【跡地化】トラフグの思し召し

Rev.02　枚数： 3 枚（ 840 文字）
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いさお

2019年12月30日 16時10分58秒 公開
■この作品の著作権は いさお さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
◆キャッチコピー：すべてはトラフグの導くままに
◆作者コメント：
あらすじ

仕事を終えて家路へ向かう板前達。
疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。
後輩をかばいすべての責任を負った三浦に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは……

といった感じのお話です。
楽しんで頂けたら幸いです。

2020年01月12日 22時18分17秒
 +20点
  • 赤城と申します、初めまして、ですかね、文章がどこか拝見したことのあるような気が……気のせいだったらすいません。
    　とまあ気を取り直して、感想を残させて頂きます。

    　某先輩系のあらすじから始まり、ああこれから四つん這いとか、濃密なホ○描写が始まると思ったら、普通にいい話が始まり、前半が綺麗にまとまったかと思ったら突然異世界転生が始まり――と、結構振り回された作品でした。

    　今企画のお題、終わりと始まりを、投稿された作品の中で最も際立った方法で回収された作品ではありましたが、その結果、残念ながら作品の読後感はあまり良くなかったと思います。
    　他の方も指摘されているようですが、なまじ前半と後半の出来がそれぞれ良かっただけあって、後半が始まったところの落差と、それによるガッカリ感はどうしても強くならざるをえませんでした。
    　個人的には、前半の話をもっと話しの筋を読者に見えないようにしてわくわく感を高めたり、キャラクターを掘り下げたりしても良かったと思いますし、後半の話だけを単独で楽しんでみたかったとも思いましたし……それぞれを単品として味わい尽くしたかった、というのが率直な感想です。

    　ただ、文章、キャラ、構成ともにハイレベルなものであったと思います。惜しむらくは、始まりと終わりという企画の趣旨に、無謀なほどに忠実だったということ、その一点につきるのではないでしょうか。

    　偉そうなことを書いて恐縮ですが、感想は以上となります。執筆お疲れ様でした。

    E-Mail pass
Re: 2020年01月17日 04時30分46秒
  • 　赤城さま、ご感想ありがとうございます。


    ＞赤城と申します、初めまして、ですかね、文章がどこか拝見したことのあるような気が……気のせいだったらすいません。

    　以前お会いした事のある、あの赤城さんでしょうか？
    　もしも違っていたら申し訳ありません。

    ＞先輩系のあらすじから始まり、ああこれから四つん這いとか、濃密なホ○描写が始まると思ったら、普通にいい話が始まり、前半が綺麗にまとまったかと思ったら突然異世界転生が始まり――と、結構振り回された作品でした。

    　あらすじのあれに関しては単に小ネタとして使いたかっただけですが、前半のヤクザパートが思いの外受けたのは本当に意外でした。
    　それ故に後半の異世界パートが霞んでしまったのは誤算としか言い様がありません。

    ＞の方も指摘されているようですが、なまじ前半と後半の出来がそれぞれ良かっただけあって、後半が始まったところの落差と、それによるガッカリ感はどうしても強くならざるをえませんでした。
    　個人的には、前半の話をもっと話しの筋を読者に見えないようにしてわくわく感を高めたり、キャラクターを掘り下げたりしても良かったと思いますし、後半の話だけを単独で楽しんでみたかったとも思いましたし……それぞれを単品として味わい尽くしたかった、というのが率直な感想です。

    　実際に書いている僕も、なんか短編を二本ぶっ通しで書いた様な疲労感に苛まれました。
    　ですので読んだ方が違和感を覚えるのも無理もない事だったのかと今にして思います。
    　ただ、もっと上手な繋げ方をすればこのふたつの話を上手く成立させる事も出来るだろうとも思っております。

    ＞しむらくは、始まりと終わりという企画の趣旨に、無謀なほどに忠実だったということ、その一点につきるのではないでしょうか。

    　今回、お題の使い方はとても重視しました。どれだけお題に沿ったものを書けるかを競うのが企画の醍醐味だと個人的に思っているからです。
    　ただ、仰る様にちょっとそこを意識し過ぎて力の入れ所を間違えた部分も今更ながらに見つけてしまい、そういった所が読者の方を混乱させてしまったのどろうとも感じております。非常に勉強になる企画となりました。


    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2020年01月12日 21時49分35秒
 +40点
  • 　執筆おつかれさまです、燕小太郎と申します。
    『トラフグの思し召し』読みましたので、感想を残したいと思います。

    ＜一通り読んでの第一印象＞
    　……マジか。
    　やりやがったな、と読みながら本気で思いました。

    ＜良かった点＞
    　間違いなくハイレベル、面白かったです。
    　読みやすく、かつ主人公の性格や心情が伝わってくる文章はもちろんですが、何より料理描写が空腹を刺激する。文章力のある作家は企画参加者の中にもいくらかいますが、これだけの料理・味描写ができる作者はそういないでしょう。基本技術がすでにオリジナリティのレベルに達していると思います。

    　物語自体はフグ（水吹き魚）で一貫しつつ、全く異なる世界観を繋ぎ合わせる発想はリスクと紙一重。技術がなければ素人の発想と笑われそうですが、しかし今作は見事に繋ぎ合わせている。奇抜なアイディアとそれを実行する決断力、そして成功させる技術。称賛の言葉が見つかりません。

    　ボリュームはあるがきちんとまとまっていて、登場人物も多い割に混乱しない。各世界での登場人物に無駄がないので、わかりやすくなっている。
    　もちろん、二人のヒロインを始めとしてとても魅力的に描けており、なんの違和感もなくすっと飲み込める。何より谷岡女史、エレーナに共通する魅力として、きちんと二つの面を出せているということ。谷岡女史はやくざの後継者としての厳しさと怖さを表に、しかし裏には年相応の女性らしさを隠し持つ。エレーナは優しい女性としての一面を見せつつ、譲れない場面では凛とした強さを見せる。こうした異なる魅力を併せ持つからこそ、魅力的なキャラクターになっているのだと思います。

    　総じてお見事。すばらしい物語でした。

    ＜気になった点＞
    　唯一考えられる点があるとすれば、現実世界と転生世界を結末で結びつけなかったことでしょう。
    　思いがけない終わり方をした現実世界ですが、あれで全て決着とは思えませんでした。谷岡女史は本当に父親を殺したのか？　殺したいと思っているのか？　慎吾のことを本当はどのように思っていたのか？　
    　世の多くの異世界転生ものがあっさり殺して転生させるようには、キャラクターへの思い入れやストーリーの深さから言っても簡単に受け入れられるものではありませんでした。
    　結局、谷岡女史は慎吾にとって裏切り者であり、親殺しのまま物語を閉じてしまったことになる。うーん、まだ秘めた何かがありそうなだけに、もう一度何らかの形で登場して決着をつけてほしかったです。

    ＜より良くするための提案＞
    　抽象的な言い方なんですが、二つの短編を線で結ぶのではなく円で繋いで欲しいと思います。つまり現実世界の出来事が転生世界へと繋がったわけですが、転生世界から現実世界へと戻り残った課題を片づけることで、二つの物語がきちんとリンクし合うようになるのではないかと。
    　こういう場合は、自分のイメージだと現実世界では失敗して死に、転生した後に転生世界で技術や知識、アイテムなどを手に入れ、現実世界に戻った後もう一度失敗した場面に戻り、今度こそ成功させるような流れにするとできるかと思います。前半でできなかったことを、後半での成長によってできるようになるというのは、きっとカタルシスがあるのではないでしょうか。

    　とはいえこれは、単純に自分が谷岡女史というヒロインが好きなのでもっと好感度高く終われないかな、という願望がある面もあると思います。作者様が思う理想と違うようであれば、遠慮なく無視していただければ幸いです。

    ＜最後に＞
    　面白かったです。歴代企画作品と比較しても最上位にくる作品でした。
    　この作品が上位に入らなければ、自分はフグの肝を食べてお詫び申し上げます。
    　……もちろん、養殖の毒なしフグで、ですけどね。

    　拙い感想ですが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。


    E-Mail pass
Re: 2020年01月17日 04時29分23秒
  • 　燕小太郎さま、ご感想ありがとうございます。


    ＞やりやがったな、と読みながら本気で思いました。

    　やってやりました。かなりチャレンジングな書き方をしましたが、一定の成果は出せたものと感じております。


    ＞間違いなくハイレベル、面白かったです。

    　過分なまでのお褒めの言葉を頂き、恐縮しております。
    　特に料理の描写を評価して頂けた事は、とても励みになります。僕自身が料理に関わる仕事をしておりますし、食べる事も大好きですから何とかこの辺に自分のオリジナリティを確立したいと長い事考えております。今回それなりの結果が出せた事は自信に繋がります。

    ＞物語自体はフグ（水吹き魚）で一貫しつつ、全く異なる世界観を繋ぎ合わせる発想はリスクと紙一重。

    　実際この点は評価が分かれました。
    　肯定的な意見も否定的な意見も頂きましたが、それなりの成功を収める事はできたのかと感じております。また、改善すべき点も多く見つかりました。

    ＞唯一考えられる点があるとすれば、現実世界と転生世界を結末で結びつけなかったことでしょう。

    　今作で一番ご意見を頂いたのがここの部分でしょうか。
    　正直言いますと、僕はここまで谷岡に人気が出ると思っていませんでした。
    　世に多くある異世界モノに、僕は以前から『冒頭でいきなり死んで異世界転移・転生ってどうなんだろう？　それまでの主人公の生き様をしっかり書き込めばより面白い話にできるのだは無いだろうか。特に短編では』との思いを持って書いたのですが、この谷岡人気は完全な誤算でした。今にして思えば、前半ヤクザパートを作り込みすぎたのが逆効果になってしまったのではと感じております。
    　それが故に、

    ＞世の多くの異世界転生ものがあっさり殺して転生させるようには、キャラクターへの思い入れやストーリーの深さから言っても簡単に受け入れられるものではありませんでした。
    　
    ＞抽象的な言い方なんですが、二つの短編を線で結ぶのではなく円で繋いで欲しいと思います。つまり現実世界の出来事が転生世界へと繋がったわけですが、転生世界から現実世界へと戻り残った課題を片づけることで、二つの物語がきちんとリンクし合うようになるのではないかと。

    　きっとそうする事ができればとても良い作品になるのだろうと思います。
    　しかし僕の技量ではちょっとそこまで書けるか心許ないですし、あと個人的には前半公判ですっぱりと切り分けたかったんです。過去の過ちを取り戻す事は出来ない。それでも人は新たなチャレンジをする事ができる。そんな感じの話に持って行きたかったのですね。
    　そこいら辺をもっと上手に料理する事ができたら良かったのに、と悔やんでおります。

    ＞面白かったです。歴代企画作品と比較しても最上位にくる作品でした。
    　
    　僕もこちらのサイトではそこそこの古参で、燕さんからは幾度もご感想を頂いた事がありますが、ここまでお褒め頂いたのは初めてです。ちょっとだけ自信が付きました。


    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2020年01月12日 21時25分28秒
 +30点
  • （この感想にはネタバレがございます。ご注意ください）

    ｋｚと申します。拝読しましたので、コメントします。

    テーマからして、てっきりフグを食べて中毒死、もしくは助けを呼ぼうと病院にＴＥＬしている最中にトラックに轢かれて事故死、そして異世界に転生――かと思ったら、前半はまっとうな料理小説の筋立てだったので非常に驚きました。
    養殖のフグが出た時点で、オチはもしや……と思いましたが、養殖を使った理由に季節（旬ではない）を使ったのもにくいですね。オチを隠すのに上手く機能していたと思います。
    短くまとまっていて文句なし、でも何でまだページがこんなに残っているんだろう？　誰か長文感想でも書いているのかしらん、と思ってスクロールを続けたら、まさかの異世界転移ｗ好き嫌い分かれると思いますが、この強引なぶっ飛び具合は嫌いではないです、はいｗ
    そして始まった異世界パートこと始まりの物語。同じ材料、同じテーマで味わいが異なる話をもう一つ仕上げる手腕はお見事です。前世の知識で安易に俺ＴＵＥＥＥＥＥＥしてないところもよいですね。前半パートでも言えますが、登場人物各々が矜持を持つ物語、熱うございました。
    さて、褒めてばかりなのも癪なので、粗探しといいますか、ケチでもつけてみたいと思います。
    おそらく評価が分かれるであろう異世界パートへの急展開。何で評価が分かれるかと言いますと、現実パートが一短編として完成しきっているのが、悪い方向に働いているのではないかと考えております。
    現実パートと異世界パートの２編で一つの短編として評価した場合、前半の現実パートがやや長いのではないかと思われます。デートシーンを挟んで登場人物を掘り下げて、読者に冗長と感じさせない手腕はさすがですが、後半の異世界パートまで通してみた場合、「はて、このデートシーンって最終的に必要だったのかしらん」と思わなくもありません。枚数上限の都合で異世界に転移してからの一ヶ月を省略しておりましたが、その辺りのお約束なシーンをギャグを交えて書いたり、エレーナさんとデートして彼女をもっと掘り下げたりと、後半をもっと盛り上げることができたのではないかと思います。
    また、異世界パートのオチが大人しいといいますか、粋なオチで終わってしまったのも個人的にはもったいないと思ったりもします。作風やテーマからは浮いてしまうかもしれませんが、憎たらしい奴にぎゃふんと言わせて逃げるのではなく、むしろお前が出て行けざまあｗな展開の方が、俗っぽくてわかりやすいのではないかと思ったりもします。
    感想は以上です。少しでも参考になれば幸いです。

    E-Mail pass
Re: 2020年01月17日 04時28分18秒
  • 　ｋｚ夫さま、ご感想ありがとうございます。


    ＞養殖のフグが出た時点で、オチはもしや……と思いましたが、養殖を使った理由に季節（旬ではない）を使ったのもにくいですね。オチを隠すのに上手く機能していたと思います。

    　この養殖フグの話、思った以上に広まっていて少し驚きました。
    　今現在厚労省から認可が認可が出てない為（たぶんこれから先も出ないと思いますが）、無毒フグとして市場に出回っていないにも関わらず。
    　あと、下手な天然ものよりも上等な養殖の方が質が良いというのは実際に板前が言っておりました。

    ＞短くまとまっていて文句なし、でも何でまだページがこんなに残っているんだろう？　誰か長文感想でも書いているのかしらん、と思ってスクロールを続けたら、まさかの異世界転移ｗ好き嫌い分かれると思いますが、この強引なぶっ飛び具合は嫌いではないです、はいｗ

    　我ながら無茶な事したと思っておりましたが、一定の方から評価を頂けて胸を撫で下ろしております。

    ＞前世の知識で安易に俺ＴＵＥＥＥＥＥＥしてないところもよいですね。前半パートでも言えますが、登場人物各々が矜持を持つ物語、熱うございました。

    　異世界モノ、決して嫌いでは無いのですが安易な俺ＴＵＥＥＥだけは頂けません。そういった安易な書き方だけはするまいと強く心に想いながら書いておりました。

    ＞現実パートと異世界パートの２編で一つの短編として評価した場合、前半の現実パートがやや長いのではないかと思われます。デートシーンを挟んで登場人物を掘り下げて、読者に冗長と感じさせない手腕はさすがですが、後半の異世界パートまで通してみた場合、「はて、このデートシーンって最終的に必要だったのかしらん」と思わなくもありません。

    　実を言えば、第一稿では谷岡は男でした。
    　それをある時唐突に「これ女にすれば異世界編のヒロインとの対比にならね？」と思い付き、書き直した際にこのデートシーンが追加されたのですが。今にして思えばそこから今作のテイストが大幅にずれたのかも知れません。また、前半で枚数を使い過ぎてしまったが故に、

    ＞枚数上限の都合で異世界に転移してからの一ヶ月を省略しておりましたが、その辺りのお約束なシーンをギャグを交えて書いたり、エレーナさんとデートして彼女をもっと掘り下げたりと、後半をもっと盛り上げることができたのではないかと思います。

    　という結果になってしまった事は大きな反省点でした。

    ＞また、異世界パートのオチが大人しいといいますか、粋なオチで終わってしまったのも個人的にはもったいないと思ったりもします。作風やテーマからは浮いてしまうかもしれませんが、憎たらしい奴にぎゃふんと言わせて逃げるのではなく、むしろお前が出て行けざまあｗな展開の方が、俗っぽくてわかりやすいのではないかと思ったりもします。

    　ここの展開に関しては、実は書いている自分も正直「あんまり爽快感は無いな」とは感じておりました。
    　が、展開的にナチュラルなのはこっちだし何より枚数と時間の都合でこの様な形になってしまったのが実情です。もし改稿する事があるなら、ここいら辺はきっと大幅に変える事になろうかと思います。


    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2020年01月12日 21時11分52秒
 +40点
  • 『トラフグの思し召し』拝読しました。

    ※以下ネタバレがあります。

    ・作者コメントのあらすじがどこかで見たことある……のは置いといて、トラフグに関する知識はもとより、板前の仕事についてやヤクザの内情なども細かくしっかりと描かれており、物語の土台がしっかりとしている印象でした。
    　ストーリー展開をしては、板前として谷岡女史の依頼は受けたいが、自分の料理で人を死なせたくはない……という三浦の葛藤は引き込まれますし、女史とデートをするのも意外性がありました。
    　そして最高級の養殖フグを用意することで危機を乗り切る、という展開も見事。
    　「ヤクザ編」とでもいいましょうか、ここまでのストーリーも十分に面白かったですが、そこから異世界に転生するという展開は驚きでした。
    　しかし、エレーナさんをはじめとした現地人との交流は心温まる者がありましたし、フレイマージェ男爵という悪役が現れてからは、まさにクライマックスといえる盛り上がりがありました。
    　特にラストの「今度こそ料理で、人を救う事ができたんだな」というのは、「ヤクザ編」があったからこそのもので、非常にグッときました。
    　「ヤクザ編」「異世界編」の二段構えの構成によって、物語の深みが増していたと思います。
    　キャラクターたちもよかったです。
    　主人公・三浦はヤクザにビビっているのに、いざ板前の仕事に入ると決して臆さず、ヤクザ相手にも啖呵を切れるのがかっこよかったですね。板前としてのプライドを感じました。
    　谷岡女史、エレーナさん、ヴネさんといったキャラも、それぞれの立場に合った心理がしっかりと描けており、「人間が書けている」という感じでした。
    　文章も文句なしにハイレベルで、非常に読みやすく、分かりやすかったです。
    　総じて、非常にハイレベルで完成度の高い作品だと感じました。

    ・中盤で異世界に転生するという展開はさすがに唐突感があり、最初は面食らいました。
    そのあたり、序盤から伏線があるとよかったかなと。
    　『海龍の鱗亭』で料理をしているプロローグから始め、回想という形で「ヤクザ編」を描く、という構成でもよかったのではと思います。
    　「第一部・現世界編」「第二部・異世界編」といったサブタイトルをつけるのもアリかと思います。

    ・とにかく全体的に面白く、素晴らしい作品でした。
    　おそらく作者さんは料理について専門的な知識も持っている方だとお見受けしましたが、それとともに小説の筆力も非常に高いことが伺える良作だったと思います。


    　感想は以上です。指摘点が私自身の作品にブーメランになっていたらごめんなさい。
    　執筆お疲れさまでした。

    E-Mail pass
Re: 2020年01月17日 04時27分23秒
  • 　いりえミトさま、ご感想ありがとうございます。

    　そして企画作『無限ループ』が貴方の作品と知って驚きました。僕の溢れんばかりのドラクエ愛に突き動かされてつい厳しい感想を書きましたが、今読み返してもアレは酷い話だったと感じますｗ


    ＞・作者コメントのあらすじがどこかで見たことある……のは置いといて、トラフグに関する知識はもとより、板前の仕事についてやヤクザの内情なども細かくしっかりと描かれており、物語の土台がしっかりとしている印象でした。

    　ありがとうございます。仕事柄ヤクザもトラフグも割と近くにある題材なのでそこいら辺は割とスムーズに書けました。

    ＞特にラストの「今度こそ料理で、人を救う事ができたんだな」というのは、「ヤクザ編」があったからこそのもので、非常にグッときました。
    　「ヤクザ編」「異世界編」の二段構えの構成によって、物語の深みが増していたと思います。

    　今回、お題を見てこの構成を思い付きました。賛否両方のご意見を頂きましたが、僕としては現世の無念を異世界で晴らす、という異世界モノならではの展開を上手く使用できたのではと感じております。

    ＞・中盤で異世界に転生するという展開はさすがに唐突感があり、最初は面食らいました。
    そのあたり、序盤から伏線があるとよかったかなと。
    　『海龍の鱗亭』で料理をしているプロローグから始め、回想という形で「ヤクザ編」を描く、という構成でもよかったのではと思います。
    　「第一部・現世界編」「第二部・異世界編」といったサブタイトルをつけるのもアリかと思います。

    　はい。ここは今回一番の反省点でした。
    　へろりんさんへの返信でも書きましたが、当初僕もそういった章立てをするつもりでした。　それをこの唐突な形に変えてしまったのは、今にして思えば深夜の謎テンションのせいだったのかも知れません。


    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2020年01月12日 02時17分21秒
 +20点
  • 上手いけど悩ましい。

    E-Mail pass
Re: 2020年01月17日 04時26分17秒
  • 　６４９６さま、ご感想ありがとうございます。


    ＞上手いけど悩ましい。

    　悩ませてしまいましたか。
    　異世界転移のシーンをもう少し丁寧に書けていたら、もっと読みやすい話になっていたかと反省しております。

    　
    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2020年01月12日 02時10分19秒
 +20点
  • 　へろりんと申します。
    　冬企画参加作品執筆お疲れ様でした。
    　御作を読ませていただきましたので、感想を書かせていただきます。
    　素人の拙い感想ではありますが、しばらくの間お付き合いください。

    　タイトルを拝見して
    　下関が舞台でしょうか？

    　キャッチフレーズを拝見して
    　イワシの頭も信心と言いますが、トラフグ教でしょうか？
    　楽しみです。＾＾

    　まずはじめに、ひとりの料理人の人生がトラフグによって、二度も狂わされたお話でした。
    　面白かったです！
    　そして、出て来る料理が美味しそうでした！

    ■文章
    　大変に読みやすい文章でした。
    　特筆すべきは、料理の描写だと思います。
    　作中に出て来る料理がどれも美味しそうでした。
    　たとえ異世界のわけわからん魚の料理でも、美味しそうなのが不思議でした。
    　不思議、不思議

    ■設定
    　設定は前編（前半）と後編（後半）で大きく違っています。
    　前編は現代の日本を舞台として、任侠もの。
    　後編は転生後の異世界を舞台とした、異世界ファンタジー。
    　一度人生が終わり、転生した異世界でまた新たな人生が始まるというテーマを設定に活かした作者様の発想がユニークでした。
    　ただ、私も含め、この前編、後編のギャップに面食らった人が多かったようです。

    ■キャラクター

    ●三浦慎吾＝シンゴ
    　本編の主人公
    　板前
    　フグの調理免許を持つ
    　前編の最後に殺されるが異世界に転生し、そこでも料理人として活躍する

    ●伊藤
    　三浦の後輩の追い回し
    　まだ十代
    　三浦と一緒のとき、運転していた車をうっかり怖い人の高級車にぶつけてしまう

    ●谷岡
    　ヤクザの跡取り娘
    　アラサ―の美人
    　まだ若いが辣腕で組を切り盛りする
    　車をぶつけられ、三浦たちを事務所に連れ込むが三浦が高級料亭に勤める料理人だと聞くと、友達になってくれと持ち掛ける
    　病床の父の最後のわがままとしてフグの肝を食べさせて欲しいと三浦に頼むが、その真意は、父を亡き者にして、組の存続をはかろうとするものだった
    　しかし、三浦の料理人としての工夫で、フグの肝を食べた父は目論見通りに命を落とすことがなかったため、腹いせに三浦を殺めてしまう

    ●谷岡虎蔵
    　ヤクザの大親分
    　谷岡女史の父
    　高齢で病気の身であるため死期が近いことを悟り、末期の料理としてフグの肝を食べたいと言う
    　その真意は、自分がいては組の存続が危ういことを知って、フグの毒で生涯を閉じようとする願いがあったのかも知れない

    ●女神
    　生前の三浦の善行を知り、異世界へ転生させる
    　転生させたあとのアフターケアもばっちり！
    　その姿はこの世の物とも思えぬほど美しく、エレーナの姿に似ている

    ●エレーナ
    　リーンハイム子爵家の現当主
    　シンゴを転生させた女神と似た姿をしている美しい女性
    　フレイマージェ男爵の策謀によりリーンハイム子爵家は領主の座を追われ、財産のほとんどを失い、父は命を落としてしまう
    　残ったのは海鮮料理店『海龍の鱗亭』ぐらいだった
    　その美貌ゆえ、親の仇であるフレイマージェ男爵に言い寄られているが、袖にする

    ●フレイマージェ男爵
    　港町サンサールガルドの現領主
    　『水吐き魚』を使っての策謀でエレーナの父の前領主リーンハイム子爵を陥れ、ちゃっかり後釜の領主におさまる
    　エレーナの美貌に惚れ込み求婚するが袖にされる

    ●ヴネ
    　リーンハイム子爵家の使用人
    　海鮮料理店『海龍の鱗亭』で働く気のいいおばちゃん
    　かつて、かっぱらいで生計を立てていた小娘の時分に先代のリーンハイム子爵に助けられた過去を持つ
    　この恩に報いるためリーンハイム子爵家が没落した後もエレーナのもとを離れず使用人として働く

    ■構成
    　前編が現代日本を舞台とした任侠編
    　後編が転生先の異世界を舞台とした異世界編
    　と、かなり異色な構成となっています。
    　がらりと舞台が変わったことに面食らった人が多かったことは設定の項でも述べた通り。
    　改めて読むと、後編の最初が『海龍の鱗亭』でシンゴが料理するシーンから始まり、その謎を女神との回想で解き明かす構成も、よくなかったかも。
    　これなら、転生後のシーンを先に持ってくるのではなく、死んだあと女神と会うシーンから後編を始めた方が、読み手はすんなりと受け入れられたかも知れません。

    ■ストーリー
    　ある日、三浦の後輩・伊藤が運転する車がヤクザの高級車に追突してしまう。
    　同乗していた三浦は伊藤ともどもヤクザの事務所に連れ込まれる。
    　まだ未成年の伊藤を庇う三浦に対し、ヤクザの令嬢谷岡女史は、事故を不問にする代わりに、料理人の三浦に友達になって欲しいと申し出る。
    　その申し出に対し、三浦は一も二もなく承知する。
    　ある日、谷岡女史は友達となった三浦に、死期の近い父・虎蔵に猛毒のフグの肝を食べさせて欲しいと依頼する。
    　料理人として、猛毒のあるフグの肝を料理して食べさせることに躊躇する三浦だったが、完全養殖の無毒フグの肝ならば食べても安心であることを思い出す。
    　苦労して手に入れた無毒フグの肝を料理して虎蔵に供するが、しかし、末期の料理としてフグの肝を食べて父が死ぬことを期待していた谷岡女史は、余計なことをした三浦を殺めてしまう。
    　凶弾に倒れた三浦の前に、美しい女神が現れて三浦に異世界への転生をすすめる。
    　異世界に転生した三浦慎吾＝シンゴは、リーンハイム子爵・エレーナのもとで料理人として海鮮料理店『海龍の鱗亭』で働くこととなる。
    　シンゴの料理の腕前を存分に発揮し『海龍の鱗亭』は繁盛するが、それを面白く思わない人物がいた。
    　領主のフレイマージェ男爵だった。
    　美貌のエレーナを自分の物にしようと画策するフレイマージェ男爵の罠にはまり、窮地に追い込まれるシンゴとエレーナ。
    　しかし、二人は『海龍の鱗亭』にフレイマージェ男爵を招き、トラフグそっくりの猛毒の魚『水吐き魚』を調理して男爵の目の前で食べて見せる。
    　二人が自殺したと思い込んだフレイマージェ男爵はその場を逃げ出すが、前世でフグ調理師免許を持つシンゴは、『水吐き魚』の毒のない部分を調理し無事だった二人は、今までの身分も名前も捨て、夜明け前に旅立つのだった。

    　前編はバッドエンド（死亡エンド）で、後編はハッピーエンドでした。
    　それぞれが独立した話として、山があり、面白かったです。
    　ただ、話の流れとしては、途中でぶった切れていたので、読む方としては（以下略

    ■総評
    　全体的に楽しませていただきましたが、やはり、前編と後編のつなぎに難があったと思います。
    　見せ方でもうちょっとどうにかなったように思うのですが、勿体なかった！

    　いろいろと好き勝手書きましたが、素人のたわ言ですので、あまりお気になさいませんように。
    　楽しく読ませていただきました。
    　ありがとうございました。

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Re: 2020年01月17日 04時25分40秒
  • 　へろりんさま、ご感想ありがとうございます。



    ＞たとえ異世界のわけわからん魚の料理でも、美味しそうなのが不思議でした。
    　不思議、不思議

    　これはとてもありがたいお言葉です。ありがとうございます。
    　実を言えば現在なろうで異世界料理モノの連載をしておりまして（エタってますが……）、自分の成長を実感できました。

    ＞一度人生が終わり、転生した異世界でまた新たな人生が始まるというテーマを設定に活かした作者様の発想がユニークでした。
    　ただ、私も含め、この前編、後編のギャップに面食らった人が多かったようです。

    　今回のお題を見た時に、瞬時にこのアイデアが浮かびました。
    　僕としては面白い展開だと思っておりましたが、どうも味付けの仕方に問題があったみたいです。

    ＞がらりと舞台が変わったことに面食らった人が多かったことは設定の項でも述べた通り。
    　改めて読むと、後編の最初が『海龍の鱗亭』でシンゴが料理するシーンから始まり、その謎を女神との回想で解き明かす構成も、よくなかったかも。
    　これなら、転生後のシーンを先に持ってくるのではなく、死んだあと女神と会うシーンから後編を始めた方が、読み手はすんなりと受け入れられたかも知れません。

    　先程『味付けの仕方～』と書かせて頂きましたが、ここのシーンはその最たる部分だったかと今にして感じます。
    　実際、草案では慎吾が撃たれて死んだ所で『一部　完』、そこから『第二部　異世界編』みたいに章訳をするつもりでした。
    　ところが書いてる内に変なテンションになって、「このまま唐突に異世界編始めた方が面白くね？」と感じてこの形となりました。
    　今、冷静になって読み返してみるとやはり不親切な作りだったかもしれません。

    　
    　ありがとうございました。

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2020年01月11日 11時22分46秒
 +30点
  • ーー夜に読めば良かった。
    日本酒で一杯やりたくなってしまいました。フグ美味しそうです。

    前半すごくおもしろかったです。
    転生してからの後半も単独のお話としては、おもしろかったです。
    １つ１つ単独だったら、どちらも最高なのですが、なぜこの２つを繋げてしまったのでしょう。いいものと、いいものをたしたら素敵になるとは限らないのですね。
    お話はある意味ハッピーエンドなのですが、読み終わりモヤモヤしてます。

    前半のお嬢さんとお父さんのあの後のその後を思うと、手放しに喜べないです。
    フォローや説明がほしかった。この親子、わりと好きだったから余計に。
    お父さんが養殖には毒がないのを知らなかった感じなのは驚きでした。

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Re: 2020年01月17日 04時24分38秒
  • 　のりしおさま、ご感想ありがとうございます。

    ＞ーー夜に読めば良かった。
    ＞日本酒で一杯やりたくなってしまいました。フグ美味しそうです。

    　ありがとうございます。長い事料理をテーマにした小説を書いてきたので、こういったお言葉を頂けると報われる思いがします。

    ＞１つ１つ単独だったら、どちらも最高なのですが、なぜこの２つを繋げてしまったのでしょう。いいものと、いいものをたしたら素敵になるとは限らないのですね。

    　色々な方に指摘されました。今回の一番の問題点です。
    　僕としてはこのふたつの話はちゃんと面白く繋ぐ事ができると今でも考えています。それを実行する技量が、残念ながら今回は及びませんでした。

    ＞前半のお嬢さんとお父さんのあの後のその後を思うと、手放しに喜べないです。
    フォローや説明がほしかった。この親子、わりと好きだったから余計に。
    お父さんが養殖には毒がないのを知らなかった感じなのは驚きでした。

    　本当に、想像以上に前半のふたりに人気が集中していてびっくりしています。それだけ後半が上手く書けていなかったという左証なのでしょう。
    　あくまでも個人的な考えですが、僕としてはあのヤクザ親子は世に多く出回っている異世界転移、転生小説における冒頭のトラックくらいにしか思っていなかったのです。ヤクザ嫌いだし。


    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2020年01月10日 20時55分07秒
 +20点
  • 『トラフグの思し召し』拝見させていただきました。

    あらすじの時点ですでに面白かったのに、実際に読むと更に面白いとかどういうことでしょうかｗ
    いやはや、楽しませていただきました。
    ……前半は。

    うーん、なんでこれ後半こんなにしちゃったんでしょう？
    すいません、ちょっと意味がよく……。
    理由は他の方とほとんど同じなので割愛しておきます。

    ●一言まとめ

    後半いらない派ですが、両方合わせて楽しませてくれる作品だったら良かったのにと思いました。

    それではこんなところで。
    執筆お疲れ様でした！

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Re: 2020年01月17日 04時23分42秒
  • 　ハイさま、ご感想ありがとうございます。


    ＞いやはや、楽しませていただきました。
    ＞……前半は。

    　ご期待に添えなかった様で、慙愧に堪えない思いです。
    　肉球さんにも指摘をされましたが、後半のクオリティが前半を超えられなかったのが一番の問題でした。それをちゃんとクリアできていたら、

    ＞うーん、なんでこれ後半こんなにしちゃったんでしょう？
    ＞後半いらない派ですが、両方合わせて楽しませてくれる作品だったら良かったのにと思いました。

    　などという感想を貰う事は無かったろうにと悔やんでおります。


    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2020年01月09日 20時27分02秒
 +30点
  • 冬企画作品の執筆、お疲れ様でした。
    御作を拝読しましたので、感想を記したいと思います。

    ※本感想にはネタバレがあります。

    ＞「……うん。俺はどうすれば良いのか。だんだん分かってきた様な気がするな」
    ＞刹那、脳内にひとつのビジョンが浮かんだ。

    主人公が企んでいることが何なのか、考えるのが謎解きみたいでワクワクする作品でした。
    前半は、まさかそんなトラフグが！？
    後半は、文明が少し遅れた異世界の特徴を見事に活かした作戦、
    お見事だったと思います。


    ＞そして俺の人生の終わりも新たな始まりも、あのでぶくて猛毒で美味しい魚がもたらしたのだと考えると、なんだ少し笑えてくる。はは、すべてはトラフグの思し召し、か。

    前半は慎吾の終わりの物語、後半は新たな始まりの物語。
    そのために、前後半で雰囲気ががらりと変わるということなのですね。
    作品の骨格の部分を企画のテーマに委ねるなんて、素晴らしいです。
    しかも、その前後半の鍵をどちらもトラフグが握っている。

    が、やはり他の方も書かれているように、前半は終わりのスリリングなストーリーなので、
    後半のほんわかした雰囲気とはかなりのギャップがあり、大変申し訳ありませんが、
    初読の時は後半は少し読み飛ばしてしまった感がありました。

    でも、感想を書くために再読したら、後半もとても丁寧に書かれていて楽しめました。


    ＞実を言えば、私は実際に命を失う覚悟で食事に臨みましたの。

    いいですね、エレーナさん。最高です。

    ＞『慎吾……聞こえますか……貴方の脳に直接語り掛けています……わたしです……使えない女神です……』

    このセリフも笑いました。『このすば』の女神みたいです。


    ＞厳しさと穏やかさが同居する、『本物』の漢しか出せない様なそのしゃがれ声に俺は深く頭を下げる。
    ＞それはあまりにも圧倒的な『貴族感』

    前後半のこの対比も、なかなか興味深かったです。


    ＞「またこのポン酢がたまらねぇな。兄さん、これもきっと特別な仕事がしてあるんだろう？」

    まるで『美味しんぼ』のセリフのようでした。


    ＞昨夜、リーンハイム家当主エレーナは死にました。何だかとても胸が軽い。まるで生まれ変わった気分です

    テーマの『終わりと始まり』は、全体の「慎吾の人生の終わりと始まり」に加えて、
    後半は「当主としてのエレーナさんの終わりと始まり」の物語だったのですね。
    両方合わせて素晴らしかったです。

    拙い感想で申し訳ありません。
    今後のご活躍を期待しています。

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Re: 2020年01月17日 04時22分51秒
  • 　つとむューさま、ご感想ありがとうございます。



    ＞前半は慎吾の終わりの物語、後半は新たな始まりの物語。
    ＞そのために、前後半で雰囲気ががらりと変わるということなのですね。

    　はい。今回のお題を最大限に生かしたいと考え、この様な形にしました。自分で言うのもなんですが、お題の使い方としては今企画でも相当なものではなかろうかと自惚れております。

    ＞が、やはり他の方も書かれているように、前半は終わりのスリリングなストーリーなので、後半のほんわかした雰囲気とはかなりのギャップがあり、大変申し訳ありませんが、
    初読の時は後半は少し読み飛ばしてしまった感がありました。

    　肉球さんにも同様のご指摘を頂きました。
    　今回一番の失敗は、後半を前半以上のクオリティに仕上げられなかった事だったかと。
    　後半の難産もさることながら、前半に筆が乗り過ぎていたきらいもありました。


    ＞このセリフも笑いました。『このすば』の女神みたいです。

    　実はちょっとだけ意識しましたｗ

    ＞まるで『美味しんぼ』のセリフのようでした。

    　料理モノを書くに当たって、あの作品の影響は避けられません。
    　実際、前半は美味しんぼ前期の、まだ山岡さんがニヒルでかっこいい頃のテイストをかなり意識して書いていました。

    ＞テーマの『終わりと始まり』は、全体の「慎吾の人生の終わりと始まり」に加えて、
    後半は「当主としてのエレーナさんの終わりと始まり」の物語だったのですね。

    　この部分を汲んで頂けて感激しております。
    　慎吾も、谷岡もエレーナもヴネも、もしかしたらフレイマージェ男爵にも、このエピソードによって各々の終わりと始まりがある。そいうった想いを籠めて今作を書き上げました。虎蔵さんに始まりは無さそうですがｗ


    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2020年01月05日 20時20分09秒
 +20点
  • 明けましておめでとうございます。
    肉球と申します。
    御作を拝読しましたので、感想を残していきたいと思います。

    挑戦的な構成でした。
    まさか、こう来るとは……。
    正直、前半部分だけで大変面白かったので、これは一体どうなるんだとワクワクしながら読んでいました。谷岡さん可愛いですし、これはもうくっつくだろう！　と期待をしておりました。
    そういう意味では、若干の肩透かし感もあったのは事実。
    でも、自分は構成自体には有り派です。
    何より、繰り返しになりますが、前半部分は面白かったんですよ。

    一つ問題点をあげるとするならば、前半と後半でどっちが面白いかって、多分前半になってしまうということです。
    何故かというと、谷岡さんとはほもほもしい出会いから、デートを経て、彼女の心情を知り、そのためにできることを探すという、所謂関係性を深めるためのポイントは押さえてしっかり描かれているわけです。
    それに対して、お嬢様とは異世界でばったり出会った彼女に救われるという、言い方は悪いんですけど、インパクトが若干弱い出会いから、お店の手伝いはあるものの、二人が仲良くなっていく描写からの彼女の悩みを解決したいという主人公の決心まで、何となく薄く見えます。
    まぁ、黒塗りの高級車に乗っている谷岡さんというのがパワーワード過ぎて、霞んでるのはあるんですけども。
    真の山場を後半と位置付けるのなら、後半を前半に負けないくらい上手く調理する必要があったのではないかと思いました。
    それでこそ、前半を後半の前フリと位置付けられるので。

    以上となります。
    取捨選択の上、少しでも参考としていただければ幸いです。
    失礼しました。

    E-Mail pass
Re: 2020年01月17日 04時21分48秒
  • 　肉球さま、ご感想ありがとうございます。
    　そして優勝おめでとうございます。とても素晴らしい作品でした。


    ＞挑戦的な構成でした。
    ＞まさか、こう来るとは……。

    　はい。実際、今作は今まで書いてきた中で構成的には一番冒険しました。
    　賛否両論頂きましたが、個人的には一定の成果はあったものと感じております。

    ＞一つ問題点をあげるとするならば、前半と後半でどっちが面白いかって、多分前半になってしまうということです。

    ＞真の山場を後半と位置付けるのなら、後半を前半に負けないくらい上手く調理する必要があったのではないかと思いました。
    それでこそ、前半を後半の前フリと位置付けられるので。

    　僕が今作で一番悔いているのが、まさにこのご指摘でした。
    　実を言いますと、ヤクザパートは瞬時に書き終える事ができた位にスムーズに進んだのですが異世界パートは三回書き直しました。はい。自分でも後半の弱さは自覚しております。
    　猫目さんへの返信でも書きましたが、当初はシンゴに異世界でトラフグの食べ方を普及させてリーンハイム家の名誉を挽回させるという展開も考えていたのですが……
    　言い訳にしかなりませんが、もう２０……できれば５０枚と半月の時間があれば納得のできるものに仕上げる事ができたかも知れません。はい言い訳ですごめんなさい。


    ありがとうございました。

    E-Mail pass
2020年01月05日 08時11分34秒
 +10点
  • 拝読しましたので、感想を書かせていただきます。

    前半の谷岡女史はかなり好きなタイプのキャラでした。それだけに話がまったく変わってしまった時、けっこう失望感がありました。どこか課題も未回収のままのような割り切れなさもあったため、なおさらです。

    作者様の実力の高さは随所に感じました。前半と後半、それぞれ一つだけだったらかなり高評価を集めてもおかしくないと思わせます。

    でも、いいものを二つ並べれば二倍良くなるともかぎらず、良さが相殺してしまうこともあるんじゃないかと。

    ＞『あなたのその無念、異世界で晴らしてみてはいかがですか？』

    この繋げ方にかえって疑問を感じてしまいました。前世の無念は前世で晴らすのが筋なのでは。

    ……いや、それを言っちゃあ異世界転生ものの全否定になってしまいますし、企画テーマも「終わりと始まり」ですから異世界で無念を晴らすという方向自体はありなのかもしれませんが。
    それでも気になったのは、主人公の「前世の無念」とは何だったのか、いまいちぼやけているような気がしたからです。

    老人も谷岡女史も毒のないフグなんて望んでいなかったことは、うすうす推測できました。しかし主人公には、料理で人を殺すのではなく、料理で人を生かしたいという信念があったのだと思います。
    その信念を否定されたと言うより、一顧だにされなかったというのが前半の結末だった気がします。これ以上のバカにされ方ってあるでしょうか？
    ……という感じの無念さを、読者としての私は感じたんですね。

    まあ、ここまで来ると私の個人的な性格も関わるのかもしれないので、強くは主張しません。
    いずれにせよ前半で残した課題なり、想いなり、主人公にとって大切な何かが後半で解決された感じがしなかったし、解決まで行かないまでも先に進んだような気もしませんでした。
    そこがどうにも引っかかって、もやっとします。


    私からはこれくらいです。企画参加お疲れさまでした。

    E-Mail pass
Re: 2020年01月17日 04時20分57秒
  • 　あまくささま、ご感想ありがとうございます。


    ＞前半の谷岡女史はかなり好きなタイプのキャラでした。それだけに話がまったく変わってしまった時、けっこう失望感がありました。どこか課題も未回収のままのような割り切れなさもあったため、なおさらです。

    　正直言いますと今回、ここまで谷岡女史に人気が出るとは思っておりませんでした。きっと僕が本業でしょっちゅうヤー公共に迷惑掛けられているので特に嫌悪感を抱いているからだと思います。
    　なので僕としては割とあっさりご退場頂いたのですが、皆様のご感想を拝読して少し驚いております。
    　そして課題が未回収というご意見に関してはちょっと判りかねます。

    ＞でも、いいものを二つ並べれば二倍良くなるともかぎらず、良さが相殺してしまうこともあるんじゃないかと。

    　仰る通り、ただ並べれば良いというものでは無い事は今回痛感致しました。
    　しかしこのふたつの話を面白く繋げる事は可能だと僕は信じておりますので、いずれ改稿版を連載の許されているなろうとかカクヨムとかで書いてみたいと考えております。

    ＞それでも気になったのは、主人公の「前世の無念」とは何だったのか、いまいちぼやけているような気がしたからです。

    ＞老人も谷岡女史も毒のないフグなんて望んでいなかったことは、うすうす推測できました。しかし主人公には、料理で人を殺すのではなく、料理で人を生かしたいという信念があったのだと思います。
    その信念を否定されたと言うより、一顧だにされなかったというのが前半の結末だった気がします。これ以上のバカにされ方ってあるでしょうか？
    ……という感じの無念さを、読者としての私は感じたんですね。

    　無念の晴らし方に対する、スタンスの違い。でしょうか。
    　確かに現世の無念は現世で晴らせればスッキリします。そういった展開で大きなカタルシスを得る事は可能でしょうし、きっとその方が受けが良いとも感じます。
    　ただ、僕としてはあくまでも異世界に来たらその世界で骨を埋める方が好みなのでこのスタイルが好きです。また、この形にする事で『やり直す事のできる』という別のカタルシスを創り上げたかったというのもあります。
    　それが故に、慎吾の無念の最奥は恨みつらみでは無く、「もっと料理をしたかった」という極めてシンプルなものにしました。


    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
Re:Re: 2020年01月17日 06時50分29秒
  • すみません、言葉を飾ると伝わらなくなる気がするので、以下、本気モードで行かせてもらいます。

    前半と後半、どちらも優れていると思います。そして、前半の方がやや勝っているように感じました。

    それが致命的な問題点。

    前半が面白ければ読者はそれの続きを読みたいと思います。これも、きわめてシンプルでしょう？

    　＊＊＊
    本作とは違うケースですが、「最後まで読んでくれればこの作品の真価が判るはずです」という作者さんをよく見かけます。そう言う人は、ほぼ間違いなく「冒頭が冗長」という指摘をされた人です。そういう作者さんに言わせると「この作品の中盤・終盤をこちらの意図の通りに盛り上げるためには、この冗長な冒頭が絶対に必要だ」と。
    しかし、中盤・終盤がいくら優れていても読んでもらえないことには話になりません。仮に読んでもらえたとしても、冒頭でモチベーションの下がった読者にとっては、その先がいかに優れていても駄作に思えてしまうものです。

    だからエンタメはつかみが大切と言われるわけです。

    本作では、つかみは成功しているように思えます。
    つかみの成功は非常に大きなポイント（と私には思えます）なのに、わざわざ作者さんがさしたる理由もなしに（と私には思えます）それを手離してしまっているのではないでしょうか？

    それが、他のすべての美点を台無しにするほど損なやり方になっているのではないかと。そこを問題視しています。

    ＞しかしこのふたつの話を面白く繋げる事は可能だと僕は信じておりますので、

    可能だとは私も思います。
    しかし、私の思い違いだったら幾重にも謝罪しますが、上記のことを少し軽視されているのではないかと思えたため、その点だけを敢えて強調した感想を書きました。

    ＞そして課題が未回収というご意見に関してはちょっと判りかねます。

    前半で慎吾が失敗した理由をもう少し考えてみたいということです。

    ＞それが故に、慎吾の無念の最奥は恨みつらみでは無く、「もっと料理をしたかった」という極めてシンプルなものにしました。

    私が言っているのも「恨みつらみ」とは少し違うと思うんですね。

    慎吾が失敗したのは組長さんと谷岡女史の本音を読み違えていたから。
    それだけでいいのでしょうか？
    組長は死を決意し、谷岡女史も組長の死を望んでいる。だったら依頼通りにフグの毒で殺して差し上げればよかった。
    あっさりとそういう結論になっていいのでしょうか？

    いえ、作者さんがそれでいいと思うのならそれはそれでいいのですが。
    しかし、作者さんがそのあたりのことをどう考えていらっしゃるのかが、ほぼ読み取れなかったんですね。

    主人公はフグで殺すのではなく、フグで生かす道を選んだ。そこに何某かの想いはあったのではないかと。
    そこが二人にまったく伝わっていません。
    もちろん組長や谷岡女史にも何某かの想いがあるわけですから、あの時点で伝わらないのは当然かもしれません。

    しかし、その先も何らかの形で伝わらないまま終わってしまうということは、物語としては少し物足りない気がします。

    物語のラストまで行って結局伝わらないというのもありだと思いますが、本作では中盤で突然ぷつっと終わってしまったので。
    二人には伝わらなくても、慎吾の心の中ではそれなりに決着するものを見つけてほしかった気がします。

    それが「未回収」という言葉で私がいいたかったことの中身です。

    E-Mail pass
2020年01月01日 19時06分33秒
 +30点
  • 　(注)　この感想には本作へのネタバレが書かれております。

    　こんばんは、猫目青と申します。本作を読みましたので、感想を残していきたいと思います。
    　トラフグ食べたいと思える、素晴らしき飯テロ小説でした。前半の任侠物で物語が綺麗に終わるのかと思いきや、中盤でのまさかの展開。唐突に思う方もいらっしゃるみたいですが、私は『おおっ！』となりました。なるほど、異世界テンプレってこう書くのですね。
    　半面、後半のお話がややおとなしめなのが気になりました。作者様がそうしたいのかなとも思いましたが、もう少し派手にお話を展開させてもよかったと思います。
    　例えば異世界でもトラフグが食べられることを証明して、お店の看板メニューにしてしまってもよかったのではないかと思ったぐらい。
    　いろいろと書きましたが、お手本にしたいぐらい完成度の高い作品でした。読ませていただき、ありがとうございます。
    　
    　

    E-Mail pass
Re: 2020年01月17日 04時19分34秒
  • 　猫目青さま、ご感想ありがとうございます。


    ＞トラフグ食べたいと思える、素晴らしき飯テロ小説でした。

    　今回、この感想を貰えたら勝ちだなと思っておりました。料理小説で料理が美味しそうに描けていなかったら失格ですからね。異世界パートは賛否両論でしたけど、ここに文句を言われる事は無かったのでとても誇らしく感じております。ありがとうございます。

    ＞前半の任侠物で物語が綺麗に終わるのかと思いきや、中盤でのまさかの展開。唐突に思う方もいらっしゃるみたいですが、私は『おおっ！』となりました。

    　評価が割れた異世界転移を好意的に捉えて下さり、とても嬉しく思います。
    　今回はこれが書きたくて書いたので。
    　ただ、多くの方に指摘された『唐突過ぎる』という点は改善の余地が大いにある様に感じました。その内改稿版をなろうかカクヨムあたりで連載しちゃおうかとも考えております。

    ＞例えば異世界でもトラフグが食べられることを証明して、お店の看板メニューにしてしまってもよかったのではないかと思ったぐらい。

    　実を言えば、アイデアとしてはこちらの案はありました。この案を採用しますと、大好きな料理シーンをたくさん書く事ができて僕も楽しかったと思っているのですけれど……時間とページの問題が……


    　ありがとうございました。

    E-Mail pass
2019年12月31日 22時15分32秒
 +20点

  • 読ませて頂きました。
    高い文才をお持ちの、ハイレベルの作品でした。面白いし、するすると頭に入ってくるわかりやすさ。トラフグで死んでトラフグに救われるというストーリーラインもお見事です。

    ※できるだけぼかして書いてますが、以下ネタバレ含みますので注意。

    次に、気になるところ。
    ・他の方も述べているように、中盤からまったく別モノになること。

    ・やくざ令嬢があの後どうなったのか、何のフォローも説明もないので、どうにか解決させておいて欲しいところです。

    ・無類のフグ好きのやくざボスが、あのことを知らないのは少し不自然ではないですか？

    ・あの世界で、海洋生物がほぼこっちの世界と同じ、というのはとんでもなくご都合主義的かと思います。あの御方が仕組んだのかもしれませんが、それなら敵の男もあの御方が仕組んで用意してることになりそうで、あの御方がすごいひどいやつだ、ということになってしまいます。

    ・逃げないって言ってたけど、最後は思いっきり逃げ出してないですか……？ 遠くの地で、生きていることがばれるのに怯えて、ひっそり生きることになりそうで、勝った気がしないです。


    惜しいというか、もったいなく感じる作品でした。中盤からは、主人公をヨーロッパあたりのフグを食わない国に飛ばして活躍させるとかにしたほうが、まだ通りはよかったかなと。

    E-Mail pass
Re: 2020年01月17日 04時18分23秒
  • 　マナさま、ご感想ありがとうございます。


    ＞・他の方も述べているように、中盤からまったく別モノになること。

    ＞・やくざ令嬢があの後どうなったのか、何のフォローも説明もないので、どうにか解決させておいて欲しいところです。

    　こちらは多くの方からご指摘された、今作の問題点です。まあ確信犯なのですが。
    　僕の考えに関しては枡多部さんへのレスで書かせて頂きました。

    ＞・無類のフグ好きのやくざボスが、あのことを知らないのは少し不自然ではないですか？

    　この無毒フグについてですが。ネットでは結構話題になりましたが、実は『無毒フグ』としては厚労省の認可は降りていないので、無毒フグという形でそのまま食する事はできません。現状ではフグ調理師の免許を持った調理師がしかるべき作法を以て調理したもののみが食用として許されております。
    　なので、テレビ等で大々的に報道される事も無いので高齢で長い闘病生活を送っているという設定の虎蔵老人が知らないのは自然な事と考えて書きました。
    　尚、例の無毒フグですが。
    　実際に毒は無いらしいですが、まだ科学的には万全と言える程の検査も終わっていないというのが実情らしいです。だからこそ厚労省も認可していないのですが。
    　今作を書くに当たり、色々とアドバイスをくれた友人のフグ調理師も「自分はあまり関わりたくない」と言っていました。それだけフグの毒は恐ろしいものなのでしょうね。

    ＞・あの世界で、海洋生物がほぼこっちの世界と同じ、というのはとんでもなくご都合主義的かと思います。あの御方が仕組んだのかもしれませんが、それなら敵の男もあの御方が仕組んで用意してることになりそうで、あの御方がすごいひどいやつだ、ということになってしまいます。

    　ご都合主義と言われてしまえば確かにそれまでですが、しかしそれを言われちゃうと異世界ものは全てそうなります。そもそも異世界の『人間』が、我々と同じく炭素と窒素で構成されているという事が既にご都合主義だと思いませんか？
    　なので、出来れば転移先の『人間』はいっそケイ素生物とかそこまでやりたいとも考えておりますが、それをやるとむしろＳＦの世界ですね。
    　そしてあの御方に関しては、あくまでも『困っているふたりを導いて、自分の力で歩ませる』というスタンスを崩させていないつもりです。じゃなけりゃもっと書くの楽でしたｗ

    ＞・逃げないって言ってたけど、最後は思いっきり逃げ出してないですか……？ 遠くの地で、生きていることがばれるのに怯えて、ひっそり生きることになりそうで、勝った気がしないです。

    　確かに『勝った』様に見えないのかも知れませんが、エレーナが逃げたとは僕は思っておりません。それが証拠に彼女には「実際に命を失う覚悟で食事に臨んだ」と言わせました。
    　また自害する（様に見せかける）事で貴族としての面体を汚す事無く、そしてしっかりと生き延びているので、僕は彼女は人生の賭けに勝った人として描きました。この辺は行間を読んで欲しいという願望の元に書きましたが、伝わり辛かったみたいで残念に思っております。


    　ありがとうございました

    E-Mail pass
2019年12月31日 06時27分29秒
 +10点
  • うーん……。
    前半と後半の落差がありすぎて『木で竹を継ぐ、しかも継手まで見えてる』という状況に困り果てました。まぁ継手がトラフグなんですが。この作品、落差があまりにもひどすぎて一つの作品と称して二本分の短編を読まされたというイメージが強いです。登場人物はすべて生き生きとして書き手さんの実力は疑いようはありませんが、ちょっとこれは……。
    もう少しまとまりがあるように前半の登場人物が後半にも実は○○（重大ネタバレのため伏せ字）してたとして前半と後半の整合性を取った方がよかったと思います。前半と後半で登場人物総入れ替えというのはやり過ぎと感じました。

    わたしからの感想は以上です。ご縁があれば、またお会いしましょう。

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Re: 2020年01月17日 04時17分01秒
  • 　枡多部とあるさま、ご感想ありがとうございます。


    ＞前半と後半の落差がありすぎて『木で竹を継ぐ、しかも継手まで見えてる』という状況に困り果てました。

    　今作の肝とも言える異世界転移ですが、どうも評価がまっぷたつに割れました。
    　色々な方の感想を見るに、どうやらぶった切り方が唐突というのと、前半の話を綺麗さっぱり切り捨てた所に皆様引っ掛かりを覚えている様子。
    　第一のぶった切り方に関しては、今にして思えばちょっと唐突過ぎたかと反省もしております。個人的には、唐突に殺されて唐突に異世界編が始まるという展開を面白く感じてこういった書き方にしたのですが、どうも少しばかり滑ったみたいですね。ここはもっとブラッシュアップできる部分だと感じております。

    　第二の部分なのですが。ここはちょっと自分でも整理しかねています。
    　理由は単純で、僕の嗜好として異世界転移した主人公が元の世界と関わる展開が好きでは無いからです。色々な方から『谷岡女史と虎蔵のあの後が気になる』というご意見を頂いて逆にびっくりしたくらいです。
    　しかし、この展開はもし改稿するとしてもきっと変えないだろうと思います。
    　ニーズに合わせるならばそう書くべきなのだろうとも考えますが、しかし僕はあくまでもアマチュアなので自分の書きたい様に書きたい。
    　改稿するとしても、自分の書きたい様に書いて尚読者を納得させる事のできる様に書いてみたいと思っております。きっと滅茶苦茶難しいでしょうけれど。
    　ただ――

    ＞この作品、落差があまりにもひどすぎて一つの作品と称して二本分の短編を読まされたというイメージが強いです。

    　というご意見は肝に銘じさせて頂きます。
    　実際、書いている自分もなんだか短編を二本ぶっ通しで書いた様な疲労感に苛まれました。という事はおそらく読んだ方もその様な感を抱いているのでしょう。
    ここは第一の問題点をブラッシュアップする事で解決できそうな気もしております。


    　ありがとうございました。

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2019年12月31日 00時29分13秒
 +30点
  • 「トラフグの思し召し」、読了いたしました。

    　作者コメントからしてネタ作品なのかと思いきや、人情味溢れる良きドラマでした。
    　現世では板前をしていた三浦慎吾さん、熱い職人魂を持った漢（おとこ）でしたね。
    　彼の料理に対する情熱とこだわりは、読んでいて好感が持てました。
    　男が戦う方法は、何も腕っぷしだけではなくて、自分ならではの武器を生かすこと。本作ではその心意気がよく表されていたと思います。主人公が作者様の自己投影であるならば、作者様も相当な男前です（笑

    　構成に関しても、意外性の演出が良かったです。
    　前半は大人向け漫画のような雰囲気で、これはこれで好きでした。
    　しかしまさか、あそこで場面転換とは（ネタバレ回避のために曖昧な表現にしておきます）。
    　まったく予想していなかったので、途中から別の作品が間違って混ざったのかと勘違いしてしまうほど。一本取られた気分です。
    　ただ場面が変わっても「熱い魂を持った男が、自分の持てる武器を使って誰かの為に戦う」というテーマは変わらず。このテーマこそ、作者様が大切にしたかったことなのだと私は解釈しました。

    　そうそう。作中に出てくる料理の美味しそうなこと！
    　食べた人の感想も的確で、味を想像したらお腹が空いてきました。
    　料理の描写や味の表現の仕方、食材に関する知識はお見事。おそらく作者様は本職の方なのでしょう、知識・経験の豊富さが存分に発揮されていました。
    　それにしても、本作を読んでいたら美味しいフグ料理と酒が欲しくなってきました。
    　作者様にはいつか責任を取って貰うことにしましょうか（笑

    　それでは、美味しい作品をありがとうございました。

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Re: 2020年01月17日 04時15分50秒
  • 　庵さま、ご感想ありがとうございます。

    　かなり早い段階でご感想を頂けて、とても心強く感じました。ありがとうございます。
    　どうやら瞬時に作者バレしたみたいでしたが、感想期間中は強い心で乗り切りました。
    　
    ＞作者コメントからしてネタ作品なのかと思いきや

    　今作は自分の原点に戻って「情」を重視した話としました。その辺りを評価して頂けたのはとても励みになります。
    　尚、例のネタは単純に書いてみたかっただけですｗ
    　　あと、きっと作風で古参には簡単にバレるだろうから、せめて作者コメントくらい迷彩しようというコスい考えもありました。

    ＞構成に関しても、意外性の演出が良かったです。

    　今回一番無茶をした所が異世界編への転換ですが、こちらを好意的に捉えてくださりとてもありがたく思います。
    　結構賛否両論まっぷたつの意見を頂きましたが、僕はこれをやりたくて今作を書いたのでとても嬉しく思います、

    ＞食べた人の感想も的確で、味を想像したらお腹が空いてきました。

    　ここも異世界転移と並んで力を入れた所ですので、お褒め頂けて報われた思いを抱きました。
    　今回の話を書くに当たって、友人のフグ調理資格を持つ板前に色々と話を聞いて書いたので一定のリアリティを得る事ができたと自負しております。ええ、以前お会いした時にお連れした、あのお店の板前です。
    　もしまた千葉に来られた際には謹んで責任を取らせて頂きましょう。


    　ありがとうございました。

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