その魔術師は【跡地化】されました

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その魔術師は【跡地化】されました
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その魔術師は【跡地化】されました
その魔術師は【跡地化】されました
その魔術師は【跡地化】されました

ありがとうございました。
へろりん

2016年12月29日 00時45分13秒 公開
■この作品の著作権は へろりん さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
◆キャッチコピー：肉体は命の器に過ぎない
◆作者コメント：
　冬企画開催おめでとうございます。
　このような機会を与えてくださった、主催者様、運営の皆様に感謝します。
　拙い作品ではありますが、読んでいただいた方に少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
　よろしくお願いします。

【注意！】この作品にはグロテスクな表現が含まれています。

2/26 公募のため、跡地化しました。

2017年01月21日 12時59分25秒
 作者レス
  • 　へろりんです。
    　拙作『その魔術師が不死な理由（わけ）』をお読みいただきありがとうございました。
    　全体レスとして、このお話がどうやって生まれたかだとか、皆さまにいただいたご指摘に対する回答だとか言い訳だとか、もろもろ書いてみようと思います。

    　そもそもこのお話は今回の冬企画のために書き下ろした作品ではありません。
    　その前の秋にあったとある企画に向けて書いたのですが、出来上がってみたらネタはしょぼいのになんでページ数をこんなにオーバーしてるんだよ！　とページを削る努力を放棄してしまうぐらい長くなってしまったので、お蔵入りとしたのでした。
    　作中で秋のシーンが出てくるのはそんなわけです。
    　あと、テーマの『小さな異能』がとってつけたように不自然なのも、本当にあとからとってつけたので当然なのでした。

    　ネタの発想は、作業中BGVとして流し見していた夏アニメ『アンジュ・ヴィエルジュ』からのインスピレーションでした。
    　結構そのとき見てたアニメがヒントになること多いのです。
    　このお話、４話あたりから『闇堕ち』した仲間との対決と和解のお話が延々と続くんですね。
    　で、この『闇堕ち』が書きたい！　ってのがスタートでした。
    　作中のカルマが『闇堕ち』した魔術師で、かつての親友だったリーベと対決し、最後には和解して友情を取り戻すというのがおおまかなイメージでした。
    　そうすると、闇堕ちする前の二人の仲が良かった頃を書かなければいけないわけで、ぼんやり考えていたときに、天真爛漫なリーベに振り回されるカルマが照れる絵が浮かんで、あれ？　これってBLっぽくね？　二人の友情物語だったはずなのに！　じゃぁ、リーベは女の子ってことでって割と安易にリーベは男の子から女の子にクラスチェンジしたのでした。
    　で、リーベの性別を伏せたミスリードを思いついたのですが、この仕掛けは驚きはあったものの、キャラへの思い入れを阻害する悪手でした。（合掌）

    　構成として、０章でかつて親友だったリーベとカルマの対決という舞台設定の紹介、１章で幼少期の二人の幸せな記憶、２章で闇堕ちし屍王となったカルマの残虐性の強調とそれに対するリーベの怒り、３章で二人の対決、４章で禁呪『不死の秘法』の秘密とカルマが闇堕ちした理由への肉迫、５章で二人の和解と破滅を置いたわけで、必然として１章は思いっきり甘々に、２章はヘドが出るほど陰惨に描く必要がありました。
    　そんなわけで、２章に豚の交尾というエログロシーンを描いたわけですが、これは、どれぐらいまで読者は許容できるんだろ？　という実験でもありました。
    　そうしたら、概ね不評で笑うしかありませんでしたーｗ（合掌２）
    　この豚の交尾が一番描きたかったシーンなのに！
    　物語の中で、絶対的悪として位置付けていたユベルの悪行が、このシーンより後だったのも悪手だったと思います。
    「こいつスゲー悪いヤツじゃん！　でも、豚にしちゃうのはやり過ぎじゃね？」←これぐらいが丁度よかったのかも。

    　舞台がなぜ地下迷宮なのか？
    　前に悪の魔法使いと対決する作品を描いたときの舞台が塔だったから。
    　塔じゃなかったら、やっぱダンジョンだよね！←安易
    　あ、誰も気にしてないですね。

    　屍王ってなんなの？
    　魔術師が魔術を使って不死になると言ったら、やっぱリッチですね。
    　RPGでお馴染みの超強力アンデッドです。
    　作中でリッチって単語を出そうか出すまいか悩んだ末出さなかったのですが、リッチって書いちゃった方がイメージしやすかったでしょうか？

    　命って結局なんなわけ？
    　作中でも『命』については明確な回答はありません。
    　生きとし生ける物が皆等しくひとつづつ持っている物。
    　その実体にカルマは少しだけ近づいています。
    　『不死の秘法』を使って自分の『命』をリーベに移し、自身は不死のアンデッドに、死んだはずのリーベはまるで生きているかのように動き、考え、泣いて笑って怒ります。
    　これは命無きオブジェクトと化したリーベの身体を『命』の『器』とした副作用であり、最初から命も意識も持っていない壺やら人形やらでは起きない現象です。
    　ですが、古い道具には意識が宿るとも言います。
    　『命』の『器』となった壺やら人形やらが年を経て意識を持ったとき、しゃべり出すかも知れません。
    　そう考えると、また別のお話ができそうですね。（あげないよー！）
    　横道に逸れましたが、自分は『命』とはある種のエネルギーなのではないかと考えています。

    　タイトルについて
    　『不死の秘法』自体の秘密と、カルマが『不死の秘法』を使うに至った動機のダブルミーニングだったのですが、誰にも触れられなかったので自分で暴露。
    　お、いいタイトルじゃん！（自暴自棄）

    　登場人物のネーミングについて
    　ドイツ語の単語でつけています。

    　　カルマ：業
    　　リーベ：愛
    　　ユベル：悪
    　　トート：死
    　　シックザール：運命

    　ユベルは「シュバイン：豚」にしようかすげー迷いました。あ、どっちでもいいですか。いいですね。

    　ラストは幼い頃に見たトンボとか飛ばして、ちょっといい話にするべーと割と読み手に阿ったのですが、それまでに読み手の心を掴み損ねっているので、あんまり効果はなかったようです。（合掌３）
    　だったらいつもどおり、エログロの後味の悪いオチでもよかったのに！　とか思っても、他に思いついていたわけではないので、これはこれでよかです。
    　悪いのはラストに至るまでの道程ですね。はい。

    　で、ギミックに凝って、いろいろとアイディアを詰め込んで、うっは傑作できたわ！　俺って天才！　って思って意気揚々と投稿したのですが、結果はこんな感じでした。（合掌４）
    　例えるなら、苦労してジュンチャン三色をテンパって、これでトップいただき！　って思ってたのに上がってみれば平和千点だったみたいな感じと言えば伝わるでしょうか。え伝わりませんか？　はい、一部の人にしか伝わりませんね。

    　そんなわけで思いつくままにいろいろと聞かれてないことまで書いたので、概ね皆さまからいただいた感想やら批評やら疑問やらの回答にはなっていると思います。
    　ですので、個別の作者レスは簡単に済まそうと思います。
    　え？　手抜きだって？　聞こえんなー

    　この作品は、皆さんからいただいた感想を参考にして改稿し、公募に送ろうと思っています。
    　自分は細かいことが気になる割に、作品を俯瞰して見る力が劣っており、物語の流れやらバランスやらが歪になってしまう傾向があります。
    （今企画で書いた項目別の感想のうち、「構成」の項がピント外れなのは苦手だからです。。。orz）
    　ですので、多くの人に読んでいただき、いただいた感想やら批評やらアドバイスは、自作を改善するには不可欠な要素だと思っています。（ちゃっかりさん）
    　そんなわけで、そのうち跡地化しようと思っていますが、ご容赦願います。

    　拙作をお読みいただき、ありがとうございました。

    E-Mail pass
2017年01月16日 20時49分06秒
  • 再びの訪問失礼します。うっかり点数をつけるの忘れていました。本当にすみません。もし点数をつけるなら２０点でした。このメッセに返答は不要です。

    E-Mail pass
2017年01月15日 22時34分30秒
 +10点
  • 作者の方へ

    茉莉花です。
    作品拝読しました。

    好きな空気感の作品でした。
    ＞見ると、リーベは丁度カルマがかじったのと同じところをかじっていた。
    ＞「僕、お腹空いてないから、リーベそれ全部食べなよ」
    こういう部分、本当に甘酸っぱい気持ちになったし、友を想いながらも……いや、想うがゆえに殺さなければならないというシチュエーションは大好きです。

    ただ……個人的な読解力不足なのですが、リーベが決勝戦で瀕死となった（もしくは死んだ？）という流れと、カルマの依代となったというのが少しごちゃっとしていたように感じられてしまいました。
    二転三転するおもしろさ、と捉えられれば良かったのですが、うむむ……こちらの容量が小さかったようで申し訳ないです。

    メリーバッドエンドなのかな……？
    非常に味のある終わり方で、相当技術のある作者なのではないかなと感じました。

    読ませていただき、ありがとうございます。
    まとまらない感想でごめんなさい。

    執筆お疲れ様でした。


    E-Mail pass
2017年01月15日 22時22分09秒
 +20点
  • こんばんは。
    「その魔術師が不死な理由（わけ）」を読ませていただきました。

    切なく、情緒にあふれた作品と感じました。
    剣と魔法のファンタジー。魔法やアイテムなど上手く使っていて雰囲気も抜群でした。
    現在と過去を行き来する時系列の書き方は、最初気になってしまいましたが、そういう構成でないと今回の作品は面白く書けなかったと思います。
    自分は基本的に時系列に沿ってお話を書くので、それで少し違和感が出てしまったのだと思います。

    リーベは女の子だったんですね。最初「なんかホモっぽいなぁ」と思ってしまいました。ごめんなさい。

    バトル描写も非常に上手だと感じました。シーンの山と谷を上手く表現されており、緊迫感あるバトルを楽しませていただきました。
    緊迫感がありながらも、昔の事を思い出しながら戦う様は、幼い二人がじゃれ合っているようにも見え、感慨深く読ませてもらいました。
    ただ、バトルシーンそのものは非常に良かったのですが、少し長めかな？　とも思ってしまいました。
    この物語でしたら短編ということもあり、そこまでバトルに尺を割かなくても良かったのではないかと思いました。
    そのぶん、もっと濃密にリーベとカルマの心の動きを描写しても良かったと思います。

    以上となります。
    読ませていただき、ありがとうございました。

    E-Mail pass
2017年01月15日 21時49分37秒
 +20点
  • 『その魔術師が不死な理由（わけ） 』
    拝見しました。

    私好みの作り込まれた作品でした。
    全体に伏線の糸を張り巡らせ、細やかに書き上げる。その苦労を知っている身としては、書き上げただけでも称賛に値します。
    いや、そもそも私より綺麗に書き上げてる感があるので、敗北って感じですがｗ



    ただ、苦労の割にこの手の作品は必ずしも高評価に繋がらないもので、なかなかに歯がゆい作品でもありました。


    なんというか、良く書けているんですが読後に来るものがもうひとつ足りないんですよね。
    二人共に良いキャラでありますし、ストーリーも巧み。
    けど何故か、いまいちグッと来ない。
    文章の問題か、構成的な問題か？
    そう考えたときに引っ掛かってきたのは、主人公が実は女性だったという部分。これのせいかなと。
    いえ、このネタそのものがダメってことじゃないです。おそらくは、このネタがあることで、最後のネタバラしが『不死の秘密』や『その経緯』『性別発覚』『恋心発覚』『そりゃあいつブタにされるわ』などの情報が混ざって、驚きが分散するか、どれに驚けば良いかわからなくなってしまったのではないかと。
    その様に分析します。
    なのでこれら読者の理解負担を減らし、驚きを集中させるためにどれかの要素を削ったほうが良かったかもしれないですね。


    あとは……劇的に見せるために、彼女は叫びつつ自分の胸を刺し貫きますが、あの台詞だと若干宿敵に向けての言葉のようで、彼女の心情に合わない印象でした。
    私が考えるに、
    『かつて夢を語り合い、心で繋がった親友が変わり果て。心苦しくもその暴虐を止めにきた』
    ものと思うわけですが、その割になんだか行動の一個一個に迷いが無く、殺す気マンマンに見えてしまい、あれ？　と感じる部分が。
    いえ、術のせいで死なないとどうしようもないのはわかってますが『ここにある！』は台詞として違う気がしました。
    カッコいい台詞だとは思いますが、その行動が産む結果を考えるとちぐはぐな印象が拭えませんでした。
    さらにそのあとは、仲良く死を迎えるシーンですし。ちょっとその心情が急激に変わりすぎて追いきれなかった感じがあります。
    なのであのあたりは、もうちょっと迷わせても良かったのではないかと、そう私は思いました。



    まあ、色々と言わせていただきましたがなかなか考えられた良い作品でした。

    そんなわけで。
    執筆お疲れさまでした！

    E-Mail pass
2017年01月15日 21時00分37秒
  • こんばんは。「その魔術師が不死な理由（わけ）」を読了しましたので感想を置いておきます。
    １回目の読了を終えた時、「これほど本格的なファンタジーをラ研でお目見えするとは思わなかった」と思うほど、大変楽しめました。特に３章での戦闘は昨今のＲＰＧぽくないのが個人的に好きです。
    時系列の使い方がお上手ですね。下手な作品だと読むのに混乱してしまうのですが、それが本作ではまったくなかった。時系列の使い方をよくご存じの方なのだと感心いたしました。

    しかし２度３度読んでいくうちに違和感を覚えるようになりました。
    ２章は冒頭ではカルマ視点から始まっていますが、文章の視点が途中でふらふらしちゃっています。リーベ視点になり、カルマ視点に戻る。カルマの心理からリーベ心理にいったり。人称視点がごちゃまぜになってしまった気がします。おそらく二人主人公の弊害でしょうが、どちらの心理も描きたいという欲張りな意図がそのような混乱を招いたものと思われます。

    ５章の、腹を切ったリーベをカルマが魔法で治療しようとするシーン。カルマは白魔法つかえるんですか？　カルマはアンデットなのでしょう？　カルマはどっちかといえば黒魔法の側なはずで、なぜ白魔法の治療魔法を使えるのでしょうか？　その辺は一般的なＲＰＧとは異なるのでしょうか。作者様からすればどうでもいいことかもしれませんが、自分としては納得のいかないところではあります。

    実を言うと、個人的にはバッドエンドが好きではないです。しかしロミオとジュリエット的な悲劇を素直に受け入れてしまったのは、おそらく作者様のストーリーテリングのうまさがあったからだと思っています。

    E-Mail pass
2017年01月15日 11時42分02秒
 +20点
  • ども、偏った読書歴と歪な感性を合わせもった駄目人間Ｈｉｒｏです。
    拝読させていただきましたので、拙いながらも感想らしきものを残させてもらおうと思います。

    面白かったです。
    物語の概要は想定通りだったものの、各所に施されたギミックが良く最後まで飽きずに読み切る事ができました。
    ただ、読了後に物語を俯瞰してみると、もう少し意外性のある結末へと導けたのではないかと個人的には思えました。
    まぁ、このへんは作者様の性癖以外にも、投稿場所の流行みたいなのもあるので一概に「こうするのが正解！」とはいえませんが。


    ＞その他、適当に…

    ・構成について
    　『思い出』という形で、リーベとカルマの情報を開示していますが、メインの時間軸がいつまでも動かないのはいささかまどろっこしく感じました。
    　戦闘に移って「ようやく物語の主軸が動きだした…」と思っても、また過去話が割って入りますし。
    　そういう手法自体はアリだと思うのですが、御作の場合は「過去話の比率が高いな」という印象を受けました。
    　まぁ、このくらい情報を追加しないと、登場人物の味わいに深みがつかないので、仕方ないとは思うのですが……。

    ・リーベの性別について
    　序盤はリーベとカルマの性別が明記されてないなぁ～とぼんやり気にしてはいたのですが……何故、家督が弟に継がされたのかという謎への良い解答となっていて良かったかなと思います。
    　また、決勝戦でのユミルの暴走も相手が女であったが故と思うとより説得力が出てきます。
    　ただ、個人的にはあえて男同士で攻めてもよかったのでは……という思いもありました。
    　そうすると、設定に矛盾が発生してしまいますが、ユミルをメス豚に融合できるのだからリーベだって……なんて想像してしまいます（げへげへ

    ・ミスリルの粉
    　こういうオリジナリティある魔法アイテムの使用法は好きです。

    ・ラストシーンについて
    　ラ研好みに納めたのかな～という感じがしました。
    　ユミルをメス豚と悪魔合体させ、陵辱するところまで書いてしまう作者様としては、もっとダークなオチをつけたかったのではないでしょうか？
    　逆に、そうでないならばもっと性的なものを排除した拷問にしたほうが良かったんじゃないかと思います。
    　あと、個人的にカルマがリーベに殺意を向けない理由は『相手を無力化してから捕縛し、屍王として歪んでしまった愛情を注ぎ込みたかった』くらいの方が好みです。
    　駄目でしょうか？
    　駄目ですね（微涙

    ・お題に関して
    　いささか苦しいようにも思いましたが、まぁセーフなんじゃないかなぁと。
    　ただやっぱりこの異能は『たったひとりにしか使えない～』と解釈するより『たったひとりの為の～』と解釈する方が物語的にしっくりくるような。
    時間に束縛された社会人としては『たったひとりの為の～』というのは、かなり大それた能力・願いのようにも思い得ますが（苦笑


    こんなところでしょうか。
    この感想らしきものは偏った生き物のほんのり歪んだ感性を軸に書かれております。
    内容の取捨選択には細心の注意をもって行ってください。
    では、失礼します。

    E-Mail pass
2017年01月13日 03時00分21秒
 +30点
  • 花火です。
    拝読したので感想を残します。

    面白かったです。
    情報の整理がとても上手かったと思います。開示するタイミングによっては、読み手に与える印象は変わってくるものですが、御作の場合、完璧だったのではないでしょうか。
    特に終盤まで引っ張られた不死の秘密には、驚かされたと同時に、すとんと胸に落ちてきました。伏線が効果的でした。

    個人的には、ユベルの扱いも有りだと思います。ユベルに対しての非道なおこないを目にしたことによって、リーベが最終的に下した決断に説得力がうまれますし、カルマの非道さも読者に伝えることができますから。
    ただ、性的な要素が含んでしまっているので、受け付けられない人は多いと思います。嫌悪感をもたれてしまうのはもったいないので、ユベルの処理は違った形にした方がよかったとも思いました。

    叙述トリックに関して。
    性別誤認トリックはありがちといえばありがちですが、物語のテーマ性を明確にし、面白さを引き上げるための「手段としての叙述トリック」だったので、今さらこのネタか、というガッカリ感はなかったです。
    ただし、あまり効果的に機能していなかったというのが正直な感想です。
    叙述トリックが明かされたと同時に、普遍的な男女間のテーマが見えてしまい、驚きや感動よりも、やや陳腐だと感じてしまいました。むしろ最初から女であることを明かして話を作った方がよかったのでは、と思います。

    不満点も書いてしまいましたが、総じて素晴らしい出来で、普段ファンタジーを読まない私でも、どっぷり世界観に浸かることができました。読ませていただきありがとうございます。勉強になりました。

    拙い感想になりましたが、以上です。
    執筆お疲れさまでした。

    E-Mail pass
2017年01月12日 21時26分47秒
 +20点
  • 　執筆おつかれさまです、燕小太郎と申します。
    　拝読しましたので、感想を残したいと思います。

    ＜一通り読んでの第一印象＞
    　最後まで読んで、面白かったと思いました。
    　ただ、同時にどうにももったいなーという印象も同じくらい持ちました。

    ＜良かったところ＞
    　ポイントポイントで見ると、面白いんですよね。
    　リーベとカルマの二人の話は好きです。互いがちゃんと互いを思いやって、最後には再び心を通わせ、一緒に息を引き取る。悲恋な気もしますが、まあお互い納得している感じなので良いのかな、と。
    　また、男女のミスリードには思わず『そっちかよ！』と突っ込んでしまいました。完全にカルマの方だと思っていたので。まあ弟が家督を継ぐ伏線もありましたし、そういう理由であれば素直に納得もできますが。

    ＜気になった点＞
    　ただ全体として見たとき、個々の面白さを掛け算できていないように感じられました。
    　個人的にバトルをあまり期待していないという自分の読み方もあるのかもしれませんが、戦闘シーンはもっと短くしてドラマの部分を掘り下げてほしかったというのが一つあります。短編という短い制限の中で、果たしてあの戦いが必要だったのかどうか。もっと短くまとめても良かったのではないかと。
    　読者は今作の世界観における戦いを知りません。そのため、聖水や塩で敵の裏をかくことができても、「おお！」と思えない。そのため、よほどキャラクターに感情移入していないと、面白いと感じられないのではないかと考えます。

    　もう一点、ユベルは必要だったのでしょうか。
    　もちろんリーベが命を落としかけた事件のきっかけとしては必要だったと思います。ただ、その後ブタになる必要があったのか。注釈にグロテスクと入れるリスクと比べて、あまり効果が出ていないように思います。
    　屍王の残虐非道な行いを描きたかったのかなとは思いますが、そこは骸骨だらけの部屋を見せて想像に任せるとか、それでも非道な行いを耐えてリーベを待った健気さを描くとか、色々とやり方はあったのではないかと考えます。
    　また、事件のあらましが説明文になってしまったのはもったいなかったかと。是非ここは回想としてエピソードを作って描いてほしかったです。当時のカルマやリーベの近況や関係、ユベルとリーベとの関係、そして優勝が決まった瞬間の喜びから、振り下ろされた剣による暗転。謎の残る不思議な復活と、描けば面白くなりそうなエピソードだと思うんですよね。

    ＜総評＞
    　剣術大会がダイジェストになった段階でちょっと期待値下げたんですが、終わり際では面白く感じられ、不思議な感覚を味わいました。
    　
    　拙い感想ですが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。
    　

    E-Mail pass
2017年01月08日 19時26分07秒
 +20点
  • こんばんは、拝読させていただいたので感想を残したいと思います。

    命とはなんたるかを考える作品は大好きです。
    カルマの持論は納得できますしユベルの陵辱シーンを生かした説明も、カルマの命を大切に思う心からユベルを殺せなかった優しさを感じ取れます。
    しかし、ユベルの陵辱シーンの台詞はギャグかと思うくらい笑わせにきてると思いました。
    実際、自分は爆笑しました。
    変に声があると笑ってしまうので、個人的には台詞なしのほうが良かったです。

    リーベという名前で騎士ということで最初から女騎士だと思っていたので、自分には叙述トリックを生かした作品には思えませんでした。
    この作品は叙述トリックではなく、カルマとリーベの友情物語だと思いますので、変に叙述トリックを入れずに、最初から女騎士だと明かしたほうが良かったと思います。

    》》ひょっとしたらそのときのことが、カルマに魔術師になることを決意させたのかも知れない。
    　　ひょっとしたらカルマは、自分のために魔術師になることを決めたのかも知れない。
    　　ひょっとしたら。
    　　↑
    とありました。しかし、次は、
    》》あのとき、自分が水遊びに行こうと言わなければ、弟が命を落とすことはなかったのに。
    　　あのとき、自分が目を離さなければ、弟が溺れることはなかったのに。
    　　あのとき――
    下と同じような表現で上もダッシュや三点リーダーを使ったほうが、まとまるのでは？　と思いました。

    テーマの小さな異能に関しては、命を救う不死の魔術が果たして小さな異能なのかという疑問があります。
    禁術が小さな異能なら普通の魔術はゴミクズレベルなのかと。
    これは個人的に思ったことですし、『小さな異能』の一言が文面に出ていなければ忘れてたぐらい面白かったですので、点数には影響してません。

    読み違いや勘違いがあったらすみません。
    では、失礼します。

    E-Mail pass
2017年01月03日 23時26分41秒
 +10点
  • こんにちわ、筋肉バッカと申します。
    読ませていただきましたので感想を。

    切ないお話でした。ユベルへの仕打ちが当然であるとまでは思えませんでしたが、そこまでした理由がきちんと書かれていたのは良かったです。

    技術的なことなので自信がないのですが、三人称視点のブレ？が気になりました。カルマ目線で進んでいたところから、前触れなくリーべ目線になっていたりする部分があったりしたように思います。
    もう一点気になったのは、命の器は命を持っていないもの、ということで、そうだとすれば、器となっているリーベの命は、作中でも語られているように、すでにないということになると思います。リーベの人格が残されているのはどういうことなのかな、と気になりました。命がなくなるとそういった諸々も一緒になくなるのが自然かなと思いました。読み落としあったらすいません。

    以上、個人的な感想になります。
    失礼します。

    E-Mail pass
2017年01月03日 13時15分29秒
 +20点
  • あけましておめでとうございます。

    これも、いい物語でした～

    もう、このレベルになってくると言うことがありませんね。
    冒頭の古き良きファンタジーテイストな始まりもいいですね。

    各キャラに過去の深みもあり、物語性を引き立てておられたと思いました。

    しいて言えば、どなたかが、どこかでおっしゃっておられたように思うのですが、シリアスものの弱点、いいシリアスゆえに小さな粗が目立つという現象があったように思いました。

    ただ、致命的なものはなく、私の読解不足や嗜好の差異のような気もしますので、なんでしたら以下はスルーしていただければ幸いです。

    以下ネタバレになるのですが、

    ＞「剣を捨て、騎士を止め、郷に帰ってひとりの女の子として生きるんだ」
    ・これが、カルマの本当の願いだと思うのですが、リーベと出会ってしまうと今回のような結末になるので、そもそも出会わない(リーベが来たら、転移魔法で逃げるとか)。というような選択をカルマはすればいいのでは・・・・と・・・・・。すみませんすみません、そんなことをすれば、そもそも物語が発生しませんよね。すみません。

    いろいろ考えたのですが、どうしても疑問なのですが、
    ＞「不死に成るためには、身体から『命』を抜き取って『器』に入れる必要があるんだってな。宝玉だったり、壺だったり、人形だったり。ある一定の条件に合った命無き物が『器』として必要なんだって、シックザール先生は教えてくれたよ」
    ・ということで、今現在カルマの命はリーベの中にあるのに、カルマは普通に屍王として、存在している・・・・？

    は！？
    今、分かりました！
    私の中では、命＝魂＝心＝感情という解釈なのですが、作中の命というのは、ゲームでいうところのヒットポイント的なものなんですね！

    リーベのヒットポイントがゼロになっちゃったんで、カルマのヒットポイントを逆エナジードレインで全部あげちゃったんですね。

    なるほど！

    細かいところを、ぐちぐちとすみません。
    適当に流してください。

    御作を拝見できてよかったです。
    ありがとうございました。


    E-Mail pass
2017年01月02日 19時24分12秒
 +20点
  • こんにちは、アラサーティーと申します。
    読了しましたので、感想を残しますね。

    情感たっぷりに描かれたカルマとリーベの幼少期や、ダンジョンでの二人の知恵比べなど読み応えがあってよかったです。
    互いを思っての行動であるはずなのに、悲劇を招いてしまう切なさが溢れていましたね。
    文章量は多いのですが、そうとは感じさせないのは、構成・文章力共に優れておられるからかなと思います。

    一つだけひっかかったのは、「命の器の条件の一つとして、魔術師と同年月日同時に作られたもの」という設定が語られるのが少し唐突だったかなと。
    そんな伏線あったっけ？と思ってしまいました。
    二人が同じ日同じ時に生まれたということの特別さ、というのを事前にもう少し仄めかしても良かったかなぁと感じました。

    ともあれ執筆お疲れさまでした！

    E-Mail pass
2017年01月02日 11時40分52秒
 +20点
  • ※この感想にはネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

    あけおめことよろ。拝読いたしました。０３ほもと申します。

    ファンタジーを書きなれている作者様でしょうか。非常に読みやすく、かつ雰囲気も世界観にマッチしていたと思います。ストーリーも二転三転し、最後まで興味を引かれる作品でした。面白かったです。
    ただ、シリアスな作品はちょっとした粗でも目についてしまいます。御作で言えば二点。リーベは他に解決策を考えなかったのかという点と、実は女性だったという要素がストーリーに活かされているとは思えない点です。
    まず前者から。読者としては（少なくとも自分は）カルマをどうやって倒すのか、または救うのかという点ではなく、親友を手にかけなければならないという葛藤――言うなればドラマを求めています。自分の読解力不足かもしれませんが、カルマを討つという発想自体が安直でリーベが悩んでいるようには思えませんでした。
    もう一点ですが、これは完全に個人的な意見ではありますが、リーベが女性だと判明した時点で「ああ、しょせん物語なんだな」と距離を置いてしまい冷めてしまいました。というのも、屍王となった親友を討つ話と思って読んでいたのに、いきなり男女の話にすり替わった気がしてしまったのです。意外性を生み出すための要素としては活きていますが、はたして作品にマッチしていたのだろうかと考えてしまいます。前述の要素二つは互いに関係していると思います。一つを直せば双方の問題が解決されるのではないでしょうか。
    と、苦言を呈してしまいましたが総じてよく出来ていた作品だと思います。作者様が高い力量をお持ちだからこそ難癖をつけてしまったということでご容赦願います。作者様の今後のご活躍に期待しております。


    拙い感想で申し訳ございません。
    以上、失礼いたしました。

    E-Mail pass
2017年01月02日 11時05分50秒
 +10点
  • おはようございます、たぬきです。
    題材が割と好みでした。不老不死はいいですよね。

    男同士のラブだろうか、と疑ってみたけど実は女騎士でした。
    ユベルを豚に移植した部分がちょっとだけ余計だったような気もします。なぜ魔物の本拠地で豚を飼っているのだろうなんて思ってしまいました。豚ではなくもっとファンタジーちっくな物(スライムとかの単純な生命)に移植されていたら雰囲気も良かったかと。もしくは調度品などになって半永久的に生き続けるとか。
    人を死なせないと言っていたカルマから不死に関してのこだわりあまり感じられず、ラストまで見てもやはりカルマとリーベのいちゃいちゃがメインのようでした。不死に関してはもう少し見せてもいいのかなと感じました。
    大会で負傷したリーベをこっそり治したっていうエピソードはとても良いと思います。屍王の中にもちゃんと人情があるというところをもっと広げても面白そうですね。

    E-Mail pass
2017年01月02日 04時53分37秒
 +20点
  • 拝読させて頂きました、感想落とします。
    上から目線で書き散らかしますが、てきとうに判断してください。

    面白かったです、二転三転する展開、時系列の上手い入れ違いとか。
    まあやりたいこととか、叙述とか使っていましたし、分かりやすい構造でした。
    登場人物のうちのユベル、果たして物語に必要だったかなーと思います。描き方すごく男性的な書き方で、交尾イコール快感なのはわかりやすすぎる位男の考え方みたいな。女性だったら殺さず別の解決方法を模索すると思います、例えば避妊手術を施すとか。
    不死となったものが命をもてあそぶという道理ならば、カルマはリーベを帰さないんじゃないかなとかちょっと考えがよぎってしまいます。死がなくなった以上生に執着する意味が失われますから、思い人に対し愛情も必要としなくなるんじゃないのかな～とか。
    あとリーベが死ぬとき（老衰とか）カルマがどうなってしまうのとかの設定がありませんでしたが、そこのところどうだったのでしょう？
    不死を語るうえで、どうしても避けて通れない設定だと。
    執筆お疲れさまでした。

    E-Mail pass
2017年01月01日 01時29分00秒
 0点
  • 初めまして。bigtemple00と申します。
    以下は、素人の拙い感想です。

    人命や尊厳などの重苦しい話題を、ロミオとジュリエット的な王道展開と、ファンタジックな世界観で中和して、バランスの良い構成で素敵でした。
    ユベルに酷い仕打ちをするのをリーベに見せつけて、人と豚の命の重さの等しいことを説くカルマの行動は、リーベを守ろうとすることの照れ隠し（？）だと考えると、読後にほっこりしました。
    ただ、リーベが女だからカルマは本気を出せないということに説得力を増したいがために、リーベと弟の細かい過去についての描写に、力を殊に入れる必要があるかは疑問に思いました。
    結局、カルマの魂をリーベに宿しているから、というのが理由だったので。
    私の読解力が足りないだけで、物語を勘違いしていたらすみません。

    つまり、何気なく読ませて、最終的に読者が人としての尊厳などについて重く考えてしまう、世界観づくりが上手いと思いました。
    次回も楽しみにしています。

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