あたまごん

Rev.01　枚数： 5 枚（ 1,897 文字）
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　お分かりいただけるだろうか。
　彼こそが世界最強のヘッドバッドハイエンダーにしてひよこのオスメス判別世界チャンピオン、
　その名も高き、田（た）・孫（まご）氏である。
　本日、はるばる栃木県から来日した彼の目的に、全世界が注目しつつ朝餉にはねぎの味噌汁を所望された。
　思えばこの日本という国はみその消費量がハンパないことで知られているが、それはやはり味噌が母の味であるからだろう。
　だが味噌である。
　茶色くて、ねちっこくて、ペースト状でぬめぬめしたアレである。
　なんかウンコだった。
　しかし田・孫氏はそんな痛烈なる日本食にも多大なる理解がある栃木県民だ。
　彼は味噌でできた味噌を食しながら、報道陣の前で来日理由を明かした。
「インド人を右へ（通訳：私は世界で最高の田・孫だが、しかし知名度という意味ではそうではない。なので、今回は私よりも有名なあのタマゴとの決着をつけにきた）」
　なんと勇壮な言葉であろうか。
　確かに、こんにち、全世界で最も知られているタマゴは田・孫氏ではない。
　皆も知っているだろう、それこそは卵に他ならない。
　そうだ、卵さえなければ世界で最も最高のタマゴは田・孫氏に他ならないのだ。
　今年で齢15歳を迎える田・孫氏にとっても、卵はまさに目の上のたんこぶであったに違いないのだった。
　もはや覆すことのできないこの宿命の対決に、田・孫氏は次のように語っている。
「ダブルラリアッ上（通訳：今日、こうして卵との対決を迎えることができて幸せだ。全世界250億の田・孫ファンに私に勝利を捧げたい）」
　実に潔い態度であろう。
　なんとこの日、味噌の売り上げが例年の二割を下回ったそうだ。
　これもまた田・孫氏の力によるものであるとする新興宗教が昨日摘発されたばかりだが、特に株価に影響はないのでこれ以上は触れずにおく。
　田・孫氏と卵の対決の日がやっていた。
　田・孫氏はこの日のために特注の宇宙服に着替えてすでに地上13000ｍの成層圏でスタンバっている。
　一方で、対決相手となる卵はさっきＡＤが近くのスーパーで買ってきたワンパック150円の10個入りお得パックだ。
　安い。
　圧倒的に安い。
　さすがは日本国、安さと品ぞろえでは日本一の日本であった。
　対決について説明しよう。
　田・孫氏がロケット上から落ちる。
　下にある卵に向かってヘッドバッドする。
　卵が割れたら田・孫氏の勝利である。
　田・孫氏がケツから味噌を漏らしたら卵の勝利である。
　今のところ、対決の予想オッズは２：８で卵有利となっている。
　この結果について田・孫氏は次のように語った。
「確かみてみろ！（通訳：なるほどそういうこともあるんですね悲しい事実です。わかりました慈善団体に全財産を寄付しましょう）」
　出た、田・孫氏必殺のイメージ戦略である。
　全額寄付によるイメージ戦略によって過去、田・孫氏はアメリカ大統領や中国国家主席、国連の事務総長とローマ皇帝、栃木県観光大使などを歴任してきた猛者であるが、しかし今回はそうは問屋が卸さなかった。
　問屋が卸さなかったのだ。
　これにより全国問屋連合は田・孫氏に対して宣戦布告としか受け取れない告発を行なったのだった。
　しかしこういった告発による裁判は時間がかかるもの。
　地裁が有罪にしても高裁がそれを無罪にして最高裁で最終的な結論が出るまで300年とか余裕でかかるし。
　その間にも刻一刻と卵の賞味期限が近付いている。
　戦いのときは迫っているのだった。
　時間いっぱい、ここに行事がいたならば見合って見合ってあとは若い者同士とでもいって対決を促すことだろう。
　ところで見合い結婚は恋愛結婚に対して離婚率が三割を切るという統計が出ているがそれが事実かどうかはこの記事を読んでいる読者諸君の人生にゆだねたいと思う。
　では、対決！
　田・孫氏、上空13000ｍに浮遊している宇宙ステーションっぽいステーションから栃木県に向かってダイブ！
　彼の額は金剛石。今までヘッドバッドによって砕けなかったものは、ヘッドバッドしたものすべてしかないという強烈な強度の持ち主でもある。
　そして今こそ、世界最強のタマゴの名を懸けて、田・孫氏のヘッドバッドがお得パック10個入り150円の卵を襲うゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ！
「田・孫氏、大気圏の摩擦熱で消滅！　ノーコンテスト！」
　ここに、一つの戦いが終わりを告げたのだった。
　田・孫氏は惜しくも敗れた。しかし、彼の勇姿はこれ以上なく人々の胸を打ったことだろう。
　さようなら、田・孫氏！
　フォーエバー、田・孫氏！
「その点ウンコってすげぇよな、最後まで腸内たっぷりだもん」
　せやな。
6496

2017年04月30日 22時38分38秒 公開
■この作品の著作権は 6496 さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
◆キャッチコピー：あ、たまご、ん！？
◆作者コメント：執筆時間25分の大作です。御査収ください。

2017年05月24日 21時50分10秒
 作者レス
  • ( ﾟДﾟ)彡　こんなしょーせつにまじになっちゃってどうするの

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2017年05月14日 00時57分29秒
 +30点
  • 　読了しました。

    　自分語りします。

    　昔このサイトの掌編の間に作品を書きなぐっていたころこういう作品をどうしても書きたくて描けなかったことがあります。ハイテンションで、意味不明で、シュールで、そして書き手の持つ何らかの凄みを感じさせるような、そういう狂気の産物を産み落としたくて仕方がないことがありました。
    　ですがろくなものは描けなかったです。一日中メモ帳を持ち歩いて「こういうネタを描こう」「こういう風に繋ごう」「こういう風に落とそう」とうなりながら考えて、一生懸命パソコンに向かって推敲して推敲して、それで投稿してみれば平均点がマイナスだったりしたものです。

    　ところが作者様はまさに私が目指したようなものをたったの二十五分で完成なさったようです。これはなんといいますか、なんのかんのといっても人には才能とかセンスとか、そういうままならないものがあるのかもしれません。それとも何か一つ大切なコツがあってそれを作者様が持っていて私が持っていないだけ？
    　どちらにしても、うらやましく感じました。心からの絶賛をお送りしたいです。

    　基本的に頭から尻尾まで笑いっぱなしでしたが、心からの勝算を示す為特に面白かったところをまとめます。

    「インド人を右へ
    ★ｗｗｗ　これを見た瞬間に、私のこの作品を見る目が変わりました。ただふざけているだけにしてもただふざけているだけではないなと。

    　田・孫氏がケツから味噌を漏らしたら卵の勝利である。
    ★ｗｗ　うんこネタって安直みたいに思われがちですけどその実使いどころが非常に非常に難しいハイリスク＆リターンの凶器なんですよね。今作はそれを使いこなしていたと思います。

    　時間いっぱい、ここに行事がいたならば見合って見合ってあとは若い者同士とでもいって対決を促すことだろう。
    ★ｗｗこの前後の畳みかけるような勢いには終始笑わされっぱなしでした。

    　彼の額は金剛石。今までヘッドバッドによって砕けなかったものは、ヘッドバッドしたものすべてしかないという強烈な強度の持ち主でもある。
    ★ｗｗｗｗｗ　凄まじい強度としか言いようがありません。腹を抱えて笑いました。アカン奴です。


    「その点ウンコってすげぇよな、最後まで腸内たっぷりだもん」
    ★ｗｗｗｗｗ　いうことありません。


    　いずれぼくももう一度こうした作品に挑戦してみたいと思います。
    　その時はぜひ今作を目標にしたいです。
    　アディオス。

    E-Mail pass
2017年05月13日 19時55分41秒
 +10点
  • 　拝読しました。朱鷺（とき）と申します。
    　なぜか無意味に盛り上がって、盛り上がって、突っ込みどころ満載なのに、リズムの良さと勢いで読まされて、最後のオチにも笑いました。
    　楽しかったです。
    　執筆お疲れ様でした。次回作も楽しみにしています。

    E-Mail pass
2017年05月12日 22時42分03秒
 -20点
  • ・こんばんは、たてばんと申します。
    　拝読させていただいたので、拙いですが感想を落とします。

    ・テンションだけで書き切った作品ですね。
    　全く意味が分かりませんでした。

    ・個人的には、栃木県からではなく、グンマーから来日して欲しかったです。

    ・では、失礼します。

    E-Mail pass
2017年05月12日 21時24分35秒
  • こんばんは、ナマケモノと申します。本作を読ませて頂いたので、感想を残していきたいと思います。
    　うーん、読解力がないのか私には難解な作品でした。落語や笑点が好きな人だったら、本作の意味も分かるのでしょうが無学な私にはちょっと敷居の高い作品かもしれません。
    　ただ、卵より味噌のほうが印象が強くなるところが少し気になりました。ここは最後まで卵で通した方が、今回のお題的には良かった気がします。
    　申し訳ないですが、この評価でご了承お願いいたします。

    E-Mail pass
2017年05月09日 14時10分18秒
 +10点
  • 　こんにちは。瀬海と申します。
    　拝読いたしましたので、思ったことを幾つか。
    　……とは言え、そこまで指摘できそうな点はないのですが（笑）

    　面白く読ませていただきました。
    　飽きもせず次々と繰り出されるシュールな文章（褒め言葉です）。
    『不思議な卵』とは名ばかりに起こる超展開の連続（褒め言葉です）。
    　オチに下ネタを持ってくる作者様の度胸（これは褒めてません）。
    　……途中で「俺は一体何を読まされているんだ」と思いましたが、何だかんだで読み切ってしまいましたので、これはある意味秀逸だと認めざるを得ません。
    　作風が作風ですので、重箱の隅を突くような真似は無粋と控えさせていただきます。
    　その点どうかご容赦ください。

    　ただ一点。
    　最後の文章に持って行かれ、テーマの『不思議な卵』よりもうんこの印象が非常に強いです。
    　あの……まぁ……いいんですけど……。
    　何というか、評価は相対的につけさせていただきますので……。

    　ではでは、自分からは以上です。
    　執筆お疲れ様でした。

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2017年05月08日 22時06分02秒
  • ども、序盤から「『栃木から来日』って栃木は日本じゃないのかよ！」とツッコンでしまったＨｉｒｏです。
    というか、この内容を３０分かけずに執筆ってすごいですね。うらやましい筆速です。
    それはともかく、拝読しましたので感想を残させていただこうと思います。


    う～ん、シンプルなお話のわりに、不明瞭な部分がポチポチとあったせいか、あまり楽しめませんでした。

    ・栃木から来日
    　栃木って外国なの？

    ・栃木に向かってダイブ！
    　栃木からわざわざ来日したのに、栃木にダイブするの？
    　というか、日本のどこに来日したの？

    ・ウンコってすげぇよな
    　ラストの台詞がどこからつながってきたのか理解できませんでした。


    　疾走感があり、シュールかつハイセンスな作品と感じられたものの、読者の理解が追いつけない領域にまで踏み込んでいるので、ちょっと常人には評価しにくいです（汗

    E-Mail pass
2017年05月08日 05時51分47秒
 -10点
  • おはようございます。たぬきです。
    あんまり面白く無かったのは、のりについていけなかったのと内容とギャグがあまり絡んでいなかったからです。オチに衝撃的な展開が待っているわけでもなくうんこだったのもポイント高いです。

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2017年05月07日 22時20分47秒
 +10点
  • 　ゲーメストネタとか久々に見たな。果たして今時の若者に通じるものなのでしょうか。まぁ、そういうのが好きだった年齢層がラノベを買い支えてるとかいう噂もありますけどね。

    　のっけから勢い全振りで潔いほどに推敲の後も見て取れず、執筆時間25分さもありなんといった風情。ヘッドバッドだの味噌汁だのウンコだのと様々なキーワードらしきものが四方八方にとっ散らかる。一体どういう話なのか全く読めず、序盤は特にハテナマークが浮かびます。唐突に挿入される、笑いを誘っているのであろう全く関係ない一文の数々が、そういう引っ掛かりに拍車を掛けています。目が滑ると言いますか、面白い面白くないと判ずる以前に、文章を理解するのに幾らかの足踏みを要するので、そこで笑いが減衰してしまった感は否めないですね。上手いギャグラノベは、このあたりの按配がとても優れているのですが。

    　とはいえ。不思議な卵というお題から、これだけワケの分からないハイテンションコメディを思いつくセンスは企画の中でもおそらく頭一つ抜けているには違いないでしょうね。異彩を放っている個性は、それだけで一つの武器ですから。
    　短い作品とはいえ、最初から最後まで徹頭徹尾、ギャグに次ぐギャグで突き抜ける持続力（？）の高さも魅力的でした。

    　正直一番笑ったのは『栃木県から来日』とかいうナチュラルに栃木が日本からハブられてる所でした。群馬よりひどいのではないか。
    　それでは失礼致します。

    E-Mail pass
2017年05月04日 23時30分45秒
  • ヘッドバッドハイエンダーと、ウンコ、ネタとして結局どちらがやりたかったのかな、と。ヘッドバッドネタをやれば、ウンコのことを忘れてしまい。ウンコのことをやれば、ヘッドバッドのことを忘れてしまう。結果、読んでいてどっちつかずな印象を受けました。

    そもそもウンコの存在自体が物語にとって、オチのためだけに出てきた、としか思えない。いきなり常識的になる、というのも話として尻すぼみに感じました。

    ここは発想の更なる飛躍が欲しいところでしょう。……第一、宇宙でヘルメットを外したら、その段階で酸素的にアウトじゃねえかな、と。常識的に考えてしまうのなら。

    E-Mail pass
2017年05月04日 23時22分25秒
 0点
  • こんにちは、『あたまごん』拝見致しました。


    が、申し訳ありません。
    ちょーっと受け入れられなくて……その、排泄物的な名称が(汗
    しかも二回も出てくるし、二回目はオチだしで余計にキツかったです。
    お陰でそれしか記憶に残りませんでした(汗)。

    導入とかは良かったんですけどね、導入は。
    まあ、このあたりは私が合わない人間だったというだけだと思いますので、気落ちせずに今後も頑張ってください。

    追記0508

    ＞「田・孫氏、大気圏の摩擦熱で消滅！　ノーコンテスト！」

    ●最近の話によると、隕石などが燃え尽きるのは断熱圧縮によるところが大きいようで、大気との摩擦熱は無くはないものの、断熱圧縮に比べるとほとんど問題にならないのだとか。
    ……まあ、摩擦熱が微々たるものでも人体が耐えることが出来るかどうかはわかりませんけどね。

    それでは、執筆お疲れさまでした！



    E-Mail pass
2017年05月04日 23時05分25秒
 0点
  • ええとですねえ、よくわからない作品でした（困惑）。
    ギャグ一辺倒で勢いで行けと言う感じなんでしょうが、すみません、ギブアップです。
    執筆時間２５分？　ああ、なるほどね。

    E-Mail pass
2017年05月03日 07時58分08秒
 +30点
  • こんにちは。
    「あたまごん」を読ませていただきましたので、感想を残させていただきます。

    タイトルが「たまご」と「頭をゴンと打ちつける」を掛けているのですね。
    自分はタイトルを付けるのが苦手なので、こういったセンスはうらやましいです。

    とにかくシュールで理不尽なギャグでした。
    主人公の成長とか、乗り越えるべき障害とか、葛藤とか、物語に必要なセオリーはこの作品にはいらないのだと思います。
    意味のわからない設定。なんだかよくわからない状況。妙なテンション。
    合わない人には全く面白さを感じることのできない作品かと思います。

    自分はシュール系ギャグが好きということもあり、所々ツッコミながら楽しませていただきました。
    ストーリーや展開を楽しむと言うよりも、セリフ自体を楽しんでいました。

    読み終えて考えてみると、こちらの作品は物凄い繊細なバランスで成り立っているのではないかと考えます。
    一つでも白ける所があると、「何だコレ？」と途端に現実に引き戻されてしまうと思います。
    少なくとも自分は白けるどころか、最後まで面白さを持続して読ませていただきました。

    失礼な物言いになってしまうかもしれませんが、作者様はほとんど何も考えずにこの作品を書かれたのではないかと思います。繊細なバランスを保ち、良く考えればいらない設定もギャグとして作品に組み込んでいる点は素晴らしいと思いました。

    非常に楽しく読ませていただきました。


    最後に……
    ＞「その点ウンコってすげぇよな、最後まで腸内たっぷりだもん」

    しらんがなｗ


    以上となります。
    読ませていただきありがとうございました。

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合計 12人 60点

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