魔法使い「ゲートを使って勇者ちゃんにえろいことをしましょう」 |
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戦士「新しい魔法を覚えたって?」 魔法使い「ええ。ゲートという魔法です」 戦士「はぁあ、名前から想像するに、なんらかの門を作る魔法に聞こえるが、どういう効果なんだ」 魔法使い「門といっても色々ありますが、今回のものは簡単にいってしまえば転移門のようなものですね」 戦士「それは随分と便利そうな魔法だな」 魔法使い「いえ、言葉が足りませんでした。正確にこの魔法の効果を説明するならば、ふたつの門を作り、それらをひとつに繋げる魔法、といっていいでしょう」 戦士「やはり転移門のように聞こえるが」 魔法使い「わかりました、ならば実演してさしあげます」 戦士「ほう」 ほわんほわん 魔法使い「まずは空間を指定します。とりあえず今は目の前に作りました」 戦士「円形だが、厚さはないな」 魔法使い「そして、となりに出口となるゲートを作ります」 戦士「お、なんだ。ゲートの色が変わった、というより、おおお」 魔法使い「ええ、入口と出口が繋がりました。入口のゲートを覗くと、出口の景色が見えますね」 戦士「なるほど、これはすごいな」 魔法使い「手を入れてみれば、さらにこのゲートの力を実感するでしょう」 戦士「お、おお…! 拳が、入口から出口に!」ずこばこ 魔法使い「と、まあ、このような魔法ですね」 戦士「すごいじゃないか。移動も便利になりそうだ」 魔法使い「残念ながら、そうはなりません」 戦士「なぜだ。いってしまえば別々の空間を繋げて近道を作るってことだろう」 魔法使い「間違いではありませんが、この魔法の制約を考えると実用には耐えられません」 戦士「どういうことだ」 魔法使い「まずはゲートの維持の問題があります。常に術式を計算し、魔力を注ぎこまなければゲートはすぐさま霧散してしまうでしょう。術者である自分とゲートが離れれば離れるほど、維持に必要な魔力が増えていきます」 戦士「はあぁあ、なるほどな」 魔法使い「仮に都市国家間での転移門を常時維持するのだとしたら、大雑把な計算であっても、百人単位の高位魔術師、莫大な魔力を蓄えられた数え切れないほどの魔石、それに高価で希少な触媒も必要になってくるでしょう。事実上不可能です」 戦士「なら、お前のゲートとやらは、実際にはどの程度のことができるんだ」 魔法使い「そうですね、半径でおおよそ十歩の範囲で、人がくぐれる程度の大きさのゲートならば、ある程度の時間維持できるでしょう。触媒や魔石、協力者がいれば、話は多少変わってくるとは思いますが、まあ、ささいなことです」 戦士「夢のある話から、随分としけた話になっちまったな」 魔法使い「もちろん便利であることは間違いないでしょう。魔物との戦闘で、魔物の側面にゲートを設置すれば、勇者ちゃんへの誤射などの可能性は限りなく低くなります。罠のように使うこともできるでしょう。例えば地面にゲートを設置し、魔物の体勢を崩したり」 戦士「なるほど、使い手の感性が非常に重要な魔法なわけだ」 魔法使い「そしてこれが、この魔法の最も優れた点なのですが」 戦士「ん、なんだ」 魔法使い「覗き穴、簡単に作れるんですよ、これ」 戦士「はっ! うぉおぉおおおお!」 魔法使い「湯浴みをする勇者ちゃんの近くにゲートを設置、少し離れたところからその光景を眺めることができる」 戦士「魔法使い! お前は天才だ!」 魔法使い「あなたがおっしゃっていたように、この魔法は使い手の感性が非常に重要になってくるのです。覗きというのは例えのひとつ。ゲートは拘束魔法としても使えます」 戦士「どっ、どうするんだ」 魔法使い「ゲート、すなわち門ですが、この門の大きさは術者によって調整ができるのです」 戦士「つ、つまり」 魔法使い「勇者ちゃんの上半身だけを入口に入れて、門を狭めてしまえばよいのです」 戦士「うぉぉおおおおおぉおおおおおおおぉお!」 魔法使い「勇者ちゃんを想像してください。天使のように清廉であどけない顔立ちながら、その身体つきは悪魔から授かったかのよう。戦闘のたびに震える胸のふたつの大きな膨らみ、臀部の重量感、しかし彼女にはまったくそんな自覚がないのです」 戦士「そうだそうだ! 勇者ちゃんは天使で悪魔だ!」 魔法使い「そんな勇者ちゃんが、壁にはまって動けない、ならぬ、ゲートにはまって動けないのです。壁尻ならぬ、ゲート尻です。彼女は必死にもがくでしょう。お尻をふりふりさせながら、胸の果実をゆらしながら、必死に、そう必死にです」 戦士「そ、そんな、俺たちの煩悩を刺激する最高の状況じゃないか」 魔法使い「ええ、ええ、そのとおりです。われわれは常に考えていました。勇者ちゃんにえっちなことがしたいと」 戦士「そうだ、常に考えていた! おっぱいもんでおしりつかんでしっぽりぱこぱこしたいと!」 魔法使い「涙目で行為をやめるように懇願する勇者ちゃんに、優しく諭してあげるのです。淫欲はけして罪ではなく、聖書の教えにもある隣人を愛し敬う行為であると。高まった心の充足が、われわれを光で包み、天上におわす神々へと近づけさせてくれるものであると」 戦士「そうだそうだ! 嫌がる勇者ちゃんにいってやるんだ! へっへっへ、てめえで誘っておいてそれはねえじゃねえか、こんなにでかい尻をふりふりさせて、男のものが欲しいって思ってたんだろ、欲求不満のお前の身体を俺さまの剛直で慰めてやるよ、ってな!」 魔法使い「うーん、あなたとは少し趣味が違うようですね」 戦士「あ?」 魔法使い「男女の交わりにも品性は必要だと自分は思いますね」 戦士「んだとこのやろう。てめえも勇者ちゃんでシコって抜いてんだろうが」 魔法使い「そうですね、実のところそのとおりです。戦闘中に勇者ちゃんの揺れる臀部に欲情して下着を汚してしまったこともあります」 戦士「いや、お前、それはさすがに…」 魔法使い「食事中にもありましたね。あれは勇者ちゃんが乳粥を食べていた時でした。匙にいっぱいすくったそれを口に運んだのですが、うっかりしていたのでしょう、くびちるの端から白いどろどろがこぼれていったのです。その時にも」 戦士「いやもういい、そんなことは知りたくなかった」 魔法使い「ともあれ、われわれは細部の嗜好こそ違いますが、核心については共有しているといっても間違いはないでしょう」 戦士「ふっ、ああそのとおりだ」 魔法使い「われわれは、勇者ちゃんにえっちなことがしたい」 戦士「おう!」 魔法使い「そして今、勇者ちゃんにえっちなことをする手段を見つけた」 戦士「おう!!」 魔法使い「そうであるならば」 戦士「おおおぉう!!!」 魔法使い「ゲートを使って勇者ちゃんにえろいことをしましょう」 戦士「おおおぉぉ! …はっ、いやだめだ!」 魔法使い「はて、なぜでしょう」 戦士「それは、その、けして許されることではない」 魔法使い「ふむ、倫理の話でしょうか。それは当然自分も弁えております」 戦士「世界平和、人類社会のために身を粉にして働いている勇者ちゃんに、その、そんな」 魔法使い「しかしその論理にも穴があります」 戦士「は…いや、え」 魔法使い「確かに嫌がる勇者ちゃんにそのような下劣な行為を働くのは、社会に対しての明確な敵対行動と考えられるでしょう。ここで重要なのが、勇者ちゃんの気持ちなのです」 戦士「う、うむ」 魔法使い「すなわち、同意があればよいのです」 戦士「…は?」 魔法使い「同意、あるいは肯定と言い換えても問題はないでしょう。さきほどあなたも仰っていたではありませんか。欲求不満の身体を、剛直で慰めてやると」 戦士「つまり、どういうことだ」 魔法使い「結果として勇者ちゃんを法悦の高みへと導くことができたのならば、きっと神々もわれわれをお許しくださることでしょう」 戦士「そ、そんな、それはつまり」 魔法使い「強姦は罪です。しかし和姦ならば」 戦士「罪ではない」 魔法使い「初めが強姦でも、結果として和姦になれば、罪ではないのではないでしょうか」 戦士「つまり、勇者ちゃんをイかせれば…」 魔法使い「それは和姦です。合意を得たと考えてよいでしょう」 戦士「罪ではない…罪ではない…」 魔法使い「少し細部をつめましょうか。ここに今ゲートにはまって動けない勇者ちゃんがいます。あなたは剣を鞘から引き抜き、勇者ちゃんへと突き刺すのです。勇者ちゃんはやめて、許して、おねがい、と懇願するでしょう。するとあなたは…」 戦士「へっへっへ、勇者ちゃん、これは畑を耕すのと一緒なんだ。土に向けて鍬を振り下ろし、根を断ち、小石を退けて、充分にやわらかくする。そこで種を撒くんだ。祝福を受けた大地からは一面に麦が育ち、やがて大きな稲穂をつける。なにもおかしなことじゃないだろう?」 魔法使い「ああ、実にすばらしい光景です。筆記人が必要ですね、勇者ちゃんの言葉を一言一句書きとめる必要があります。速写画家にもその姿を克明に描かせましょう。さらに従軍音楽家を引き連れて花びらを散らすその瞬間を演出することも大事です。後に劇作家とも話をつけて舞台で演じさせるのもいいかもしれません。そうなれば将来これから産まれ育つであろう数多くの男たちの大きな慰めとなります」 戦士「この洞窟はずいぶんと湿っているな、探索のしがいがあるぜ。おっとこんなところに魔物が、剣を振って退治して、そして最深部へと到達する。こいつは強敵だ、何度も鋭い一閃を俺は振うだろう。切り裂き突き刺しひねって回して、腰を入れてのとどめのもう一突き。これで冒険は成功だ」 魔法使い「一回でおわらせるのも寂しいものですね。できればこれをきっかけに、勇者ちゃんには愛へと目覚めてもらいたいものです。おお、そうなれば作家とも話をつけて連作形式の散文を作ることもできそうです。ああ戦闘中にゲートを使って勇者ちゃんの敏感な部位を刺激することもできますね。これは盲点でした。書きとめておかねば」 勇者「なにを書きとめるんだい?」にこにこ 戦士「ひっ!」がくぶる 魔法使い「…失礼、用事があったことを突然思い出しました」そそくさ 勇者「まあ待ってよ、話をしようじゃないか」にこ 戦士「い、いや違うんだ勇者ちゃん、魔法使いのやつが全部」あせあせ 魔法使い「品行方正がよいとされるのも世の理ですが、下品下劣もまた人の性。自分は戦士さんを責めることは致しません。代わりに、さあ勇者さま、この色情魔に正義の鉄槌を」しれっ 戦士「てめえこのやろう!」 魔法使い「育ちが悪いと口が汚くなるとは真実であると今ここで証明されましたね」 勇者「育ちがよくても性根が汚くなることがあるってことも証明されたね。お仕置きはなにがいいかな、火槍、氷柱、稲光、選ばせてあげるよ」にこにこ 魔法使い「戦士さん! われわれは逃げられません、戦うのです!」 戦士「え、いや、え?」 魔法使い「勇者ちゃんの隙を作るのです。後は自分がゲートで拘束します!」 戦士「いや、あの、あ、ああ、あぁあああいくぞぉぉおお!」 勇者「えい」ぐーぱん 戦士「ぐふっ」ぱた 魔法使い「しゅ、瞬殺…」あせたらたら 勇者「さて、言い訳は聞いてあげよう。なにかいいたいことはあるかい?」にっこり 魔法使い「勇者さま」ひざまづき 勇者「うん」 魔法使い「この下劣な男を無力化するための手伝いをさせていただきました」ふかぶか 勇者「うんそっか。せーの」ぐーぱん 魔法使い「げふぉ! うぐぐ…」ぱた 勇者「はー、もー、この人たち、ほんとにしょうがないなぁ。ふだんは頼りになるのに、ときどきあほなこと妄想するんだから。ええと、治癒治癒…」 こうして悪は退治された! 勇者ちゃん強い! 数日後… 戦士「新しい魔法を覚えたって?」 魔法使い「ええ。テンプテーションという魔法です」 おわり! |
etunama 2017年08月13日 14時49分18秒 公開 ■この作品の著作権は etunama さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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Re: | 2017年09月13日 19時10分36秒 | |||
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Re: | 2017年09月09日 22時17分36秒 | |||
Re:Re: | 2017年09月13日 19時04分09秒 | |||
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Re: | 2017年09月06日 19時57分27秒 | |||
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Re: | 2017年09月02日 19時36分01秒 | |||
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Re: | 2017年09月02日 19時23分08秒 | |||
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Re: | 2017年09月02日 19時10分08秒 | |||
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Re: | 2017年08月29日 20時31分25秒 | |||
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合計 | 18人 | 90点 |
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