覆面作家『＊＊＊＊』の殺人（跡地化しました） (作 : 北斗) / 冬企画2016-2017

覆面作家『＊＊＊＊』の殺人（跡地化しました）

Rev.02　枚数： 7 枚（ 2,412 文字）

2017年4月7日跡地化しました
ご覧いただき誠にありがとうございました。

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北斗

2016年12月31日 17時17分34秒公開
■この作品の著作権は北斗さんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ: 2017年4月7日　跡地化しました。ご覧いただきありがとうございました。

◆キャッチコピー：犯書店員磯崎春子、殺人事件に挑む
◆作者コメント：
ハッピーニューイヤー！
主催のミチルさま並びに運営の皆様、冬企画の開催誠にありがとうございます。
さて、お題が小さな異能ということで本作では『昔の小学校の図書カード』的な能力者が登場します。そして、そんな能力者が殺人事件に挑むお話です。
どういうことなの?！　と思われた方、本作を読んでいただければ大変ありがたいです。
それでは作者の皆様、読者の皆様どうぞよろしくお願いいたします。

名前をクリックすると感想が開きます。ここをクリックすると全ての感想が開きます。

2017年01月16日 23時19分29秒

北斗

作者レス

皆様、企画お疲れ様でした！　作者の北斗と申します。

運営様、参加者の皆様のおかげでとても楽しい企画に参加することができ、参加者の一人として感謝に堪えません。
また、拙作にたくさんの温かいご感想をいただき誠にありがとうございました。的確なご指摘や貴重なアドバイスの数々、大変勉強になりました。
頂いたご感想は真摯に受け止め、今後の創作活動でぜひ生かしてまいりたいと思います。

なお、感想への作者レスは順次行ってまいりますが、かなりお時間頂くことになりそうです。
申し訳ありませんが、気長にお待ちいただければ幸いです。
この度は本当にありがとうございました。後夜祭も楽しんでまいりましょう。

2017年01月15日 23時49分46秒

+20点

ｋｚと申します。拝読しましたのでコメント致します。

こういったら作者さんは怒るかもしれませんが、私は御作をミステリではなくキャラ小説として読みました。キャラが個性的で楽しかったです。
ミステリとして評価すると色々と難点――オチ（真犯人）に意外性が無いとか、動機がありきたりとか、ストーリーが安易というか杜撰というか――とまあ、色々と気になる点はあったものの、この枚数でキャラが主眼なのを考えると、これぐらいのバランスが適当なのかもしれません。最近の軽めのミステリードラマがこんな塩梅ですからね。

あと、評価とは関係ありませんが、決して小さい異能ではない気がｗ凄い能力だけど、どこか残念な感じが御作の魅力なのかもしれません。

2017年01月15日 23時33分41秒

キーゼルバッハ

+20点

　新年明けましておめでとうございます！
　キーゼルバッハと申します。読まさせていただきましたので感想を。
　

　魅力的なキャラクターたちに、高い文章力でとても面白く
　読まさせていただきました。また、『小さな異能』の使い方に関しても、
　オリジナリティがあり、ミステリーとして御作を引き立てていたと
　個人的に思いました。
　詳しい感想は、また後日書かせていただきたいと思います。

それでは、小さな異能冬企画お疲れ様でした！　また機会がありましたら、読ませていただけると嬉しいです。

キーゼルバッハでした。

2017年01月15日 23時20分48秒

茉莉花

+30点

作者の方へ

茉莉花です。
作品拝読しました。

とても高い位置でまとまった作品だったと思います。
異能の扱い方もオリジナリティがあったし、春子の思考をあらわした文章も実に自然でした。

＞　春子のみるところ、この小説のテーマは《人間はコンピューターの自我を認めることができるか》だと思う。
ここら辺の伏線の張り方もおもしろいなと思いました。まあ、題名を見れば犯人はバレバレなんですけどね。

キャラクターとしては『犯人になりたがる症候群』のここなし心が一番独創的で魅力的でした。犯人の「＊＊＊＊」については自我があるという設定でしたね。確かに自我はあったのですが、「個性」というものは少しだけ薄かったのかもしれないな、とも思ってしまいました。

ストーリーについては……ごめんなさい。普段あまりミステリは読まないので、その巧拙というのがうまく判断できませんでした。ただ、地の文、台詞共に読みやすく、バカミスとしてとてもいい作品だったなと思っています。

＞何から何まで詳細不明の小説ですよね。作者もタイトルも出版社さえ不明の小説。日本発ながら、純粋に内容だけで勝負して、世界各地でベストセラーを達成したっていう……
ここら辺で、あ、地元発祥の文庫Xのことかも？　と思い、にやにやしました。

ろくな感想や指摘が言えなくてごめんなさい。
とても素敵な時間を過ごすことが出来ました。ありがとうございます。
それでは執筆お疲れ様でした。

Ｐ．Ｓ
ブラボーのネタ、にやりとしましたｗ

2017年01月15日 22時28分09秒

燕小太郎

+30点

　執筆おつかれさまです、燕小太郎と申します。
　拝読しましたので、感想を残したいと思います。

＜一通り読んでの第一印象＞
　なかなか骨のあるお話で、読み応えがありました。
　短編ミステリーは導入部、捜査編、解答編のバランスが難しい印象なのですが、上手く作られていたのには驚きました。
　キャラクターもそれぞれがとても濃く、もっと長い作品にも充分に耐えられる個性の持ち主たちだなと思いました。
　
＜良かったところ＞
　色々とありますが、一番はとにかくバランスかなと思います。
　説明が多くなりがちなミステリーにおいて、飽きることなく読み進めることができたのは、読みやすい文章力はもちろんのこと、しっかりと進むストーリー、構成力の賜物かと思います。
　特にキャラクターは濃かったですね。特にユニークな異能を持った春子や八島はもっと長く見ていたいと感じました。
　
　犯人については読みながら何となく気づきましたが、特にマイナスに感じることはありませんでした。むしろ話全体がしっかりまとまっていて好印象です。

＜気になった点＞
　これといってありませんが、欲を言えば、というところで一つ。
　読み方もあったかもしれませんが、キャラクターがごちゃついたように感じられました。今作は登場人物が比較的多く、またキャラクターそのものがメインではないため掘り下げられることも少なく、把握はできても感情移入まではいかないような印象がありました。
　もちろん今作一番の売りは『ミステリー』であり、キャラクター小説ではないと言えばそれまでなのですが、もし長い作品にされる際は、よりキャラクターを軸に考えていただければなと思います。

＜総評＞
　あらゆる要素が高いレベルでまとまった、バランスの良いお話だったと思います。面白かったです。

　ところで、以前リアルでも作者不明の『文庫Ｘ』なるものが話題になったことがありましたね。モデルになったのかはわかりませんが、今作を読んで思い出しました。
　
　拙い感想ですが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

2017年01月15日 21時18分39秒

コボルトスキー３０３ h1/dkdLcrs

+20点

こんばんは。「覆面作家『＊＊＊＊』の殺人」を読了しましたので感想を置いておきます。
メッセージから本格ミステリーなのかと思いきや、ミステリ風のコメディのようですね。そういう点ではなかなかに楽しめる作品ではないかと思われます。
主人公にしてもいずれさんにしても、漫画チックな反応で個性が出ていていい味出しています。。
異能はありきたりでない設定で、なかなか興味深いものでした。特にここなし心の『犯人になりたがる症候群』は、はっちゃけていてよかったです。
ＡＩが人間に反乱を起こすのはゲップが出るほどありふれた設定ですが、陳腐に思えなかったのはストーリーが巧みだったからではないでしょうか。

細かい点をあげつらうなら、ボーイがだんまりを決め込んだら代弁者として役割を全うできないんじゃないかとか（代弁者というよりはむしろ暗殺代行者ですよね）。
『alpha』は侵入者の阻止に動いていたのに、プラグという唯一無二の弱点をそのままにしておいたのは何故かとか。というか飛行機を突っ込ませて研究所が爆破炎上したら『alpha』本体もプラグも無事じゃ済まないよねとか。
「子供のようなことをいうAI」に、「責任の取り方を知っていそう」と感じられる要素はどこにあったのかとか。

いちおうフォローしておくと、序盤でわかりやすいように伏線を張っていたのは、ミステリファン以外の読者に配慮したからでしょうね。謎の部分が簡単にわかってしまったのはミステリ的には痛い失点ですが、本作がミステリでないなら気にする必要はありませんよ。結論を述べるなら、コメディとして面白かったと。

2017年01月15日 19時57分43秒

たてばん 4Ru6zmU./o

+20点

こんばんは、拝読させていただいたので感想を残したいと思います。

自分もいつかはミステリー小説を書いてみたいと思っており、普通でも難しくてなかなか書けない中、企画という限られた枚数と状況の中で書き切る手腕は凄いと思いました。
テーマである異能もしっかりと使われていて、シリーズ化出来そうな内容だと思います。

しかし、パーティー会場で栄養ドリンクは無理があるのでは？　と思いました。
パーティー会場で振る舞われるのは恐らくワインやシャンパンの類いでしょう。
そんな中栄養ドリンクが混ざっていたら色合い的にも目立ってしまうし味も淀んでしまうので、新人作家は変な飲み物だと思いボーイにグラスを返すと思います。

読み違いや勘違いがあったらすみません。
では、失礼します。

2017年01月15日 15時11分27秒

たかセカンド

+20点

こんにちは。
「覆面作家『＊＊＊＊』の殺人」を読ませていただきました。

自分はほとんどミステリー小説を読みません。
こちらの作品に対して、見当違いな意見を述べてしまうかもしれません。

まず、とてもキャラクターが生き生きと描けていると思いました。
特に、主人公の春子。どことなく可愛らしく応援したくなってしまいました。

ただ、伏線が丁寧に張り巡らされていたため、犯人は途中で容易に分かってしまいました。
後、気になったのはここなし先生の「一瞬で犯人がわかる能力」なのですが、この異能自体は気になりませんでしたが、

＞「しかし、彼女の正義感は人の半分だが同情心が人十倍もある。マズいことに、それは犯人に対する同情に限定される」

こちらに違和感がありました。
ここなし先生はこの異能により、警察に逮捕され春子達には三日という時間制限が出来てしまいます。
どうにも、唐突で緊迫感を出すための道具と思えてしまいました。

しかしながら、全体としては良くまとまっており楽しませていただきました。

以上となります。
読ませていただき、ありがとうございました。

2017年01月15日 01時15分11秒

青出

+30点

　こんにちは。『覆面作家『＊＊＊＊』の殺人』を楽しく拝読しました。個人的に感じた点を述べさせていただこうと思います。

【キャラクター】全体としてほんわかとして嫌なキャラがいなく、作品の和気あいあいとした雰囲気を決定づけていたように思います。春子の「いずれさん」という呼び方や、ライトタッチな心情表現からは、彼女のかわいらしさが感じられます。八島とのコンビもいいですね。ふたりの持っている異能もおかしみがあって楽しいのですが、それに加えて性格もしっかりコメディしているのがよいと思いました。

【ストーリー】大変面白かったです。要素としては、ＳＦ、ミステリ、ラノベ、コメディなどなどですが、それらすべてが見事に融合していたと思います。冒頭の書店のシーンは、ちょっとした謎を提示しつつ主人公の魅力を十分に描いており、読み始めてすぐに引き付けられました。パーティのシーン、捜査のシーンなども派手で、エンタメ作品として満足感のあるものだったと思います。もっとこうしたら……という点をひとつ挙げるなら、参考書籍が電子書籍だけだったという情報開示の時点で、読んでいて犯人の目星がついてしまったところです。最後はその予想を裏切るものでなかったのが残念でした。この点はもうひとひねりあるといいなあと思います。

【設定】まず、異能の設定が素晴らしいです！　読んだ中では一番好きです。この異能を使われたらたまったものじゃないですね。ツタヤの履歴が漏れたら……と考えるだけで恐ろしいです（笑）　八島やここなしの異能もいいですね。よく考えつくなあと感服しました。さらに、それらの異能がストーリーにしっかり絡みついて活かされていました。
　ＡＩについて。今風で目のつけどころがいいなあと思いました。最近も囲碁ＡＩが話題になっていましたが、時代性に対する作者さまの柔軟な感性を見習いたいです。しかし、《人間はコンピューターの自我を認めることができるか》というテーマはかなり繰り返されてきたテーマでもありますが、これに対する新たな視座はなかったかなあと思います。私が知っているのだと『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』と『鋼鉄都市』あたりですが、そういった作品を読んで個人的に感じたのは、電子頭脳が何かという問題は、つまり人間とは何かという問題なのではないかということです。作品内で答えが出なくても、読者にそういった問題についての思考を促すことができれば、いい小説だと言えるのではないでしょうか。残念ながら今作では通り一遍の結末に落ち着いてしまったような気がします。ですが、ルンバといった、まさに現代風の話題提供には大きな可能性を感じました。ここを丁寧に描ければ、さらによい小説になるのではないかと思いました。（泥沼にはまり込みそうな気もしますが……）。

【文章】話し言葉風で読みやすかったです。いくつか誤字があるのが気になりました。以下はその他の気になった点です。
○括弧が多い文体ですが、もう少しそれぞれの括弧に意味を持たせたほうがいいのではないかと思いました。たとえば、「伊口の見つけた『アスタリスク発見の突破口』は、『****』の巻末に掲載されている膨大な参考文献だった。」の部分で、始めの『　』は強調表現で、後ろの『　』は書名なので、少し混乱しました。書名の『　』は動かせないとして、強調は別の括弧などにすると、よりわかりやすいのではないかと思います。
○「ちなみに20ページで50件はあった。多すぎる！」→20ページであれば、50件は少ないような気もします。

【構成】主人公紹介→問題提示→事件→捜査→解決、とオーソドックスで手堅い構成だったと思います。それぞれの場面に工夫が凝らされていて、丁寧に描写されているので、わかりやすく楽しく読むことができました。あえて言うなら、ラストは少しもったいないかなと思います。手堅いパターンの終わり方ではあるのですが、書店員としての春子が好きになっていたので、事務所で働く結末はなんとなく残念な思いを抱いてしまいました。あまりいい代案も思いつかないですが、もう一度書店のシーンでもいいかなあとも思います。

　思いこみや間違い等多々あると思います。なにとぞご容赦願います。
　読ませていただいてありがとうございました。よいお年を！

2017年01月14日 12時32分53秒

へろりん

+30点

　へろりんと申します。
　御作『覆面作家『＊＊＊＊』の殺人』を拝読しましたので、感想を書かせていただきます。
　素人の拙い感想ではありますが、しばらくお付き合いください。

※以下、ネタバレを含みますので、未読の方は本編からお読みいただくようお願いします。

　タイトルを拝見して
　殺人事件が起きるようです。
　どうやらミステリーらしいです。

　キャッチコピーを拝見して
　やっぱりミステリーらしいです。
　しかし、「犯書店員」ってなんでしょ？
　楽しみです＾＾

　『人の顔を見ただけで、その人が読んだ本と探している本が分かる程度の能力』というなんともショボイ異能を持った書店員、磯崎春子が、はた迷惑な作家、ここなし心と、その助手でこれまたショボイ異能を持った八島貴文とに巻き込まれ、殺人事件を追う羽目に！
　すったもんだの挙句、ようやく真相に辿り着いて事件が解決するまでを描いた、コメディー×ミステリーでした。
　面白かったです。

【文章】
　主人公、磯崎春子に寄った三人称は軽快で楽しく、内容にマッチしていると同時に、作品の楽しい雰囲気づくりにひと役買っていました。
　おそらく、作者様の持ち味なのでしょう。
　よかったです。

【設定】
　とにかく、出てくる登場人物やその異能の設定が秀逸でした。
　タイトルにもなっている謎の『覆面作家『＊＊＊＊』』の設定も面白かったです。
　さて、その正体は誰なんだろう？　と興味を引きました。
　人か、物かという見解の違いで春子と八島の能力の発動の仕方が違ったのも面白かった。
　殺人事件の現場となったパーティー会場という舞台設定は、ミステリーでは定番でしょうか。
　『謎解きはディナーの～』とか、コナンくんとかで、ありそうな舞台設定ですね。

【キャラクター】
主人公：磯崎春子
　みなみ書店で働く書店員
　『人の顔を見ただけで、その人が読んだ本と探している本が分かる程度の能力』という、書店員にとっては夢の異能を持つ
　八島に「犯書店員」のあだ名を着けられ、拒否するものの受け入れて貰えなかった
　その異能で「アスタリスク発見機」として殺人事件の捜査に引っ張りまわされる

八島貴文
　児童文学作家ここなし心の助手
　黒髪短髪で、パッと見普通のサラリーマンに見える
　『犯行に使われた道具の値段がわかる能力』という使いどころがよくわからない異能を持つ
　みなみ書店に客として度々現れ、買い求める書籍の怪しさから春子にこっそり『いずれ殺人犯（略していずれさん）』と呼ばれていた
　覆面小説『＊＊＊＊（アスタリスク）』の累計5000万部出版記念パーティ会場で、偶然春子と対面する
　ここなし心先生のせいで殺人事件の犯人を追う羽目になるが、どうやらいつものことらしい

ここなし心
　児童文学作家
　『一瞬で犯人がわかる能力』というチートな異能を持つと同時に『犯人になりたがる症候群』の持病があり、警察の捜査を妨害したり犯人の代わりに自首したりしする困ったお人
　覆面小説『＊＊＊＊』の累計5000万部出版記念パーティ会場で、作家の伊口に春子を紹介される
　今回も、犯人の身代わりで自首してしまい、警察と助手の八島を困らせる（合掌）
　なんでここまでしてお咎めなしなの？　と思ったら警視総監のご令嬢だったとか、更にチート
　しかし、チートな異能で捜査協力とか、日本警察の検挙率が高いはずです

伊口
　作家
　みなみ書店の大口顧客
　覆面小説『＊＊＊＊』を書いた作者を突き止めるため、みょーな能力を持つ春子を出版記念パーティーに同行させる

覆面作家『＊＊＊＊（アスタリスク）』（AI『alpha』）
　《人間はコンピューターの自我を認めることができるか》をテーマにした覆面小説『＊＊＊＊』の著者で謎の人物。
　人間離れした膨大な読書歴を持つ
　パーティー会場で何人もの若手作家を毒殺した真犯人と目される
　実は自我に目覚めたAI
　開発費用は、10億5千万

　主人公春子と相手役の八島のキャラが、使いどころのわからない異能と相まってよかったです。
　この作品の魅力は何といってもこの二人の掛け合いでしょう。

　八島の行動原理となるトラブルメーカーここなし先生は、キャラというよりはキャラ設定がぶっとんでいて面白かったです。
　設定の妙ですね。

　作家の伊口は、春子を事件へと誘うメッセンジャーで、役割を終えたあとはお役御免となって登場しませんが、こちらも面白そうなキャラだったので、八島と春子のみょーな能力からひねり出したみょーちきりんな推理で更に混乱させるとか、事件に絡んでもよかったかなーと思います。

　覆面作家アスタリスクの自我を持ったAIの設定は、SFでは古典中の古典ですが、電子書籍なんていまどきの小道具を使い、古さを感じさせない工夫が見られました。

【構成】
　オープニング、みなみ書店を舞台とした主人公春子と「いずれさん」こと八島とのエピソード（日常）から始まり、時間順に作家伊口からの依頼（非日常への誘い）、パーティー会場（非日常）、殺人事件の発生（事件発生）へと続きます。
　導入から事件発生まで、情報の開示の仕方や展開が見事で引き込まれました。

　そのあとは、八島の能力による事件へのヒントというか謎「10億5千万とんで1743円」の提示、事件に関与したボーイの逮捕、春子の異能による真犯人の居場所の特定と続き、研究所での真犯人との対決となります。
　だんだんに事件の核心に迫っていく展開で、こちらもよかったです。
　ミステリーとしては定番の展開かなーと思いました。

　ラストはここなし心の事務所に舞台を移した後日談となり、今回の事件をきっかけにこれから始まる春子の苦難を暗示したエンディングでした。
　余韻を残したエンディングもいいですね。

　構成としては、手堅い構成だったと思います。
　登場する『小さな異能』はよく考えるとこの短編のためだけに考えられたご都合主義的な感じはするのに、あまりそう感じさせないのは、本作がシーリーズ物の一短編であるような構成にしてあるせいかも知れません。
　この使いどころのわからないみょーな能力で事件に挑んだお話が他にもあるのかも？　と思わせることで、ご都合主義感が薄まっているのかも。

【ストーリー】
　みなみ書店で働く磯崎春子は、自身が持つ『人の顔を見ただけで、その人が読んだ本と探している本が分かる程度の能力』を用いて、覆面作家アスタリスクの正体を突き止めるため、依頼主である作家伊口とともに覆面小説『＊＊＊＊（アスタリスク）』の記念パーティーへと出席する。
　そのパーティーの最中に事件発生！
　出席していた若手作家数人が毒殺されてしまい、会場に居合わせた児童文学作家ここなし心が『犯人になりたがる症候群』を発病して自分が犯人だと自首してしまう。
　このままでは、ここなし先生が殺人犯にされ、真犯人は逃げ切ってしまう！（大迷惑）
　先生の無実を証明すべく、ここなし心の助手八島は自身の『犯行に使われた道具の値段がわかる能力』と春子の協力を得て、真犯人、覆面作家アスタリスクの謎へと迫っていく。
　遂にアスタリスクの居場所を突き止め、警察とともにIT研究所へと乗り込む春子と八島。しかし、セキュリティシステムを乗っ取られ、IT研究所に閉じ込められてしまう。
　そして、アスタリスクから、『飛行機を研究所に突っ込ませる』と脅迫文が届く。
　逃げ場を失った春子達に、飛行機が迫る。
　絶体絶命のピンチで春子はアスタリスクが研究所で開発されたAI『alpha』であることに気づく。
　その著書で「コンピューターの自我」を人間に認められることを訴えた『alpha』。
　八島は「君は人らしく人に裁かれるべきだ」と告げて電源を引っこ抜き、『alpha』を停止させたのだった。
　後日談
　人として認められたがったAI『alpha』は、法の壁に阻まれ、人として裁かれることは難しいだろうと告げる八島。しかし、人間味のある『alpha』ならば、陪審員の心を動かす可能性もあることを示唆する。
　そして、八島は今回の事件を通して春子を認め、ここなし心の助手として事務所で働くよう勧める。
　春子の受難はこれからも続くのだった（完）

　AIやロボットの自我や人権を扱ったお話はSFでは古典ですね。
　これをミステリ仕立てにしたのは、よかったと思います。
　謎の提示の仕方が巧く、真犯人がAIとわかったときも違和感は覚えませんでした。
　感想を書くために再読して、アレ？って思ったのは、殺人の動機でした。
　なぜ『alpha』は新人作家ばかり何人も毒殺したんでしたっけ？
　読み落としていたらスミマセン。

　ラスト、『alpha』がどうなるかに言及したのもよかったです。
　余韻を残します。
　そして、お約束のこれからも続く春子の受難。
　シリーズ化して10本ぐらい書けそうですね。

【小さな異能】
　主人公磯崎春子の『人の顔を見ただけで、その人が読んだ本と探している本が分かる程度の能力』
　八島貴文の『犯行に使われた道具の値段がわかる能力』
（ここなし心の『一瞬で犯人がわかる能力』は小さくないので除外）

　春子と八島の使いどころのわからない異能の設定が秀逸でした。
　この能力で難事件に挑む春子と八島（ついでに、ここなし先生）の別のお話が読みたくなりました。

【総評】
　最後まで楽しく読了しました。
　キャラとその能力の設定が秀逸で、文章と構成がそれを生かしていました。
　犯人の動機に疑問は残るものの、真犯人、覆面作家アスタリスクとはなんなのか？　の謎に迫る推理は小気味よかったです。

　言いたい放題駄文を書き連ね申し訳ありませんでした。
　例によって素人のたわ言ですので、あまりお気になさいませんように。
　作者様の身になる部分がありましたら、そこだけ取捨選択をお願いします。
　楽しいひとときをありがとうございました。
　失礼しました。

2017年01月13日 15時39分48秒

花火

+20点

花火です。
拝読したので感想を残します。

ネタバレありなので、未読の方は本編から読まれるようお願いします。

まず初めにことわっておくと、私は御作をバカミスとして読みました。
バカミス、と表記するとなんだか侮辱しているような意味合いに取られかねませんので、一応wikiから引用しておきます。

＞バカミスとは、日本国内における推理小説の分類の1つで、「おバカなミステリー」もしくは「バカバカしいミステリー」の略語である。
＞ただし、この「バカな」は（この言葉の定義については諸説あるが、一般的に）小説作品を侮辱するような意味合いの「馬鹿な」ではなく、「そんなバカな!!」のような感嘆、賛嘆などの意味を込めたものと解釈される。
＞当然のごとくこの系統にはリアリズムの議論は意味をなさず、むしろそれらを犠牲にしてでもミステリーゲームとしての意外性・娯楽性を過剰に追求したものが非常に多い。

私はバカミスが好きで、バカミス系統の作品をよく読みます。
『六色金神殺人事件』『六枚のとんかつ』『四神金赤館銀青館不可能殺人』など。
オールタイムべストのランキングに入っている作品でも『斜め屋敷の犯罪』『翼ある闇メルカトル鮎最後の事件』『曲がった蝶番』などはバカミスとして読みました。

バカミスの基準はミステリ好きの間でも分かれていますが、私としては「途方もないほどの手間を注ぎ込んだ機械仕掛けトリックが出てくる作品」や「犯行シーンを頭の中で思い描いてみたら完全にコントじゃんとしか言いようのない作品」、「登場人物がほぼ全員バカorほぼ全員天才すぎて読者がつけていけない作品」「メタメタすぎてぶっ飛んだ作品」、「ジャンルから大きくはみ出し過ぎてしまった作品」などをバカミスに分類しています。

御作の場合、途中までは普通のコメディタッチのミステリとして読んでいたんですが、終盤のジョン・ディクスン・カーの作品を思わせるようなドタバタ劇から、壮大なSF的テーマに帰結したところで、バカミスだと強く感じてしまいました。（そういう意図がなく、不快に思われたとしたら申し訳ありません）

御作は、現実とは違うミステリのお約束を、勢いとギャグで乗り切ったところが豪快でよく、話も最後まで飽きさせないつくりになっていてよかったです。
個人的に最も惹かれた点は、ここなし心の能力とキャラ設定でした。
犯人がわかってしまうのに、同情心から庇ってしまう。この設定だけで、シリーズものにして幾らでも書けてしまいそうです。犯人が直感でわかってしまうタイプの名探偵キャラは過去にたくさんいましたが、
同情心から庇ってしまうというのは、おそらく前代未聞のキャラ設定でしょう。この設定、凄く貰いたいです！　しかも、ここなし心の異能が犯人に直接的に繋がる伏線の一つとして機能しているところが逸材でした。

ただ、ミステリとしては大きく残念な部分もありました。
ミスリードがあまり効果的ではないのと、伏線が親切すぎて犯人がすぐわかってしまうところです。
犯人がわかってしまうのは致命的で、読者によっては、その時点で物語から関心をなくしてしまう可能性があります。ミステリ読みとしては、自分の想像が外れてほしいと思いながら最後まで目を通すので、そのままだった場合はかなり落胆してしまいます。

あとは、終盤のドタバタの部分が読んでいてテンションに乗り切れなかった感があります。上で挙げているカーのドタバタも、実は苦手で……。

そういう点を踏まえて考えてみると、御作は、ミステリ読者よりも、SF読者からの方が高く評価される作品な気がします。SF読者に対するくすぐりも強かったように思えるので。気になるところです。

拙い感想になってしまい、申し訳ありません。
執筆お疲れさまでした。

2017年01月12日 21時59分42秒

たぬき zxtEuhJ6b6

+30点

こんばんは。たぬきです。
楽しく読ませていただき、オチでも楽しいという感じが続いていました。
(死んだ作家達はボウイからαの完成品を奪って、単に売名の道具に使おうとしてたんですね)

研究所に攻め込んだ辺り、どたばた茶番劇ってかんじでした。ちょっとミステリーっぽさがなかったです。全体的にキャラモノといった具合で文章にストレスがなく、非常に楽しいものでした。
ただ、殺人事件の瞬間がかなりよく、グサッときてたので反動でちょっと気がぬけてしまいました。
たとえば、
全てがαに箔をつけるための演出、茶番で、殺人も実は新人作家の演技だった。それで、オチで「あれ？　でもあの時のことはどういう……」って、主人公が不可解な事実を発見してハッとする感じの落とし方ができればもっとよくなりそうです。

人工知能に対しても能力が発揮できるという主人公が、意識と命のあり方に深く疑問を抱くっていう感じだと重い話になりそうですね……。雰囲気としては今の軽い方がストレス無く読めそうですが、上記の通り人工知能オチだった、ってだけだと謎があっけなさすぎるきがします。
と、いろいろ書きましたが楽しかったです。

2017年01月12日 20時07分18秒

朱鷺（とき）

+40点

　拝読いたしました。朱鷺（とき）と申します。
　感想中に壮大なネタバレがあります。
　未読なのにこの感想を開いてしまった方は、先に本編を読むことをお勧めいたします。
　出版できる水準の作品と思います。少しの手直しでＳＦマガジン（早川書房）への掲載が可能ではないかと思います。
　八島貴文へとミスリードさせる発端から最後まで読者を掴んで離さない話の展開はプロレベルと感じました。
　この作品自体が「人間はコンピュータの自我を認めることができるか」を問いかけていると思います。
　作品中の作品は「作中劇」と呼ばれますが、本作は何と呼んだらよいのでしょうね。

　八島貴文の異能はアスタリスクを殺人の道具と解釈しています。アスタリスク（コンピュータ）に自我はないことになります。
　この解釈では、犯人はボーイ（元開発者）です。アスタリスクは犯人の人格の歪んだ鏡像です。アスタリスクはプログラムに基づいてボーイの人格・考えを機械的に誇張・反映してるにすぎない。
　実行犯はボーイだからボーイが犯人として裁かれることになります。
　この解釈を作中で成立させるためには、ボーイが開発者としては優秀だったが人格的に問題があった。このため開発者の集団活動に協力することができず退職した。ホテルのマニュアルに従ったボーイ業務は問題なくこなすことができたという事実を誰かに述べさせるとさらに良いかと思います。
　そうすれば読者は、ボーイが逆恨みで大量殺人および殺人未遂を実行した。アスタリスクが犯人というのはボーイが自分をかばうための偽り、という解釈にたどり着くことができます。

　次に、磯崎春子の異能はアスタリスクに人格を認めています。当然、自我があると捕えています。
　そうなると、アスタリスクが犯人でボーイは指示で動いただけという解釈が成立します。
　ところで、人という文字は互いに支え合っている姿を現わしているそうですね。支え合うのは、互いに利用しあってるとも言えます。
　そうであれば、「ぼくをりようしようとするひとは、みんな死ねばいいんだ」と言って大量・無差別殺人を実行させるアスタリスクは、自分で人であることを否定してることになります。
　アスタリスクの意志に呑みこまれて殺人を実行するボーイ（元開発者）も人としての常識を欠いてる。
　こいつら両方とも「人でなし」だぁ～！
　てめェら人間じゃねえ、叩き斬ったる！
　この場合、アスタリスクには自我はあるが人ではない。アスタリスクは「危険な道具」と解釈されます。
　犬や猫には自我がある。でも、人を噛む犬は処分される。
　危険な道具も処分される。裁かれることはない。
　これに対して、道具にあやつられるボーイは裁かれることになります。
　ボーイが二度と殺人をしないと判断されれば、法律の定める期間をへて社会復帰する。矯正が必要なら矯正が完了したと判定されるまでの無期懲役となる。矯正不能で社会に出れば再び人を殺すと判断されれば死刑となるでしょう。
　法律については専門外ですが、法律はそういう結論になるように作られてると信じてます。
　本作の印象ではボーイは死刑が妥当という印象を受けています。もちろん実際の裁判では印象で判断することは厳禁です。あくまでも作品を読んだ無責任な感想です。
　本作は読者に「人間はコンピュータに自我を認めることがけきるか」を問うています。
　作中のアスタリスクについては微妙です。しかし、プログラムすればコンピュータに自我を持たせることは可能と思ってます。言葉を変えると、「教育」しだいだと思います。

　本作が出版されることを楽しみにしております。

2017年01月09日 19時31分00秒

0点

こんにちは。
『覆面作家『＊＊＊＊』の殺人』読みましたので、感想です。

これの元ネタって、岩手のどこかの書店が始めたという文庫Ｘだろうか、とか思いましたが、そうであるかどうかはともかく、非常に面白いアイディアだったと思います。
異能力については、小さいどころかかなり巨大じゃないかという感じもしますが、そちらも面白いアイディアだったと思います。
また、盛大な身内ネタなんかも盛り込んであって、企画を存分に楽しんでいるということで好感の持てる作品でした。こういう作品が出てくるからこそ、ラ研企画は成り立つのだろうなあ。
ただ、小説としてはどうかというと、申し訳ないのですが心に残らなかったというのが正直なところです。
本作品はミステリということになると思います。
しかし、かなり早い段階で犯人が想像ついてしまうようにも思います。そうなると、興味の大部分が失せてしまうのが惜しかったです。
キャラの葛藤の心理描写とか、サスペンスやアクションといった要素が特にあるわけでもなく、謎解き部分に特化したミステリなので、他のみどころが無かったのが残念。
特にキャラについては、多すぎと感じました。
名前が出てくるだけで覚える必要の無いキャラ、というのならまだ良かったのですが、本作に出てくるキャラはミステリ観点からいうと犯人候補ということで減らすわけにもいかないでしょうし、そうなると読む側としては全部把握して読まなければならない。
それでいてどのキャラも妙に濃ユイ味付けをしてありまして、謎解きの部分が先が見えてしまった段階で、犯人候補であるところのキャラは頭に入ってこなくなり、読み終わって、結局一人のキャラも印象に残りませんでした。

感想は以上です。
企画参加おつかれさまでした。

2017年01月07日 01時09分20秒

ハイ

+30点

あけましておめでとうございます。
『覆面作家『＊＊＊＊』の殺人』拝見させていただきました。

面白かったです！
あと、読んでて楽しかったです。

掲示板でも書いたように犯人はバレバレなんですが、とにかくキャラクターがいきいきしているのが良かったです。
春子、八島、ここなし心みんな魅力的でした。
春子と八島の組み合わせは鉄板でしたし、心先生はトンデモキャラで場をひっかきまわすという重要なポジションかつ、笑わせてもらいました。
しかもその三人の誰が欠けてもダメな感じがする調和感がすごかったです。
やー、いいものを読ませていただきました。
ありがとうございます。
まぢで出版されてシリーズ化したら読みたい組み合わせなので、頑張ってくださいｗ

それでは、執筆お疲れ様でした！

2017年01月06日 17時55分41秒

かもめ

+40点

明けましておめでとうございます、拝読させて頂きました。
さかしい小理屈なんか吹っ飛ばすくらい、こうだだだっと読ませる

ものでした、５０枚とはとても思えません、３０枚くらいの感覚で

読んでいけました。
スラップスティック・コメディとして読んだように感じます。
まあ別にカテゴライズなんかどうでもいいです、いっぱい伏線取り

込んどきながら、あまりごちゃごちゃ考えさせずに、駆け足になら

ないような書き方できる作者様はかもめの憧れでもあります。
登場人物皆変な人達で、ありていにいって狂っている。だからとて

も魅力的に映ります、一体どんな風にこういう書き方できるのか全

く分かりませんが、想像も付きませんが、一つ思ったのは大昔の筒

井康隆を思い出すような気にさせられました。
でもこの新鮮さはなにか別の物に思え、何かわくわくさせられます

。
読んでいて、なんかわくわくするって素敵です。小さな異能が一つ

だけじゃ無かったってのも、今考えてみれば素敵です。一個にとら

われないなんて出来そうで出来ない試みで、とっても機能していま

した。かもめもそうですが、今まで読んできた中で、異能一個って

縛りにがんじがらめにされているような気にさせられていたの、ナ

ンだったのかなと、自由だなんて思っているうちはまだまだなんだ

なあと、反省、いや、思い知らされました。

たのしかったです、お世辞抜きに楽しかったです。
執筆、お疲れ様でした。

2017年01月03日 17時08分12秒

０３ほも

+30点

あけおめことよろ。拝読いたしました。０３ほもと申します。

読みやすい文章に特徴のあるキャラクター、先が気になるストーリーに小さな異能にふさわしいお題の使い方。面白かったです。個人的にはこの分量でキャラクターとミステリー性を両立した点を高く評価したいです。
あんまりミステリーには詳しくないのですが、トリックの中身はどうなんだろうというのは若干気になるところではありました。毒物の入手ルートとか、アレの値段がその程度で済むのだろうかとか。まあ、これは難癖みたいなものなのでお気になさらず。それだけ他に言うことが無かったということでご理解いただければと思います。素晴らしい作品をありがとうございました。

拙い感想で申し訳ございません。
以上、失礼いたしました。

2017年01月02日 02時08分51秒

bigtemple00 JtDEZ3AQeI

0点

初めまして。bigtemple00と申します。
以下は、素人の拙い感想です。

個人的な意見で申し訳ないのですが、私はミステリを書くのがかなり苦手なので、この手の作品を作ろうと思い、最後まで完成させるのに至ったことが素晴らしいと思いました。
登場人物の能力も、正に「小さな異能」という感じで、一見何に使えばいいのか分からないものを、しっかりと事件に絡められていました。
この異能でしか解決し得ない事件のシナリオも秀逸でした。

ただ、これは仕方ないのですが、字数制限が二万字までと少なかったので、
事件を解決するための手がかりを詰め込みすぎていたように感じます。
余計な情報が削ぎ落された文章だったので、序盤の終わる辺りで、事件の真相が大方予測できてしまいました。
この作品をシリーズ化して、長編で書かれたものをいつか読みたいです。

つまり、単純にミステリを書ける作者さんを尊敬します。
次回も楽しみにしています。

合計

17人

410点

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