【跡地化】名探偵は布団から出られない

Rev.03　枚数： 3 枚（ 840 文字）
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●○●○●○●　この作品は跡地化されました。　○●○●○●○
○●○●○●○　この作品は跡地化されました。　●○●○●○●
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庵(いおり)

2018年12月29日 04時12分21秒 公開
■この作品の著作権は 庵(いおり) さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
◆テーマ
→冬のミステリー
◆キャッチコピー
→「お布団はね、いつでもどこでも誰にでも、果てしなく優しいんだよ」
◆作者コメント
→まずは企画運営の皆様に感謝を。
年末でご多忙の中、開催準備と運営をありがとうございます。
冬企画に参加できたこと、大変喜ばしく思います。

【あらすじ】
私立才稀出高等学校――「世界に通用する個性豊かな若者の育成」を基本理念としたこの高校には、全国から様々な才能を持つ生徒が集められている。
そのクラスの一つ、２年Ａ組の教室で事件が発生した。
無人の教室に侵入し、犯行を遂げた人物は誰か。
はたまたそのトリックとは？
お布団大好き〈安息布団探偵〉こと真中繭由が謎に挑む。
本格推理×学園×青春ミステリーここに推参！

ライトな感じに仕上げましたので、ミステリーに馴染みのない方でも楽しめます。
それでは、宜しくお願いします。

※12/30 誤字と改行ミスを修正しました。

※1/17 跡地化しました。
作品はこちらへ移動↓
〈カクヨム版〉
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888119678
※カットしたシーンを収録したディレクターズカット版です。

2019年01月21日 22時17分26秒
 +30点
  • 　「厳しい冬の終わりには　～日ノ巫女と凄ノ王の伝承～」の感想返しにまいりました。朱鷺（とき）と申します。
    　よく練りこまれた推理小説でした。あまり得意ではない分野でしたが、楽しく読了いたしました。
    　建物の見取り図は、文章から作成しましたが、支障なく出来上がりました。至れり尽くせりですね。
    　登場人物の描写がそれぞれ深くなされており、それが事件の解決にからみ、さらにそれぞれの将来につながる鮮やかなエンディングが見事でした。
    　途中まで読んでの感想を一つ。
    　たぶん本当は服を着てるのに、「だって何も着てないから……」と、外園文哉（ほかぞの　ふみや）クンをからかう真中繭由（まなか　まゆゆ）さんなら、「布団の中身」は、綿か羽毛だろうなあ。そんなものに欲情して耳まで真っ赤になってたら、変態と言われてしまうぞ、外園文哉クン。
    　「読者への挑戦状」への解答です。
    　犯人は、相田煌星（あいだこうせい）。動機は、想いを寄せる音無奏恵（おとなし　かなえ）さんにプロポーズする時間をかせごうと、邪魔な「恋に恋する」綾小路樹里亜（あやのこうじ　じゅりあ）嬢の熱烈なプロポーズを妨害するため。
    　相田煌星が使ったトリックは、昼休み前の最後の授業の間に、昼の購買で販売するパンなどを運び込む運搬員にまぎれて裏口から学校に堂々と忍び込み、購買部のおばちゃんが受け取った商品を確認し整理している間に、目撃されることなく教室に侵入して目的を遂げ、運搬員にまぎれて学校から立ち去った。
    　厳重なセキュリティをしていては、マラソンで多人数を校内からスタートさせることはできない。団子でゴールする生徒を通せない。だから、学校の裏口のセキュリティは四時間目には切れていたはずです。
    　作中に用意したミスリードは、
    　(１) 体力も気力もつきて保健室で寝ている病弱な音無さんが、唐突に担架を最大百八十センチ離れた窓枠に掛けることを思い付き、ぐらぐらして、すぐにひっくり返りそうになる不安定な担架の上を無事に渡りきることができるかのごとく読者に思わせようとしたこと。
    　音無さんなら、池に落ちるか、途中であきらめて引き返すと思われます。
    　あるいは、奇跡的に担架を渡りきったとしら、そのために必要とされた集中力によって、一時の気の迷いで犯しかけた犯行を思いとどまったと思います。
    　余談ですが、ヘドロ状態の池を棒高跳びで越えようとするのは、はっきり罰ゲームだと思います。熟練したアスリートは、練習したとおりの動きをしてしまう。鷲尾茜さんは、棒幅跳びの選手ではないから、棒をついた位置から少しだけ先に落下するでしょう。
    　(２) 外園文哉君が、フラれた時のための失恋記念として、あるいは単なる物取の犯行に見せかけるために、音無さんの髪留めも盗んだこと。これは、犯人によるミスリードの試みです。
    　(３) 叙述トリックを使って、綾小路樹里亜嬢が探しているのは「高価な財布」であると、犯人しか知りえない事実を鷲尾茜さんが語ったかのように読者に思わせようとしたこと。財布に二重括弧をつけて、読者の注意を引こうとする念の入れようだった。さらに鷲尾茜さんは綾小路樹里亜嬢と仲が悪いから動機がある、と読者に思わせようとしたこと。
    　(４) 飛島輝良人君を問題児と記載して、犯罪を犯すのが当然の人物のごとく読者に紹介したこと。
    　推理小説は、人を疑わないといけないし、事件が解決しても、とかく暗鬱な結末が多いので、あまり好きではありません。
    　でも本作の結末は、実に爽やかで、本当に読んでよかったと思いました。
    　執筆、お疲れ様でした。感想ありがとうございました。

    E-Mail pass
Re: 2019年01月22日 08時57分28秒
  • 朱鷺さん、お久しぶりです。
    一年前の密室企画でも御作を拝読しましたね。
    この度は感想返しをありがとうございました。


    ＞　よく練りこまれた推理小説でした。あまり得意ではない分野でしたが、楽しく読了いたしました。
    ■本格ミステリは読む人を選ぶだろうなと思っていましたが、それでもミステリに馴染みのない方を楽しませる工夫をした甲斐がありました。

    ＞　建物の見取り図は、文章から作成しましたが、支障なく出来上がりました。至れり尽くせりですね。
    ■見取図を作成してから建物の描写をしました。図と文章の整合性はミステリを書くときのこだわりポイントです。

    ＞　登場人物の描写がそれぞれ深くなされており、それが事件の解決にからみ、さらにそれぞれの将来につながる鮮やかなエンディングが見事でした。
    ■キャラクターとストーリーは、ミステリに馴染みのない方でも楽しめるようにする為のものでした。

    ＞　「読者への挑戦状」への解答です。
    ■推理に挑戦して頂きまして、ありがとうございました。
    ミステリは読者との頭脳戦だと考えていますので、読者がどのように推理しているのかを知れるのは凄く参考になります。
    かなり細部まで考えて下さったようで、作者ですら思いもよらなかった発想が所々に見られます。
    ミステリ書きとして、自分はまだまだ頭が硬いと感じました。

    ＞　推理小説は、人を疑わないといけないし、事件が解決しても、とかく暗鬱な結末が多いので、あまり好きではありません。
    ＞　でも本作の結末は、実に爽やかで、本当に読んでよかったと思いました。
    ■作者が配意した点を評価して頂けるのは嬉しいものですね。


    本作と真剣に向かい合って下り、ただただ感謝するばかりです。
    それと感想返し、これはラ研のよき伝統です。
    私が言うのも何ですが、これからも続けてください。
    それでは、またお会いできる日まで。



    E-Mail pass
2019年01月14日 22時04分27秒
 作者レス
  • （つづきです）


    【里崎さん】
    初めまして。
    企画には約5年ぶりの参加となりましたが、新しい出会いに感謝です。

    ＞ミステリとしても学園ラノベとしても楽しめました。
    ■ありがとうございます。
    　双方の特色を併せ持つ作品として書いたので、そう言って頂けて嬉いです。

    ＞一端の長さが足りてても、担架には幅があるので、もう一端（遠いほう）の長さが足りない可能性がありませんか。
    ■ここは説明不足でした。
    　担架を広げた状態ではもう一端の長さが足りないように思えますが、担架を閉じた状態なら可能だと考えられます。この場合は2本の棒が狭い幅で並ぶので、足場としての安定感もそれなりにはあるように思えます。
    　ちなみに、私が参考にした担架はこちらでした→https://www.signonline.co.jp/goods//16000011890000?gclid=Cj0KCQjwjvXeBRDDARIsAC38TP42IGHf7Nphs04pUUwWx2THaRG7KPYxao3dgncTdUSGXULhNkv2mXMaAqyTEALw_wcB

    ＞共犯の可能性を除外したのはなぜ？
    ■白状しますが、ここは誤魔化しました。
    　消去法だけでは限界があるというのは、作作中で繭由が述べた通りです。
    　あとは、「犯人が保健室から脱出することができたら」という仮説のもとで推理を組み立てており、それを裏付ける証拠品として髪留めが見つかった（作中で繭由は、これを加点方式と説明しています）ので、共犯の可能性は考慮されていないのです。

    ＞購買のおばちゃんや教師の犯行を除外した理由
    ■生徒たちが話しているのを教師や購買部のおばちゃんが聞いていた可能性はなきにしもあらずですが、本作は開示された情報をもとに謎解きをする形式なので、開示されていない情報は推理の材料にしないこととしています。それは安楽椅子探偵ならぬ安息布団探偵の繭由も同じことなのです。

    鋭い指摘をありがとうございました。
    今後の指針と致します。


    【燕小太郎さん】
    お久しぶりです。
    感想制覇お疲れさまでした。

    ＞一番惜しいと感じたのが、繭由が布団から出ないことでした。
    ■本作の設定を根本から覆すご意見ですね(^_^;)
    　本作には個性的なキャラクターを配置しましたが、作者的にはそれがメインではありません。
    　あくまで謎解きを主軸とした本格ミステリとして書いたのです。
    　安楽椅子探偵（本作では安息布団探偵と銘打っていますが）というジャンル上、情報収集役と探偵役を分担する必要があり、探偵が能動的に行動するわけにはいかなかったのです。

    ＞考えるべき長さは窓までの130センチではなく130センチ＋斜めにした時の担架の幅ではないでしょうか？
    ■これは説明不足でした。
    　担架を広げた状態ではなく、畳んだ状態で使うことを想定しています。
    　担架を畳むと2本の棒が並ぶので、必要な長さはそれほど変わりませんし、その上を渡る人の足の幅からしてもちょうどいいと思うのですよね。
    　ちなみに、私が参考にした担架はこちらでした→https://www.signonline.co.jp/goods//16000011890000?gclid=Cj0KCQjwjvXeBRDDARIsAC38TP42IGHf7Nphs04pUUwWx2THaRG7KPYxao3dgncTdUSGXULhNkv2mXMaAqyTEALw_wcB

    ＞謎解き好きなミステリファンなら飛びつくでしょうが、そうでない読者の場合、説明が続くので眉を顰めるかもしれません。
    ■ここは難しいところです。
    　そうでない読者を、どこまで引き込めるかが課題なのですよね。
    　でも、謎解きが好きな読者には推理に必要な情報を不足なく伝えたい。
    　ここのバランスはまだ模索中です。

    ＞また、URLで必要な資料を掲示するというのは中々のウルトラCでした。
    ■実はこの手法、以前の企画でも使ったことがあります。その時は、幼馴染みが女の子のパンツを盗む話でしたw

    ＞あえてミステリ小説の必須事項であるトリックと犯人探しのどちらか一方を諦める。
    ■それをやると、私の書きたい本格ミステリではなくなります。
    　他のジャンルを書く時の指針として受け止めておきます。

    ＞今回は企画なので上限枚数がきついというのも、純粋なミステリ作品が勝負しにくい原因だと思います。
    ■上限枚数の問題というよりも、ミステリを好む方とそうでない方との間に、根本的な違いがあるからだと考えています。
    　ミステリ好きな方は謎解きと解答へ至るまでのプロセスを求めています。
    　一方、そうでない方はキャラクターやストーリー性を求めています。
    　おそらく後者が多数派でしょう。
    　本作についた感想を見比べてみると、本作を「学園ものにミステリ要素を付加した」と見るか「本格ミステリに学園ものの要素を付加した」と見るかで評価が分かれているように思えるのですよね（ちなみに作者の認識は後者でした）。
    　本格ミステリにこだわる限り、厳しい勝負になるのは仕方のないことだと割りきっています。「それでも自分はここまで戦えるんだ！」という自負はありますが。


    熱のこもった感想をありがとうございました。
    本格ミステリというジャンルで書く上では自分なりのこだわりを貫きたいと思っています。
    他のジャンルを書く際には、頂戴したご意見を参考にさせて頂きますね。
    それでは。


    【たかセカンドさん】
    いつもお世話になっています。
    準優勝おめでとうございました。

    ＞ライトな作風ながら、トリックは本格的な気がしました。
    ■ありがとうございます。狙い通りでした。

    ＞もちろん可愛いのだろうなぁ、と言うことは理解できるのですが、個人的にはいまいち響いてこなかったというか……。
    ■ええー、まだ足りませんかー。彼女の可愛らしい描写、割と入れたつもりだったのですが(^_^;)

    ＞ミステリなので、しょうがないとは思うのですが、ほぼ説明に費やされていたような気がします。
    ■ここは未だに模索中です。
    　推理が好きな方もいるので、必要な情報は不足なく伝えたいのですけど、それが障害になる方もいるので、バランスには苦慮しています。

    ＞主人公である文哉も同じく、キャラ立ちは弱かったように感じます。
    ■文哉は語り手であり、読者に情報提供する役割なので、個性はそれほど必要ないかと。


    この度はありがとうございました。
    今後とも宜しくお願いします。


    【uniさん】
    初めまして。
    よろしくお願いします。

    ＞構成がイーブンペースなシーケンスの印象で
    ■ごめんなさい、横文字苦手なので意味が解りません(TдT)

    ＞読者は必ずしも謎解きをしたいわけではない
    ■本格ミステリを、謎解きしたくない人が読むという状況が想定できません。

    ＞学校の事件解決は割とあるかなと。
    ■学園ミステリが一つのジャンルとして確立していますからね。
    　異世界転生ものだって割とありますが、それぞれにオリジナリティが見られます。

    ＞誰に学校を説明しているのでしょうか！？
    ■読者です！（開き直り


    時間がない中で拙作に目を通して下さり、ありがとうございました。


    【茉莉花さん】
    お久しぶり……だったような。
    違っていいたらすみません。

    ＞これぞキャラミスと言わんばかりに立ったキャラクターと、本格推理でもおかしくないほど入念に張り巡らされた伏線が魅力的な作品でした。
    ■ありがとうございます。

    ＞まさか見取り図まで用意するとは思わなかった。
    ■私が本格ミステリを書く時は、大抵、見取図を添付します。そのせいで、作者を特定できた方もいらっしゃるぐらいです。

    ＞読者への挑戦状を読んだ時点での私の推理です。
    ■真面目に取り組んでくれてありがとうございます。ミスリードを用意した甲斐がありました。

    ＞正直なことを言うと犯行動機に関しては少し弱いかな、どうかなという感じはしましたが。
    ■弱いですか……学園ミステリっぽいと自分では思っていたのですが(^_^;)

    ＞清涼院流水さんのJDCシリーズっぽい感じでした。私、ああいう濃さ大好き。
    ■あの濃さは凄いですよね。先生の作品は幾つか拝読していますが、よくもまああそこまでやれるなとw


    この度は感想ありがとうございました。
    これからも宜しくお願いします。

    ■　■　■
    以上が個別レスです。
    ここから先はご連絡となりますが、本作は近々跡地化します。
    それでも本作を読みたいという奇特な方は、こちらへどうぞ。
    ↓
    〈カクヨム版〉
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054888119678
    ※カットしたシーンを収録したディレクターズカット版です。

    E-Mail pass
2019年01月14日 22時00分30秒
 作者レス
  • 　初めましての方は初めまして。
    　久しぶりの方はお久しぶりです。
    　今回は約5年ぶりの企画参加となりました。
    　懐かしさを覚えつつ、その反面、以前とは少し違った雰囲気を体験することができました。
    　
    　それでは、以下が個別レスになります。

    ■　■　■

    【如月ふあさん】
    いつもお世話になっています。
    本作を読んで下さり、ありがとうございました。

    ＞キャラが立ってる。総じて濃くて絵が浮かびます。
    ■ミステリはどうしてもキャラが薄くなりがち。その問題点を改善できて良かったです。

    ＞犯人は分かりました。
    ■ですよねぇ……。
    　メタ的推理だと犯人がすぐに分かってしまうのです。
    　だからこそ完全なる回答と認める為には3つの条件を設けたのです。犯人当てられただけで負けを認めるのは悔しいですからね(^_^;)

    ＞能力の高い人材の集まる学校であっても、やはり思春期の少年少女の場なのだなと感じました。
    ■本作を学園ミステリたらしめるのは、やはりこの要素ですね。

    ＞二人の事件簿をもっと見たいなとも。
    ■ごめんなさい。続編の予定は今のところないのです。

    この度はどうもありがとうございました。
    これからも宜しくお願いします。


    【いさおさん】
    いつもお世話になっています。
    今回は久々に勝負することができて嬉しかったです。
    やはりいさおさんと戦うのは楽しいです。

    ＞ライトノベルらしくキャラ立ちの濃い登場人物達と、ミステリらしく読者に挑戦するスタイルがとても高い次元でバランスの取れた、大変読み応えのあるお話でした。
    ■キャラクター性と本格推理のバランスは、今回わりと上手くはまったように思います。

    ＞個人的に好感が持てたのは、推理モノに多そうな殺人とか暗く重たい話では無く
    ■長編のガチミステリでは殺人事件を取り扱いましたが、今回は短編ですし、学園ミステリーでもあることから、優しい雰囲気を残すことを意識しました。

    ＞『意外性ねえな』
    ■おっしゃる通り。
    　意外な人物を犯人とする為の演出は、未だに模索中です。

    　この度はありがとうございました。
    　これからもよき創作仲間でいてくれたら嬉いです。


    【ハイさん】
    こんにちは。
    拙作に感想ありがとうございました。

    ＞私はミステリーについてはあんまり興味がない
    ■そうでしたか。
    　本作は謎解きをメインにした本格ミステリとして出品したものですので、そのお言葉は残念です。
    　極上の海老天を載せた天ぷら蕎麦をお出ししたのに、海老天は要らないと言われた気分です。
    　出汁と蕎麦を誉めて頂いただけでもよしとしましょうか。

    別の作品をご披露できる機会がありましたら、その時はまた宜しくお願いします。


    【いりえミトさん】
    お久しぶりです。
    お元気そうで何よりです。

    ＞・キャラクター達の立ちっぷりが非常に良かったです。
    ■本格ミステリは、謎解きに力を入れすぎるとキャラクター性が薄くなってしまいがち。
    　ラノベらしさを出す為にはキャラクターの個性が必要でした。
    　そう言って頂けて良かったです。

    ＞ミステリーながら優しい雰囲気の作品になっている点も好印象でした。
    ■密室殺人を取り扱った長編のガチミステリも書きますが、学園ミステリにするなら優しい雰囲気のものをと構想段階で考えていました。

    ＞作者さんの本格ミステリへのこだわりが感じられました。
    ■本格ミステリへのこだわりは強いと自分でも思っています。特に見取図は(^_^;)

    ＞実現不可能でもいいからぶっとんだトリックをやってほしいなと思うのです。
    ■ご想像のとおり、私は現実に実現可能なトリックを重視しています。
    　ただ、壮大なトリックもいつかはやってみたいですね。

    島田荘司先生の作品は私も大好きです。
    この度は感想ありがとうございました。


    【つとむューさん】
    いつもお世話になっています。
    久々に企画でお会いできましたね。

    ＞個人的には、この一行に学園ミステリーの面白さと難しさが込められているのではないかと感じました。
    ■ここに着眼されたのは意外でした。
    　学園を舞台にしたのは、現実的な捜査を推理材料にしない為。
    　素人ながらも考え方次第で真相に迫れるというのも、警察が登場しないミステリの醍醐味ですね。

    ＞途中で読者への挑戦状が出された時には、大きな違和感を覚えました。
    ■青春学園ものであれば、読者への挑戦状は不要です。
    　しかし本作は、あくまで謎解きがメインのミステリですから、作者の意図と読者の求めているものにズレが生じたのは仕方ないことだと思っています。

    ＞個人的には作品に冬をあまり感じることができませんでした。
    ■ええー、そうでしたか。
    　冬になると布団から出られなくなる探偵、というところにテーマを盛り込んだつもりだったのですが……。

    この度は感想ありがとうございました。
    今後とも宜しくお願いします。


    【kzさん】
    ＞まさか企画で読者への挑戦状を目にする日が来るとは
    ■あら？
    　確か以前の企画でも読者への挑戦状を出したことがあったはず。
    　あの時は幼馴染みが女の子のパンツ盗むトホホミステリでしたが(^_^;)

    ＞トリックはとうとう分かりませんでした。
    ■私は御作のトリックが見破れなかったので、今回は引き分けですねw
    　メタ推理で犯人が分かってしまうのは仕方ないです。それすらも凌駕できるようにはしたいのですが。

    ＞ティーンな感じのノリも楽しめました。
    ■今回は学園ミステリということで、それっぽさを目指しました。

    ＞強いて不満をあげるとすれば、本命の推理よりミスリードとして用意した推理の方が面白いところでしょうか。
    ■バカミスなんかだとこれもアリなんですけどね。
    　トリック自体は現実的なものを重視しているので、今回は地味なものに留まりました。
    　ぶっとんだトリックも、いつかは使ってみたいのですけどね。

    この度は感想ありがとうございました。
    同じミステリファンとして、これからもお付き合い頂ければ幸いです。


    （つづきます）

    E-Mail pass
2019年01月13日 23時36分05秒
 +30点
  • 作者の方へ

    茉莉花です。
    作品読みました。

    これぞキャラミスと言わんばかりに立ったキャラクターと、本格推理でもおかしくないほど入念に張り巡らされた伏線が魅力的な作品でした。
    まさか見取り図まで用意するとは思わなかった。あと、トリック明かしの図解も。企画の新しい可能性を見た思いがしました。

    さて。
    読者への挑戦状を読んだ時点での私の推理です。
    推理、苦手だけど、やってみるー。

    １．犯人は誰か？
    鷲尾茜

    ２．犯人が使ったトリックは？
    池のふちをボックスに見立てて棒高跳びを行い、二階の窓から侵入し、綾小路の財布を取った。窓は事前にあけておく？
    （池にはポールがあるのでは？　一三〇センチの池にポールが収まる？　折り畳み式？？　強度的に怖くない？それｗ　ツララをポール代わりにした？？）

    ３．作中に用意したミスリードとは？
    財布がなくなった翌日に財布が戻った、という部分。
    ストレートに読むと「犯人（鷲尾）が綾小路の財布を戻した」と読めるが、実は「鷲尾から綾小路への告白としてのプレゼント」だったのではないか。
    綾小路はそれを察して「女性との恋愛はできない」という意味で捨てたのではないか。

    ※音無の髪留めも関わってそうなのですが、こちらはうまく分からず。輝良人のハーフパイプの強化選手設定は……ブラフかなぁ。購買部が謎。

    ↑
    作品読み終えて。
    穴だらけ言われたｗｗ　くそうｗ
    ふう……ｗ

    さて、大変楽しく読めた作品でした。
    キャラクターが素晴らしく濃いですね。犯行の手段も説得力があってよかったです。
    正直なことを言うと犯行動機に関しては少し弱いかな、どうかなという感じはしましたが。でも今回はハウダニットなのでこのバランスがベストなのかも。

    綾小路の能力はもはや異能だなぁ、と思っています。
    全体的に見てキャラクターの濃さは清涼院流水さんのJDCシリーズっぽい感じでした。私、ああいう濃さ大好き。
    （もちろんこの作品がそのパクリであるということではありません）

    非常に充実した時間を過ごすことができました。
    楽しかったです。

    執筆お疲れ様でした。

    E-Mail pass
2019年01月13日 23時30分28秒
 0点
  • uni と申します。
    最近、ちょっとよそで投稿したことがあったので、ここで復習のために、立ち寄らせていただいています。

    この作品を読ませていただいたので、感想を残しておきます。
    気に障る表現があるかもしれませんが、私の文章能力の程度の問題もありますので、ご容赦ください。

    全体：
    構成がイーブンペースなシーケンスの印象で、ちょっと読むのがモチベーション的につらい感じがしました。

    文章・構成系：
    構成がイーブンペースなシーケンスというのがまずあります。
    また、読者は必ずしも謎解きをしたいわけではない（特に文字媒体では、謎解きはただの文字列から文字列の変換にしかならないのでなおさら）ですし、謎解きの需要に答えようとするなら、同様の理由でかなりの可読性が要求されると思います。
    総じて、結構つらい感じがしました。

    オリジナリティ・テーマ系：
    学校の事件解決は割とあるかなと。

    キャラクター・台詞系：
    誰に学校を説明しているのでしょうか！？

    取材・時事情報系：
    時間ギリギリで、あまりよく読めてないかもです。すみません。

    E-Mail pass
2019年01月13日 23時00分39秒
 +10点
  • 　執筆お疲れさまでした。
    「名探偵は布団から出られない」を読ませていただきました。

    　ライトな作風ながら、トリックは本格的な気がしました。
    　自分は、ほとんどミステリは読みませんので、見当違いな意見を述べてしまうかもしれませんが、ご容赦ください。
    　
    　導入はオーソドックスではありますが、非常にわかりやすいものでした。キャラクターもそれぞれ立っており、自分はミステリの人物把握が苦手なのですが、その辺りは問題ありませんでした。

    　脇のキャラはそれぞれ個性的だったとは思うのですが、ヒロイン？　の繭由の個性がいまいち引き立っていなかったとは感じました。

    　もちろん可愛いのだろうなぁ、と言うことは理解できるのですが、個人的にはいまいち響いてこなかったというか……。
    　その原因の一つに、冒頭に文哉が繭由に事件のあらましを説明するシーン。ミステリなので、しょうがないとは思うのですが、ほぼ説明に費やされていたような気がします。
    　事件の説明は必要なのだと思いますが、その合間に繭由の可愛らしい仕草や、行動。繭由の性格がよく分かるような動作をしてもらいたかったと感じます。主人公である文哉も同じく、キャラ立ちは弱かったように感じます。

    　脇のキャラは皆個性的でしたが、反対に主役の二人のキャラが若干弱かったのではないかと感じました。

    　以上となります。
    　読ませていただきありがとうございました。

    E-Mail pass
2019年01月13日 19時50分31秒
 +30点
  • 　執筆おつかれさまでした、燕小太郎と申します。
    『名探偵は布団から出られない』読ませていただきましたので、感想を残したいと思います。

    　一読して感じたこと
    　トリックに関しては、一定のリアリティがあるので良いと思います。
    　ただ純粋に物語として見た時、惜しいなと思う部分が多かったです。

    　キャラクターについて
    　良きキャラクターとは何か。自分は今回、これを『リアリティ』と『オリジナリティ』ではないかと考えることにしました。自分が考えるリアリティとはそのキャラクター『らしさ』が出ているかどうか。ストーリーに流されるのではなく、キャラクター自身の意志や理由によって言動をとっているかどうかだと考えています。オリジナリティとは文字通り個性があるかどうか。この二点から、感想を述べて行きます（ここまでテンプレート）
    　一番惜しいと感じたのが、繭由が布団から出ないことでした。
    　いやそれが個性だからとも思うのですが、そのために彼女の出番が大幅に少なくなってしまい、せっかくのキャラクターを活かせない。普通のミステリ小説との違いも、ライトノベル風なお布団大好き少女というキャラクターが大きな部分を占めていますから、彼女の活躍が短く収まってしまうのはもったいなく感じました。
    　とはいえ、お布団大好き探偵という発想と、謎解きが好きというキャラクターは良かったと思います。シンプルですが背景もしっかりしていて、お布団名探偵としてリアリティがある書き方になっていたと思います。
    　サブキャラクターも個性に特化していて、工夫が感じられました。ただ、ミステリ小説の場合ダミーの容疑者を増やす関係上、どうしても無駄にキャラクターが増えてしまう。それを個性で補い物語の彩りとしたのがプラス点、トリックから解決までの道筋から逸れた寄り道と考えるとマイナス点で、判断の難しいところだと思います。
    　肝心の主人公については、評価しにくいというのが正直なところです。過不足ないという点において不満はないのですが、特段大きな個性があるわけでもなく、そもそもこの物語の中心は事件と布団探偵であり、彼は情報収集と間違い推理が主な役割、どこまで行ってもワトソンでホームズにはなれない。
    　主人公として悪いとはこれっぽっちも思いませんが、主人公をベースにして物語を構築するのであれば、ここには一工夫が必要かなと思います。

    　ストーリーについて
    　良きストーリーとは何か。自分は今回、これを『引きの強さ』と『カタルシス』の二つを軸として考えることにしました。次に何か起こるのか。この事件がどのように収めるのか。気になって読まざるを得なくなる、力づくで読ませる『引き込む力』こそストーリーの目的になるのではないか。そうして引き込んだストーリーを、どのようにまとめ、読者を満足させるのか。この二点をストーリーの骨子と考え、この観点からストーリーの感想を述べたいと思います（ここまでテンプレート）。
    （見落としがあるかもしれませんが、あえてまずイチャモンじみた意見を挙げます。ご了承ください）窓から窓へ担架で橋を架けるなら、窓枠に担架を四点で支える必要があるのだから、考えるべき長さは窓までの130センチではなく130センチ＋斜めにした時の担架の幅ではないでしょうか？　ちなみに担架の幅を20センチとして提示された数式に当てはめると、必要な長さはおおよそ215センチ。斜めにしているのでもう少し幅が増えることを考えると、結構ギリギリです。
    　それに壁ギリギリに池があるってどうなんでしょう？　多少幅を持たせるか、中心辺りに置くものなのでは？
    　そもそも偶然廊下の窓が空いてて、たまたま鍵が壊れていて密室状態で、運よく担架を見つけてトリックを思いつき、それなりのアクロバットをすぐ倒れるような少女が難なく成功させるっていうのはちょっと出来すぎでは？
    　……などなど、実際に映像で見えるわけではないので、優れたトリックは精密なほどイチャモンじみた反論が出てきます。これ自体を気にする必要はほとんどないと思いますし、実際自分も今回のトリックそのものについて不満を持ったり、これで評価を下げるようなことは一切ありません。計算式については自分が間違った解釈をしているのか聞いてみたいですが。
    　ただ、トリックや犯人探しがメインになると、こうした細かな点が気になってくる、というのはあると思います。そういう意味でも、ミステリ要素以外のストーリーが、ミステリ小説でも必要になってくると思います。
    　長い前置きで申し訳ありません。ただ、そう考えた時に、今作は冒頭に事件を起こすと、その説明に入っていきます。謎解き好きなミステリファンなら飛びつくでしょうが、そうでない読者の場合、説明が続くので眉を顰めるかもしれません。その後のストーリーも謎解きを軸にしているので、謎解きへの挑戦心がない読者だと、引きつける力としては弱いかなと思います。また主人公があくまで解決する立場なので、事件に渦巻く人間関係といったドラマの外にいる。ミステリの宿命とはいえ、やっぱりもったいなく感じます。
    　
    　一方で、カタルシスという点では良かったと思います。警察が動くような事件ではなかったので、各々がしっかりとけじめをつけ、前を向いて進んでいく。事件を通じてキャラクターの成長が感じ取られ、非常に読後感が良かったです。
    　また、最後は主人公とヒロインという基本の二人に立ち返り、楽しいやり取りが垣間見えたことで、綺麗なオチがついたように思いました。

    　また、URLで必要な資料を掲示するというのは中々のウルトラCでした。アリなのかなあと思わないではないですが、発想と実際にやってしまう胆力と技術は凄いと思います。

    　次に向けての提案
    　ミステリ小説ではありますが、あえてトリックなどのミステリ要素ではなく純粋な物語部分の提案をしていきたいと思います。自分があまりミステリを得意としていないのもありますが、ストーリーやキャラクターの強化は必ずプラスになると思いますので、
    　あえてミステリ小説の必須事項であるトリックと犯人探しのどちらか一方を諦める。トリックの方を諦めれば、描写をキャラクターに集中できます。今作のような複雑な恋模様をもっと内側まで掘り下げられますし、ドラマの外にいた文哉や繭由も中に入れることができるかもしれません。『誰が』だけでなく『何故』も掘り下げられていくので、自然とストーリーも深くなっていくのではないかと思います。
    　逆に犯人探しを諦めると、あえて犯人がわかりきっている状態でスタートするという手法が考えられます。犯人視点でやってもいいし、犯人は読者にだけ伝えておいて探偵側でやるのも、面白い物が描けそうです。犯人がわかっている分駆け引きにも熱が入り、ミステリ好きでなくても緊張感を持つ展開ができるのではないでしょうか。
    　今回は企画なので上限枚数がきついというのも、純粋なミステリ作品が勝負しにくい原因だと思います。その点でも、勝負する点を絞ることで、より強力が武器を作ることができるのかなと思います。

    　まとめ
    　ちなみに自分が考えた解答はこうです。
    １．犯人は誰か？
    A、服部先生
    ２．犯人が使ったトリックは？
    A、退魔忍ならこのくらい余裕
    ３．作中に用意したミスリードとは？
    A、現実世界っぽく見せて、実はトンデモ要素そこそこある世界観

    　まあ要約するとわからなかったんですけどね。正直言うと何を考えて良いかもわからないようなミステリ初心者の自分でした。

    　拙い感想ですが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

    E-Mail pass
2019年01月12日 12時52分00秒
 +20点
  • ミステリとしても学園ラノベとしても楽しめました。
    幼なじみコンビ、好きです。
    ミスリーディングからのひっくり返し方も面白かったです。

    以下、少しふしぎに思ったところです。
    （普通のエンタメ系ミステリなら気にならないですが、挑戦状があるとつい･･･）
    ・なぜ担架のサイズを測らなかった？
    　物理だめだめなので自信ないですが、一端の長さが足りてても、担架には幅があるので、もう一端（遠いほう）の長さが足りない可能性がありませんか。もし足りない場合、橋が落下する可能性があるのでは。重心まで求めるか、窓の遠い方の端を測るべきでは？
    ・共犯の可能性を除外したのはなぜ？
    ・購買のおばちゃんや教師の犯行を除外した理由
    　たとえば、もし服部先生が綾小路さんのストーカーだとしたら、朝のＨＲ前から4限終了までの間に生徒達の会話を偶然聞き、プレゼントの存在を知って犯行におよぶのも可能なのでは。（その場合、保健室のカギはかけないと思いますが。）

    以上です。
    すてきなミステリをありがとうございました。

    E-Mail pass
2019年01月05日 20時54分14秒
 +30点
  • ｋｚと申します。拝読しましたので、コメントします。

    まさか企画で読者への挑戦状を目にする日が来るとは（とはいえ、ミスリードまで当てろというのはかなり珍しい気がｗ）。しかも図面を作る凝り具合。ミステリが好きなので、ガチな話が読めて楽しめました。
    どの人物にも犯行は難しいように思えますが、他と比べて音無さんはより犯行が難しそうなこと、ガラの悪い連中の襲撃に備えて外から鍵をかけたという理由が苦しいので、そこに作者の意図があるのではないかと疑問に思ったこと、第二の事件が放置されたことなどから、音無さんが一番怪しいなとは思っておりましたが、トリックはとうとう分かりませんでした。図面まで用意された理由も納得。逆密室のアイディアは面白く、沢山あった伏線もきちんと回収されて満足でした。ミステリの醍醐味は、伏線の回収の妙ですよね。
    ティーンな感じのノリも楽しめました。ラノベような設定はとっつきやすく、青春ミステリとしても秀逸で、百枚の量に見合うバランスに優れたミステリだったと思います。
    強いて不満をあげるとすれば、本命の推理よりミスリードとして用意した推理の方が面白いところでしょうか。多重解決モノなどでよくある話ですが、本命でない分ぶっとんだ推理なので面白いんですよねｗ本命の方がミスリードで、ミスリードの方が本命だった方が個人的には面白いと思いました（とはいえ、あのままだとアクロバティック過ぎるので、色々とテコ入れが必要そうですがｗ）。

    感想は以上です。次回作は「布団探偵VS炬燵探偵」ですかね。では。

    E-Mail pass
2019年01月05日 19時59分36秒
 +10点
  • 冬企画の執筆、お疲れ様でした。
    御作を拝読しましたので感想を記したいと思います。

    ※本感想にはネタバレがあります。

    ＞これが〈２年Ａ組高級ブランド財布窃盗事件〉の序章である。

    どうやら学園ミステリーのようです。
    文章は読みやすく、登場人物の心情もよく描かれていて、
    全体的には良かったと思います。
    謎解きについては、すいませんが、全然わかりませんでした（泣）


    ＞なぜ自分がそうしたかというと、教室から逃げ出したかったからだ。

    個人的には、この一行に学園ミステリーの面白さと難しさが
    込められているのではないかと感じました。
    というのも、ゴミ箱に捨てられた財布は超一級の証拠品。
    ガチミステリーなら、すぐに回収されて指紋や付着物が調べられ、
    警察犬が匂いを嗅いで、犯人捜しに使用されることは間違いありません。
    もしかしたら、ミステリー好きの読者にとっては、
    「なぜ、文哉は証拠品を押さえないんだ」と不満に感じられたシーンかもしれません。

    でも、そういう展開にならないところが学園ミステリーの面白さだと思います。
    証拠品よりも教室の雰囲気の悪さを重視して、逃げ出したくなる文哉。
    自分も、その文哉の気持ちに同化してしまい、彼の行動に何の違和感も持ちませんでした。
    ということは、証拠品や犯人やトリックということよりは、
    登場人物の気持ちに寄り添って本作を読んでいたと思われ、
    途中で読者への挑戦状が出された時には、大きな違和感を覚えました。
    この作品に求めていることは、そういうことじゃないんだという感じで。


    ＞「今さら財布が帰ってきたところで、そんなものを差し上げられるはずがありません。一度、他人の手に渡ってしまったものは、もう『プレゼント』ではありませんから」

    上記のように、自分は登場人物の心情描写を楽しんで読んでいた方なので、
    この部分はとても良かったです。
    鷲尾さんや音無さんについても割と詳しく描かれていて、とても好印象でした。


    ＞「煌星くんって、誰にでも平等なの。振り撒く笑顔だとか、気配りとか。誰かを選ぶんじゃなくて『みんな』との時間を大事にする。初めはそれが素敵だなって思ってた」

    煌星くんの性格設定についても、読者への挑戦状とは相性が悪かったのではないかと感じました。
    というのも、読者に犯人候補として感じてもらうため、登場人物のゲスな部分を明示しなくてはいけないので。
    とても立派な性格の煌星くんと登場する三人の女性とは、なんだか合わないような気もしてきました。
    それならばいっそのこと、煌星くんもゲスな人間として描いてみるのも手かもしれません。
    ここからは個人的な勝手な妄想で恐縮ですが、
    主人公を女性にして、裏で煌星くんと付き合っているという設定にして、
    自分に都合の良い推理で三人のライバルを次々と陥れていく。
    しかしラストで、繭由がその悪事を暴く。という展開も面白そうだと感じてしまいました。


    テーマの『冬の〇〇』は、冬のミステリーとのこと。
    大変申し訳ありませんが、個人的には作品に冬をあまり感じることができませんでした。
    冬のミステリーなら、「朝は池が凍っていて渡れる」とか、「吐く息で窓に文字が浮かび上がる」とか、
    そういう冬らしいトリックを使って欲しかったと思いました。

    いろいろと書いてしまいましたが、容疑者？の心情描写が素敵な学園ミステリーでした。
    拙い感想ですいません。今後のご活躍をお祈りしています。

    E-Mail pass
2019年01月04日 00時36分42秒
 +30点
  • 『名探偵は布団から出られない』、拝読しました。感想を書かせていただきます。

    　※以下、ネタバレがあります。


    ●いいと思ったところ

    ・キャラクター達の立ちっぷりが非常に良かったです。
    　安息布団探偵こと繭由の、寒いときは布団からでられないという特徴が、とてもよかったです。「まるで鏡餅」とか、イメージすると可愛いですね。小悪魔的なところもあり、実にいい萌えキャラでした。
    　その繭由に振り回されるワトソン役の文哉は、自身も推理作家としてデビューし、推理力も高いと言いう有能さを持ち、周囲の人たちに気配りもできるナイスガイでした。変に主張しすぎることもなく、かといって平凡でもなく、語り部として理想的なキャラだったように思います。
    　脇を固めるキャラクターたちも、それぞれが個性的でしたね。
    　感心するのは、かなりの大人数が登場するのに、それぞれのキャラクターに分かりやすい特徴づけがなされていることです。おかげでまったく混乱することがなかったですし、全員が印象に残るので「こいつ誰だっけ？」となることもありませんでした。
    　お嬢様の樹里亜、姉御肌の鷲尾、問題児の輝良人、顔も心もイケメンの煌星、音楽少女の奏恵と主要キャラにはそれぞれ特徴があり、モブキャラといっていい服部先生（忍者キャラ）や繭由のお母さん（襲ってく？）なども個性的に書けており、その技術には舌を巻きました。

    ・上と関連しますが、登場人物はみな基本的に善人なので、ミステリーながら優しい雰囲気の作品になっている点も好印象でした。
    　奏恵が犯行に及んだ理由や、その後樹里亜と和解しているところは青春物語としていいと思いますし、繭由と文哉のやりとりはほほえましく、おかげで楽しい雰囲気になっていました。

    ・ミステリとしても大きな穴がなく、見取り図や読者への挑戦状など、作者さんの本格ミステリへのこだわりが感じられました。

    ・文章も非常に読みやすく、テンポよく読み進めることができました。おかげでこの枚数も苦になりませんでしたし、ミステリとして必要な情報を過不足なく伝えており、非常にハイレベルな文章だったと思います。


    ●感じたこと

    ・あくまでも好みの問題であるとは思うのですが、個人的に感じたことを書かせていただきます。
    　本作はコメディや青春ものとしてはとても楽しめた一方、ミステリとしては少々物足りなさを感じました。（ちなみに私はミステリ好きです。海外ものや過去の名作はほとんど読まず、最近の国内ミステリばかりではありますが）
    　といいますのも、本作のトリックには大きなインパクトがなく、普通な感じだったかなと。
    　そう感じたのは、私は推理小説を読みながら自分で推理をするタイプではないから、だと思います。私がミステリに求めるものは「驚かせてほしい」ってことなんですよね。
    　本作は「読者への挑戦状」もあるように、「読者が読んで推理できるもの」と「実現可能なもの」にこだわったトリックだったと思います。それは作者さんのフェアプレー精神の表れであるとは思いますし、推理小説として一つのスタイルだと思います。
    　ただ、個人的には、実現不可能でもいいからぶっとんだトリックをやってほしいなと思うのです。
    　島田荘司の「斜め屋敷の犯罪」とか、名探偵コナンの「霧天狗伝説殺人事件」みたいなのが好きです。あんな感じで「んなアホな」と感じるレベルでもいいから、驚けるトリックのほうがいいかなと。
    　そんなわけで、本作のスタイルは私とはちょいと相性がよくなかったかもしれません。
    　かといって、決して悪いと思うわけじゃないですよ。推理小説としての完成度はすごく高かったと思います。
    　むしろ、こういったことまで書きたくなってしまうくらい、本作がハイレベルな推理小説だったとご理解いただければと思います。
    　

    ●全体として

    　全体的にハイレベルで、特にキャラクターの魅力に秀でた、優秀な学園ミステリでした。面白かったです。作者さんは、相当な手練れなのでしょう。


    　感想は以上です。
    　なお、私は読者目線で本音の感想を書くことを心がけており、指摘点が私自身の作品にブーメランになっている可能性がありますが、どうかご容赦いただければと思います。
    　それでは失礼します。執筆おつかれさまでした。

    E-Mail pass
2019年01月02日 15時51分10秒
 +20点
  • あけましておめでとうございます。
    『名探偵は布団から出られない』拝見いたしました。
    ……ホームズとワトソン？　ああ、あのBLの？

    そんな戯言はさておき。
    私はミステリーについてはあんまり興味がないと言うか、ミステリーを読むにしても謎部分そっちのけで探偵やら何やらの言動を楽しむにとどまっている人間なので、ミステリ部分についてはよーわかりません。
    よって、その点についてはご了承ください。
    きっと、ミステリマニアな人が現れて、素晴らしい感想を書いてくれるに違いありません。だって、ラ研だし。

    ってことで、ミステリのミステリ抜きとして今作を読んだ場合、楽しく読めたと思います。
    四人……いえ、五人の女性はそれぞれ個性的に書けていらっしゃいますし、男性陣三人プラス一かな？　もきちんと差別化がなされていて、どっちがどっちか、ってことがわからなくなることもなかったかなと。
    ……や、美少年ときらとクンは微妙に名前がかぶっているので、そこはわかっていてもやきもきはしましたが。
    個人的にインパクトがあったのは、サイケでリクオですね。や～、ネーミングセンスが素晴らしいｗ
    運営思想とかも割と好きなので、この学校は面白そうですね。

    では、いくつかツッコミを。

    １　あの日

    自己申告を信じるのはどうなのかなぁ、と。
    主人公は男だからどうしようもないけど、そこはちょっとモヤりました。

    ２　窓のすぐ下が池

    調べたわけではないんですが、これって可能なんですかね？
    建物に池を接するように作るってのは。
    防災上の問題もあるような……。

    ３　椅子に頬ずり

    全く同じ話を他で見たことがあるんですが……これって、一般的な変態行為なんですか？　いえ、責めているわけではなくて、私には上手く理解できない行為なのでどう楽しいのか理解出来たらキャラに幅が出るかな、と。

    ４　お嬢様の才能の説明

    なんというか、説明がざっくりしすぎているのと、今更感があった気が。
    私的にはアレ抜きで話を締めたほうが綺麗だったのではないかと思いました。
    でも仮に才能の話も出すなら、もっともっと前に出しておけば良かったかと。
    やや後出しの匂いが強かったので、そこが気になってしまいました。

    総評としては

    文章も雰囲気も、キャラクターも優秀なので楽しく読める作品でした。
    あとは、ミステリ部分がミステリ好きじゃない人も楽しめるものになっていればもっと楽しめたかな、と。個人的には『謎解きはディナーのあとで』程度のごく簡単に楽しめるミステリならいけますｗ

    まあ、一読者のワガママですので、聞き流していただければよろしいかと思います。

    それでは、執筆お疲れ様でした！

    E-Mail pass
2019年01月01日 16時52分09秒
 +30点
  • いさおと申します。御作を拝読致しましたので、感想など書かせて頂きます。


    総じて隙の無い作品でした。
    枚数を感じさせる事無く、最後まで一気に読み切る事ができました。
    ライトノベルらしくキャラ立ちの濃い登場人物達と、ミステリらしく読者に挑戦するスタイルがとても高い次元でバランスの取れた、大変読み応えのあるお話でした。
    個人的に好感が持てたのは、推理モノに多そうな殺人とか暗く重たい話では無く、まあ窃盗ではありますがその動機もスケールも学生らしく、若者らしい範囲で納めていて、それでいてちゃんと推理モノとして成立している所。この辺のバランスの取り方は見事だと感じます。
    普段はミステリを殆ど読まないのでとても刺激になりました。

    エキセントリックな相方に振り回される、ちょっと斜に構えた感じの主人公はややテンプレ感は拭えませんが上手に役割を全うしていると感じましたし、布団から出てこない名探偵のヒロインも色々ツッコミどころ満載な筈なのに何故か読んでいる内に受け入れてしまいました。何故だろう？
    脇を固めるキャラも皆必要以上に濃く、人数的にも枚数的に使えるギリギリの範囲だったかと感じます。

    挑戦状に関してですが。
    犯人に関しては、かなり早い内から音無だろうと当たりはつけていましたが完璧な推理はできませんでした。私はミステリを読む習慣が無く、『展開上、自分ならこうするかな』というミステリ的思考とは全く別の考えでしたが、それが当たっていたのはあまり嬉しくなくてむしろ『意外性ねえな』でした。
    犯人の設定は一周回ってやっぱり一番怪しい鷲尾だったとかの方が個人的に好みです。ええきわめて個人的な好みの範疇です。
    ミステリ好きなら純粋に推理を楽しんでこういう感覚には陥らないのかも知れませんが、まあこんな読者もいるのだなと思ってくださいませ。

    乱文、ご容赦を。

    E-Mail pass
2018年12月31日 14時16分22秒
 +30点
  • こんにちは。
    本格ミステリですね。とても面白かったです！

    キャラが立ってる。総じて濃くて絵が浮かびます。アニメを見る感覚で拝読させて頂きました。
    テンポよく読者をぐいぐいと引っ張る牽引力を感じました。

    犯人は分かりました。
    ただ、トリックやミスリードは分からなかったですねえ。
    さすがです。まんまとやられました！

    あとちょっとだけヒント欲しかったかなあ(笑)　ヒントないと私には無理です(笑)
    この「やられたー！」って思わされるのも、大好きですが^^

    「失くしてしまうことで、なにが大切だったのかをあらためて知る」

    思春期の感情が暴走した結果が事件となったわけですが、能力の高い人材の集まる学校であっても、やはり思春期の少年少女の場なのだなと感じました。
    そのギャップが面白いですし、アニメ的エンタメ性を感じた要因だと思います。
    そこに本格ミステリをプラスして、読者を唸らせる手腕に脱帽です。

    このホームズ、ワトソンのコンビ。いいですね。
    どちらもとても好感持てました。二人の事件簿をもっと見たいなとも。
    ありがとうございます。

    E-Mail pass
合計 12人 270点

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