謎の卵ピーちゃん

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　恐竜の卵が発見された。
　化石ではない。
　まるでついさっき産み落とされたばかりのような、小さな命を宿した恐竜の卵だ。

　この世紀の大発見に世間は「なにそれ！？　なにそれ！？　すっごーい！」と、どったんばったん大騒ぎになった。
　恐竜饅頭が作られ、アニメ化され、ゲームにもなった。
　そして何の恐竜の卵かも分からないまま名前が募集された結果、「ピーちゃん」と名付けられた。
　本当は「ピーすけ」という名前での応募だったが、さすがにそれは拙い。審議を重ねた末の「ピーちゃん」である。
　しかし、そもそも首長竜の卵なのだろうか？
　否、実はそれがまったく分からないのであった。
　
　卵が発見された時、もちろんどんな恐竜が生まれてくるのかと検査が行われた。
　が、どのような検査を行っても中の様子がまるで分からない。
　とても硬い殻はＸ線なども通さなかった。
　それでいて生暖かく、確かな生の鼓動をも感じるのであった。

　そのような結果を受けて研究者の中には「やめるのだ。中からバケモノが出てくるかもしれないのだ」と卵を殺処分する声もあった。
　しかし、大半の研究者たちは「孵化してみるのです。大丈夫です、わたしたちは賢いので」と謎の自信を覗かせて、卵を孵化させてみることになった。

　かくして孵化プロジェクトが開始された。
　特製の孵卵器に入れて、一時間に一回転卵。
　果たしてどんなピーちゃんが出てくるのかと研究者たちはワクワクしながら、その日を待った。

　孵化を試みてから三日目のこと。
　研究者たちは異変に気付いた。
　転卵、すなわち卵の内の胚が卵殻にひっつくのを防ぐため定期的に卵を転がすのだが、ただ転がせばいいというものではない。
　およそ90度転がすのが理想とされている。
　その為、研究者たちはピーちゃんの卵に印をつけておいた。
　これで正確に90度転がすことが出来るという寸法だ。

　それが微妙にズレている。
　しかも一回や二回ではなく、発見してから何回も。
　気になって観察してみたら、なんと卵が自ら少しずつ動いていた。
　どうやら卵の中のピーちゃんはもう身体が出来上がっており、今にも殻を破って出てくるようである。

　研究者たちは興奮した。
　現代に恐竜が生まれるという奇跡の瞬間に立ち会おうと、四六時中卵の前に張り付く者もいた。

　が、どれだけ待っても殻にヒビが入ることはなかった。
　その代わり卵の動きは日増しに大きくなり、ついには孵卵器の中をごろごろと動き始めるようになった。
　
　そしてこの頃になると、卵が徐々に大きくなって来ていることに気付いた。
　妊婦のお腹じゃあるまいし、産み落とされた卵が大きくなるなんて有り得ない。
　ここにきて研究者たちはピーちゃんを得体の知れない不気味なものとして認識するようになった。
　
「やっぱりなのだ。ここは新居さんに任せるのだ」

　そして発見当初から孵化に反対していた研究者・新居さんはピーちゃんの卵を持ちだすと、どこかへ出かけていった。

　どこへ行くのだろう？
　この謎の卵を解明できるような施設があるのだろうか？

　しかし、一時間後に戻ってきた新居さんはただひとこと「山の中に捨ててきたのだ」と自信満々に答えたのだった。

「あー、新居さん、やってしまったねぇ」

　研究者たちは呆れた。
　が、それもすぐに驚愕に変わった。
　なんと新居さんが捨ててきた翌日、研究者のひとりがふと孵卵器を見ると、なんとピーちゃんの卵がそこにあったのだ。
　新居さんが反省して取りに戻ったのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。
　かと言って他の研究者たちも「自分たちも何もしてない」と口を揃える。

「だったらもう一度捨ててきたらいいのだ！」

　新居さんがいきり立ってピーちゃんを抱える。
　生きた恐竜の卵という貴重な研究資料を捨てるなんてとんでもないことだが、その不気味さもあって誰も止めなかった。

「モシカシタラ卵ハ自分ノ力で戻ッテ来タノカモシレナイネ？」

　と、その時、外国人である研究者たちのボスが、片言の日本語で不安を口にした。
　なんせ孵卵器の中であれほど動き回っていたのだ。もし卵そのものに意識があり、帰巣本能で戻ってきているとしたら……。
　皆はありえないと思いつつも、誰一人として否定出来なかった。

　そして不安は的中した。
　卵は何度も何度も新居さんが捨てに行ったが、その度に戻ってきた。
　しかも戻ってくる時間が次第に短くなってくる。
　詳しく調べてみたら卵の自転速度は変わらないものの、少しずつ大きくなることで一度の回転で進める距離が伸びていることが分かった。

　ここに至り、ピーちゃんは研究者たちからその可愛らしい名前を排除され、「謎の卵Ｐ」と呼ばれるようになった。

　さて、ある日、新居さんが謎の卵Ｐを研究所から十キロ離れたいつもの場所に捨てた。
　その場所から同時にスタートする新井さんと謎の卵Ｐ。
　初めて新居さんが捨てた時、卵Ｐの直径は十センチで、戻るのに十時間かかったのが研究によって分かっているが、この日はなんと同じ一時間で帰宅する事となった。
　では、謎の卵Ｐが一日に１％膨張すると考えた場合、果たしてこの日は最初に捨てた時から何日後のことか？　またその直径は何センチになっているかを答えよ。

　なお、謎の卵Ｐがかなり大きくなっていても、新居さんはジャパリバスの前部を抱えてジャンプしたサーバルちゃん並の力持ちという設定なので問題なく廃棄場所まで運べることにする（配点　－３０～５０点）









　テスト中で本来なら静まり返る校舎に「アニメオタクの数学教師が作った問題、超ウゼェ！！！！！」と生徒たちの声が響き渡った。

　おわり。
タカテン 1nxaNUk4a2

2017年04月28日 04時52分05秒 公開
■この作品の著作権は タカテン 1nxaNUk4a2 さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
◆キャッチコピー：不思議な卵の謎に挑め！
◆作者コメント：不思議な卵と聞いて、最初は謎の卵料理を食べるグルメ小説でも書こうかと思ったのですが、どこからか「食べないでくださーい」って声が聞こえたような気がして、結果このような作品になりました。
よろしく。

2017年07月11日 08時14分16秒
  • 待たせたな！
    って、時間が経ちすぎてきっともう誰も待ってないよね、うん。

    というわけで作者のタカテンです。
    このたびは拙作『謎の卵ピーちゃん』にかくも多くの感想を戴き、ありがとうございました。
    そして二ヶ月近くもレスをせず放置してしまい申し訳ありません。
    あのね、あのね、五月はカクヨムの「働くヒトコンテスト」に参加している作品執筆で忙しかったの。
    それこそコンテスト終了当日になんとか完結するという、ホントにギリギリだったの。
    そして六月からは同じくカクヨムの「ノベルゼロコンテスト」に参加すべく作品を書き上げるというハードスケジュールで･･････。

    ええ、ホントは「働くヒトコンテスト」が終わったらレスをするつもりだったのです。
    でも、五月中旬にノベルゼロコンテストの開催が発表されたのに、まさかその期間が６月１日から７月１６日までというタイトにもほどがあるスケジュールだったんだ。
    おまけに既存作での参加ならばともかく、このわずか一ヶ月半の間に３万字弱の短編をコンテスト規定の十万字以上の長編にするという無茶に挑戦するというね･･････
    うん、だからレスがこんなにも遅れたのも仕方ないよね。そう、自分は悪くない。悪いのは全部ノベルゼロコンテストなんだ。
    分かってくれたかな？　うん、分からないと言われても分かってくれたと思ってレスを続けるよ。

    さて、本題の戴いた感想ですが･･････まずね、先生、とても驚きました。
    だってね、多くの人が先生の言いたいことを理解してくれていないんだもん。
    先生、なんて書きました？

    『では、謎の卵Ｐが一日に１％膨張すると考えた場合、果たしてこの日は最初に捨てた時から何日後のことか？　またその直径は何センチになっているかを答えよ』

    こう書きましたよね？　
    なのにこの問題に答えたのがつとむュー君だけとはどういうことですか？
    ダメです、君たち、０点です。

    対してつとむュー君には１００点をあげよう。
    文句の付け所のない、完璧な答えでした。ブラボー！　オー、ブラボー！
    というか、つとむュー君の答えを見て、先生も「あ、この問題、こんなに難しかったんだ？」と初めて理解しました。
    いやはや、思いつきで問題を作るのはよくないね。反省。
    あと、いい加減ハマったアニメネタを容易にぶっこむスタイルもさすがにそろそろどうかと思うよね。猛省。
    きっと今作を見て「タカテンさんまたやってしまったねぇ」と思った人もいたことでしょうね。ごめん。
    しまいにはとよきちさんから怒られてしまったので、今度ラ研の企画に参加する時は持てる力の限りを尽くした作品を投稿できたらなと思います。

    それではまた。

    どうでもいいけど作者レスしようとしたらメルアドが違うといわれて難儀しましたｗ

    E-Mail pass
2017年05月27日 12時03分08秒
 -20点
  • どうも、タカテンさん。こっちではご無沙汰してます、とよきちです。
    それでは拝読したのでさっそくさっそく。

    まず、嘘のお話から入りましょうか。
    作品の中でどこまで嘘をつくのか、その線引きは必ずあると思うんです。それで、今回御作はそういう面で、読者に対して誠実ではなかったなと思いました。いや真面目でない作品にそんな真面目なこと言われても、と思われるかもしれないんですけど、途中まで普通に面白かっただけに、という感じです。締め方がずいぶん乱暴で、タカテンさんの実力を身をもって知っている自分としては、言い方は悪いですが、腑抜けた作品だな、と感じたのが率直な印象です。
    連載の片手間でやっていた事情は重々承知してます。情が深いタカテンさんのことですから、御作は運営であるミチルさん、あるいは世話になっているラ研への恩返しとして作品を投稿したのだと思います。それは認めます。でも、自分の目には御作は、読者や、それに作品そのものをないがしろにしているようにしか見えないんです。これでは本末転倒です。大事にしなきゃいけないものがズレています。ここまで自分が憤っているのも自分でも不思議なくらいなんですが、たぶん、タカテンさんの実力を知っているからこそだと思います。実際、楽しみにしてましたから。

    自分からは以上です。自分のような若輩者にしては出過ぎたことを言っているとは思うのですが、間違っているとは思っていません。もしも気分を害されなたなら、聞き流してしまっても構いません。変な犬ころに噛みつかれてしまったな、くらいに思って下さい。

    それでは、タカテンさんの次回作を心待ちにしています。また、面白い作品を読ませて下さい。

    ごちそう様でした！


    E-Mail pass
2017年05月14日 18時00分58秒
 +20点
  • いやー、バカですねー。
    版権とかそういったなにがしかに対する喧嘩の売り方パネェ！
    と思った時点で私の負けですよ、これ。

    あー、でも最後の最後に版権作品の固有名詞を出しちゃったのは減点かなって。
    しかしまぁ、なんていうかですね、パロディの幅広いなぁ、って！

    そこで劇場版ドラえもん持ってくるかー、とか。素直に感心しましたわ。
    面白かったです。ありがとうございました。

    E-Mail pass
2017年05月12日 22時50分43秒
 +10点
  • 　キーゼルバッハと申します。読まさせていただきましたので感想を。
    　

    （キャラ）
    　キャラにつきましては、某アニメを参考にされたような口調で、ありましたが
    　本作の肝は、掌編級の長さゆえのオチのキレだと思われますので、読者の興味
    　を引くという点では、短い枚数でキャラのことを知ってもらうという点で、
    　画期的で有効な方法だと思いました。
    　ただ、某アニメを知らない方には少し親切ではないキャラ付けかな？　と
    　個人的に思いました。
    　研究者、新居さん、生徒に数学教師がこの作品には登場いたしましたが、
    　キャラの個性という意味では非常にあっさりとしたものだと個人的に
    　感じました。
    　

    （文章）

    　文章は、終始三人称視点であり読みやすく、掌編級の短さと相まって
    　最後まで一気に読むことができました。
    　ただ、雰囲気に関しては某アニメ風なキャラ付けゆえに、それに引っ張ら
    　れた文章だなと、個人的に思いました。
    　作者様の個性はあまり感じられない印象でした。

    （テーマ）

    　テーマである『不思議な卵』については、『不思議な孫』そのものを扱って
    　いる物語でありますので、テーマに沿っている作品だと思いました。
    　ただ、意外性や作者様のオリジナリティをあまり感じないテーマの扱い
    　方でしたので、個人的に物足りなさを感じてしまいました。

    （総評）

    　作者様の本作においては、掌級の短さゆえにオチのキレが重要になってくる
    　と思われます。
    　オチのキレについては、十分な意外性と独創性があったと思いました。
    　謎の卵発見から、不可思議な卵の挙動、研究者たちの少し気の抜けたセリフ
    　一体これからどういうオチに向かうのだろうとワクワクさせられました。
    　そして、実はアニメ好きの数学教師の数学問題だったという私の予想外の
    　オチに作者様には感心させられました。
    　私はなかなかこういった鋭いオチを書くことが難しいので、作者様のセンス
    　はぜひ、見習いたいと思うほどでありました。
    　ただ、そこはやはり掌編です。本作の短さと某アニメ風口調のキャラ、不思議
    　な卵の謎、濃い材料がこんなにも揃っている状況では、せっかくのオチの意外性
    　も薄まり、個人的に物足りなく感じてしまいました。
    　

    それでは、不思議な卵GW企画お疲れ様でした！　また機会がありましたら、読ませていただけると嬉しいです。

    キーゼルバッハでした。

    E-Mail pass
2017年05月12日 22時47分48秒
 +20点
  • 　こんばんわ。ナマケモノと申します。本作を読ませて頂いたので、感想を書かせて頂きます。
    　オチが秀逸な作品でした。今回は掌編がいくつか投稿されていますが、御作は断トツの完成度を誇っているのではないでしょうか。そして、オタクでないとイマイチ共感できないオチがまた哀愁を誘っている。そこにさらなる本作の魅力を感じてしまう私がいました。
    　

    E-Mail pass
2017年05月12日 22時07分27秒
 +10点
  • GW企画の執筆、お疲れ様でした。
    御作を拝読いたしましたので、感想を記したいと思います。

    ＞アニメオタクの数学教師が作った問題、超ウゼェ！！！！！

    いやいや、恐竜オタクでは！？（笑）
    アニメっぽいのは、恐竜の名前と、
    問題の最後の文くらいだったような気がします。

    ちなみに、実際に問題を解いてみました。
    すると、生徒達にとっては大きな難関が！？
    以下に記しますので、ご笑納下さい。
    （久しぶりにlogなんてものを使いました。間違っていたらスイマセン）

    ---------（解答用紙）-------------------------
    卵の直径が１０センチの時は円周が３１．４センチ。
    この卵が１０キロ移動する時の回転数は、３１８４７回転。
    １０時間で３１８４７回転だから、自転速度は時速３１８４．７回転。
    （１秒間におよそ１回転ですね）

    卵が大きくなって、１０キロを１時間で移動できるようになった。
    自転速度は変わらないとすると、１時間で３１８４．７回転で１０キロ。
    つまり、この時の円周は３１４センチとなり、直径は１００センチ。
    （１メートルの卵ですか・・・）

    さて、この卵が何日かけて１００センチになったかというと、
    一日に１％膨張するので、複利法を使わないといけません。
    N日後に１０センチの卵が１００センチになったとすると、
    計算式は、１０センチ×（１＋０．０１）＾N＝１００センチ。
    N＝log（１００／１０）／log（１．０１）＝２３１．４
    つまり２３２日後ということになります。
    （新居さんは、半年以上も毎日捨てに行ってたんですか！？）

    ということは、この問題は恐竜の卵の話と思わせておいて、
    金利の計算に役立つ、複利法を学ばせる問題だったのですね！

    最大の問題は、計算機を使わずにlog（１．０１）の値が計算できるかどうか、
    ということでしょう。
    生徒達にとっては、かなり難しいんじゃないかと思います。

    解決策としては、一日に１２．５％膨張という設定にするのはいかがでしょう。
    log２＝0.3010、log３=0.4771の値を提示しておけば、
    log（１．１２５）＝log（９／８）を使って
    計算機を使わなくても解くことができます。
    （と書きながら、なんだか自分でもアホらしくなってきました。笑）

    今後のご活躍を期待しています。

    E-Mail pass
2017年05月10日 22時37分39秒
 +10点
  • こんにちは、『謎の卵ピーちゃん』拝見させていただきました。

    このオチ、嫌いじゃないですｗ

    ただまあ、ありきたりな部分もあり、オチまでの部分が何であっても成立する点が、微妙といえば微妙ですが。
    でも、嫌いじゃないです。

    以下、突っ込みどころです。

    ＞しかし、そもそも首長竜の卵なのだろうか？

    ●なぜ急に首長竜の話に？
    と思いましたがピーちゃんだからですか。そうですか。
    あれは最近、リメイクとかしたのでしょうか？
    してなかったら、知らない読者には意味不明では、と思いました。

    ＞特製の孵卵器に入れて、一時間に一回転卵。
    ＞転卵、すなわち卵の内の胚が卵殻にひっつくのを防ぐため定期的に卵を転がすのだが、ただ転がせばいいというものではない。
    　およそ90度転がすのが理想とされている。
    　その為、研究者たちはピーちゃんの卵に印をつけておいた。
    　これで正確に90度転がすことが出来るという寸法だ。

    ●恐竜の卵は存じませんが、鳥の卵は確かに転卵が必要みたいですね。
    でも、爬虫類の卵は転卵が必要なく、むしろ動かすと発生が止まるので、人工ふ化の場合発見時にてっぺんに印を打って動かさないように保温します。
    さて、では恐竜の卵は……？
    このあたり、恐竜の卵が爬虫類の卵のように黄身だけの卵（名称失念）であれば、動かさないほうが良いかもしれません。
    もし恐竜の卵をふ化させることがあれば参考までに。


    それでは、こんなところで。
    執筆お疲れ様でした！

    E-Mail pass
2017年05月10日 19時39分49秒
 0点
  • 食べないよ！


    こんばんは。感想を置いていきます。

    うん、けもフレ楽しかったですよね。ゲームも新たに再開されるらしいですし、きっと二期もありますよ。それを一緒に待ちましょうよ。ミーハーな一オタクとして楽しみにしています。そんなに時間がかからないと思うんですよね……。

    はい、この作品はオチすら特に意味がないやと思えました。半分以上、二次創作じゃないですか……。まあ、ちょっと適当過ぎる気も……いや、別にいいんですが。作者様もそんなこと承知で書いていらっしゃるかと思いますし。

    個人的にはアライさんとフェネックが大好きです。あらーいさーん。

    E-Mail pass
2017年05月10日 00時55分29秒
  • いきなりラストに超展開を出しても、それはドンデン返しにはなりません。前提として出した情報が、読者の誰も思いも寄らない意外な展開になってこその、ドンデン返し。今のままでは、単に唐突なだけです。

    また文体模写（パスティーシュ）をやったにしても、中途半端だったかなと。「アニオタの独白」というなら、もっと複数作品から引用したりと、文体だけで読者に分かるように書けるはずです。

    ……とはいえ、前提情報とオチとが分離している現状では、根本的にどうにもならない、かなあ。

    E-Mail pass
2017年05月09日 23時52分31秒
 +30点
  • 　こんにちは。『謎の卵ピーちゃん』を拝読しました。個人的に感じた点を述べさせていただこうと思います。
    　※ネタバレがありますので、ご注意ください。

    【キャラクター】
    　何の説明もなく語尾がすべて「～のだ」の研究員たち。とっても力持ちな新居さん。（野球は詳しくないのですが、なんとなく広島の新井選手を思い出しました）。片言上司。そして何より、謎の卵Ｐ。すべてがおかしみにあふれ、かつ愛らしい。大好きです。

    【ストーリー】
    　卵から何かが生まれるのではなく、ただただ段々に大きくなっていく。新居さんが捨てても捨てても帰る卵。ただそれだけなのに、このじわじわくる面白ワールドは何なのでしょうか。「不思議な卵」というお題でよくこんなネタが思いつくなあと脱帽です。そして、その面白ワールドが広がっていったかと思うと、急転直下に硬い文章になり、数学の問題文だったとわかる仕掛けでまた笑いました。数学の問題文て、確かになんだか笑えます。兄が時速４キロメートルで歩いていった後、弟が忘れ物を届けるために時速１５キロメートルの自転車で追いかけていくと何時間後に到着するか、とか。面白ワールドです。そこに注目して小説にするなんて、すごいなあと思いました。
    　付け加えですが、卵が「帰る」わけですから、ある意味この卵はもう「孵って」いる状態なのかもしれませんね。ただただ大きくなっていき研究者たちを震撼させる、というのが謎の卵Ｐの最終形態なのかもしれません。などというようなことも想像しました。

    【設定】
    　ネーミングが潔くて好きです。恐竜の卵とくれば、確かにサブカル界ではフタバスズキリュウのピーすけと決まっている……というか、そのイメージから逃れることはできないと思います。普通だったらなんとかそれを払拭しようと、できるだけオリジナルとは違うアプローチを試みると思うのですが、そこをあえて真正面からとらえて笑いに変えてしまっていました。そのかわいらしいピーちゃんという名前が、一転して謎の卵Ｐになるのもおかしみがあります。

    【文章】
    　文章は読みやすくて、ギャグ小説の雰囲気を損なわない軽さがあり、全体的には好きなのですが、導入が少し弱いかなと思いました。
    “恐竜の卵が発見された。～この世紀の大発見に世間は「なにそれ！？　なにそれ！？　すっごーい！」と、どったんばったん大騒ぎになった。”
    　この部分の軽さが全体を通して貫かれていて、読み進めれば味わいがあって面白く感じるのですが、全く小説の雰囲気を知りえない時点だと、引き込みが弱いような気がします。軽やかすぎて期待が持ちにくいのではないかと思います。私が本作にグッと引き込まれたのは、
    “そのような結果を受けて研究者の中には「やめるのだ。中からバケモノが出てくるかもしれないのだ」と卵を殺処分する声もあった。
    　しかし、大半の研究者たちは「孵化してみるのです。大丈夫です、わたしたちは賢いので」と謎の自信を覗かせて、卵を孵化させてみることになった。”
    　の部分からでした。できればこのような作者さまのギャグの個性が出ている部分を導入から提示した方がよいのではないでしょうか。

    【構成】
    　ピーちゃんが出て来るのを心待ちにする研究者たちの様子がかわいいなあと思っていたら、なんだか不穏な雰囲気になって、新居さんとの攻防が続くうちに問題文が……という構成、メリハリがついて飽きることなく読むことができました。先にも申し上げましたが、導入の工夫があれば更によい作品になりそうだと思いました。

    　思いこみや間違い等多々あると思います。なにとぞご容赦願います。
    　読ませていただいてありがとうございました。

    E-Mail pass
2017年05月09日 22時17分19秒
 -10点
  • ・こんばんは、たてばんと申します。
    　拝読させていただいたので、拙いですが感想を落とします。

    ・十日後で直径一メートル！
    　数学ができない、というより、勉強が苦手で成績で一を取ったり赤点になったりしていた私には無理な問題です。
    　国語も苦手で、高校入試の一期試験で作文を書ききれず落ちたりしたことを思い出しました。
    　そんなどうでもいいことは置いて、感想を述べます。

    ・最初の語りで少し引き込まれたのですが、オチで全て台無しにされました。
    　あのまま謎を追求して、ホラーのような演出で書き切って欲しかったです。
    　メインの話とオチがかけ離れていて、そこに繋がりが見出せないので、唐突に終わらせただけに見えます。私はそこに面白さは感じません。

    ・読み違いや勘違いがあったらすみません。
    　では、失礼します。

    E-Mail pass
2017年05月08日 22時00分23秒
 +20点
  • ども、ケモノフレンズはキャラクターだけでなく構成の良さが目を引く良作だな～と思っているＨｉｒｏです。
    まぁ、リアルタイムじゃなくて後から一括でみたんですけどｗ

    それはともかく、拝読しましたので感想らしきものを残していきます。


    序盤のコメディが「肌に合わないなぁ」なんて思いながら読み進めていたものの、オチで笑ってしまいました。
    また、感想を書くにあたり読み返してみたところ、あちこち数学にひっかけたネタを考えてるんだなぁと感心したのでいさぎよく負けを認めます。
    でも、これで勝ったと思わないでくださいね！＜負け惜しみ

    E-Mail pass
2017年05月07日 21時27分28秒
 +20点
  • ハーイ、社会ののけもの、赤城と申します。のけものがいない二次元世界に転生したいもんですねーHAHAHAHAHA
    ノリと勢いだけの小作品だった、と思います。この感想、失礼に読めるでしょうが、決して作者様をディスプレイの前で怒らせるために書いたのではありません、むしろ褒める気満々であります。
    掛け合いのみを楽しむ、ベリーショート、そんな作品を作者様は志向されていらっしゃり、見事にそれに成功されていたと思います。タイムリーな流行りネタもピッタリはまり、最後のオチも、なかなか酷いと思います（クドイですが、これは誉め言葉です）。
    GW終了後の憂鬱な出勤にも、御作を読ませて頂いたおかげでなんとか耐えられそうな気がします。面白い作品、ありがとうございました。


    PS.
    ピーちゃん、ってどら〇もんの映画のアレですよね？今の若い子ってそのネタ分かるんですかね？分かる自分って立派なオッサンなんすかね？
    ・・・ごめんなさい、気になって書かずにはいられなかったんです。以上です、執筆お疲れ様でした。

    E-Mail pass
2017年05月07日 00時45分30秒
 0点
  • こんばんは。たぬきです。
    すごーい、どうなるんだろー、とか考えつつわくわくしていたらアライさんの頭の緩さに愕然とした今日この頃。
    オチはなんだかインパクトが弱かったです。
    卵を孵せ！　わくわくも返せ！

    やはり卵の中から何かを出さない事には終われない内容なのではないかと思いました。それと問題の例文としてはものすごくお粗末な気がして。
    　恐竜の卵だとどうやって知ったのか。
    　首長竜っていきなり単語が出てきたけど前フリ無かったぞ。
    　卵が動いた！　って中身先にしらべたんじゃないのか！
    　恐竜の卵アイスってあったよね。

    　そんな感想ですが、ご容赦ください。

    E-Mail pass
2017年05月06日 09時51分28秒
 +10点
  • 肉球と申します。
    御作を拝読しましたので、感想を残していこうと思います。


    ――――ここから先は、とある作者様であることを前提として書きます―――
    どうもお久しぶりです。相変わらずですね。
    タイトルで当たりを付け、冒頭で確信しました。
    ピーちゃんって名前好きですよね。
    ――――――――――――――――――――――――――――――――


    卵をベストに転がすために目印を付けるという所で笑いました。
    オチは打ち切り夢オチというか、無理やり終わらせたような印象を受けました。
    もう少し長い作品を読みたかったです。
    以上となります。

    ではでは～　ФωФ)ノシ

    E-Mail pass
2017年05月05日 23時00分48秒
 0点
  • 執筆お疲れ様です。「謎の卵ピーちゃん」を読了しましたので、感想を置いておきます。
    ラストのオチに頼ったコメディでしたね。うまく笑ってくれれば御の字ですが、残念ながら私の場合だと、「えっ、テスト？　なんでいきなりテストなの？　卵はどうしたの？」てな感じで混乱してしまい、楽しむどころではありませんでした。
    もうちょっとオチにつながるシーンがわかりやすければ、そしてオチが面白ければと思いますが。

    E-Mail pass
2017年05月05日 22時00分53秒
 +20点
  • こんにちわ、読ませていただきました。

    綺麗な掌編だと思います。この長さだと文章的な味わいとか、ストーリーの奥深さではなく、ネタの切れ味勝負になると思いますので、その点、実に掌編らしい作品でした。

    本企画の作品を読ませていただくなかで個人的に思うのは、同じ評価基準で各作品を見るのが難しいな、ということです。規定枚数いっぱいの作品があれば、御作のようにスパッと短くまとめた作品もある。どちらが優れているということではありませんが、やはり、質は異なってきますしね…。すいません、ここに書くようなことではないんですが、点数に迷ってしまいまして汗

    色々考えてこんなところで。
    執筆おつかれさまでした。

    E-Mail pass
2017年05月01日 00時52分32秒
 +20点
  • はじめまして。御作、謎の卵ぴーちゃんを拝読させて頂きました。

    興味を誘われる序文と、謎を保ちつつ展開する中盤、そうして分かりやすくかつメタチックな要素も含まれた瀟洒なオチ。
    ギャグチックでありながらも構成自体はお手本のように整っておりました
    文章も平素で読みやすく、短さも相まって一息に読めてしまえる、良い作品だと思いました
    欲を言えば、ラストの文章からして○○ヲタ要素が作中にもっと散りばめられていると更にオチが引き立つのではないかと思います。
    素晴らしい作品をありがとうございました。

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2017年05月01日 00時28分14秒
 +10点
  • こんばんは。
    「謎の卵ピーちゃん」を読ませていただきましたので、感想を残させていただきます。

    ※ネタばれあり、注意！








    数学の問題だったのですね。自分はこういう話はすぐにだまされてしまいます。
    ただ、やはり前半部分が少し長かったかな、と言う印象です。

    この卵が一体何なのか、ということをこの作品で追い求めるのはナンセンスかもしれませんが、なんらかのヒントを物語中に組み込むことができれば、ただの問題ではない深みができるのかなぁ。と考えます。

    以上となります。
    読ませていただきありがとうございました。

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合計 19人 170点

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