも、年末に壺さんとウ〇コさんと花粉さんと豚さんと社畜さんがケツをスパンキングしてくださったおかげです。
    企画になるか、雀荘になるか分かりませんが、また殴り合いましょう。

    以上となります。
    ありがとうございました。
    今後ともよろしくお願いいたします。

    E-Mail pass
2020年01月12日 21時52分45秒
 +30点
  • 　執筆おつかれさまです、燕小太郎と申します。
    『歳末のバビロン　～彼女が悪の秘密結社の女幹部になった理由～』読みましたので、感想を残したいと思います。

    ＜一通り読んでの第一印象＞
    　良いですね。実に面白かったです。
    　完璧と言っても差し支えない、それぐらいの賛美を送りたいと思います。

    ＜良かった点＞
    　あらゆる点でクオリティが高く、『一番良かったのはどこか』と指し示すのが難しいというのが今作最大の欠点と言えるでしょう。
    　まずは一貫した『正義と悪』というテーマ。テーマ自体は使い古されたものがあるものの、全編通して今作における正義と悪への解釈が徹底されていて、読んでいて興味深かった。強いて挙げればライバルのはずのオメガマン側から見た正義の描写がやや少なかった点がありますが、概ね範囲内。とりわけ、最後の美咲との会話に彼の正義の姿がほぼ現れているとも解釈できましたし、問題ないと思います。

    　一つの物語として、キャラクターが魅力的でした。自信の存在意義に揺れ、悪党こそ自分の意味と考え、悪党とは何かを迷い考え、そして見つけ出す。こちらも、ストーリーが進むにつれてサタンクロスが成長していくのが伝わってきて、これが正しいキャラクターの描き方だなと勉強させられました。
    　また、美咲も良かったです。父親に怯え逆らえない少女ですが、芯に強い物を持っている。サタンクロスとの首なし会話や、悪党会話が実に粋でした。二人のバランスがとても良かったのだと思います。

    　少し細かくなりますが、上野・秋葉原と現実の地名が出たことも好感が持てました。見知った土地なのでイメージしやすいという個人的な事情もありますが、何より『上野』『秋葉原』と聞けばそれだけで想起されるイメージがあり、ストーリーにも深く影響を与え、物語にリアリティを持たせる。とりわけ、上野の雑多な感じは今作と非常に合っていたのではないかと思います。

    　他にも色々と探せば長所はありそうですが、きりがないのでこの辺で。

    ＜気になった点＞
    　期限ギリギリで枚数いっぱい、と思っていましたが、意外なことに期限はともかく枚数は上限まで少々余裕があるようです。マイナスをほとんど感じない作品だけに、足せる余地があるのはもったいなく感じます。

    　まず『悪の秘密結社バベル』が終わった後から描かれているため、どの程度の規模の悪事を働きどのくらい危険視されているかがわかり難い。ロケット団なのか、ドロンボー一味か、黒の組織か、バイキンマンか、はたまたリアルなテロ集団か。自衛隊が出張ってくるということは戦争・テロと同規模なのはイメージできそうですが、そんなのが東京ど真ん中の上野に基地を作り、基地ごと爆破するとしたら、数日後にクリスマスを祝う状況というのも違和感を覚えます。もっとコメディにも対応できるふわっとした組織だと作品の雰囲気と合わないし、ここはしっかり補強しても良かったように思いました。
    　次に、正義と悪の議論が終始サタンクロスと美咲の二人に終始してしまった点ももったいない。悪側に近い二人だけでなく、正義寄りの第三者の主張を交えることで、より深く掘り下げてほしかったです。現状オメガマンがほとんど真相にたどり着けていないため、何も知らないアホにしか見えません。オメガマンか、正義寄りの別の誰かが正義の視点で語ることで、『だからこその悪』をより印象付けられるように思いました。
    　
    ＜より良くするための提案＞
    　足せる要素としていくつか挙げましたが、両方をいっぺんに解決する方法として敵をより魅力的に描くことを考えてみたいと思います。昔から『格好良い敵』には憧れていましたので。
    　今作であれば、例えば冒頭、オメガマンとサタンクロスの戦いから入る。作中にもありましたが、決着がついた後、周囲の街まで巻き込む自爆を仄めかしたサタンクロスへの対応でオメガマンの器が計れます。何もできず吹っ飛ばされるのか、必要な犠牲と割り切って止めを刺すのか。はたまた止めも忘れて一人でも犠牲者を減らすために飛び出すのか。そこにオメガマンなりの正義観（あえてこの字を使ってます）が垣間見え、この後の悪と正義を語る上で一つの手助けになるのではないかと。もちろん、爆発をエピソードで描くことで、組織の規模や姿勢も伝わりやすくなるのではないかと思います。
    　また、現状父親もただのクズなので、正義側の人間としての立場を補強することでより（敵として）魅力を出すことが可能と考えます。
    　今作でも美咲の母親を失ったショックがあるんでしょうけど、反応を見ているとただの性処理目的。そもそも性犯罪って自己中心的な発想しかないうえに倫理的にものすごく嫌われているから、そんなことしている時点でそもそもキャラクターとしての魅力がない。性暴力ではなく度を超えた厳しい教育や監禁まで達する教育ではあれば、『娘を守るため』『正しく立派に育てるため』といった主張が一応通るため、悪との主張がぶつかるようになり、深みを増していくのではないかと思います。
    　まあそもそもコイツの場合、警察官が自分の娘を人質にとられてビビッているんじゃ話にならないでしょう。抱くほど愛しているなら娘の安全を確認した上で笑って差し違えるくらいの覚悟が欲しいところです。そして命がけで守ったはずの娘が仇を慕い悪の組織の幹部になるというのも、皮肉が効いていて良いのかな、と。

    　長々と書きましたが、現状でも充分満足の行くキャラクターだと思います。ただ、充分以上を目指すならこういう方向性かなと思い、書かせていただきました。

    ＜最後に＞
    　色々と書きましたが、統括としては最高でした。あらゆる技術が高いレベルでまとまり、キャラクター・ストーリーともに素晴らしい。もっと自分も書いてみたい、自分ならこうするかなという創作意欲をかきたてられる一作でした。

    　拙い感想ですが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

    E-Mail pass
Re: 2020年03月15日 14時10分25秒
  • 燕小太郎様

    お読みいただき、ありがとうございます。

    ＞良いですね。実に面白かったです。
    ＞完璧と言っても差し支えない、それぐらいの賛美を送りたいと思います。

    ありがとうございます。企画の猛者である燕さんにそう言っていただけて嬉しいです。


    ＞まずは一貫した『正義と悪』というテーマ。テーマ自体は使い古されたものがあるものの、全編通して今作における正義と悪への解釈が徹底されていて、読んでいて興味深かった。強いて挙げればライバルのはずのオメガマン側から見た正義の描写がやや少なかった点がありますが、概ね範囲内。とりわけ、最後の美咲との会話に彼の正義の姿がほぼ現れているとも解釈できましたし、問題ないと思います。

    やはり、オメガマン側の描写不足と設定の拙さが目立ちますよね……。
    他の方へのレスにも書いたのですが、正直なところ『正義と悪』はテーマにするほど深く書くつもりは無かったんです。ただ、モチーフを考えるとどうしても触れざるを得ない部分で、もう少ししっかりと書きこむべきだったと思います。


    ＞一つの物語として、キャラクターが魅力的でした。
    ＞サタンクロスとの首なし会話や、悪党会話が実に粋でした。二人のバランスがとても良かったのだと思います。

    ありがとうございます。会話って、自分が多少なりとも自信を持っている数少ない部分で、そこを褒めていただけると本当に嬉しいです。


    ＞『上野』『秋葉原』と聞けばそれだけで想起されるイメージがあり、ストーリーにも深く影響を与え、物語にリアリティを持たせる。とりわけ、上野の雑多な感じは今作と非常に合っていたのではないかと思います。

    ここに触れていただけるとは……！
    今作を書く上で
    ラストシーン→舞台→プロット
    の順番で固めて言ったので、自分の中で今作のプロットには東京都台東区という場所がかなり影響を受けていると思っています。
    特に、アメ横の雰囲気はかなり気を使ったので、作品と合っていたと言っていただけて安心しました。


    ＞『悪の秘密結社バベル』が終わった後から描かれているため、どの程度の規模の悪事を働きどのくらい危険視されているかがわかり難い。
    ＞ふわっとした組織だと作品の雰囲気と合わないし、ここはしっかり補強しても良かったように思いました。

    そうですね。やはり、ちょっと自分の中でもあいまい過ぎたと思いますし、それが作品にも出てしまっていると思います。ここは反省しております。


    ＞悪側に近い二人だけでなく、正義寄りの第三者の主張を交えることで、より深く掘り下げてほしかったです。現状オメガマンがほとんど真相にたどり着けていないため、何も知らないアホにしか見えません。

    ここはご提案いただいた改善案とも被る部分はあるのですが、オメガマンをアホの子にしたのは狙ったものでした。というのも、ラストの爽快感を考えた時に、気持ちよく悪を選ぶためには正義を思いっきり滑稽に書かないといけないのでは、という考えがあったからです。
    ただ、みなさんの感想を読んで、正義のアホの子っぷりが、ラストの爽快感に果たして繋がっているのだろうか、と疑念を持っております。
    そもそも、両方を魅力的に描ききる自信が無かったというのもあるのですが……。
    賛否ひっくるめて、次作以降の創作に活かしていきたいと思います。


    ＞両方をいっぺんに解決する方法として敵をより魅力的に描くことを考えてみたいと思います
    ＞例えば冒頭、オメガマンとサタンクロスの戦いから入る。作中にもありましたが、決着がついた後、周囲の街まで巻き込む自爆を仄めかしたサタンクロスへの対応でオメガマンの器が計れます。何もできず吹っ飛ばされるのか、必要な犠牲と割り切って止めを刺すのか。はたまた止めも忘れて一人でも犠牲者を減らすために飛び出すのか。そこにオメガマンなりの正義観（あえてこの字を使ってます）が垣間見え、この後の悪と正義を語る上で一つの手助けになるのではないかと。もちろん、爆発をエピソードで描くことで、組織の規模や姿勢も伝わりやすくなるのではないかと思います。

    ありがとうございます。自爆に対するリアクションで器を示すというのはとても面白いアイデアだと思いました。確かに、そうすることで、キャラの性格設定をバシッと固めることが出来そうです。


    ＞現状父親もただのクズなので、正義側の人間としての立場を補強することでより（敵として）魅力を出すことが可能と考えます。
    　今作でも美咲の母親を失ったショックがあるんでしょうけど、反応を見ているとただの性処理目的。そもそも性犯罪って自己中心的な発想しかないうえに倫理的にものすごく嫌われているから、そんなことしている時点でそもそもキャラクターとしての魅力がない。

    ここは、性的要素に対する皆さんの反応を見ていて、読者の覚える嫌悪感を少し甘く見ていた部分があったなと思っています。正直、自分であのシーンを振り返った時に、胸糞悪くなるほど上手に書けていると思えず、マイルド過ぎるかなぁと心配していたほどでした。また、義父に関しては敵というよりは主人公とヒロインをラストに導く小道具程度に考えていたので、魅力とかは度外視してしまっていました。この部分は代案含め、企画終了後にかなり考えさせられました。


    ＞色々と書きましたが、統括としては最高でした。あらゆる技術が高いレベルでまとまり、キャラクター・ストーリーともに素晴らしい。もっと自分も書いてみたい、自分ならこうするかなという創作意欲をかきたてられる一作でした。

    丁寧な感想をいただき、ありがとうございました。
    燕さんの『ラスト・クリスマス・コンサート』は、今企画の中で自分が一番良いと思った作品でした。メインキャラ二人の掛け合いと、切ないけれど前向きなラストが印象的でお気に入りです。
    ちなみに、自分の中でオールタイム燕小太郎ベストは『物理魔法使いとモヤシ勇者』です。
    自称魔法使いのヒロインが敵を撲殺したあと「これは魔法です。『オラ』といいます」的な台詞があったと思うんですけど、電車の中で読んで「ぶはっ」ってなったのを今でも覚えてます。
    またネタが浮かんだら馳せ参じたいと思いますので、殴り合いましょう。

    以上となります。
    ありがとうございました。

    E-Mail pass
2020年01月12日 21時08分49秒
 +30点
  • 『歳末のバビロン　～彼女が悪の秘密結社の女幹部になった理由～』拝読しました。

    ※以下ネタバレがあります。

    ・普通の少女と、悪の組織の幹部の交流という意外な題材の作品でしたが、確かな文章力、描写力、構成力によって楽しく（という言葉が適切ではない内容かもしれませんが）読めました。
    　生真面で、実は心優しいとさえ言えるサタンクロスと、感情の起伏が乏しく、どこか儚げな印象の美咲が徐々に心を通わせていく様子は、胸にしみるものがありました。
    　悪の存在意義とは何なのか？というサタンクロスの自問には考えさせられるものがありますし、美咲が父親を嫌っている理由が明かされる場面は衝撃的でした。
    　なにより唸らされたのが、美咲が「バベルに助けられてた」と語る理由です。
    　バベルが暴れることによって警察＝父親が動員され、家からいなくなる。
    　何が正義で何が悪なのかは一概に言えない、と私は常々考えているのですが、この美咲の解釈は斬新で、かなり衝撃を受けました。
    　これがあるからこそ、美咲とサタンクロスの交流に深みが増しており、実に見事だったと思います。「キャラの掘り下げ」とはこういう事なんだな、と勉強になりました。
    　そして美咲がバベルの幹部になってサタンクロスを復活させるというラストもしっかりとまとまっており、この枚数として過不足の無い物語だったと思います。
    　総じて、さまざまな要素がハイレベルにまとまった作品となっており、読みごたえを感じました。

    ・物語として大きな指摘はないのですが、「正義のヒーローと悪の秘密結社」という設定自体はステレオタイプだったように感じました。
    　笑いを取るためのパロディ作品というわけではなく、徹頭徹尾シリアスなストーリーだったため、「秘密結社」と「ヒーロー」とうい部分にもう少し細かい設定がほしかったように思います。

    ・美咲とサタンクロスの交流を描いたストーリーは素晴らしかったです。悪の秘密結社やヒーローといった設定部分にも、もう少し深みが感じられるとなお良かったと思います。


    　感想は以上です。指摘点が私自身の作品にブーメランになっていたらごめんなさい。
    　執筆お疲れさまでした。

    E-Mail pass
Re: 2020年03月15日 13時58分24秒
  • いりえミト様

    お読みいただき、ありがとうございます。


    ＞確かな文章力、描写力、構成力によって楽しく（という言葉が適切ではない内容かもしれませんが）読めました。

    ありがとうございます。楽しんでいただけたのなら嬉しいです。


    ＞なにより唸らされたのが、美咲が「バベルに助けられてた」と語る理由です。
    ＞バベルが暴れることによって警察＝父親が動員され、家からいなくなる。
    ＞何が正義で何が悪なのかは一概に言えない、と私は常々考えているのですが、この美咲の解釈は斬新で、かなり衝撃を受けました。

    ここはすごくこだわった部分なので嬉しいです。ただ、読んでいただいた何名かの方から、義父の労働時間を見た段階でオチまで全部読めると言われてしまい、情報開示に関しては改良の余地があったなぁと反省しております。


    ＞そして美咲がバベルの幹部になってサタンクロスを復活させるというラストもしっかりとまとまっており、この枚数として過不足の無い物語だったと思います。
    　総じて、さまざまな要素がハイレベルにまとまった作品となっており、読みごたえを感じました。

    ありがとうございます。やはり、ちょっとテンプレ過ぎたかもしれません。ラストシーンから逆算でプロットを組んだのですが、次回はもう少しラストの盛り上がりを高められる展開を考えたいと思います。


    ＞物語として大きな指摘はないのですが、「正義のヒーローと悪の秘密結社」という設定自体はステレオタイプだったように感じました。
    　笑いを取るためのパロディ作品というわけではなく、徹頭徹尾シリアスなストーリーだったため、「秘密結社」と「ヒーロー」とうい部分にもう少し細かい設定がほしかったように思います。

    そうですね。特に正義に関しては、よくある『正義の味方』の概念を貼りつけたような感じになってしまったと思います。尺もあったので、次回以降こういった細部をもう少しどうにかしていければと思います。


    ＞感想は以上です。指摘点が私自身の作品にブーメランになっていたらごめんなさい。
    ＞執筆お疲れさまでした。

    感想をいただき、ありがとうございました。
    いりえさんの『マジェスティックな彼女の秘密』は、他の方も仰っていたように、そのままアニメにできてしまうような、キャラが活き活きとした作品でした。また、『無限ループ』は掌編としては今企画随一の出来だったと思います。
    ネタが思い浮かんだらまた参戦したいと思いますが、次回以降もお手柔らかによろしくお願いいたします。

    以上となります。
    ありがとうございました。


    E-Mail pass
2020年01月12日 20時53分17秒
 +50点
  • 美咲がサタンクロスに助けてって言うシーンが、すごく切なかった。
    ヒーローものはヒーローの方にいつもは肩入れしがちだけど、サタンクロスは好きです。義父が下衆すぎる。こういう親父○ねばいいのに。

    正義とか悪とかって、なんだろう。
    オメガマンは美咲の求める正義とは違うけど、普通に正義の味方してただけのような気もします。余裕なさそうでしたが、あの場合美咲を助けるのは定石だと思います。
    完成度が高く、いろいろと考えさせられる作品でした。

    E-Mail pass
Re: 2020年03月15日 12時27分46秒
  • のりしお様

    お読みいただき、ありがとうございます。


    ＞正義とか悪とかって、なんだろう。
    ＞オメガマンは美咲の求める正義とは違うけど、普通に正義の味方してただけのような気もします。余裕なさそうでしたが、あの場合美咲を助けるのは定石だと思います。
    ＞完成度が高く、いろいろと考えさせられる作品でした。

    他の方の感想にも書きましたが、正義とは、悪とはみたいなものをテーマとするつもりはなかったのですが、色々と考えながら読んでいただけたというのは作者としてとても幸せなことでした。

    以上となります。
    ありがとうございました。

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2020年01月12日 20時12分18秒
 +50点
  • 　へろりんと申します。
    　冬企画参加作品執筆お疲れ様でした。
    　御作を読ませていただきましたので、感想を書かせていただきます。
    　素人の拙い感想ではありますが、しばらくの間お付き合いください。

    ※この感想にはネタバレが含まれます。
    　未読の方は先に本編をお読みください。

    　タイトルを拝見して
    　秘密結社のお話のようです。

    　キャッチフレーズを拝見して
    　悪の秘密結社のお話のようです。
    　どんなお話でしょうか？
    　楽しみです。

    　まずはじめに、ひとりの女子高生が偶然悪の幹部を助けることにより、自分が女幹部になるまでのお話でした。


    ■文章
    　読みやすい文章で、すらすらと読めました。
    　これ大事！

    ■設定
    　悪の秘密組織『バビロン』がオメガマンたちの活躍によって、滅んだところから物語は始まります。
    　この世界設定でシリアスとか、参りました。
    　こんなとんでも設定で、日常に非日常を放り込んで来るとか、脱帽です。
    　この発想力が羨ましい。

    ■キャラクター
    ●サタンクロス（サー君）
    　秘密結社『バビロン』の大幹部
    　プリズマー総統によって作られたロボット
    　有事の折、オメガマンともども自爆するようにプログラムされ身体に爆弾を仕込まれている
    　一度自爆したため、作中では頭部のみとなっている
    　かつてはプリズマー総統の命令通りに動いていたため、自分自身では何も『悪』を行っていないことに気づき、自ら『悪』を成すことを目標とする
    　サンタクロースではない

    ●美咲
    　女子高生
    　本編のヒロイン
    　美人でグラマーらしい
    　母の再婚後に亡くなり、今は母の再婚相手と２人で暮らしている
    　再婚相手（父）より性的虐待を受けている
    　秘密結社『バビロン』が事件を起こすと警察官の父が家に帰って来なくなるため、悪（バビロン）に感謝し、正義（警察）を嫌悪する

    ●プリズマー総統
    　秘密結社『バビロン』の総統
    　サタンクロスを作った科学者でもある

    ●オメガマン
    　正義の味方
    　秘密結社『バビロン』上野基地制圧時に、サタンクロス自爆により負傷し、休養中

    ●美咲の父
    　美咲の義理の父
    　警察官
    　美咲に性的虐待を繰り返し、美咲が正義を嫌悪するきっかけとなる

    　『悪』を成そうとする首だけのサザンクロスは、どこか憎めなくて、『悪』を助け『正義』を嫌悪する美咲は秘密めいていて、この二人の掛け合いが楽しかったです。
    　あと、この物語では、正義の味方が敵役で、悪の組織が味方という逆転したキャラクター設定が秀逸でした。
    　この発想力が（再）

    ■構成
    　オープニングで、バベルの上野基地が制圧されたことが説明され、物語の世界観がわかります。
    　オーソドックスですが、効果的な構成です。
    　その後、時系列で物語が進んで行きますが、途中途中でロボットゆえ夢を見ないはずのサタンクロスの夢のシーンが差し込まれます。
    　これが、美咲の現状を暗喩し、印象的でした。
    　ラストにそれから数年後の場面を持ってきて、物語を占める構成もまたオーソドックスではありますが、本作では効果的だったと思います。
    　物語に最適な構成をチョイスされていますね。

    ■ストーリー
    　バベルの上野基地が制圧された後の平和を取り戻した上の公園で、女子高生の美咲は首だけになったバベルの大幹部サザンクロスを拾う。
    　美咲はサザンクロスの頼みを聞いて首を家に持って帰り充電する。
    　充電されまともに口がきけるようになったサザンクロスは、自ら悪を成したいと語り、美咲に電話を貸してくれるよう頼み、美咲もこれを快諾する。
    　首だけのサザンクロスは、美咲の家で暮らすうち、美咲が警察官の義父より性的な虐待を受け、それゆえに悪の組織の大幹部である自分に加担してくれていることを知る。
    　美咲の家の電話を借りてプリズマー総統に連絡をとるサザンクロスは、この電話が盗聴されていることに気づき、それを逆手にとって罠を仕掛ける。
    　罠にはまり、まんまとおびき出されたオメガマンと警察を前にして、美咲を人質にとったサザンクロスは、美咲に乱暴している父親を道連れに自爆する。
    　事情を知らないオメガマンは目の前で家族を失った美咲を慰めるが、美咲の悲しみは短い間ではあったが一緒に暮らし心を通わせたサザンクロスを失ったことに依るものだった。
    　数年後、自爆したはずのサザンクロスは目を覚ます。
    　自爆する前、美咲が勝手にバックアップをとっていたデータより、サザンクロスの人格と記憶を復活させ、新しい身体を与えたのだった。
    　復活し、今は大幹部から大首領となったサザンクロス。
    　その傍らには、成長し、悪の女幹部となった美咲がいた。

    　正義の悪の逆転ストーリーで、ラストは悪の組織が復活したのに、心地よさを感じるのは、美咲の心情に完全に寄っている証拠ですね。

    ■総評
    　正義と悪の逆転という設定が、秀逸でした。
    　それを小気味よく大団円へと導く手腕もお見事でした。
    　読んだ中では、トップクラスの面白さでした。

    　いろいろと好き勝手書きましたが、素人のたわ言ですので、あまりお気になさいませんように。
    　楽しく読ませていただきました。
    　ありがとうございました。


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Re: 2020年03月15日 12時26分41秒
  • へろりん様

    お読みいただき、ありがとうございます。
    また、返信が遅れ大変申し訳ございません。

    ＞読みやすい文章で、すらすらと読めました。

    ありがとうございます。
    読みやすさは意識している部分なので嬉しいです。


    ＞こんなとんでも設定で、日常に非日常を放り込んで来るとか、脱帽です。
    ＞この発想力が羨ましい。

    実のところ、特撮では悪の幹部と少年少女が触れ合うエピソードって結構あったりします。
    ただ、無垢な子供と接することで正義に目覚めるというのが良くあるパターンで、今回はそれとは逆の物を書きたかったというのが今作の着想でした。


    ＞『悪』を成そうとする首だけのサザンクロスは、どこか憎めなくて、『悪』を助け『正義』を嫌悪する美咲は秘密めいていて、この二人の掛け合いが楽しかったです。
    ＞あと、この物語では、正義の味方が敵役で、悪の組織が味方という逆転したキャラクター設定が秀逸でした。

    ありがとうございます。今回はサタンクロスの評判が良く、とてもうれしいです。掛け合い部分も結構考えたところなので、上手く行っていたのなら良かったです。逆転については、ちょっと悪部分にウェイトを置きすぎたかなと反省しております。


    ＞物語に最適な構成をチョイスされていますね。

    ありがとうございます。ただ、今ではちょっとストレートすぎたかなとも思ってます。もう少し読者を裏切るような展開にできなかったかなと。


    ＞正義と悪の逆転という設定が、秀逸でした。
    ＞それを小気味よく大団円へと導く手腕もお見事でした。
    ＞読んだ中では、トップクラスの面白さでした。

    丁寧な感想をいただき、本当にありがとうございました。
    へろりんさんの『異世界無双』は、見事なタイトル詐欺でした。
    ちょっと読んで作者が分かってしまいましたが……。
    それくらい、作風に個性があるというのはとても羨ましいです。

    以上となります。
    ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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2020年01月12日 02時19分07秒
 +40点
  • こりゃヤバイ。マジヤバイ。

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Re: 2020年01月27日 21時31分44秒
  • 6496様


    ありがとう、感想マジありがとう！


    以上となります。
    ありがとうございました。

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2020年01月07日 17時08分51秒
 +40点
  • どうでもいいのですが、プリズマー（ン）、サタンクロス、オメガマンとまるでキン肉マンの超人みたいですね、それも完璧超人しばり（おい

    読ませていただきました。美咲の苦悩とそこからの脱出。サタンクロスの『成長』。それらを100枚の中に見事に書ききった秀作だと考えます。いさおさんがもう言っちゃってますが、レイプ被害を言えない美咲とそれを理解できないオメガマンはまさにわれわれの世界のメタファー。『これをラ研でやっちゃいますかー！』と感心することしきりでした。今回は現代社会に対して直球な作品が非常に多く、レベルの高さに参っております。

    正直、自分はけちつけられません。もってけ！

    私からの感想は以上です。ご縁があれば･･････企画で会いたくないなぁ(苦笑

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Re: 2020年01月27日 21時31分39秒
  • 枡多部とある様

    お読みいただき、ありがとうございます。


    ＞キン肉マンの超人みたいですね、それも完璧超人しばり（おい

    気づいていただけたのは枡多部様だけです。元々好きだったんですけど、連載再開してからのキン肉マンが面白すぎて、名前これでいいやって感じに付けました。あと、書いててこれちょっとプロレスっぽいなと思ったのもあります。


    ＞美咲の苦悩とそこからの脱出。サタンクロスの『成長』。それらを100枚の中に見事に書ききった秀作だと考えます。

    成長要素って自分の創作の中で凄く大事に考えている部分で、物語の開始から終了までの間に、何かしらの部分でメインキャラを成長させたいと毎回考えております。そういった意味で、書ききったと言っていただけて嬉しいです。


    ＞今回は現代社会に対して直球な作品が非常に多く、レベルの高さに参っております。

    お題のせいもありますが、今回はそういう作品多かったですね。読んでて、これ若干ネタ被ってないかと何度か思いました。


    ＞ご縁があれば･･････企画で会いたくないなぁ(苦笑

    今回、桝多部様は参加されておられなかったようですので、今度は是非殴り合いの場でお会いしたいと思います。そのためには、自分もネタを捻りださねば……


    以上となります。
    ありがとうございました。

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2020年01月06日 23時54分23秒
 +20点
  • 冬企画作品の執筆、お疲れ様でした。
    御作を拝読しましたので、感想を記したいと思います。

    ※本感想にはネタバレがあります。

    ＞「悪巧みならしょうがないね」

    美咲のキャラがとても魅力的な作品でした。
    これは素晴らしかったと思います。


    ＞『なぁ。この美しい少女に……正義と愛を信じるこの子に、父親が差し伸べる助けの手を見たいのだよ』
    ＞「……正義の体現者、ね。自分の価値観でしか物事を計れない。正義（あなたたち）なんて大嫌いよ」

    クライマックスの展開も胸熱でした。
    特に上の美咲のセリフは、スカッとしました。
    お見事だったと思います。


    気になったのは、サタンクロスの設定でしょうか。
    人間味あふれるＡＩなのか？　それとも機械なのか？
    これは物語の展開に合わせて、かなり都合よく使い分けられていたような印象を受けました。


    ＞「……貴方達だけだったんだよ。何度も私を助けてくれたの」
    ＞「……あの人が帰ってこない日にね。いつも決まって、テレビのニュースで貴方たちのことをやっていたの」

    この部分は、美咲がサタンクロスの味方をする要因となっており、物語の根幹を成しています。
    つまり、義父がサタンクロスに関われば関わるほど、上の部分は説得力を増すわけですが、
    逆に関われば関わるほど、なぜサタンクロスのデータベースに義父のことが記録されていなかったのかが疑問になります。


    ＞父親。サタンクロスには理解出来ない存在である。
    ＞思い出したくもない出来事のはずである。

    父親というものが理解できない存在であるならば、
    思い出したくない出来事であることも十分には理解できない可能性があると、個人的には感じました。
    思い出したくない出来事であるのは、読者を含めた「人間」側の方が強く感じる認識なんじゃないかと思います。


    ＞もし仮に、当たって砕けるようなことがあったとしても、いつか良い思い出に変わるはずだ

    記憶、つまりメモリーの内容自体は変わることはないのに、
    時間の経過によって良い思い出になることがあることをＡＩが自ら認識できる日は、
    一体いつ頃になるのでしょう？
    「そういうものだ」という学習に基づいて会話をすることはできると思いますが、
    それではなんだか薄っぺらいですよね。


    テーマの『終わりと始まり』は、悪の秘密結社バベルの終焉と、美咲による復活でした。
    これはタイトルにも記されていますし、お見事だったと思います。

    拙い感想で申し訳ありません。
    今後のご活躍を期待しています。

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Re: 2020年01月27日 21時31分32秒
  • つとむュー様

    お読みいただき、ありがとうございます。


    ＞美咲のキャラがとても魅力的な作品でした。
    ＞これは素晴らしかったと思います。

    ありがとうございます。ヒロインはあまり褒めてもらえていなかったので、すごくうれしかったです。



    ＞クライマックスの展開も胸熱でした。

    今作はラストシーンから逆算してプロットを組み立てたので、盛り上がっていたと感じていただけたのならほっとしました。


    ＞気になったのは、サタンクロスの設定でしょうか。
    ＞人間味あふれるＡＩなのか？　それとも機械なのか？
    ＞これは物語の展開に合わせて、かなり都合よく使い分けられていたような印象を受けました。

    ここは正直、全く意識していなかった部分なのでとても参考になりました。ロボットであることをもっと念頭に置いてキャラ作りをしても、ほぼ人間と差が無いようにキャラ作りをしても、現行より深みを持たせた書き方が出来たかもしれません。特に、せっかくＡＩとして書いているので、そこをもっと意識して書いた方が多分面白くなったんだろうな、と。かなり中途半端になってしまったと凄く後悔しました。



    ＞この部分は、美咲がサタンクロスの味方をする要因となっており、物語の根幹を成しています。
    ＞つまり、義父がサタンクロスに関われば関わるほど、上の部分は説得力を増すわけですが、
    ＞逆に関われば関わるほど、なぜサタンクロスのデータベースに義父のことが記録されていなかったのかが疑問になります。

    ここは、美咲とサタンクロスを完全な初対面にしたかったからですね。出会いのシーンで名前を聞いた美咲が含み笑いをこぼすというのをどうしても書きたかったので。また、これは今思えば安易かもしれませんが、何万人といる警官を一々覚えていないだろうという思い込みもありました。


    ＞思い出したくない出来事であるのは、読者を含めた「人間」側の方が強く感じる認識なんじゃないかと思います。

    ここは、キャラブレであると同時に、地の文がかなり一人称に偏ってしまったことも反省しなければいけないと思いました。どうしても書いている内に三人称であっても一人称っぽくなってしまう悪癖があり、直さないといけないですね。


    ＞「そういうものだ」という学習に基づいて会話をすることはできると思いますが、
    ＞それではなんだか薄っぺらいですよね。

    仰る通りですね。そういうものだと表面を取り繕うように会話をしているよりも、心底そう思っている方がキャラの魅力にもつながったと思います。ここも、キャラをどう描くかという最も根本的な部分があやふやになってしまっていたと反省しました。


    ＞テーマの『終わりと始まり』は、悪の秘密結社バベルの終焉と、美咲による復活でした。
    ＞これはタイトルにも記されていますし、お見事だったと思います。

    ありがとうございます。ただ、ちょっとそのまま過ぎたかなとも思います。いさおさんのトラフグの思し召しを読んだ時に、こういうお題消化があるのかと感嘆したので、ああいった工夫も思いつけたらな、と。


    ＞拙い感想で申し訳ありません。
    ＞今後のご活躍を期待しています。

    とんでもないです。大変参考になりました。
    つとむューさんの『青赤えんぴつ』は作品の軸となる青赤えんぴつのアイデアが秀逸な作品でした。調理の仕方が個人的に合わなかった部分はあったのですが、間違いなく面白い作品だったと思います。

    以上となります。今後ともよろしくお願いいたします。

    E-Mail pass
2020年01月05日 17時43分33秒
 +40点
  • 『歳末のバビロン　～彼女が悪の秘密結社の女幹部になった理由～』拝見させていただきました。

    あー、これは言うことないやつですね。
    はい、終わり。

    ……というのもアレなのでちょっとだけ感想を書いておきます。
    個人的に一番印象に残ったのは、正義では救えない者を悪が救う、ってところです。
    なるほどそう来るか、と。あそこは書き手として楽しませていただきました。
    一番好きなシーンは、サタンクロスが約束を破るところ。
    いきなり言ってたことと違うことをやりだした時、あれはぐっと来ました。

    逆に、一番嫌なシーンは……うん、あそこでした。
    や、性描写があるとは聞いていたんですが、まさかモロ地雷が設置されているとは思ってなくて、どうせ可愛いもんでしょ？　と油断していただけに頭痛や吐き気が……。

    ●一言まとめ

    執筆ありがとうございました！

    それではこんなところで。
    執筆お疲れ様でした！

    E-Mail pass
Re: 2020年01月26日 20時54分50秒
  • ハイ様

    お読みいただき、ありがとうございます。


    ＞個人的に一番印象に残ったのは、正義では救えない者を悪が救う、ってところです。
    ＞なるほどそう来るか、と。あそこは書き手として楽しませていただきました。

    書いていて、自爆まで上手く繋がっているか、かなり不安だった部分ですので楽しんでいただけたのであれば良かったです。


    ＞一番好きなシーンは、サタンクロスが約束を破るところ。
    ＞いきなり言ってたことと違うことをやりだした時、あれはぐっと来ました。

    ラストシーンと並んで、書き始める前から決めていたシーンなので、そう言っていただけて嬉しいです。


    ＞逆に、一番嫌なシーンは……うん、あそこでした。

    申し訳ないです……orz　本文の頭にも書いておくべきでしたね。
    自分なりに、できる限りエグいシーンにしたいと思って書いたのですが、書きあがった物を読んでみて、全くエグく見えなくてどうしようかと凹みました。
    そっち系の小説はあまり読まないんですけど、勉強のために読んでみようかなと思いました。


    ＞執筆お疲れ様でした！
    ありがとうございました。ハイ様は今回は感想のみの参加だったみたいですが、また企画で殴り合う機会があれば、お手柔らかにお願いします。

    以上となります。
    ありがとうございました。

    E-Mail pass
2020年01月05日 07時41分02秒
 +40点
  • いさおと申します。拝読致しましたので、感想など書かせて頂きます。


    ※ネタバレを含みます。


    読み進める程に引き込まれ、ラストには鳥肌が立ちました。
    素晴らしいとしか言い様が無い。僕も今企画に参加していて自作にはそこそこ自信を持って臨んだのですが、正直勝てる気がしません。脱帽とはこういう時に使う言葉なのかと思い知らされました。

    コメディ調で始まる冒頭。軽くシニカルでウィットを感じる二人の出会いシーンを読み始めた時には
    「ああ、ラ研でよく見るコミカルな悪の組織ネタね」
    くらいに思っていたのですが、読み進める内にじんわりと滲み出る不穏な空気。再読した時に、この辺の匙加減の絶妙さに改めて驚かされました。なんて空気感を作り上げるのが巧みなのだろうと。
    そして美咲と義父の関係が晒されるシーンでの不快感。ヘイトの溜め方も実に上手い。
    ここまで丁寧に積み重ねて来たからこそ、美咲の心情が痛い程に突き刺さります。

    因みにマナさんが

    ・レイプ魔を告発する勇気もないくせに、よく秘密結社を立ち上げることができたな、と不自然さを感じてしまいます。勇気を出して告発してればサタンクロスも死ななくて済んだのに

    と感想を書かれていましたが、僕は逆にこの義父を告発できなかったところにおぞましいまでのリアリティを感じて吐き気すら覚えました。
    本当に酷い目に遭っている人は、そんな事をできる気力すら奪われているという所をしっかりと描かれていて、そういうところがこの作品に凄みを与えていると感じます。あとマナさんは幸せな環境で育ったんだなぁと感じました。ごめんなさい余計な事でしたね。

    クライマックスのシーンがまた凄い。
    義父のヘイトを徹底的に上げる事による爽快感と、愚直に正義を貫こうとし、それが故に最後まで美咲の苦悩を判る事のできないオメガマン。
    個人的に特に凄いと思うのはこのオメガマンの立ち位置でした。
    彼は実際ちゃんとした正義の味方で、彼自身には何の悪意も無く、只悪の組織バビロンとサタンクロスを正義の味方らしく憎んで戦っているのですよね。
    その愚直さが残酷なまでに美咲を苛み、そこからのラストには凄まじいまでの爽快感を覚えて鳥肌が立ちました。
    もうお見事としか言い様がありません。


    気になった所ですが。
    冒頭がちょっと軽すぎるかと感じました。
    サタンクロスと美咲のウィットに富んだ会話はとても良い感じで、ここの軽みはとても好ましく感じるのですが、上野基地から花見云々の所とか、ちょっと軽すぎるように思います。
    この冒頭から重たいシーンへの転換は意識して書いたのかとも思いましたが、個人的にはちょっと違和感を覚えました。


    とても素晴らしい作品を読ませて頂きました。
    ずいぶんと久しぶりに企画に参加しましたが、御作に出会えただけでも参加した甲斐がありました。

    乱文ご容赦を。
    お互い企画を楽しみましょう。

    E-Mail pass
Re: 2020年01月26日 20時54分48秒
  • いさお様

    お読みいただき、ありがとうございます。


    ＞読み進める程に引き込まれ、ラストには鳥肌が立ちました。

    ありがとうございます。とても嬉しいです。


    ＞読み進める内にじんわりと滲み出る不穏な空気。再読した時に、この辺の匙加減の絶妙さに改めて驚かされました。
    ＞そして美咲と義父の関係が晒されるシーンでの不快感。ヘイトの溜め方も実に上手い。
    ＞ここまで丁寧に積み重ねて来たからこそ、美咲の心情が痛い程に突き刺さります。

    正直なところ、拙作は少し企画であることに甘えた部分があります。というのも、企画であればスロースタートでも読者は最後まで読んでくれる公算が硬いからです。会話だけで山場まで読者を引っ張れるのが理想なんですけど、もうよっと序盤にもグッと読者を惹きつけるポイントを作りたかったです。


    ＞彼は実際ちゃんとした正義の味方で、彼自身には何の悪意も無く、只悪の組織バビロンとサタンクロスを正義の味方らしく憎んで戦っているのですよね。
    ＞その愚直さが残酷なまでに美咲を苛み、そこからのラストには凄まじいまでの爽快感を覚えて鳥肌が立ちました。
    ＞もうお見事としか言い様がありません。

    重ね重ね、お褒めいただき恐縮です。
    今作でかなり悩んだことの一つがオメガマンをどう描くかでした。他の方にも言われましたが、彼を正義側の人間としてもう少し魅力的に描くことも出来たと思います。結末のカタルシスを重視した結果、こういったキャラ付けにしましたが、一応成功した部分もあったのだと少し安心しました。


    ＞気になった所ですが。
    ＞冒頭がちょっと軽すぎるかと感じました。

    ここは、多分なんですけど、バベルという組織の立ち位置をふわふわにした弊害が出てしまったんだと思います。要反省ですね。


    ＞とても素晴らしい作品を読ませて頂きました。
    ＞ずいぶんと久しぶりに企画に参加しましたが、御作に出会えただけでも参加した甲斐がありました。

    そう言っていただけると、企画に参加してよかったなと心から思います。
    いさおさまの『トラフグの思し召し』は、今回の企画で最も挑戦的な構成をされていたと思います。到底思いつかないやり方ですし、あの方法で良質なクオリティを保った作品を描くのはとても自分には出来ないと感嘆しました。

    以上となります。
    ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

    E-Mail pass
2020年01月03日 19時14分41秒
 +20点
  • 拝読しましたので、感想を書かせていただきます。

    悪っていいですね（笑
    ヒーローものを観てヒーローよりも悪役の方が好きになるタイプっているもので、私はそうです。

    もともとヒーローものの世界観って、悪とは何か正義とは何かというリアリティにはこだわりません。むしろリアリティなんてあると魅力がぶちこわしになりかねません。
    プロレスのベビーフェイスとヒールみたいなもので。ちょっと古いネタですが、試合会場の裏でジャイアント馬場とアブドーラ・ザ・ブッチャーがキャッチボールしていたという、わりと有名な話があります。
    悪役レスラー（ヒール）の凶器って、観客全員に見えるのにレフェリーにだけは見えないように使うんですね。
    悪役レスラーが本当に悪人ではないことは周知の上で、悪のコスプレをしたキャラと正義のコスプレをしたキャラの爽快なバトルを楽しむという世界です。

    そういう世界観ですが、一方で読者・観客・視聴者は贅沢。目も肥えてくるし、コンテンツの対象年齢という要素も加わって、嗜好が複雑になっています。

    要するに、正義と悪のコスプレ・ショーってだけじゃあ、やっぱり底が浅いのも事実。
    悪を深めてみたり、正義と悪をひっくり返してみたり、パロディにしてみたり。いろいろ工夫したものが作られるようになっています。
    ただ、正義を深めるというのだけはないんですね（たぶん）。だって、正義って深めると悪になりかねないから。
    対して悪を深めるのは効果的。《SAVE THA CATの法則》っていうやつで、悪い奴が人目のないところで猫を助けたりしてると、グッとくるという心理があります。

    正義の味方はモラルに縛られるからキャラとしての制約が多く、面白くないんです。むろん現実では善とか正義とかって面白い面白くないの問題ではないわけですが、エンタメ・コンテンツでは面白くなくちゃダメなので。
    悪党はモラルの制約を受けずに自由奔放に行動できるので、正義の味方より生き生きと魅力的に描きやすいんです。

    コスプレ的にも、黒マントを翻しとかカッコよく見えるっていう感性もあります。

    本作における悪と正義の問題は、現実世界に即してリアルに論じる次元のことではなく、言ってしまえばメディア論なんですね。
    単純なヒーローものが飽きられて、一捻りするのが流行し、捻ったところからまたバリエーションが広がるという現象が進行しています。

    オーバーロード。ワンパンマン。幼女戦記。北米でもヴィランの魅力が注目されている模様。

    オーバーロードのアインズが部下たちを引き連れて頂に立ち、アルベドが差し出した悪の旗を高くかかげるイメージ。

    幼女戦記のターニャがニヤリと笑みを浮かべて、「さあ諸君、戦争の時間だ」とうそぶくイメージ。


    ――では諸君。悪を成そうか


    私からはこれくらいです。企画参加お疲れさまでした。

    E-Mail pass
Re: 2020年01月26日 20時54分43秒
  • あまくさ様

    お読みいただき、ありがとうございます。


    ＞悪っていいですね（笑
    ＞ヒーローものを観てヒーローよりも悪役の方が好きになるタイプっているもので、私はそうです。

    悪いいですよね。ただ、自分はどちらかというと、最初は主人公達のライバルポジションなんだけど、何かをきっかけに味方になるキャラが大好きでした。メタルダーのトップガンダーとか、サイバーコップのルシファーとか、ジュウレンジャーのブライとか。


    ＞正義の味方はモラルに縛られるからキャラとしての制約が多く、面白くないんです。むろん現実では善とか正義とかって面白い面白くないの問題ではないわけですが、エンタメ・コンテンツでは面白くなくちゃダメなので。
    ＞悪党はモラルの制約を受けずに自由奔放に行動できるので、正義の味方より生き生きと魅力的に描きやすいんです。

    これは思います。昔は勧善懲悪な正義の味方へのアンチテーゼとして、復讐のために手段を選ばない主人公だったり、正義のためではなく自分の好き嫌いのために戦う主人公だったりがいたわけですが、今はむしろそっちが主流で、癖のない勧善懲悪のヒーローは子供向けの番組でも珍しいかもしれませんね。

    ＞私からはこれくらいです。企画参加お疲れさまでした。
    あまくささんも企画参加お疲れ様です。
    『サニーサイドアップに最適の日』は主人公のラウールをひたすら魅力的に描いたハードボイルド作品でした。自分の中ではラストクリスマスコンサートとどちらを作品賞に推すか最後まで迷いました。面白かったです。

    以上となります。
    ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。


    E-Mail pass
2020年01月01日 22時57分17秒
 +20点
  • 読ませて頂きました。

    ※以下ネタバレ注意
    随所に散りばめられた伏線を華麗に回収していくその技量、素直に感服いたします。描写も丁寧かつ伝わりやすい素晴らしい文章です。悪に苦しめられている人々がいる傍ら、反対に悪の存在によって救いを得られた人がいる、ということですね。

    以下気になったところ。
    ・秘密結社の活動目的は何なのでしょう？ 警察に追われているのですから犯罪集団なのでしょうが、義賊的行為でもしてるのでしようか？ それとも濡れ衣を着せられて殲滅対象となっている？
    どちらにせよ、義は秘密結社の側にあり、と考えて活動しているはずです。それなら秘密結社は悪行をなしているわけではありません。
    コメディ調の作品ならいざ知らず、シリアスな作風では『秘密結社は悪いことをするために存在する』なんて意味不明な定義は無効です。現実のテロリストだって、自分達の正義を信じて活動しているのです。
    『正義の反対はまた別の正義』なんて陳腐な論調にしろなどとは言いませんが、『悪の秘密結社だから悪いことをする』というのはナンセンスです。
    いやいや、本当に秘密結社はシンプルに悪行の限りをつくす、と言うなら。好き放題金を巻き上げ人々を傷つけ大勢の無垢な民を危機に陥れ命を奪い悲しませるとしたら。そんなやつらを信奉するのは危険思想きわまりないです。秘密結社側に一理でも義があるからこそ信奉者は生まれるのです。好き放題やるだけなら主人公の父親となにも変わりません。

    ・宿敵オメガマンに悪と罵られて自分の存在意義を悟る、というのは薄っぺらくないです？そりゃオメガマンにとってサタンクロスは悪に違いないでしょう。一面的な価値観を諾諾と受け入れてしまうのは軽率では？

    ・オメガマンを登場させた理由が弱いです。いなくても話の筋は通りますよね？ 主人公の父親が実はオメガマンだった、とかなら非常に有効だったのですが……。秘密結社モノのお決まりだから出した感が拭えません。

    ・冒頭の、いきなり過去に戻ってオメガマンとサタンクロスの対決の場面になるシーン、唐突すぎて分かりにくいです。

    ・レイプ魔を告発する勇気もないくせに、よく秘密結社を立ち上げることができたな、と不自然さを感じてしまいます。勇気を出して告発してればサタンクロスも死ななくて済んだのに。

    ・最後のシーン、USBメモリにデータが入っていたの、と言ってますが、お前がデータコピーしたんやろがい！
    それにしても容量的にUSBメモリに収まるんすね……。てっきり別の大容量記憶媒体に入れたもんだと。


    よく練られた作品で面白かったです。ただ、もう少し『悪』についての踏み込んだ着想が欲しかったかな、と思います。『秘密結社=悪』という安易な発想にとらわれているようで、そこから一歩進めた考えがあったらより優れたものとなると思います。

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Re: 2020年01月25日 01時38分24秒
  • マナ様

    お読みいただき、ありがとうございます。


    ＞随所に散りばめられた伏線を華麗に回収していくその技量、素直に感服いたします。描写も丁寧かつ伝わりやすい素晴らしい文章です。悪に苦しめられている人々がいる傍ら、反対に悪の存在によって救いを得られた人がいる、ということですね。

    そうですね。書いていないだけで、サタンクロスによって苦しんだ人間も間違いなくいるはずで、どちらが正しいというわけではないです。ただ、少し悪側に肩入れしすぎかな、とは書きながら思いました。



    ＞・秘密結社の活動目的は何なのでしょう？

    今回、その辺の設定はガバガバのまま敢えて書きませんでした。理由としては、悪の組織としての悪行を書いてしまうと、最後の自爆のシーンで作りたいカタルシスが減るのではないかと思ったことが一つ。二人の交流に焦点を置く場合、削ってもどうにかなるのではないかと踏んでいたのがもう一つです。
    ただ、多くの方に設定の甘さに関してはツッコまれましたので、やはり蔑ろにするべきではなかったですね。


    ＞・宿敵オメガマンに悪と罵られて自分の存在意義を悟る、というのは薄っぺらくないです？そりゃオメガマンにとってサタンクロスは悪に違いないでしょう。一面的な価値観を諾諾と受け入れてしまうのは軽率では？

    これに関しては、悪と罵られたから、とは書いていないつもりでした。敵を失ったお前の存在価値は？と宿敵に意地悪半分で問いかけたら、思った以上に単純明快な答えが返ってきて、悩んでたのが馬鹿馬鹿しくなって吹っ切ることが出来た、みたいなものをイメージして書きました。が、伝わっていないということで反省しきりです。


    ＞・オメガマンを登場させた理由が弱いです。いなくても話の筋は通りますよね？ 主人公の父親が実はオメガマンだった、とかなら非常に有効だったのですが……。秘密結社モノのお決まりだから出した感が拭えません。

    仰る通り、お決まりだから出したというのが一番近いかもしれません。ただ、父親とヒーローを同一の存在にするわけにはいきませんでした。何故かというと、父親はただの悪ですが、オメガマンは正義のヒーローであるからです。
    一応、作中でそこはブレずに書いたつもりです。ただ、必要ないと思われてしまったのは、キャラに魅力が無かったorストーリー上の必然性が薄かったということなのでしょうね。こちらも反省いたします。


    ＞・冒頭の、いきなり過去に戻ってオメガマンとサタンクロスの対決の場面になるシーン、唐突すぎて分かりにくいです。

    回想シーンを入れる都合上、もう少し気を使って書くべきでしたね。


    ＞・レイプ魔を告発する勇気もないくせに、よく秘密結社を立ち上げることができたな、と不自然さを感じてしまいます。勇気を出して告発してればサタンクロスも死ななくて済んだのに。

    ここに関しては、いさお様も書いてくださったように、あえて父親を糾弾できない、するだけの気力がないように書いております。また、その状態から救ってもらったからこそ、組織を再興するだけの強さを得たという風に書きたかったのですが、伝わらなかったのなら申し訳ないです。
    一つ申し上げると、仮に美咲が父親を糾弾しても、サタンクロスが死なずに済むことはまずありえないです。誤解を招いているのかもしれないのですが、彼の自爆は、美咲の守護が目的でなく、自らの望む悪を成すことを目的としたものだからです。これももう少し上手く書けると良かったかもしれませんね。


    ＞・最後のシーン、USBメモリにデータが入っていたの、と言ってますが、お前がデータコピーしたんやろがい！
    それにしても容量的にUSBメモリに収まるんすね……。てっきり別の大容量記憶媒体に入れたもんだと。

    これ、実は尺と話の流れ上いらないかと思って、カットしたシーンが影響しております。機械なのに夢を見るサタンクロスについて、美咲が自分の考察を述べるシーンです。その中で、彼の記憶をこの程度の容量に圧縮している点で、プリズマー総統が天才だと賞賛するのですが、全編カットしました。


    ＞よく練られた作品で面白かったです。ただ、もう少し『悪』についての踏み込んだ着想が欲しかったかな、と思います。『秘密結社=悪』という安易な発想にとらわれているようで、そこから一歩進めた考えがあったらより優れたものとなると思います。

    詳細な分析をありがとうございました。仰る通り少し安易だった部分が多過ぎたかなと、皆様の感想を読んでいて思いました。もう少し、バックボーンに力を入れるべきでしたね。
    マナ様の『尾割と羽締』は可愛らしい妖怪の出てくる良いお話でした。また、作者レスで妖怪への愛を語っておられて、その辺があったからこそ、彼らの愛嬌を上手く表現出来ているのだなと思いました。

    以上となります。
    ありがとうございました。

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2020年01月01日 19時11分55秒
 +20点
  • 　(注)　この感想には本作のネタバレが含まれております。

    　こんばんは、猫目青と申します。本作を読ませていただいたので、感想を書かせていただきたいと思います。
    　とても完成度の高いお話でした。正義に敗れた首だけの悪の幹部と女子高校生という組み合わせが斬新で、二人がどうなるの先がとても気になりました。途中、美咲ちゃんが置かれている立場の重さに読んでいるのが辛くなりましたが、最後の最後で彼女の強さに感服した次第です。本作を読み終わって、題名を改めてみると、なるほどと感慨深いものがありました。
    　それにしてもサタンクロスが良い男過ぎますね。こんな悪の幹部が側にいたら、それは悪の道に突っ走ってしまうというものです。短い感想となりましたが、よきお話をありがとうございました。

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Re: 2020年01月25日 01時38分17秒
  • 猫目青様

    お読みいただき、ありがとうございます。

    ＞とても完成度の高いお話でした。正義に敗れた首だけの悪の幹部と女子高校生という組み合わせが斬新で、二人がどうなるの先がとても気になりました。

    ありがとうございます。書きながら、粗を探せばいくらでも出てきそうだなと思っておりましたので、一応作品としての体は保てたのかなと安心しました。


    ＞途中、美咲ちゃんが置かれている立場の重さに読んでいるのが辛くなりましたが、最後の最後で彼女の強さに感服した次第です。本作を読み終わって、題名を改めてみると、なるほどと感慨深いものがありました。

    この作品を書こうと決めた時、真っ先に浮かんだのはラストシーンだったので嬉しいです。


    ＞それにしてもサタンクロスが良い男過ぎますね。

    自分なりにカッコいいキャラにしようと頑張って考えましたので、そう言っていただけると報われます。


    ＞よきお話をありがとうございました。

    こちらこそ、ありがとうございました。猫目様の『星の搭』はキャラの世界観と設定が美しい作品でした。辛辣な感想となってしまい申し訳ございません。同じファンタジースキーの同好の士として、切磋琢磨していきましょう。

    以上となります。
    ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。


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2020年01月01日 14時09分38秒
 +30点
  • 「歳末のバビロン　～彼女が悪の秘密結社の女幹部になった理由～」、読了いたしました。

    　凄い作品を読んでしまいました。
    　この内容、このクオリティ。プロ級の出来栄えだったように思います。作者様は古参の方かしら？
    　文章は装飾少なめ、台詞が多くて読みやすい。場面や設定の説明は少ないものの、読んでいて内容はすぐに理解できますし、情景もよく思い浮かぶ。登場人物の心情でさえ察することができました。「文章が上手い」よりも更に一歩先を行く「文字を読んでいることすら忘れる」レベルでした。これ、どうやったら出来るんだろう？　私には辿り着けない境地にいらっしゃる方のようです。

    　文字を読んでいることすら忘れるレベルの文章なので、内容には深く入り込むことができました。
    　正義とは何か、と考えさせられる内容ですね。
    　悪を倒すのが正義であるならば、悪がいなくなった正義は何なのか、とか。
    　人を救うのが正義であるならば、人を救わない正義は何なのか、とか。
    　はたまた人を救う悪は、正義ではないのか、とか。
    　考えれば考えるほど解らなくなりますね。
    　こうしたテーマを扱った作品は多くありますが、本作は戦争などを舞台にした動的作品ではなく、少女と頭だけになったアンドロイドの日常を描くことで表現されていました。
    　静的作品であるだけに、登場人物の心情が深く掘り下げられ、それ自体が強力なリーダビリティとなっています。派手なシーンは無いのに、読んでいるだけで何故かドキドキしてしまう、先が気になってしまう、そんな不思議な感覚が終始ありました。

    　サタンクロスが大好きになってしまいました。
    　悪党なのに下衆ではない。下賤ではないけど変に高潔でもない。ちょっと悪そうな雰囲気だけど、話したら意外と気のいい兄ちゃんみたいな親しみがありました。
    　そんな彼と美咲の会話は、時に面白く、時にグッとくる。なんでしょう、この感覚。
    　オメガマンは正義の味方だから気負ってて余裕がない感じ。だから言ってることや、やることが押し付けがましく感じてしまう。結果、相手にすると疲れてしまいそうなんですよね。
    　サタンクロスは悪だから責任も気負いもなく、だから相手への押し付けもなくて、窮屈さを感じさせない。
    　こんなところでしょうか。うーん、やっぱりよく解らない(^_^;)
    　美咲は……うん、気の毒としか。そんな彼女が悪の道を選んだとしても仕方なしですね。彼女にとってラストの場面が幸せな終わり方なのでしょう。そこに異論はありません。ここまで来たら、徹底して悪の道を歩んで欲しいものです。

    　指摘するところはありません。
    　読者として楽しめましたし、作者としても大変勉強になる作品でした。
    　多くの方から注目される作品になることを願っています。
    　それでは、素敵な読書時間をありがとうございました。

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Re: 2020年01月25日 01時38分13秒
  • 庵様

    お読みいただき、ありがとうございます。
    投稿してから中々感想が付かなかったのですが、庵様より最初にお褒めの言葉をいただいたことで、胃痛から解放されました。

    ＞正義とは何か、と考えさせられる内容ですね。

    正直なところ、自分としてはこの部分にはあまり深く触れるつもりはありませんでした。仰っておられるように、大昔から語り尽くされているテーマですし、自分なりの善悪観みたいなものを全面に出すと読者の鼻につくと思ったからです。ただ、登場させるキャラクターには一貫した価値観を持たせたいと思っておりましたので、読み手として考えさせられたというのはとてもありがたいお言葉です。


    ＞サタンクロスが大好きになってしまいました。

    とても嬉しいです。自分の中で、作中のキャラクターを好きになってもらえるというのは、面白いと言ってもらえるのと同じ位価値のあることだと思っております。また、組織周りの設定をガバガバにした分、彼の造詣には相当気合を入れて書いたつもりです。それが多少なりとも成功したのかなと安堵しております。


    ＞オメガマンは正義の味方だから気負ってて余裕がない感じ

    完全にメインキャラ二人の引き立て役として作ったので、若干テンプレートな融通の利かない正義馬鹿になってしまいました。もう少し深く掘り下げて書ければよかったのですが、上手くいきませんでした。要反省ですね。


    ＞読者として楽しめましたし、作者としても大変勉強になる作品でした。

    重ね重ねありがとうございます。庵様の『雪舞う聖夜のＨＶＳＴ』は上質なコメディ作品でした。こちら、某所でお聞きしたところによると、過去作の続編だったとのことで、私が読み終わって感じた「含まれているエンタメ要素に対する若干の物足りなさ」は過去作を読んでいないことでバックボーンが分からなかったことも影響したのかもしれません。
    私も経験があるのですが、続編のみを御新規さんに読んでもらうのは大変難しいので。それでも、単体で十分以上に仕上がったエンタメ作品として楽しませていただきました。

    以上となります。
    ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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